不登校でも勉強する方法はある?用意するべき環境と勉強法を解説

子供が不登校になると親はさまざまな不安を抱きます。「勉強に遅れが生じるのではないか」「受験は大丈夫だろうか」「学校にもう通えないのではないか」など、子供の将来に対して不安を抱えている保護者も多いかもしれません。 本記事では、子供が不登校になった時に用意するべき環境やおすすめの勉強方法についてご紹介します。

子供が不登校になった時の親の心境

「子供が不登校になってしまった」と感じた時、本人はもちろんのこと、その親もさまざまな不安や心配が頭をよぎるでしょう。まずは、不登校の子供を持つ親の心境についてご紹介します。

勉強が遅れて追いつけなくなると感じる

不登校になってしまったことで、勉強が遅れて追いつけなくなるのではないかと不安に感じる不登校児や保護者の方は多いです。学校に行けなくなれば、授業内容もわからなくなり、ますます孤独感も深まります。

勉強の遅れは、さらに学校を遠ざけてしまう原因のひとつとなるのです。

今後ずっと学校に行けなくなると感じる

「学校に行くことは当たり前」と思うほど、家にいる子供に対して親の不安は募ります。しかし不登校児の中には、本当は学校に行きたいと考えている子も多いです。

ふたたび学校に通える日が来るのかという問題は、不登校期間が長くなるほど不登校児も親にとっても大きな不安要素に膨らみます。

不登校児を持つ親が用意するべき環境

子供は不登校になると、精神的なストレスから「自己肯定感」や「やる気」がなくなり、学習意欲も低下していく傾向にあります。学校へ通わない、通えない子供に対してどのように環境を整え、学校以外で勉強する習慣をつくっていくかを解説していきます。

あえて勉強から遠ざけるようにする

不登校になったばかりや、精神的に不安定な時は、あえて勉強を遠ざけましょう。心身の疲れが蓄積されている状態で、勉強を強要すると子供にとっては悩みが増えてしまいます。

勉強についていけていないことに対して、さらに不安を増幅させてしまうかもしれません。まずは、不登校という現状と向き合い、子供の気持ちに理解を示して寄り添うことが大切です。気持ちが落ち着くまで待ち、整理ができるようになってから勉強を始めましょう。

マイペースに勉強できる環境を整えてあげる

不登校中にしっかり心を休められ、勉強への意欲が少しずつ出始めたら、子供にあう勉強スタイルを本人と一緒に考えていきましょう。集団生活や他人と顔を合わせることに苦手意識がある場合は、マイペースに学習できる環境を整えてあげることがおすすめです。

具体的には、自宅での自主学習通信教育家庭教師などを利用する方法が挙げられます。

生活リズムを整えるためにルーティンをつくってあげる

学校へ通わない日々が続くと、生活リズムが乱れがちです。昼夜逆転の生活は、日光を浴びる時間が減少し憂鬱な気持ちにもつながりやすくなります。

生活リズムを整えるためには、日中に活動する動機や目的を見つけてルーティンをつくることが大切です。決まった時間に勉強をする習慣づくりとして、塾やフリースクールへ定期的に通うなど、自宅以外の場所を活用するのも良いでしょう。

子どもの自発性を尊重して見守る

「勉強をさせたい」という親の焦る気持ちもあると思いますが、不登校の子供にあまり強く言わないようにしてあげてください。不登校児の中には、挫折を味わった子供もいます。

また、不登校である現状にこのままではダメだということは、本人が一番よくわかっているはずです。勉強は自発性がとても大切で、強要するよりも自ら意欲的に学んだ方が効率は上がります。

子供の自発性を尊重して今は見守りましょう。それからでも、勉強は十分に間に合います。

不登校中でも勉強できる5つの方法

ここでは、不登校中でも勉強できる5つの方法を具体的に紹介します。子供に合った勉強方法を活用して、学力と自信を少しずつ取り戻しましょう。

学校の教科書や参考書による自主学習

自主学習は、学校の教科書や市販の参考書、問題集などを使って勉強する方法です。集団生活や対人関係に悩むことなく、自分のペースで勉強を進められます。

費用を抑えられるというメリットもある反面、孤独感からモチベーションを保ち続けることが難しかったり、わからない時に誰かに質問できなかったりといったデメリットもあります。苦手科目や自分1人で取り組むことが難しい場合は、塾や家庭教師などと併用するのもおすすめです。

インターネットや郵便による通信教育

インターネットや郵便による通信教育で勉強する方法です。定期的にテキストや動画が送られてくるので、自宅で勉強する習慣やモチベーションをつくるのに役立ちます。

学校の教科書に合わせたものや志望校に向けてなど、希望に沿った教材選びができることも通信教育サービスの魅力です。一方で、勉強する習慣がついていないと教材を溜めてしまったり、サービスによっては質問に対してすぐに教えてもらいにくいデメリットもあります。

最近ではインターネットの発展により、オンライン学習サービスも充実しています。スマートフォンやタブレットからも学習できるので、気軽に取り入れられる勉強方法として検討してみてください。

マンツーマンで指導なら家庭教師

家庭教師を雇い、マンツーマンで指導してもらうのも効率の良い勉強方法です。対面で教わる形式のほかに、ビデオ会議などを利用してオンラインで教えてもらう形式もあります。

家族以外の人と話す機会が得られたり、自分に合う先生の指導を受けられることは、勉強のモチベーションも保ちやすいです。また、学習内容も個人に合わせて融通が利きやすいのもメリットとなります。

ただし、他の勉強方法と比べて費用が高くなりやすいです。

出席扱いにもなりえるフリースクールや適応指導教室

フリースクールとは、不登校などに悩む中学生以下の生徒を対象に支援する民間の教育機関です。学習支援のほか、相談やカウンセリング、レクリエーションなどの企画があったりと運営方針によって特色が異なります。

学校復帰をゴールとしない施設もあるので、自分に合ったフリースクールが見つかれば新たな居場所となります。また、在籍している学校からの承認があれば、フリースクールの通った日数を学校の出席扱いとすることも可能です。

適応指導教室も不登校児向けの教育機関ですが、フリースクールとの違いは、市町村の教育委員会が運営している点です。費用があまりかからないことはメリットになります。

こちらも学校からの承認があれば、適応指導教室へ通った日数を学校の出席扱いとすることも可能です。ただし、適応指導教室は「不登校児を本籍地の学校へ復帰させること」を目的として運営しています。

学校そのものに抵抗があるとかえって負担が大きくなる可能性もあるので、無理をさせないように注意が必要です。

自分のペースで学べる通信制高校

高校生の場合、今通っている高校を退学し、通信制高校に編入することも選択肢のひとつです。通信制高校には「学年」というものが存在しません。

学年制ではなく単位制で学ぶことができるので、留年することもないのです。自分のペースで学習し、3年間在籍することで卒業できます。

また前の高校の在籍期間も加算可能なので、ゼロからのスタートにならないことも大きなメリットとなるでしょう。

まずは子供に合った勉強方法を見つけよう

親としては勉強の遅れはとても気になる問題でしょう。学校復帰のためにも不登校中の勉強は必要ですが、なにより「焦らないこと」が大切です。

学校以外でも勉強する環境や方法は多く存在します。通信教育や家庭教師、フリースクールなどその選択肢は豊富です。学校に通わずとも勉強はできますし、通信制高校で自分のペースで高卒資格の取得も可能です。

まずは子供が自分自身でさまざまな選択肢と将来への可能性を広げていけるよう、子供に合った勉強方法から見つけていきましょう。