不動産売買時にかかる登記費用は?売主・買主別に徹底解説!

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不動産売買時にかかる登記費用は?売主・買主別に徹底解説!

不動産の売買に必要となる不動産登記は、土地や建物の所有者を公的に明確にするために行うものです。不動産登記の種類には、所有者を示す「所有権の移転登記」、土地や建物の担保権を設定する「抵当権設定登記」などが挙げられ、所有者や物件に関するさまざまな情報が「登記簿謄本(登記事項証明書)」に記されます。

これらの登記には登録免許税がかかります。また手続きを司法書士へ依頼する場合は、司法書士への報酬も必要です。この記事では、不動産売買時に必要な登記の種類とそれぞれにかかる登記費用について解説します。

【監修】穂坂 潤平 宅地建物取引士。仲介営業13年(宅建は新卒の時に取得)、不動産仲介会社起業3年の経験を経てウェブクルーに入社。趣味は何でも遊びにすること。仕事では「喜ばれる仕事をして、自らも喜ぶこと」をモットーに日々ご提案しております!

不動産売買時に必要な登記の種類

最初に、不動産売買ではどのような登記が必要なのかを解説します。登記の種類ごとに費用の負担者が異なるため、予め確認しておきましょう。

登記名 負担者
抵当権抹消登記 売主
住所変更登記および氏名変更登記 売主
相続時の所有権移転登記 売主
所有権移転登記 買主※売主と折半のこともあり
抵当権設定登記 買主

各手続きの内容や費用については「売主が負担する登記費用」と「買主が負担する登記費用」で詳しく解説していきます。

売主が負担する登記費用

不動産の売買時に売主が負担する登記費用は、次の通りです。

  • 抵当権抹消登記の登録免許税
  • 住所変更登記と氏名変更登記の登録免許税
  • 相続時の所有権移転登記の登録免許税
  • 司法書士への手数料(報酬)

なお、登録免許税の納付は原則として現金ですが、税額が30,000円以下の場合は、収入印紙でも可能です。

抵当権抹消登記の登録免許税

抵当権抹消登記とは、売主が不動産の購入時に借入れた住宅ローンに設定された抵当権(※)を外す手続きのこと。住宅ローンの残債がある不動産を売却する場合には、住宅ローンを完済して抵当権を登記簿から抹消する必要があります。
※抵当権:債権者が住宅ローンの返済ができなくなった場合のために、金融機関が土地や建物を担保にする権利のこと。

抵当権抹消登記の登録免許税は、不動産ひとつにつき1,000円です。例えば戸建てを売却する場合は、土地と建物ふたつ分の登録免許税が発生するので税額は2,000円になります。

より詳しい内容はこちらの記事で解説しています。
抵当権抹消に必要な書類|入手方法や紛失時の対応・自分で抹消する方法

住所変更登記と氏名変更登記の登録免許税

住所変更登記と氏名変更登記は、不動産の所有者の名義と住所を変更するための手続きです。不動産売買時に住所や氏名が異なる場合は、売却前にきちんと手続きしておかなければなりません。

登録免許税は、不動産ひとつにつき1,000円です。

相続時の所有権移転登記の登録免許税

相続した不動産を売却する場合、被相続人の名義のままでは売却できないため、被相続人から相続人への名義変更を速やかに行う必要があります。

相続時の所有権移転登記は「相続登記」とも呼ばれており、相続登記の登録免許税は次の計算式で算出可能です。

不動産の価額(固定資産税評価額)×0.4%

例えば固定資産税評価額が3,500万円だった場合の算出相続登記の登録免許税は、3,500万円×0.4%=14万円となります。

より詳しい内容はこちらの記事で解説しています。
相続時には不動産の査定が必要!査定方法・分割方法・税金を解説

司法書士への手数料(報酬)

登記手続きの代行を司法書士に依頼する際には手数料が発生します。依頼する司法書士により値段は異なりますが、おもな相場は次の通りです。

登記名 手数料の相場
抵当権抹消登記 約10,000円~15,000円
住所変更登記と氏名変更登記 約10,000円~15,000円
相続時の所有権移転登記 約60,000円~70,000円

抵当権抹消登記、住所変更登記と氏名変更登記の手数料は、約10,000円~15,000円が相場です。相続時の所有権移転登記の相場は約60,000円~70,000円と、登記の中でもコストがかかります。

司法書士への手数料は、司法書士事務所やエリアによって差があるのが実情です。支払い方法も司法書士事務所ごとに異なるため、予め確認しておきましょう。

買主が負担する登記費用

不動産の売買時に買主が負担する登記費用は、所有権移転登記や抵当権設定登記の登録免許税です。手続きの代行を司法書士に依頼する際には、別途手数料が発生します。

  • 所有権移転登記の登録免許税
  • 抵当権設定登記の登録免許税
  • 司法書士への手数料(報酬)

所有権移転登記の登録免許税

所有権移転登記は、不動産の所有者が変更した場合に必要な手続きです。登録免許税は課税標準額(土地の場合は固定資産税評価額)の1,000分の20(2%)で、2024年(令和6年)3月31日までは軽減措置がとられており、取引額の1,000分の15(1.5%)になります。

例えば、2024年(令和6年)3月31日までに、売買取引きされた土地の固定資産税評価額が3,000万円の場合、所有権移転登記の登録免許税は次のように計算されます。

3,000万円×1.5%=45万円

抵当権設定登記の登録免許税

抵当権設定登記は、借主が借り入れる住宅ローンに抵当権を設定するために必要な手続きで、登録免許税の税額は借入額の0.4%です。ただし、次のような条件を満たした場合は軽減税率の0.1%が適用されます。

  • マイホームであること
  • 床面積:50平方メートル以上
  • 2020年3月31日までに取得していること
  • 戸建ての築年数:20年以内
  • マンションの築年数:25年以内
  • 一定の築年数超:新耐震基準を満たしていること
  • 不動産の取得後1年以内に手続きすること
  • 住宅用家屋証明書の取得

軽減税率が適用された場合、例えば3,500万円を借り入れた場合の登録免許税が次の通りです。

3,500万円×0.1%=35,000円

司法書士への手数料(報酬)

登記手続きの代行を司法書士に依頼する場合は手数料(報酬)が発生します。相場は次の通りです。

登記名 手数料の相場
所有権移転登記 約50,000円
抵当権設定登記 約40,000円

所有権抹消登記の場合の報酬相場は、約50,000円。抵当権設定登記場合の相場は、約40,000円です。

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不動産売買の登記費用に関する注意点

土地やマンションといった不動産の売買時に必要な登記費用は、固定資産税評価額や不動産価額をベースに算出されるケースがほとんどです。不動産の価値によっては登記費用が高額になる可能性もあります。

登録免許税の納付は現金が一般的

登録免許税の納付方法は、現金での納税が一般的。おもに指定金融機関の窓口やコンビニエンスストアなどから納付しますが、税額が30,000円以下の場合は収入印紙でも可能です。

また、登記手続きを司法書士への手数料(報酬)も、現金もしくは振込送金が一般的ですが、事務所によってはクレジットカードでの支払いに対応しているところもあるようです。

自分で行うには手間がかかる

不動産売買時に必要な所有権移転登記や抵当権抹消登記は、司法書士に依頼せずに法務局に出向いて自分で手続きすることもできます。司法書士に依頼しない場合は手数料のコストカットが可能です。しかし、自分で手続きする場合、登記ミスや書類の不備といったトラブルの懸念があります。

また、不動産登記で必要な書類の中には住民票があり、取得するためには自治体の窓口または郵送請求などで手続きしなければなりません。そのため、手続きに不安がある場合や手続きの手間を減らしたい場合は、司法書士に依頼することをおすすめします。

抵当権抹消登記の費用は譲渡費に含められない

不動産の売却によって利益が発生した場合、利益から取得費や譲渡費用を差し引いた金額対して譲渡所得税が課せられます。譲渡費用に含まれるのは、仲介手数料や印紙税など不動産を売却するプロセスでかかった費用です。

抵当権抹消登記は、必要性がなくなったことが理由で行う手続きのため、抵当権抹消登記にかかった登録免許税や司法書士への手数料は譲渡費用として認められていません。抵当権抹消登記は売却時に必要な手続きとは限らないため、譲渡費用に含まれないルールになっているのです。

不動産売買時の登記費用に関するQ&A

ここでは、不動産売買時の登記費用に関するQ&Aについて解説していきます。

登録免許税の負担者は法律で決められている?

登録免許税法の3条に「登記等を受ける者が二人以上あるときはこれらの者は連帯して納付する義務を負う」とあり、双方が共同して納付するものと解釈できます。

しかし商慣習として、抵当権抹消登記、住所変更登記および氏名変更登記、相続時の所有権移転登記の登録免許税は売主が負担、抵当権設定登記は買主が負担、所有権移転登記は売主と買主で折半するのが一般的です。

投資目的で不動産を売買する場合、登記費用はどうなるの?

不動産を売買する目的は、マイホームとしての利用だけとは限りません。例えば投資目的の場合で、物件の所有権が「A→B→C」と短期間で3者が売買に関わった場合、本来は「A→B」、「B→C」と2回分の所有権移転登記が必要です。

しかし、3者が話し合って合意が得られれば、中間者であるBへの移転登記を省略し、「A→C」への1回の登記で済ませることが可能です。これを、「新中間省略登記」と呼びます。

この場合は、抵当権抹消登記と住所変更登記および氏名変更登記を最初の売主であるAが負担、所有権移転登記と抵当権設定登記が最終的な買主Cが負担します。

中間者であるBは不動産取得税と登録免許税が不要になるため、節税ができます。また節税できた分、物件の価格も値下げしてもらえる可能性が高まるのです。

また、トラブルを防ぐため、次のような内容が含まれた「第三者のためにする契約(特約)」を締結しておく必要があります。

  • 第1売買契約(AとB)において、所有権がAから「Bの指定する第三者」に移転する旨の特約
  • 1の特約によって、Bが、第三者Cを指定すること
  • 第三者Cが、不動産の所有権をAから直接に受けること(受益)について承諾の意思表示をすること

公共事業・土地開発の不動産売買の場合の登記費用とは?

不動産の売買は、個人同士の売買だけとは限りません。公共事業や土地開発が目的の場合、買主が自治体になるケースもあります。

自治体に不動産を売却する場合、所有権移転登記にともなう費用の負担は不要です。

売却時に抵当権が残っている場合は、抵当権抹消登記の手続きは売主が行ないますが、部分的な抵当権抹消登記の場合は自治体が代行で手続きしてくれます。

不動産売買時の登記手続きは司法書士に依頼しよう

土地やマンションといった不動産の売買時には、所有権移転登記や抵当権抹消登記といったいくつかの登記手続きが必要です。

不動産登記には登録免許税が課せられるため、それぞれに定められた税額を納付します。手続きは、自身でもできますが、必要書類を揃えたり法務局に出向いたりといった時間と労力がかかります。手続きに不安がある場合は、司法書士に依頼するといいでしょう。

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