• 投稿日2021.05.31

太陽光発電のメンテナンスは義務?費用や業者選びのポイントを解説

太陽光発電を導入している場合、気になるのが日々のメンテナンス。とくに太陽光パネルはつねに紫外線や雨、風などの影響を受け、劣化する可能性が高い部位です。

この記事では太陽光発電のメンテナンスについて内容や費用、メンテナンス業者を選ぶポイントなどの情報をまとめました。メンテナンスの基本を知って、その必要性をしっかり理解しましょう。

義務化された太陽光発電のメンテナンス

太陽光発電のメンテナンスは、改正FIT制度により義務化されています。FIT制度とは「固定価格買取制度」のことで、再生可能エネルギーで得た電気を電力会社が買い取るための条件や決まり事をまとめた制度です。

この制度は平成29年4月1日より新しくなり、太陽光発電において「保守点検・維持管理の実施」という項目が追加されました。メンテナンスの目的は、「再生可能エネルギーを安定的に、そして効率よく運営するため」です。

改正版によれば、産業用だけでなく住宅用の太陽光発電も発電量に問わず、メンテナンスの必要があると記載されています。

メンテナンスしない場合の罰則は?

改正FIT制度において、太陽光発電の「保守点検・維持管理の実施」は厳守事項に位置付けられています。メンテナンスを怠った場合は厳守事項に違反したとみなされ、再エネ特措法に基づいた措置が適用される可能性が高いです。

資源エネルギー庁が出している、太陽光発電の「事業計画策定ガイドライン」によれば、「指導・助言」「改善命令」「認定の取消し」のいずれかが適用されると記載があります。

太陽光発電のメンテナンス内容

定期的なメンテナンスは、設備の経年劣化や自然災害によるトラブルにいち早く気づくきっかけにもなります。太陽光発電の異変に気づかないまま運用していると、故障だけでなく火災をはじめとした事故につながる可能性があるからです。

では実際に、どのようなメンテナンスを行う必要があるのでしょうか? ここではメンテナンスの点検箇所や、点検方法について解説していきます。

主な点検箇所について

まずは、点検箇所をご紹介します。資源エネルギー庁の「事業計画策定ガイドライン」によると、保守点検は民間団体が作成したガイドラインを確認するよう記載がありましたので、一般社団法人日本電機工業会と一般社団法人太陽光発電協会が作成した「太陽光発電システム保守点検ガイドライン2版」を参考にしました。

以下が主な点検箇所と点検内容です。

太陽光発電の点検箇所一例
点検箇所 点検内容の一例
太陽電池モジュール(太陽光パネル) 表面や裏面に汚れや錆がないか
端子箱やフレームの破損や変形が起きていないか
太陽電池アレイの架台 架台に変形やキズが生じていないか
しっかり固定されているか
基礎部分にひずみやヒビなどが起きていないか
接続箱 外箱に腐食や破損が生じていないか
配線や電線管にキズや破損がないか
電圧に異常がないか
パワーコンディショナー 総発電量のチェック
本体に異常がないか
操作性に問題がないか
その他 屋根葺材や屋根裏のチェック
樹木や電柱など周辺の状況確認

点検方法は目視および計測

先ほどメンテナンスの一例をご紹介した通り、点検は主に目視と計測で行われます。

目視では錆や破損、ネジの緩みがないかなどをチェック。周辺の状況も確認し、太陽光発電が問題なく運営できるかを調べます。

さらに計測器では、操作性や異常の有無を数値を見ながら確認。既定の数値よりかけ離れている場合は、機器の発熱や電気の漏れなどが疑われます。

メンテナンス時期の目安や頻度

太陽光発電のメンテナンスは計画を立てて体制を構築し、メンテナンス実施後は記録を保管するまでが一連の流れです。点検項目が多く、体制の管理も必要なのでかなり大変な印象ですが、メンテナンスの実施頻度に決まりはあるのでしょうか?

次にどのようなときにメンテナンスが必要か、1年で何度実施すればよいのかなどの情報をまとめていきます。

4年に一度の定期点検

「太陽光発電システム保守点検ガイドライン2版」によれば、点検の目安はまず設置1年目、そして設置5年目に1回ずつとなっております。以降は4年に1回のメンテナンスを目安としています。設置1年目の点検は初期不良のチェックで、以降は機器の劣化や補修などが目的です。

ただし、この頻度はあくまで最低限の目安となるため、状況に応じて適宜対応が必要でしょう。例えば、立地や災害時に合わせた点検です。次に詳しく解説していきます。

立地に合わせた点検

太陽光発電は外に設置されている機器もあり、自然の影響を大きく受けてしまう設備です。立地によっては定められた点検頻度よりも、多めにメンテナンスを実施したほうがよい場合もあります。

例えば海沿いの地域は塩害の影響を受けやすいですし、積雪の多いエリアもトラブルに見舞われやすいです。そのほか雷や台風など、自然災害の多い地域はメンテナンスのタイミングを多めに設定しましょう。

災害時のスポット点検

太陽光発電のメンテナンスは、業者に依頼するだけでなく自身での目視チェックも有効です。

特に豪雨や強風などの悪天候、落雷や台風などの自然災害が起きたときは、その都度自主点検で異常がないか調べましょう。強風によりパネルが破損したり、飛来物が当たったことでネジが緩んだりなどのトラブルが起きる可能性があります。

メンテナンスを怠るリスクとは?

立地や災害時においてはメンテナンスを増やす必要があり、面倒に感じる方も多いかもしれません。しかし、太陽光発電のシステムは目に見えない部分が故障する場合もあり、なかなか気づきにくいというデメリットがあります。

メンテナンスを放置するとどのようなリスクがあるのか、以下にまとめました。

発電量が低下

太陽光発電では、太陽電池モジュールと呼ばれるパネルから吸収された光エネルギーを電気に変えています。しかし、屋根の上に設置されている分、太陽光パネルは風や雨に当たったり、鳥の糞が落ちてしまったりなどの影響を受けやすい場所です。

もしメンテナンスを怠り、太陽光パネルが汚れていたり、保護ガラスにキズがついていたりしたらどうでしょうか? 不具合がある状態では光が通りにくくなり、発電効率が落ちてしまいます。自ずと売電収入も下がってしまうでしょう。

故障や破損などの危険性

メンテナンスを行わないと、システムの故障や機器の破損が起きてしまうリスクが高まります。

例えば太陽電池パネルの汚れを放置した場合、陰になった部分に太陽光が集まり破損につながるケースが多いです。ホットスポット現象と呼ばれる状態で、最悪の場合は火災が発生してしまいます。

故障の多いパワーコンディショナーもフィルターにゴミやホコリが溜まることで、トラブルになるケースもあるので注意したいところです。

火災や落下などの事故発生

太陽光発電の設備不良で、いくつもの事故が報告されています。火災の発生件数がとくに多く、原因は配線の絶縁や太陽電池パネルの破損などによるものです。周りへの被害ももちろんですが、重大な事故が起こればシステムの復旧にも時間と費用がかかります。

しかし、定期的なメンテナンスを行っていれば、ある程度の設備不良は防げるでしょう。安全に利用するためにも点検が欠かせないものです。

トータルコストが高くなる恐れ

費用を抑えようとメンテナンスを怠った場合、結果的にトータルコストが高まる危険性もあります。

前述した通り、メンテナンスで気づけたはずの設備不良をそのままにしておけば、いずれ機器の損傷や故障が起こることも。修理費はもちろん、最悪の場合は機器を新調しなければならなくなり、かえって費用がかさむ可能性が考えられます。

さらに故障している間は太陽光発電を稼働できず、その間は売電収入や電力が得られません。

メンテナンス費用の相場

メンテナンスの重要性はわかりましたが、実際の費用はどの程度かかるのでしょうか? 次に、経済産業省が作成した「令和3年度以降の調達価格等に関する意見」をもとに、メンテナンス費用の相場をまとめました。

この運転維持費に関する項目は、一般社団法人太陽光発電協会へのヒアリング調査によりコストデータが収集されています。つまり実際に利用している方々の情報をまとめたものなので、信頼できる数字と考えてよいでしょう。

定期点検1回あたりの費用

「令和3年度以降の調達価格等に関する意見」によると、定期点検費用の1回あたりの相場は約2.8万円程度でした。昨年の調査では2.9万円だったので、若干減少傾向にあるようです。

ただし、この調査は5kWの設備を想定したものになっているので、設備が5kW以上の場合はさらに費用がかかると考えたほうがよいでしょう。一般的には太陽光パネルの枚数や、設置状況によって点検費用は変動します。

パワーコンディショナーの交換費用

太陽光発電システムのなかでも、故障の頻度が多いとされるのはパワーコンディショナーです。同調査ではパワーコンディショナーの交換頻度は、おおよそ20年間で一度が平均とされています。

パワーコンディショナー交換費用の相場は20.9万円程度。太陽光発電システムの維持費として、定期点検費用とは別にプラス20万円の費用を想定しておいたほうがよいでしょう。

メンテナンス業者を選ぶポイント

太陽光発電のメンテナンスは、購入した販売店に任せているご家庭も多いでしょう。しかし、販売店はメンテナンスのプロでないケースがほとんどです。メンテナンスを専門としているわけではないので、企業によっては十分な人員を確保できず、いざとなったときスピーディーに対応してくれない場合もあります。

修理費や交換費用が決して安いとは言えない太陽光発電だからこそ、メンテナンス業者は吟味して選ぶのが大切です。

メンテナンス内容が適しているかチェック

まずは、メンテナンスの内容で比較していきましょう。業者によって提供するサービスが異なっているので、ご自宅の太陽光発電に必要なメンテナンス項目があるかチェックするのことが大切です。

例えば、すでに遠隔監視システムを導入している場合、メンテナンス業者のメニューに遠隔監視が含まれていても費用の無駄になってしまいます。メンテナンスプランをカスタマイズできる業者を選ぶと、柔軟性が高いのでおすすめです。

メンテナンス技士の有資格者がおすすめ

メンテナンス業者を選ぶうえで、もっとも大事なのが専門性です。太陽光発電のメンテナンスには「太陽光発電メンテナンス技士」をはじめとしたさまざまな資格が存在しています。幅広い知識を持っている有資格者に点検を依頼すれば、故障につながりそうなちょっとした不具合も見つけてくれるでしょう。

より信頼できるメンテナンス業者を選ぶなら、有資格者が在籍している会社を探すのが安全です。

コストを抑えるにはメンテナンスが必須

太陽光発電のメンテナンスは義務化されているという理由だけでなく、設備の故障や事故発生を防ぐためにも重要なものです。特に故障によって修理や設備の交換が生じれば、想定外の出費にもなってしまいます。

また、自力でのメンテナンスには限界があるため、太陽発電モジュールの清掃や自己判断による修理はおすすめできません。屋根から転落するリスクや、配線を触ることによる感電の危険性があるためです。

自己メンテナンスは目視チェックやパワーコンディショナーのフィルター清掃などにとどめ、定期点検はメンテナンス業者に必ず依頼するようにしましょう。

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