マンション売却で内覧の返事はいつ来る?良い返事をもらうためのコツ
マンションを売却する際には、購入希望者に物件を見学してもらう「内覧」が行われるのが一般的。内覧後は、購入希望者からどのような返事がもらえるかわかりません。返事がもらえるタイミングの目安がわかれば、次の工程もスムーズに進められます。また、内覧の印象次第では売買契約につながる可能性があるため、良い返事をもらうための工夫が必要です。
この記事では、マンション売却で内覧の返事が来るタイミングをわかりやすく解説します。記事内では良い返事をもらうためのコツも併せて解説するので、内覧での印象をアップさせてマンションの売却を成功させましょう。
【監修】穂坂 潤平 宅地建物取引士。仲介営業13年(宅建は新卒の時に取得)、不動産仲介会社起業3年の経験を経てウェブクルーに入社。趣味は何でも遊びにすること。仕事では「喜ばれる仕事をして、自らも喜ぶこと」をモットーに日々ご提案しております!
内覧後に返事が来るのは1週間程度が一般的
最初に結論を述べると、マンションの内覧後に購入希望者から返事が来るタイミングは1週間程度が一般的です。1週間程度という期間はあくまでも目安で、早い場合は内覧当日~翌日までに返事が来るケースもあります。
また、内覧後は良い返事がもらえるとは限らないため、内覧があっても必ず売買契約につながるわけではありません。実際に売買契約が決まるまでの内覧件数は、10件程度だと言われています。
売買契約はどのタイミングで決まるかわからないため、初めての内覧で良い返事がもらえなくても決して焦る必要はありません。
マンションの内覧後に返事が来ない理由
マンションの内覧後に返事が来るタイミングは1週間程度が目安とはいえ、返事が来るまでに時間がかかるケースもあります。内覧後に返事が来るタイミングは、購入希望者の購入意思の強さが影言するからです。
例えば内覧前から購入意思がある程度固まっており、イメージしていた通りの物件だった場合は、返事が早い傾向にあります。
一方で内覧後に返事がなかなか来ない場合、次のような理由が考えられます。
- ほかの物件と比較検討したい場合
- 実際の物件を見てイメージと違った場合
- 売り手や不動産会社の印象が良くなかった場合
それでは、マンションの内覧後に返事が来ない理由を詳しく解説します。
ほかの物件と比較検討したい場合
内覧後に返事が来ない理由のひとつに、購入希望者がほかの物件と比較検討したいと考えている場合があります。内覧の時点で購入意思が強い場合は、当日~翌日に返事が来るケースが多いです。
一方で内覧の時点ですでにほかの物件と比較検討していた場合、返事が来るまでの日数は2~3日程度かかることがあります。しかし、内覧から3日以上経っても連絡がない場合は、これからほかの物件と比較検討したい、またはほかに魅力のある物件を見つけたいと考えている可能性が高いです。
ほかの物件と比較検討したいと考えている購入希望者の中には、同じ物件の内覧を複数回希望する人もいます。例えば、購入資金の援助を受ける両親との内覧や、天候が異なる日の内覧などです。同じ購入希望者から内覧の申し出があった場合は、快く受け入れて売買契約につながるような工夫を施しましょう。
実際の物件を見てイメージと違った場合
マンションの売却で内覧を行う目的は、購入希望者が実際に物件を見てイメージ通りかどうかをチェックすることです。売出し価格や間取りなどの物件情報は、基本的に内覧までに広告や不動産ポータルサイトなどで確認できているからです。
内覧後に返事が来ない場合、購入希望者が内覧前に抱いていたイメージと実際の物件に相違があったことが原因だと考えられます。
内覧前まではある程度の購入意志があっても、物件のイメージが違えば購入意欲の低下につながる可能性があります。内覧を受け入れる際には、イメージの相違が大きくならないように掃除や修繕で対策しておきましょう。
売り手や不動産会社の印象が良くなかった場合
内覧後の返事が来ない場合、物件自体を気に入っていても売り手や不動産会社の対応によって購入意欲が低下している可能性が考えられます。購入希望者は、内覧の際に物件だけでなく売り手の印象もチェックすることがあるからです。
また、通常の売買では不動産会社に仲介を依頼するケースが多いため、スムーズに取引きするためには信頼できる担当者の存在が大きいです。そのため、担当者が頼りないと購入希望者に不安を与えてしまう可能性があります。
さらに売り手が積極的過ぎると良い印象を持ってもらいにくいため、内覧時にはなるべく控えめにしておき、購入希望者から質問があった際には丁寧な対応を心掛けるようにしましょう。
【居住中・空室別】マンションの内覧後に良い返事をもらうためのコツ
内覧後に返事が来るタイミングは、購入希望者の購入意志の強さで異なります。早く返事をもらえても、必ずしも良いものとは限りません。そのため、売り手は良い返事がもらえるように、準備や対応に工夫を凝らすことも大切です。
ここでは、マンションの内覧後に良い返事をもらうためのコツを詳しく解説します。居住中と空室別に解説するので、自身の売却活動に応じたコツを掴んでマンションの売却を成功に導きましょう。
居住中の場合
居住中のマンションを売却する場合、内覧後に良い返事をもらうためのコツはおもに次の通りです。
- 内覧準備を怠らない
- 購入希望者には丁寧な対応を心掛ける
- 室内は明るく快適な温度に設定する
それでは、居住中のマンションの内覧で良い返事をもらうためのコツを詳しく見ていきましょう。
内覧準備を怠らない
内覧は、マンションの売却に影響を及ぼす大切なイベントです。内覧後に良い返事をもらうためには、内覧準備を怠らないことがポイントになります。
居住中のマンションを売却する場合は、室内がすっきりときれいに見えるように掃除や整理整頓を済ませておきましょう。室内の状態によっては、購入希望者の購入意欲の低下につながる可能性があるからです。
重点的に掃除しておきたい場所は、キッチンや浴室などの水回りです。水回りは居住者の生活感が出やすいため、水垢や油汚れは落としておきましょう。
普段生活している居住者には気づきにくいポイントとして生活臭があります。例えば、タバコやペットの臭いなどです。室内の生活臭が気になる購入希望者もいるため、特に喫煙者やペットがいる場合は換気をして臭いを残さない工夫が必要です。
購入希望者には丁寧な対応を心掛ける
居住中のマンションで内覧を受け入れる際には、購入希望者に対してできるだけ丁寧な対応を心掛けましょう。内覧で物件が気に入った場合でも、売り手の印象次第では購入意欲の低下につながる可能性があるからです。
マンションは実際に居住してみないとわからないことも多いため、内覧の際に購入希望者から質問を受けることがあります。質問される内容を想定し、スムーズに答えられるように準備しておくといいでしょう。
答える内容によってはセールス行為と捉えられる可能性があるため、話し過ぎないように注意が必要です。基本的に売り手は内覧を静かに見守り、物件の説明は不動産会社の担当者に任せて、購入希望者から質問されたら答える程度に留めておきましょう。
室内は明るく快適な温度に設定する
居住中のマンションで内覧を受け入れる際には、購入希望者に心地よく過ごしてもらうための工夫を心掛けましょう。例えば室内を明るくしたり、エアコンを適切に使ったりするなどです。
内覧の時間が昼間であっても、すべての照明を使ってより明るく見せるようにします。日光の入り具合によって室内の明るさが異なる場合は、昼白色や昼光色の電球に変えるのも手段のひとつです。
窓の開閉で室内の温度を調整しにくい夏や冬は、エアコンを使って購入希望者が快適に過ごせるようにしましょう。
空室の場合
売り手が転居後のマンションを売却する場合、内覧後に良い返事をもらうためのコツはおもに次の通りです。
- 立ち会いはできるだけ避ける
- 室内をきれいな状態にしておく
- 基本的に家具はすべて撤去する
それでは、空室のマンションの内覧で良い返事をもらうためのコツを詳しく見ていきましょう。
立ち会いはできるだけ避ける
居住中のマンションで内覧を受け入れる際には、売り手が立ち会うのが一般的です。一方で売り手がすでに転居した空室のマンションで内覧を受け入れる際には、できるだけ立ち会いを避けるのが望ましいです。
なぜなら、売り手が立ち会うことで購入希望者に緊張や不安を与えてしまう可能性があるからです。そのため、空室のマンションで内覧を受け入れる場合は、基本的に不動産会社の担当者に任せましょう。
しかし、売り手が立ち会うと、実際に居住したからこそわかる情報を購入希望者に伝えられるメリットがあるのも事実です。購入希望者に知ってもらいたいアピールポイントがある場合は、不動産会社の担当者を介して伝えてもらうのが無難です。
室内をきれいな状態にしておく
売り手がすでに転居しているマンションでの内覧は、居住中と異なり家具や家電などがないので室内を広く見せられることがメリットです。より室内をきれいに見せるために、転居後も定期的に掃除して、いつでも内覧を受け入れられる状態にしておくといいでしょう。
転勤や二段階移住などで離れた場所に転居している場合は、定期的な掃除を無理に行う必要はありません。内覧を受け入れるためのハウスクリーニングは義務ではありませんが、床や壁などの汚れが目立つようであれば専門業者に依頼するのも手段のひとつです。
ハウスクリーニングの費用は間取りや範囲によって異なりますが、空室は居住中に比べて安くなる傾向にあります。
基本的に家具はすべて撤去する
空室の状態で内覧を受け入れる場合、基本的に冷暖房設備や照明器具などの備え付け設備以外の家具はすべて撤去するようにします。売り手個人が所有している家具は、不動産取引の対象外になるからです。
また、家具付き物件として売り出した場合でも、買い手が引き取るケースは少ないのが現状です。引き取りを拒否された家具は、物件の引渡しまでに処分することになります。
室内に残った家具の処分に困った場合は、ネットオークションに出品する、リサイクルショップに売るなどもおすすめです。
マンションの内覧後に良い返事をもらえなかった場合
内覧を申し込む購入希望者が現れても、内覧後に良い返事がもらえるとは限りません。良い返事がもらえなかった理由には、イメージと違ったことで購入意欲が低下した場合もあれば、元々購入意欲が低かった場合も考えられます。
大切なのは、良い返事がもらえなかった理由を聞いて次の内覧に活かすことです。購入希望者の中には決め手を見つけるために、もう一度内覧を申し出る人もいます。このようなケースもあるため、1回目の内覧で良い返事がもらえなくてもまだチャンスはあります。
実際に売買契約が決まるまでの内覧件数は10件程度だと言われているため、次の内覧後に良い返事をもらえるように備えましょう。
内覧の返事は焦らないことが大切
マンションの内覧後に返事が来るタイミングは1週間程度が目安で、購入希望者の購入意思の強さが影響します。内覧の時点である程度の購入意思が固まっている場合は、早く返事が来るケースが多い傾向にあります。
一方でほかに気になる物件がある場合は比較検討に時間を要するため、返事が来るまで1週間程度は様子を見るようにしましょう。また、売買契約が決まるまでの内覧件数は10件程度だと言われているため、初めての内覧で良い返事がもらえなくてもあきらめる必要はありません。良い返事がもらえなかった場合は理由を聞き、次回の内覧に備えてスムーズな売却を目指しましょう。
良い返事がなかなかもらえない場合や内覧件数が少ない場合は、別の不動産会社へ切り替えることも視野に入れることをおすすめします。最初に信頼できる不動産会社と出会えるかどうかは複数の不動産会社を比較することが大切です。一括査定サイトでは一度に複数の不動産会社へ査定を依頼できるのでぜひ利用してみてください。