不動産売却時にかかる住民税はいつ払う?納税時期や計算方法を説明

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不動産売却時にかかる住民税はいつ払う?納税時期や計算方法を説明

不動産売却時に利益が発生した場合は譲渡所得税が課せられるため、売却代金すべてが手元に残るわけではありません。

譲渡所得税には住民税と所得税が含まれており、計算方法は複雑です。税額が想像以上になる可能性もあるため、不動産売却前に概算しておくと安心です。

この記事では、不動産を売却して利益が発生したときに課せられる譲渡所得税をわかりやすく解説します。譲渡所得税の計算方法や納付方法も併せて解説するので、不動産の売却を検討している人は参考にしてください。

【監修】穂坂 潤平 宅地建物取引士。仲介営業13年(宅建は新卒の時に取得)、不動産仲介会社起業3年の経験を経てウェブクルーに入社。趣味は何でも遊びにすること。仕事では「喜ばれる仕事をして、自らも喜ぶこと」をモットーに日々ご提案しております!

不動産売却時の住民税・所得税とは

不動産売却時に利益が発生した場合、住民税と所得税からなる譲渡所得税が課せられます。譲渡所得税を解説するまえに、そもそも住民税や所得税が何かを簡単に説明します。

住民税は地方税の都道府県民税と市区町村民税を合わせた税金のため、納付先は都道府県および市区町村です。

一方の所得税は、配当所得や給与所得などの所得に対して課せられる税金です。所得税は国税のため、納付先は国です。

住民税と所得税の概要を理解したところで、次に不動産売却時に利益が発生した場合に課せられる譲渡所得税の説明をします。

利益が出ると譲渡所得税(住民税・所得税)がかかる

土地やマンションなどの不動産売却時に利益が発生した場合、その利益に対して譲渡所得税と呼ばれる税金が課せられます。

譲渡所得税は所得税のひとつですが、国税である所得税のほかに地方税である住民税が含まれていることが特徴です。計算する際には、不動産の所有期間や取得費などのさまざまな項目が影響するため、利益の額に応じて税率が高くなるとは限りません。

譲渡所得税は不動産売却の翌年に確定申告を行い、期間内に納付する仕組みです。一方で、不動産売却時に利益が発生しない場合は譲渡所得税が課せられないため、確定申告は不要となります。ただし、不動産売却時に損失が出た場合や各種控除を適用する場合などは、確定申告が必要です。

より詳しい内容はこちらの記事で解説しています。
不動産売却にはどのような税金がかかる?申告方法や節税対策を解説

譲渡所得税(住民税・所得税)の計算方法

譲渡所得税の計算は、消費税のように金額に対して税率をかけて算出できるという単純な方法ではありません。

ここでは譲渡所得税の計算方法をわかりやすく解説します。

譲渡所得を算出する方法

譲渡所得税は不動産売却時に発生した利益に対して課せられますが、売却代金の全額に課せられるわけではありません。譲渡所得税を計算する際には、まず次の式で課税対象になる課税譲渡所得の額を求めます。

課税譲渡所得=売却代金-取得費-譲渡費用

【取得費】
取得費は不動産購入時にかかった金額で、土地と建物で計算方法が異なります。土地の場合、土地の代金や仲介手数料など、購入した際にかかったすべての金額が取得費です。

一方で建物の場合は、購入時にかかった建物の代金から経年による減価償却費を差し引いた金額と仲介手数料などの費用を合わせた額が取得費になります。

なお、土地や建物などを購入した際の金額が不明な場合は、概算取得費(売却代金に5%をかけた金額)を購入代金として計上可能です。

【譲渡費用】

譲渡費用は不動産売却時にかかった金額で、おもに次の費用が対象になります。

  • 仲介手数料
  • 印紙税
  • 測量費
  • 解体費 など

譲渡所得税額を算出する方法

譲渡所得税額は、売却代金から取得費と譲渡費用を差し引いた課税譲渡所得に税率をかけて算出します。

譲渡所得税額=課税譲渡所得×税額

ただし、譲渡所得税額は不動産の所有期間に応じて異なり、5年以下と5年超の2種類に区分されています。所有期間が5年以下の場合は短期譲渡所得に区分され、所有期間が5年超の場合は長期譲渡所得に区分されます。

それぞれの税率は次の通りです。

所有期間 所得区分 税率(※)
5年以下 短期譲渡所得 住民税:9%
所得税:30.63%
5年超 長期譲渡所得 住民税:5%
所得税:15.315%

※所得税額には2.1%の復興特別所得税が含まれています。

譲渡所得税(住民税・所得税)の納付方法と納付時期

不動産売却時に利益が出た場合に課せられる譲渡所得税は、納付方法と納付時期が定められています。ここでは譲渡所得税の納付方法と納付時期をわかりやすく解説します。

譲渡所得税(住民税・所得税)の納付方法

毎年決められた時期に納税通知書が届く固定資産税と異なり、譲渡所得税は各自で手続きして納付する必要があります。

【申告方法】
譲渡所得税は、不動産売却の翌年に確定申告を行って納付する仕組みです。確定申告の対象は所得税のみですが、譲渡所得税の場合は住民税も同時に申告することになります。

確定申告書と添付書類を揃え、税務署の窓口や郵送、オンラインで手続きします。申告に必要な書類は、税務署の窓口またはオンラインで入手可能です。

【申告期間】
確定申告の期間は、原則として毎年2月16日から3月15日までです。2月16日または3月15日が土日祝日と重なる場合は、翌平日からの開始日または期日に変更されます。

【納付方法】
譲渡所得税は、おもに次の方法で納付できます。

  • 税務署窓口
  • 銀行窓口
  • コンビニ
  • 口座振替
  • クレジットカード
  • キャッシュレス決済 など

譲渡所得税(住民税・所得税)の納付時期

譲渡所得税の納付時期は、住民税と所得税で異なるので注意しましょう。

【住民税】
住民税の納付方法には、普通徴収と特別徴収の2種類があります。会社員で毎月の給与から天引きされるケースは特別徴収になります。

一方の普通徴収は、納税通知書でみずから納付する方法です。普通徴収の場合、確定申告した年の5月以降に知町村から納税通知書が届きます。納付回数は一括払いのほかに、6月・8月・10月・翌年1月の4回払いが選べます。

【所得税】
譲渡所得税の納付期限は年によって若干変動するものの、確定申告の期間が毎年2月16日から3月15日までなので、口座振替以外は4月15日前後のケースがほとんどです。令和2年分の場合、令和3年4月15日が納付期限。口座振替の振替日は、令和3年5月24日です。

不動産売却による譲渡所得税(住民税・所得税)を抑えるには

譲渡所得税は、いくつかの方法を用いて節税につなげることが可能です。ここでは、不動産売却による譲渡所得税を抑える方法を3つ解説します。

不動産の所有期間を意識する

譲渡所得税額は不動産の所有期間に応じて異なり、5年以下の短期譲渡所得と5年超の長期譲渡所得の2種類に区分されています。

所得区分(所有期間) 税率
短期譲渡所得(5年以下) 住民税:9%
所得税:30.63%
長期譲渡所得(5年超) 住民税:5%
所得税:15.315%

短期譲渡所得は長期譲渡所得に比べて税率が高く設定されており、その差は19.315%です。所有期間がぎりぎり短期譲渡所得に該当する場合は、5年を経過してから売却すると譲渡所得税の税額を抑えられます。

ただし、所有期間のカウントは取得した日以降ではないので注意が必要です。所有期間は、不動産を売却した年の1月1日時点で5年を経過しているか否かになります。

控除を活用する

不動産売却時の税負担を軽減するために、いくつかの控除や軽減税率などが設けられています。ここでは、譲渡所得税に適用できる控除や軽減税率などを解説します。

それぞれ要件が設けられているので、該当するかどうかをチェックしながら読み進めてみてください。

3,000万円の特別控除

譲渡所得税で適用できる控除で代表的なものは、マイホーム売却時の3,000万円の特別控除です。

この控除が適用されると、課税対象となる譲渡所得を算出する際に、売却代金から取得費と譲渡費用のほかに3,000万円までを差し引くことが可能です。

【計算式】
譲渡所得=売却代金-取得費-譲渡費用-3,000万円

この特別控除は、次の要件を満たせば適用できます。

  • マイホームを売却すること
  • 転居から3年後の年末までに売却すること
  • 災害に遭った日から3年後の年末までに売却すること
  • 解体後の転居から3年後の年末または解体後1年以内に売却すること
  • 売却の前年および前々年に3,000万円特別控除を活用していないこと
  • 売却の前年および前々年に買換えや交換の特例を活用していないこと
  • 売り手と買い手が特別な関係でないこと など

マイホームの売却に対する特別控除なので、趣味や保養目的で所有する不動産は対象外になります。

所有期間10年以上の場合の軽減税率

譲渡所得税の税率は、5年以下の短期譲渡所得と5年超の長期譲渡所得の2種類に区分されています。

長期譲渡所得のうち所有期間が10年以上の場合、6,000万円までの税率が20.315%から14.21%に軽減されます。

この軽減税率は、次の要件を満たせば軽減税率が適用されます。

  • 国内のマイホームを売却すること
  • 売却した年の1月1日時点で所有期間が10年超であること
  • 売却した年の前年および前々年に同じ軽減税率が適用されていないこと
  • 買換えや交換などの特例を活用していないこと
  • 売り手と買い手が特別な関係でないこと

3,000万円特別控除と併用すれば、節税できる金額が大きくなります。

特定居住用財産の買換えの特例

特定居住用財産の買換えの特例は、マイホームを買い換えた場合に譲渡所得税を将来に繰り延べられる制度です。

売却した年の1月1日時点で所有期間が10年を経過しており、居住期間も10年を経過していることが要件のひとつになります。そのほかの要件は次の通りです。

  • マイホームを売却すること
  • 売却した年の前年および前々年に3,000万円の特別控除や軽減税率などの特例を活用していないこと
  • 売却および買換えしたマイホームが国内にあること
  • 売却代金が1億円以下であること
  • 買い換えたマイホームの床面積が50平方メートル以上であること
  • 買い換えたマイホームの敷地面積が500平方メートル以下であること
  • 売却した年の前年から翌年までの3年間に買い換えること など

ただし、3,000万円の特別控除と軽減税率の特例とは併用できません。

ふるさと納税を活用する

ふるさと納税とは任意で自治体に寄付することで税金が控除される制度で、寄付額に応じて返礼品を受け取れます。寄付額が2,000円を超える部分は、所得税と住民税から控除されます。そのため、ふるさと納税も譲渡所得税の節税対策のひとつの手段と言えるでしょう。

控除の上限額は収入や家族構成などで異なり、ふるさと納税で控除を受ける場合は、譲渡所得税と同様に確定申告が必要です。

【3,000万円の特別控除のほうがお得になるケース】

上限額を超えた部分は控除されないため、活用できるのであれば3,000万円の特別控除を選んだほうがお得になります。

【ふるさと納税を活用するとお得になるケース】

買換えで住宅ローン控除を利用すると、3,000万円の特別控除が併用できません。譲渡所得が数百万円程度の場合、住宅ローン控除を利用したほうがお得になるだけでなく、ふるさと納税の上限額も引き上げられます。

注意点としては、ふるさと納税は不動産を売却した年と同じ年の納付が必要なことが挙げられます。

不動産売却時の住民税は節税できる

不動産売却時に利益が発生した場合は、住民税と所得税が含まれている譲渡所得税が課せられます。譲渡所得税は不動産売却の翌年に確定申告を行った上での納付になるため、忘れないように注意しましょう。

税率は所有期間5年以下の短期譲渡所得と5年超の長期譲渡所得の2つに区分されており、短期譲渡所得のほうが高く設定されています。節税対策を講じる場合は、所有期間が5年超になるまで待ってから売却するのも手段のひとつです。

また、3,000万円の特別控除や特定居住用財産の買換えの特例などの控除が適用できる場合のあるため、予め要件をチェックして節税対策につなげましょう。

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