• 投稿日2021.05.31

太陽光発電において発電効率は重要!素材別や原因別の観点で解説

将来的に太陽光発電システムを取り入れたいと思ってはいるものの、「どのくらいの電力をまかなえるのか」「どの程度生活に役に立つのか」といった悩みを持つ方も多いのではないでしょうか?

太陽光発電システムは種類の選択肢も多く、モジュール素材などによって発電効率に大きな差が生まれるため、慎重に選ぶ必要があります。また変換効率は売電による利益に直結するため、自身もその概念を正しく理解しておくことが大事です。

そこで本記事では、太陽光発電の発電効率における概要や素材別の発電効率、原因別の要素などについて見ていきましょう。

太陽光発電における発電効率とは何?

太陽光発電システムを理解するには、まずは発電効率について正しく理解する必要があります。ここではその算出方法を紹介します。

太陽光から発電できる電気量を表した数値

発電効率とは、太陽エネルギーをどの程度の電気量まで変換できるのかを意味します。計算式は次の通りです。

発電効率=電気出力/エネルギー×100(%)

この値が高いほど、電気への変換に無駄がないことを意味します。理論上100%の結果が出ることはありません。

ただし太陽光発電の技術進化によって、年々上昇していることは事実です。続いて変換効率の種類について紹介します。

【指標1】モジュール変換効率

モジュール変換効率とは、太陽電池モジュールの発電能力を表す指標のひとつです。一般的に太陽光発電システムの性能を比較する際によく利用される指標とも言えます。計算式は次の通りです。

(モジュール公称最大出力(W)×100)÷(モジュール面積(m2)×1000(W/m2))

モジュール変換効率が高いほど、変換して作り出す電気エネルギー量が多い太陽光発電システムであるということです。

モジュール変換効率の値を見れば、太陽光パネルの性能を知ることができます。各メーカーや製品の性能もこの変換効率を基準に比較してみてください。

【指標2】セル変換効率

セル変換効率は、太陽電池のセル1枚における変換効率を表す指標のことです。セルとは、太陽電池モジュールを構成する部品を指します。

別名で「基準変換効率」や「実効変換効率」と呼ばれる場合もあるでしょう。計算式は次の通りです。

出力電気エネルギー÷太陽光エネルギー×100

モジュール変換効率に比べ、セル変換効率のほうが大きい値となる傾向にあります。よってセル変換効率の値のみを主張した商品を購入すると、期待する結果を得られない可能性があるのです。セル変換効率の値だけを主張する商品には注意しましょう。

太陽電池モジュールによって発電効率は異なる

平均的な発電効率は約10~20%です。しかし、モジュールの種類によっては発電効率に大きな差が表れます。例えばシリコン型モジュールだと約12~19%、アモルファスシリコンモジュールだと約12~17%です。

20%を超える場合はかなり優秀な部類の太陽光発電システムと言えます。日本において最も高い発電変換効率を誇るのは、東芝の太陽光モジュールです。

約22.1%という発電効率は世界と比べても高い値になっています。開発メーカーによって大きな差が生まれるため、購入時はしっかりとその値を確認しましょう。

また、変換効率はカタログ記載の値と実際に使用したときの値では同じにはなりません。自動車の燃費も同様にカタログの燃費と実際の燃費とでは異なります。

カタログの値はあくまでも一定条件下で算出した値であることも認識しておきましょう。

【素材別】太陽電池モジュールの発電効率

太陽電池モジュールには、大きく分けて5つの素材が存在します。ここでは次の素材について解説します。

  • 単結晶シリコン
  • 多結晶シリコン
  • 薄膜シリコン
  • 化合物系(CIS)
  • III−V族多接合

それぞれが持つ特徴について見ていきましょう。

古くから普及する「単結晶シリコン」

最も古くから存在するのが「単結晶シリコン」です。長期間にわたり技術開発が重ねられた単結晶シリコンは、他の素材に比べて故障が少なく、設置実績も豊富です。

開発当初の6%程度だった発電効率も、現在では13%を超える製品が多く登場してきています。高性能単結晶シリコンを用いたものには、20%程度に上るものも存在するのです。

一方、デメリットとしては高価な製品が多い点が挙げられます。製造段階において大量生産に不向きな点もあり、その分製造コストも高くなるのです。

また、メインの材料となる高純度シリコンウェハー自体の材料コストが高いことも、高価な製品が多い要因のひとつでしょう。

大量設置に向く「多結晶シリコン」

大量設置に向いているのが、「多結晶シリコン太陽光電池」です。「単結晶シリコン」に比べて変換効率は約15~18%と低めですが、製造コストが抑えられるという特徴を持ちます。

安価に製造できる分、大量生産が可能となり、国内で設置される住宅用太陽光発電システムの約90%が多結晶シリコンを使用しているのです。ただし単結晶シリコンに比べて発電効率が劣ることから、太陽光発電システム設置にかかる初期費用の回収には時間を要するため注意しましょう。

発電効率の低下しにくい「薄膜シリコン」

「薄膜シリコン」を用いた太陽光電池の特徴は「薄い」ことにあります。発電効率は約9%と他の太陽光電池には劣るものの、熱に強い点が大きな特徴です。

真夏の最も暑い時期には、モジュールの温度は約70℃に達するとされています。このときの結晶型シリコンの出力は、25℃のときに比べ約20%出力低下する場合があります。

しかし薄膜シリコンの場合は高温下でもあまり低下せず、70℃でも約10%の低下で収まるのです。特に気温の高い地域にお住まいの方は、薄膜シリコン型を選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。

低コストが特徴の「化合物系(CIS) 」

多元素化合物半導体を用いた化合物系の「CIS太陽光電池」は、低コストが特徴です。シリコン系の太陽光電池と比較しても吸収効率が高く、同じ厚みで約100倍程度の吸収効率があります。

また日陰でも発電効率が低下しにくく、設置状況によっては選択肢にいれるべき太陽電池モジュールのひとつです。ただし、発電効率は約12%とあまり高くありません。

限られた屋根に、より多くの容量を載せたいというニーズには応えにくい点はデメリットと言えます。

高い発電効率を誇る「III-V族多接合」

III-V族多接合太陽光電池は発電効率が高く、高温環境下でも性能を維持できる点が特徴です。約40%という高い発電効率に加え、経年劣化に強いのもメリットでしょう。

デメリットとしては、製造にかかる原料やコストが高額であることです。その分導入金額も高くなります。

また、製造の過程において毒性を持つカドミウムを使用することから、環境対策や安全性に対する懸念もあり、使用するメーカーに限りがあるのもデメリットと言えるでしょう。日本でIII-V族多接合太陽電池を扱うメーカーはソーラーフロンティアのみです。

【要因別】太陽光の変換効率に影響する5つの要因

太陽光の変換効率には、5つの要因が大きく影響しています。それぞれの特徴について確認しましょう。

太陽電池モジュールの設置場所や角度

太陽電池モジュールは南向きに設置するのが理想的です。発電効率には、太陽電池モジュールの設置場所や角度が大きく関わります。

現在設置する太陽電池モジュールの発電効率が悪いと感じる場合は、その設置場所や向きを変えるだけで発電効率が上昇する可能性は十分にあるでしょう。また日当たりにも注意が必要です。

晴天時に直射日光が当たる場所の日射量を100とすると、日陰では約20分の1まで低下します。日陰はもちろんのこと、木陰や建物の陰にも注意し、できる限り日射量を上げるようにしましょう。

また、太陽電池モジュールの設置角度は30°がベストです。南側の屋根に30°の角度で設置することにより、太陽光を最大限取り込めるようになります。

太陽電池モジュールの経年による劣化

太陽光モジュールは20~30年の期間で使用可能です。ただし経年劣化が進むと、太陽光を取り込める量が少しずつ減少します。

太陽光の発電効率が高い状態を維持するには、定期的なメンテナンスが必要です。メンテナンスの際は太陽光モジュールを購入したメーカーの出力保証が付属してくるので活用してください。

パネル表面に付着した汚れ

太陽電池モジュールのパネル表面に汚れが付着すると発電効率は低下します。なぜなら、汚れが付着することによって太陽光を遮るからです。汚れの原因には次のようなものがあります。

  • 土埃
  • 黄砂
  • 鳥のふん
  • 水垢

またパネル表面に付着した汚れは発電効率を下げるだけではなく、火災の原因にもつながります。モジュール表面に付着した汚れが電気の流れを止め、ヒートショック現象を引き起こすのです。

発電効率の低下を防ぐだけではなく、防火の観点からも定期的なメンテナンスをおすすめします。

海風による影響

お住まいの近くに海がある場合、海風に含まれる塩分によって太陽光モジュールの劣化や故障を引き起こす場合があります。これを「塩害」と呼び、具体的にはモジュールの配線や金属製の架台などに錆びが生じるのです。

海岸から500m以内に自宅がある場合は、そもそもメーカー側で設置不可としていることが多いでしょう。塩害の対策には次のようなものがあります。

  • 錆止めやシリコンパウンドの塗布
  • 耐塩ガラスのよる絶縁部の強化
  • 純水による洗浄

これらの塩害対策に併せて、やはり日頃のメンテナンスが重要です。細かな点検によって塩害被害を未然に防ぎましょう。

自然災害によるシステムトラブル

台風や落雷などの自然災害は太陽光発電システムの天敵といえます。自然災害によって「太陽電池モジュールが風で飛ばされた」「雨で太陽電池モジュールが水没した」といった事態が起こる場合もあるでしょう。

各メーカーはこのようなトラブルに対策を講じていますが、特に大雨や暴風、落雷があった前後は発電効率に変化がないか確認してみてください。

発電効率を変えるかもしれない新技術

発電効率を変えるかもしれない新技術について理解を深めることで、今後の太陽光発電システム導入に役に立ちます。ここでは3つの新技術について紹介します。

【塗る】ペロブスカイト太陽電池

ペロブスカイト太陽電池は「塗る太陽光電池」と呼ばれ、ほかの太陽光電池に比べて圧倒的な低コストが特徴です。低コストの理由は、基板に材料を塗るだけという製造工程の簡易さが関係しています。

軽量化や曲面加工も可能という汎用性の高さも魅力です。変換効率は約10~12%とあまり高くないものの、現在も研究が進められており、今後どのようなケースに利用されていくのかに期待できます。

最終的には家屋の壁面に塗布し、家屋全体で太陽光発電を行うなど、大きな技術革新が起こる可能性もあるでしょう。

【蓄える】エネルギー貯蔵セルの開発

太陽光エネルギーを蓄えられる貯蔵セルも開発されています。電気は性質上、貯蔵できないことが一般的です。

よって、電気は製造したらすぐに消費する必要がありました。ただしエネルギー貯蔵セルによって貯蔵ができれば、夕方以降の電気を最も使用する時間に一気に放電するなど「必要なときに必要なだけ使う」といった新たな電気の使い方が生まれるかもしれません。

エネルギー貯蔵セルの開発は需要と供給の難しい太陽光発電の弱点を克服し、安定した電気供給につながるでしょう。

【透ける】透明な太陽電池の開発

透明な太陽光電池も開発が進められています。透明な太陽光電池は景観を損なうことがありません。

屋上に太陽光発電システムを取り付けることで、住宅のイメージが変わることから設置を躊躇していた方にはうれしい特徴といえるでしょう。発電変換率は5%と低いですが、それでも「透明」である価値は需要として高く、研究が進められています。

太陽光発電における発電効率の今後

太陽光発電モジュールはさまざまな種類が存在しており、その発電効率は年々上昇しています。発電効率の上昇に比例して発電コストも低下しており、少ない太陽光でも多くの電気を発電できるように進化しているのです。

一方で、夜間や自然災害時などはこれまでと変わらず発電できません。エネルギー貯蔵セルなどの電気貯蔵の開発が進んではいるものの、すべての電気をまかなえるかは疑問が残ります。

今後は発電効率だけでなく、その後の貯蔵や利用方法などの改善が進めば、新たな太陽光発電システムの利用方法が生まれるかもしれません。

太陽光発電を選ぶ際は発電効率を確認しよう

太陽光発電の発電効率における概要や素材別の発電効率、原因別の要素などについて紹介しました。太陽光発電システムの導入時に悩むのがモジュール選びです。

その基準として、今回紹介した素材別の発電効率や変換効率に影響する要素を活用してみてください。変換効率は利益に直結する非常に重要な部分です。

また住宅のある地域や周辺環境によっても発電効率は大きく異なります。よって信頼できるメーカーと設置業者選びがとても大事なポイントとなるでしょう。

そこで太陽光発電システムのプロにまずは相談し、最適な太陽電池を選んでもらうのも手段のひとつです。最適な太陽光電池を選び、より効率的な生活へと変化させていきましょう。

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