• 投稿日2021.09.16

いまさら聞けない太陽光発電。メリット・デメリットについて解説します。

日本は、石油や石炭、天然ガスといった化石燃料による火力発電に大きく依存しています。効率よくエネルギーを生み出せるというメリットが、これらの発電システムにはあります。

その一方で、二酸化炭素など温室効果ガスを大量に排出するため、地球温暖化を加速させるというデメリットもあります。そこで注目されているのが「太陽光発電」です。

モバイルバッテリーにも小さな太陽光パネルが付属していることもあって、「太陽光発電」が私たちにとって身近な存在になってきました。太陽光発電システムの価格も下落していることから、「リフォームの際に太陽光パネルを導入してみようか」と検討する方もおられるかもしれません。

ただし、太陽光発電システムは100万円以上という車に匹敵する高額商品です。きちんとした情報を入手したうえで、太陽光発電システムの導入を検討したいところ。そこでこの記事ではメリットとデメリットを押さえた上で、太陽光発電システムの導入に必要最低限の情報を確認していきたいと思います。

太陽光発電とは

太陽光発電とは、太陽の光エネルギーを電気エネルギーへと変換する発電システムを指します。太陽のエネルギーは半永久的に利用できるだけでなく、石油や石炭といった化石燃料のように二酸化炭素をほとんど排出しないことから、再生可能エネルギーの1つとして注目されています。

世界各国では、地球温暖化対策に協調して取り組んでいます。温室効果ガスの削減には太陽光発電の普及が不可欠であり、普及するための補助金や税優遇などを、国や地方自治体が行っているのが現状です。

太陽光発電の用途・目的

後述するように、太陽光発電システムには住宅用と産業用の2種類があります。ここからは、自宅や事務所などで太陽光発電システムを使用するシーンを想定し、その用途と目的を考えてみましょう。

①売電

国や地方自治体は、二酸化炭素を排出しない再生可能エネルギーを普及させるために、太陽光発電などで発電した電気を電力会社が買い取ることを国が約束する「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法(FIT法あるいは再エネ特措法)」を2012年に施行しました。買取価格が高かったため、自家発電で余った電気を電力会社に売電する目的もあります。

ただし後述するように、2021年現在電力会社の買取価格よりも電力会社からの電気代のほうが高くなっているため、売電によるメリットは以前ほど大きいとは言えません。

②自家消費

自家消費とは、電力会社から電気を供給してもらうのではなく、設置した発電システムで電気を作り、それを使用することを指します。初期投資やメンテナンス費用を除き、自家消費による電気は無料であるため、月々の電気代が安くなります。また災害時や停電時にも発電し、電気を使用することも可能です。

ただし、太陽光パネルが稼働するのは日の出から日の入りまでのあいだのみです。太陽光発電を利用するユーザーのなかには、共働きなどが理由で、昼間に電力を消費しないという家庭もあるかもしれません。

後述するように、太陽光パネルで日中作った電気を蓄電池に蓄え、夜に使うことも可能です。売電価格を考慮したとき、自家消費が太陽光発電システムを導入する目的として大きくなってきています。

太陽光パネルとは

太陽光発電システムの根幹をなすのが、太陽光パネル(ソーラーパネル)です。太陽光発電では太陽の光に含まれる光子がシリコン製の半導体に当たると電子が飛び出す「光電効果」を利用しています。ただし飛び出した電子はどこかに行ってしまうため、太陽電池自体には電気を蓄える機能は備わっていません。そこで、これらの電子を集めて特定の方向に流すことで電気として使用可能になります。

太陽光エネルギーを電気エネルギーへと変換する太陽電池をたくさんつなげてパネル状にしたのが太陽光パネルです。太陽電池の最小単位である「セル」だけでは発電できる出力は小さいため、セルを組み合わせて1枚のパネルにします。これが「モジュール」です。通常、発電できる出力を計算し、モジュールを組み合わせて直列にした「ストリング」や並列にした「アレイ」を設計します。

太陽光発電の種類

先述したように、太陽光発電システムには住宅用と産業用とに区分されています。自宅や事務所に太陽光発電システムを利用することが考えられますが、法人かどうかという区分とは異なります。

①住宅用

家庭用太陽光発電システムは出力が10kW未満のものを指し、太陽光パネルを一般家庭の屋根に設置します。

再エネ特措法が2015年1月に改正され、出力制御機能があるかないかで買取価格が変わってきます。夏や冬には電力の需要が大きい反面、春や秋には電力の需要が小さくなります。基本的には電気を貯蔵できませんので、電力の需要と供給のバランスをとる必要があります。

しかし、春や秋などに太陽光発電システムによる電気を買い取りすぎると、需要と供給のバランスが取れなくなり、最悪の場合大規模停電になってしまいます。

そこで発電システムからの出力を停止、あるいは抑制する機能をもたせることがあります。従来、出力抑制機能があるかないかで買取価格に差をつけることがありました。しかし東京エリアでは電気の供給量が需要量を上回る状況ではないため、2020年度は10kW未満の出力の場合、買い取り価格は1kWh当たり一律21円(税別)に設定されるようになっています。

②産業用

これに対し、産業用太陽光発電システムは出力が10kW以上のものを指します。産業用太陽光発電システムは通常、工場の空き地などの遊休地や工場の屋上に設置されますが、自宅に設置したとしても産業用に分類されます。

産業用太陽光発電システムの場合、50kW以上の出力では全量買取が可能になります。とはいえ、自宅の屋根にこれだけ大規模の太陽光発電システムを設置するのは困難であるため、家庭で使用する場合には住宅用にせよ産業用にせよ余剰買取が基本です。

2020年度の買取価格は、50~250kWで12円(税別)、250kW以上では入札制度によって決定されます。

どうやって発電量が決まる?

太陽光パネルはどの程度の発電量をもつのでしょうか。具体的には、次の数式で発電量を計算できます。

発電量=システム容量(kW)×日射量(kWh/平方メートル)×損失係数(%)

  1. システム容量
    太陽光パネルが作る電気の容量がシステム容量です。パネル1枚当たりの公称最大出力に、太陽光パネルの設置枚数を掛け合わせると、システム容量になります。太陽光発電システムの規模が大きくなるほど、システム容量も大きくなりその分高額になります。
  2. 日射量
    特定の地点における日光の強さが日射量です。発電量を決定する3つの要素のうち、日射量がもっとも変動が大きいと言えます。
  3. 損失係数
    太陽光発電システムは、すべての光を電気に変換できません。エネルギー変換の過程だけでなく、パネルの温度上昇や表面に付着した汚れ、パワーコンディショナーによる電流の変換ロスや昇圧ユニット、配線などによるロスなど、ロスの要因は複雑に絡み合っています。いずれにせよ、損失係数はおおむね75~85%程度だと考えられます。

これら3つの数値を集めて計算するのは困難ですので、業者に依頼するといいでしょう。ただし、あらかじめ発電量の計算やその意味を知っておくことで購入する際の判断材料になります。

ちなみに太陽光発電協会(JPEA)によると、太陽光発電システムの1kW当たりの年間発電量の平均は約1,000kWhだと見積もられています。1日あたりの平均発電量は約2.7kWhです。発電量を正確に計算するためには、業者に相談したりシミュレーションツールを利用したりするといいでしょう。

天候にも左右される

太陽光パネルの発電量は、季節によっても変動します。平均発電量がもっとも多い季節は春で、4~5月に発電効率が高くなります。

これに対し、冬は日射量が減るため、12月頃の発電量がもっとも少ないです。夏は日射量が多いものの、太陽光パネルが高温になるため出力が低下します。25度を超えると1度ごとに0.4~0.5%程度の発電効率が低下し、結果として発電量は春よりも少なくなります。

天候によっても太陽光パネルの発電量は変動します。晴天時がもっとも多くなり、曇天時は晴天時の20~30%程度の発電量です。雨天時は日照が少ないため、晴天時の約10%とほとんど発電できません。また積雪により太陽光パネルは発電できませんが、雪下ろしをすれば翌日から発電を再開できます。ただし雪解けの水分でパワコンが故障する可能性があるので、注意しましょう。

時間帯でも大きく変化

時間帯によっても、発電量は大きく異なります。日の出ていない夜のあいだは、太陽光パネルは一切発電できません。日の入り、日の出付近でも発電量はほとんど多くなく、太陽が高く昇る12時付近に発電量が急激に伸びます。先述したNEDO日照量データベースによると、11~13時の3時間で太陽光パネルの発電量は1日の約4割になっています。

このように発電量は日照時間や季節、地域によって変動するため、業者と相談の上、回収期間やいつから設置するかなど太陽光パネルの設置計画を立てましょう。

太陽光発電のメリット

太陽光発電を導入するメリットとしてどのようなものが考えられるでしょうか?

①半永久的なエネルギー源

石油や石炭、天然ガスなどの燃料や、水や風など自然の力を利用して発電機を回して電気を作るのが、発電の仕組みです。石油や石炭、天然ガスといった化石燃料は無限に存在するのではありません。このまま使い続けるとあと何年資源を採取できるかという「エネルギー資源確認埋蔵量」は、石油とウランが約100年、石油と天然ガスは50年ほどと見積もられています。

これに対し、太陽光発電システムは太陽光を電気エネルギーへと変換する仕組みです。太陽は水素やヘリウムなどの気体を燃料に核融合して太陽光エネルギーを発していますが、太陽が燃え尽きるまでには約50億年かかると言われています。このため、太陽光発電は半永久的にエネルギー源を利用できると言えます。

②環境にやさしい

石油や石炭、天然ガスといった燃料を燃やすと二酸化炭素が排出され、地球温暖化の原因と考えられています。これに対して、太陽光発電は発電するのに二酸化炭素をほとんど排出しません。

一方で、近年話題になっているメガソーラー問題など、山や森林を必要以上に伐採することによるデメリットが考えられます。国もメガソーラーを環境アセスメント法の対象にし、環境面を配慮した設置を求めています。ただし、住宅の屋根に太陽光パネルを設置する上では、環境にやさしい発電システムだと言えます。

③再エネ賦課金も減る

2012年7月に施行した再エネ特措法により、再生可能エネルギーを電力会社が買い取る制度が導入されました。こうした電力を買い取るのに必要な費用は、国民が支払う電気料金に上乗せするかたちでまかなわれています。

これは「再エネ賦課金」というもので、使用する電力量が多くなるほど高くなります。太陽光発電システムで自家発電すれば、電力会社から供給される電気の量も減り、結果として再エネ賦課金も額も減ることになります。

④収入源を作る

太陽光発電のもっとも大きな経済的なメリットが、売電収入です。経済産業省の資料によると、住宅用太陽光発電で作られた電気のうち自家消費されるのが3割で、残る7割が売電用だといいます。このため、電力会社に支払う電気代の削減額よりも、売電収入による経済的なメリットのほうが大きいと言えます。

ちなみに、電気代の削減額と売電収入をあわせた経済的なメリットを勘案すると、約10年で回収可能だと見積もられています。

以下では、2020年度から2022年度までの太陽光発電の売電価格を示しておきます。

区分 2020年度 2021年度 2022年度 売電期間
10kW未満 21円/kWh 19円/kWh 17円/kWh 10年間
10kW以上50kW未満 13円/kWh 12円/kWh 11円/kWh 20年間
50kW以上250kW未満 12円/kWh 11円/kWh 10円/kWh 20年間

10kW未満は10年間、10kW以上は20年間が固定買取期間であり、そのあいだは同じ価格で電気を電力会社に売ることができます。

⑤災害時や停電時でも電気が使える

太陽光パネルで作った電気は直流電流であるのに対し、電化製品がコンセントから供給される電気は交流電流です。そのため、直流電流から交流電流へと変換する「パワーコンディショナー」が必要になってきます。しかし、パワーコンディショナーを作動させるにも電気が必要であり、特別な機能のないパワーコンディショナーは停電時には動作しません。

太陽光発電システムからの電気を利用できる「自立運転機能」をもったパワーコンディショナーなら、災害時や停電時でも太陽光発電システムからの電気を電化製品が使用できるかたちに変換してやることが可能です。

⑥遮熱効果もある

日傘や車のウインドウに貼るフィルムのように、内側に熱を通さないようにするのが「遮熱効果」です。夏を涼しく、そして冬を暖かく過ごすためには、遮熱効果のあるものを設置する必要があります。

太陽光パネルには遮熱効果があり、夏場には約50度にも上昇する屋根の裏側の温度を40度未満にまで下げることが可能です。この約10度という温度差は室温の2~5度に相当し、エアコンの電気消費量を減らすのにも役立ちます。

⑦寿命が長い

太陽光パネルの寿命が長いのも、太陽光発電のメリットのひとつだと言えるでしょう。法定耐用年数は17年に定められ、実際の寿命は20~30年だと言われています。太陽光発電システムに必要なパワーコンディショナーの寿命が10年なのと比較しても、長いことがわかります。

これは、太陽光パネルには摩耗を伴うような可動部がないためです。これにより、太陽光パネルのメーカー保証を最低でも10年、最長だと25年もつけることができます。

太陽光発電のデメリット

これに対して、太陽光発電のデメリットとして何が考えられるでしょうか。

①発電量が天候に左右

先述したように、太陽光パネルの発電量を決定するのはシステム容量と日射量、損失係数の3つですが、そのうち日射量は天候や気候の影響を大きく受けます。曇天時は晴天時の約20~30%、雨天時は晴天時の10%まで発電量が落ちてしまいます。また晴れた日が多くても冬は日照時間が短いため、ほかの季節よりも発電量が落ちてしまうのです。

②導入コストの高さ

太陽光発電システムの導入コストの高さは、デメリットといえるかもしれません。経済産業省資源エネルギー庁によると、2021年の住宅用太陽光発電の相場は、設置容量が5kW、設置費用が137.5万円、1kWあたりの価格が27.5万円になっています。太陽光発電の導入費用は年々安くなっているものの、新車の最低購入価格とほぼ変わりありません。

発電量や売電収入、必要なパネルの大きさなどの見積もりを間違ってしまうと損失を被る可能性があります。そのため、導入コストの高さはリスクだとも言えます。

このように太陽光発電システムの導入コストの高さにより、導入を足踏みする方もいるかもしれません。そこで、金融機関が低金利のソーラーローンを用意していたりします。太陽光パネルの寿命は20年以上と長く十分に回収可能な額だといえるので、ソーラーローンの利用を検討してみる余地はあるでしょう。

③設置の仕方で変わる発電効率

太陽光パネルの発電量は、設置場所によっても変化します。そのため、すべての住宅が太陽光発電に向いているとは限りません。隣人の日照など居住に良い環境を作るために、隣地斜線制限が設けられています。このため、北向き一面が屋根だったり、極端に屋根が小さかったりして、思うような発電量が太陽光パネルから得られない可能性もあります。

太陽光パネルを設置する角度によっても、発電量は大きく異なります。太陽光パネルの傾斜角が30度のときが、発電量が最も多いと言われています。対して太陽光パネルの傾斜角が地表から90度の場合には、傾斜角が30度の約67.1%しか発電量はありません。

太陽光パネルを屋根に設置しても期待される発電量が見込めない場合には、日当たりの土地やカーポートの上などにも設置できるため、業者と相談の上設置可能かを検討する必要があるでしょう。

④メンテナンスコスト

先述したように太陽光発電システムには導入コストが100万円強かかります。それに加えて、点検や清掃など、定期的なメンテナンスが欠かせません。太陽光パネルは故障しにくく寿命が長いとはいえ、点検せずに放っておくと劣化し発電量が減ってしまいます。4年に1度のメンテナンスに加えて、寿命が10年前後のパワーコンディショナーの交換にも約30万円のコストがかかることに留意する必要があります。

⑤設置に向かないケースも

太陽光発電システムをどの地域にも設置できるとは限りません。海に近い住宅だと、海中に含まれる塩が風に乗って運ばれる「塩害」を引き起こします。塩害により、太陽光パネルやパワーコンディショナー、接続箱など、さまざまな部位に影響を及ぼし、劣化や故障の原因となります。

また、積雪の多い地域だと、積雪中には太陽光パネルからまったく電気を作ることはできません。塩害や積雪の度合いが大きな地域では、太陽光発電システムの設置を断念せざるを得なくなります。

ただし、塩害の場合には塩分を払いのけたり、表面にシリコンパウンドを塗布したりするなどの対策は可能です。また積雪の防止対策として、架台の高さを1.5メートル以上にしたりパネルの角度を20度にしたりすることも可能です。塩害地域や豪雪地域に住み太陽光パネルを設置したい方は、業者と相談の上設置可能かを検討する必要があるでしょう。

⑥反射光によるトラブル

太陽光パネルの反射光が光害になり、まぶしい光が家の中に差し込んだり、その光により室温が上昇するという苦情が隣接する住宅がもたらされる可能性があります。太陽光パネルを北面の屋根に設置し南方面から斜め下方向に光が反射することで反射光トラブルへと発展するケースが多いそうです。

逆にいうと、北面の屋根に太陽光パネルを設置しなければ反射光トラブルへと発展しにくいとも言えます。日当たりのよい南側が太陽光パネルの発電量にとって最適で、北面に設置した場合の発電量は南面に設置した場合の約66%しかありません。

太陽光パネルを設置できないという理由がない限り、北面の屋根に設置するのは避けるのが賢明でしょう。設置容量を増やしたいがために北面に太陽光パネルを設置する場合には、周辺環境をよく確認しておきましょう。

FITという制度について

太陽光発電システムで余剰電力を電力会社に買い取ってもらい、売電収入を得たいとお考えの方は「FIT」という制度を耳にしたことがあるかもしれません。

FITとは?

「FIT」とは「Feed-in Tariff」の略称で、固定価格買取制度を指します。太陽光発電や風力発電により作られた再生可能エネルギーを普及させるために、国で定めた売電価格で電力会社が再生可能エネルギーによる電気を買い取るよう義務づけたのが、FITという制度です。ドイツが1991年に制定したのを皮切りに、世界中に広がりました。日本では再エネ特措法が2012年に施行されています。

先述したように、FIT制度の目的は再生可能エネルギーの普及のほかに、日本がエネルギーの自給率が低いことも挙げられます。日本は火力発電に大きく依存し、石油や石炭、天然ガスを輸入しています。そのため、多くのエネルギーを消費するにもかかわらず、エネルギー自給率は約7.4%にすぎません。

火力発電以外のエネルギーはどうでしょうか。2011年3月に東日本大震災により福島第一原子力発電所の事故が発生し、原子力発電のリスクが意識されるようになりました。このため、エネルギー自給率を高めるためにはFIT制度により、太陽光や風力、水力、地熱、バイオマスなどの発電が鍵になってくるわけです。

売電価格の推移

2020年度からFIT制度による売電価格の仕組みが変わりました。従来は太陽光パネルの設置容量が10kW以上であれば、発電した電気をすべて売電できる「全量買取制度」が適用されました。しかし、2020年度以降は太陽光パネルの設置容量が10~50kWの場合、自家消費が発電電力の30%である場合に限り余剰電力を売電できる「余剰買取制度」が適用されることになります。

これを踏まえた上で、太陽光パネルの設置容量が10kW未満の場合の売電価格の推移を確認しましょう。

  • 平成28年(2016年)度 31円/kWh
  • 平成29年(2017年)度 28円/kWh
  • 平成30年(2018年)度 26円/kWh
  • 令和元年(2019年)度 24円/kWh
  • 令和2年(2020年)度 21円/kWh
  • 令和3年(2021年)度 19円/kWh
  • 令和4年(2022年)度 17円/kWh

このように売電価格は毎年2~3円程度マイナスになっている状況です。これに対して、東京電力の家庭用プランである「従量電灯B」を確認すると、120kWhまでの電気代が1kWh当たり19円88銭になっています。つまり、2021年度以降は太陽光発電システムで作った電気の売電価格のほうが電気代よりも安くなってしまいます。

このため太陽光発電システムで売電収入を得る旨味は以前ほどはなく、代わりに蓄電池とセットで購入することで自家発電だけでまかなうのが近年の動向になっています。

卒FIT後も考えよう

設置容量が10kW未満の場合、固定価格買取制度の期間は10年で、この制度が始まった2009年に利用開始した方は2019年に固定価格買取期間終了を迎えました。

制度が始まった当時の売電価格の48円/kWhから大きく下落しています。とはいえ、一般的な家庭の太陽光発電システムの投資回収期間が10年程度であり、また20年近く太陽光パネルを買い替えることなく使用可能です。そこで、「卒FIT」という固定価格買取制度の期間が終了したのちの出口戦略を考える必要があります。

ひとつは、先述したようにFIT制度を再び活用することです。再エネ特措法もここ10年で改正され、10~50kWでは全量買取できなくなるなど、今後再エネ特措法が改正される可能性もゼロとは限りません。そこで、卒FIT後の戦略として考えられるのが、蓄電池を購入して自家消費することです

蓄電池には、電力会社から供給された電気はもちろん、太陽光パネルで作られた電気を貯めることも可能です。太陽光パネルは日の出から日の入りまでしか稼働しませんので、日中に発電し余った電気を蓄電池に貯め、夜に放電することも可能です。そうすれば、電力会社から供給からの供給を受けることなく、自家発電のみで電気をまかなうことができます。

蓄電池との相性

実は、太陽光発電システムと蓄電池との相性は高いです。先述したように、太陽光パネルで作った電気は直流電流であるため、電化製品が使用できるようパワーコンディショナーで交流電流へと変換する必要があります。

しかし、直流電流から交流電流へと変換すると、変換ロスが生じてしまいます。パワーコンディショナーの変換効率は95%とはいえ、直流と交流のあいだを返還するたびに約5%の電力ロスが発生します。

太陽光パネルとは別個で蓄電池を購入した場合には、太陽光パネル用と蓄電池用のパワーコンディショナーを設置することになります。そのため、太陽光パネルから蓄電池を経て電化製品に電力が行き届くまで、計3回の電流の変換が行われるなど、変換ロスが大きくなってしまいます。

しかし、パワーコンディショナーがセットになったハイブリッド型蓄電池だと、直流電流から交流電流へと変換することなく太陽光パネルで作られた電気を貯められ、変換ロスは蓄電池から電化製品に供給される1回にとどまります。

セットで購入も可能

このような理由で、既設の太陽光発電システムに蓄電池を新設する場合には、既設のパワーコンディショナーを交換する必要があります。しかし、太陽光発電システムとともに蓄電池をセットで新設すると、パワーコンディショナーを1台設置するだけで十分です。

とくに売電価格がFIT制度当初よりも下落した現在、売電よりも自家発電のみで電気をまかなうという戦略も有効でしょう。蓄電池の購入についても、国や地方自治体が補助金を出している場合がありますので、上手く利用するほかありません。

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太陽光発電の注意点

太陽光発電システムは高額であるため、導入にあたって複数社の提案を比較するのは基本中の基本です。また無用なトラブルはぜひとも避けたいところ。では、太陽光発電システムを導入する際の注意点は何でしょうか。

①訪問販売や催事販売などの提案だけで判断しない

太陽光発電システムは、代理店での販売のほかにも、訪問販売やWEBでの販売など販路が多くあります。特に気をつけたいのは、訪問販売やショッピングモールの催事販売や電話営業です。

業者の中には、太陽光パネルのスペックやほかの製品との比較をすることなく巧みなトークで望外の高額の契約を結ばせたり、相場価格に比べてどうしても高くなります。また太陽光発電システムに蓄電池やオール電化を必ずセットで契約しないといけないと説明をされている方もいるといいます。

特に太陽光発電システムのような高額商品の場合、購入までにほかの製品と比較しながら熟慮する必要があります。「うっかり不必要なスペックの太陽光発電システムを購入してしまった!」なんてことのないよう、気をつけましょう。

②施工不良のリスク

太陽光発電システムを購入すれば、すぐに発電を利用できるのではありません。施工も重要なプロセスのひとつです。太陽光パネルを屋根に設置するため、屋根材と防水シートに穴を開けます。

粗雑な工事を行う業者を選んでしまうと、雨漏りや電気系統のトラブルが発生する可能性があります。原則的には、施工不良による雨漏りは保証外なので注意が必要です。工事を下請けに丸投げしたり、粗雑な工事をしたりすることのない施工業者を選びましょう。

ズバットエネルギー比較では、優良な業者を厳選しておりますので、比較検討の際は是非活用ください。

③業者の倒産リスク

太陽光発電システムを設置する業者が倒産するというケースは後を絶ちません。2021年4月の帝国データバンクの発表によると、2006年1月から2021年3月までに562件の太陽光関連業者が倒産しています。とくに2015年以降、太陽光関連業者の倒産が急増しています。

これは、太陽光バブル期に参入した業者が淘汰されたのが原因だとみられています。。業者が倒産してしまうと、メンテナンス等のアフターフォローを受けられなくなります。また工事前に倒産してしまうと、頭金を持ち逃げされてしまうことも考えられます。そのため、業者選びには慎重を期するべきでしょう。

太陽光発電のメリット・デメリットをしっかり理解しよう

ここまで太陽光発電のメリット・デメリットについて解説してきました。太陽光発電には災害時や停電時の電力供給や電力会社から電気を買うことなく発電できるというメリットがあります。

太陽光パネルの価格が安くなり比較的手を出しやすくなった昨今、太陽光発電システムのメリット・デメリットをしっかり把握し、購入を検討してみてはいかがでしょうか。

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