固定資産税評価額とは|計算方法や調べ方をわかりやすく解説
固定資産税評価額とは、土地や建物の価値を数字で示したものです。
固定資産税評価額を知ることで、所有する土地や建物に、どの程度の価値があるのかを把握できます。また、固定資産税評価額をもとに、固定資産税を計算することも可能です。
本記事では、固定資産税評価額の概要と確認方法、固定資産税の計算方法をわかりやすく紹介します。
- 固定資産税評価額の概要
- 固定資産税評価額の調べ方と見方
- 固定資産税の計算方法
【監修】竹中啓倫 税理士・米国税理士 岐阜県出身。長年、地元の岐阜で開業していたが、2023年8月、名古屋市内に事務所を移転する。竹中啓倫税理士事務所の代表を務める。自己の経験をもとにした大会社の経理に詳しく、また、M&Aなどの事業再編を得意とする。それ以外にも、医療分野にも造詣が深く、自ら心理カウンセラーとして、心の悩みにも答えている。
固定資産税評価額とは
ここでは、固定資産税評価額の基礎知識を解説します。
固定資産税などの税金の算出に用いられる
固定資産税は、土地や家屋といった固定資産を毎年1月1日の時点で所有している人が支払う税金です。その際、税額を算出するために固定資産税評価額が用いられます。
固定資産税評価額は土地と建物にそれぞれ分けられ、評価する項目も異なります。例えば、建物は家屋の大きさや築年数、構造などが評価対象となり、土地の場合は、所在地や形状によって評価額が異なります。
また、都市計画税や不動産所得税、登録免許税を算出する際にも固定資産税評価額が用いられます。
固定資産税評価額と似た言葉に「路線価」がありますが、路線価は相続税や贈与税を計算するためのもので、国税庁が毎年発表しています。
評価額は自治体が決定している
固定資産税評価額を決めるのは各市町村の自治体(東京都23区の場合は東京都)で、固定資産評価基準に基づいて専任の担当者が1軒ずつ決定しています。
土地と建物の評価の基準になる価格と評価額の目安は、それぞれ次の通りです。
土地 | 地価公示価格等の70%程度 |
---|---|
家屋 | 再建築価格※の50~70%程度 |
※その建物を、評価時点で同一の場所に新築する場合に必要とされる建築費
実際の評価額は、土地の場所や形、家屋の構造や劣化具合などで変わるため、正確な金額を知りたい方は、固定資産税評価額の調べ方と見方を参考にしてください。
固定資産税評価額は建物の種類や構造によっても変わる
固定資産税評価額は、建物の種類や構造、設備などの条件によっても変わり、建築にかかるコストに比例して高くなる傾向にあります。
床面積が同じでも、木造一戸建てより鉄筋コンクリート構造の一戸建てのほうが高くなり、一戸建てよりマンションのほうが高くなることが多いでしょう。また、キッチンやトイレ、お風呂といった設備の数やグレードも評価額を決める要素になります。
評価額は3年に1度見直される
固定資産税評価額は3年に1度、評価替え(見直し)が行われます。評価替えの目的は、土地や家屋の市場価格の変化を評価額に反映することです。
評価額が変わることで納税額も影響を受けますが、市場価格の状況によっては納税者の負担が大きくなる場合もあるでしょう。そのような税負担の急激な変化を防ぐために、「負担調整処置」という仕組みが採用されています。
負担調整処置では、税負担の大きい土地に対して税額の引き下げまたは据え置きを行い、税負担の少ない土地はゆるやかに税額を上昇させることで、均衡化を図っています。
評価額は原則として3年に1回の年以外は変更されないことが通例ですが、土地の形質や区画の変化、地価が大きく下がった場合などは、例外として評価替えが行われることもあります。
固定資産税評価額の調べ方と見方
固定資産税評価額を調べる方法は、大きく分けて3つあります。
- 固定資産税課税明細書を確認する
- 固定資産課税台帳を閲覧する
- 固定資産評価証明書や名寄帳を取得する
ここでは、それぞれの方法と見方について解説します。
固定資産税課税明細書を確認する
固定資産を所有している人宛てに届く納税通知書には、「固定資産税課税明細書」と呼ばれる書類が同封されています。
固定資産税課税明細書の「価格」欄を確認することで、1月1日時点の固定資産税評価額がわかります。間違えやすい例として「価格」の隣にある「課税標準額」を参照してしまうケースがあるため注意しましょう。
また、固定資産税課税明細書には、土地と家屋の評価額が分けて記載されていますが、マンションの場合は全体の土地の価格になっています。
固定資産課税台帳を閲覧する
固定資産課税台帳には、固定資産税の対象となる土地や建物の所在地・所有者・評価額などが記載されており、市役所や税務センターなどで閲覧が可能です。
東京23区の場合は、閲覧したい不動産の固定資産税を管理する都税事務所で確認できます。なお、同一世帯の親族や親族から委任を受けた人、納税管理人による閲覧も可能です。
閲覧の際には、申請書や本人確認書類、手数料が必要になるケースが一般的ですが、手続きの方法は自治体によって異なります。閲覧可能な時間帯もあわせて、自治体のホームページなどで調べておきましょう。
固定資産評価証明書や名寄帳を取得する
固定資産税評価証明書は、固定資産課税台帳の内容を証明する書類で、土地や建物の評価額を確認できます。
また、所有者ごとに土地や建物の内容がまとまっている名寄帳(なよせちょう)は、相続税の計算などに使われることが多い書類ですが、土地や建物の評価額の確認にも役立ちます。
固定資産評価証明書や名寄帳は、不動産のある市町村役場で取得が可能です。一般的には申請書と本人確認できる書類が必要ですが、手続きの方法は自治体によって異なるため、ホームページなどを確認したうえで進めましょう。
書類の取得には手数料が必要で、委任状があれば代理人による取得も可能です。
固定資産税評価額から固定資産税を計算する方法
固定資産税は、固定資産税評価額から算出できます。計算式は次の通りです。
固定資産税評価額 × 1.4%(固定資産税の税率)
固定資産税評価額は公示価格の70%であるため、公示価格が1,000万円の場合は、固定資産税評価額が700万円になります。そこに固定資産税の税率である1.4%をかけると、固定資産税の額が98万円となることがわかります。
固定資産税評価額700万円 × 1.4%(固定資産税の税率)= 98万円
固定資産税の税率は基本的に1.4%となりますが、市町村によって値が異なる場合もあります。また、評価額は3年に1度見直しが行われるため、固定資産税も変化する可能性があります。固定資産税を計算する際は、最新の情報を確認しましょう。
固定資産税評価額のまとめ
固定資産税評価額は、土地や建物の価値を示したもので、固定資産税の計算にも役立ちます。毎年送られてくる課税明細書から評価額を参照する方法以外にも、固定資産税台帳の閲覧や、評価証明書・名寄帳の取得によって確認できます。
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固定資産税は、納税者側から申告をする必要はなく、市区町村等によって決定された評価額に基づいて、税率を乗じて税額を決定し、賦課されてものですので、納税者側で計算する必要は全くありません。ただし、建物を新しく建築した場合や既存の建物を改修等行った場合、新たに評価額を付される場合がありますので、その際の価格決定が誤っている場合もありますので、その金額についてはチェックする必要はあるでしょう。また、他社から土地を購入している場合も、誤った評価が付されている可能性がありますので、やはり確認を行う必要はあります。