リバースモーゲージはやばい?デメリットとメリットを確認しよう!

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リバースモーゲージはやばい?

インターネットで「リバースモーゲージ」を検索すると、「やばい」「悲惨」「罠」などの関連ワードが表示されます。
ネガティブなワードが多いため、リバースモーゲージの利用をしてもいいのか不安な人もいるのでしょう。

リバースモーゲージを利用する際には、しっかりと仕組みやメリット・デメリットを把握しておくことが大切です。
そこでこの記事では、リバースモーゲージの仕組みやメリット・デメリットなどをわかりやすく解説します。

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【監修】穂坂 潤平 宅地建物取引士。仲介営業13年(宅建は新卒の時に取得)、不動産仲介会社起業3年の経験を経てウェブクルーに入社。趣味は何でも遊びにすること。仕事では「喜ばれる仕事をして、自らも喜ぶこと」をモットーに日々ご提案しております!

リバースモーゲージとは

リバースモーゲージとは

リバースモーゲージは、資金調達方法のひとつです。

まとまったお金を受け取れるため、事業資金や老後資金などのさまざまな用途に使用できます。

リバースモーゲージの仕組み

リバースモーゲージは、自宅を担保に融資を受けられる金融商品のひとつです。

利用者は、毎月の利息分のみを返済します。

元本は契約者の死亡後または契約期間終了後に、担保にしている自宅の売却代金で返済する仕組みです。


高齢化によって老後生活への不安が高まる中、リバースモーゲージは高齢者を中心に注目を集めています。

独立行政法人住宅金融支援機構の資料によると、2022年4~6月の申請戸数は428戸だったことがわかっています。

【リ・バース60】の利用実績 申請戸数
2022年4~6月 356戸
2021年4~6月 243戸

前年同期からの増加率は120.2%です。

また、申請者の57.0%が年金受給者だったこともわかっています。

申請者属性 割合
年金受給者 57.0%
会社員 22.4%
個人経営 6.8%
会社役員 5.6%
パート・アルバイトほか 4.7%
※出典元:独立行政法人住宅金融支援機構「【リ・バース60】の利用実績等について(2022年4月~6月分)」

最近の物価高に加え、高齢化社会が進むに連れ、リバースモーゲージの利用者も増える可能性があるでしょう。

リバースモーゲージの種類

リバースモーゲージには、社会福祉協議会や住宅支援機構などの公的機関が提供する商品と民間金融機関が提供する商品の2種類があり、それぞれ特徴が異なります。

種類 特徴
公的機関が提供する商品
  • 民間金融機関よりも金利が低い
  • 資金用途が限定的
  • 利用条件が厳しい
民間金融期間が提供する商品
  • 公的機関よりも金利が高い
  • 対象年齢が広い
  • 資金用途に制限がない
  • 融資の受け取り方の選択肢が広い

社会福祉協議会が提供する商品は、低所得の高齢者世帯が対象です。

用途は、生活資金に限定されています。

住宅支援機構が提供する商品は、住宅を購入する人が対象です。

用途は住宅の購入に限定されているため、生活資金や事業資金に充てることはできません。

公的機関の商品は、民間金融機関よりも金利が低く設定されています。

年齢や担保となる不動産の価値などの利用条件は、民間金融機関よりも厳しい傾向にあります。

一方の民間金融機関が提供する商品は、公的機関よりも金利が高く設定されているものの、資金用途に制限がありません。

対象年齢も広く、利用条件を満たせば50代でも利用できる可能性があります。

リバースモーゲージは本当にやばいのか?

リバースモーゲージは本当にやばいのか?

結論から言うと、リバースモーゲージは危険な金融商品ではありません。

転居も必要ないため、自宅に住みながらまとまった資金を確保できます。

ただし、自宅を担保に借入をするため、仕組みやメリット・デメリットを理解しておくことが大切です。

返済方法や返済計画をしっかりと立てれば、利用する人によっては有力な資金調達方法の候補になります。

次に紹介するメリットとデメリットを確認していきましょう。

リバースモーゲージの3つのメリット

リバースモーゲージの3つのメリット

リバースモーゲージはまとまったお金を受け取れるため、生活資金に不安がある人にとってはメリットが大きい資金調達方法です。

このほかにも、リバースモーゲージならではのメリットがいくつかあります。

月々の支払いは利息のみ

リバースモーゲージの場合、元本を返済するタイミングは契約者の死亡後または契約終了後のいずれかです。

月々の支払いは基本的に利息分のみなので、経済的な負担が少なくて済みます。

また、住宅ローンが残っている状態でも、リバースモーゲージへの借換えが可能です。

商品の中には、使途を住宅ローンの返済に限定したものも登場しています。

借換えると毎月の返済は利息分だけになるため、住宅ローンの返済の負担を軽減できます。

自宅に住み続けながら資金調達できる

リバースモーゲージを利用する時点では、自宅の売却は不要です。

契約者の死亡後または契約終了後に自宅を売却し、借入額を一括返済するのが原則です。

そのため、所有権を渡さずにまとまった資金を手に入れられます。

高齢でも融資を受けられる

一般的な融資の場合、高齢になると貸し倒れのリスクがあるため、審査に通りにくい傾向にあります。

しかし、リバースモーゲージはシニア層を対象とした金融商品なので、高齢者でも融資を受けやすくなります。

融資対象年齢は商品によって異なりますが、60歳以上のケースがほとんどです。

また、リバースモーゲージは、年金受給者でも利用可能です。

社会福祉協議会が提供する不動産担保型生活資金は、低所得の高齢者世帯向けの商品なので、年金以外に収入がなくても借入れできる可能性があります。

リバースモーゲージの6つのデメリット

リバースモーゲージの6つのデメリット

リバースモーゲージは低所得者や高齢者でも利用しやすい一方で、いくつかのデメリットもあります。

利用後に後悔しないためにも、デメリットもきちんと把握しておきましょう。

融資額が思ったよりも少ない可能性がある

リバースモーゲージは、自宅を担保にして融資を受ける金融商品です。

自宅を売却するのは、契約者の死亡後または契約終了後になるため、リバースモーゲージでは将来的な価格変動を考慮して融資額を決めるのが一般的です。

将来的に自宅の価格が下がれば、売却代金で完済できないリスクがあるため、担保評価額に対する融資額が少ない可能性があります。

リバースモーゲージの融資額は、担保評価額の50~80%程度が目安です。

金額によっては将来的な資金計画が破綻するリスクもあるため、事前にシミュレーションした上で利用を検討するようにしましょう。

担保評価が下がり返済を迫られる可能性がある

リバースモーゲージで受けられる融資額は、自宅の担保評価額で決まります。

担保評価額は利用開始時の確認だけでなく、毎年見直しが行われます。

不動産の価値は常に同じではなく、日々変動しているのが現状です。

契約期間中に不動産の価値が下がった場合、融資限度額が当初よりも少なくなります。

借入残高が融資限度額を上回ると、その分は利息と別に返済が必要です。

万が一返済できない事態に陥ると、契約期間の終了を待たずに自宅の売却を余儀なくされる可能性があります。

金利が上昇し利払いが増える可能性がある

低金利政策により、消費者は借入れしやすい状態が続いています。

しかし、低金利の状態はいつまで続くかわかりません。

リバースモーゲージの場合、変動金利が採用されているケースがほとんどです。

契約期間中に金利が上昇すれば、当初の予定よりも利息が増える可能性があります。

金利がわずかな上昇でも、支払額に大きな差が出ます。

融資額によっては金利が1%違うだけで、数百万円の利息差がつくケースも珍しくありません。

利息が増えると毎月の返済が難しくなることもあるため、リバースモーゲージを利用する際には金利の上昇リスクがあることも覚えておきましょう。

長生きすると資金が足りなくなる可能性がある

厚生労働省の「簡易生命表(令和3年)」によると、平均寿命は男性が81.47歳、女性が87.57歳であることがわかっています。

日本人の平均寿命は、世界的に見てもトップクラスです。

しかし、リバースモーゲージを利用する場合、長生きがリスクにもなり得ます。

年々融資額が積み重なることで、融資限度額を超えてしまう可能性があるからです。

限度額を超えてしまった分は、利息とは別に返済しなければなりません。

また、契約期間が設けられている商品は、存命中に期限を迎えると元本の返済が必要です。

返済できない場合は、存命中でも自宅を手放さざるを得なくなります。

※出典元:厚生労働省「簡易生命表(令和3年)」

債務者が死亡後に配偶者が住めなくなる可能性がある

元本は契約者の死亡後または契約期間終了後に、担保にしている自宅の売却代金で返済する必要があります。

契約者が死亡後も配偶者が住み続けたい場合は、借換えできるケースもあります。

しかし、配偶者が借換えの審査に通るとは限りません。

審査に通らず返済も難しい場合は、自宅の売却を余儀なくされる可能性があります。

リバースモーゲージにはこのようなリスクもあるため、万が一のときのことを夫婦で十分に協議してから利用するようにしましょう。

債務が相続人に残る可能性がある

契約者が死亡したときには、借入額を現金で一括返済する必要があります。

現金が用意できなければ、自宅の売却代金を返済に充てなければなりません。

しかし、担保評価額は日々変動しているため、契約者の死亡後に自宅を売却しても、完済できるとは限りません。

自宅を売却しても債務が残ったときには、相続人に返済義務が引き継がれる可能性があります。

そのため、商品によってはすべての法定相続人の同意を求められるケースもあります。

相続人への負担を軽減するには、ノンリコース型の商品を利用するのも手段のひとつです。

リコース型は相続人に返済義務が引き継がれるのに対し、ノンリコース型は引き継がれません。

ただし、ノンリコース型はリコース型よりも金利が高い傾向にあります。

リバースモーゲージの利用が向いている人

リバースモーゲージの利用が向いている人

リバースモーゲージの利用には、向き不向きがあります。

利用が向いているのは、次のような人です。

  • 自宅に住み続けながら老後の資金を確保したい人
  • 老後は老人ホームでの生活を考えている人
  • 相続人がおらず家を遺す必要がない人

リバースモーゲージは基本的にシニア向けの商品なので、老後生活が不安な人におすすめです。

自宅に住み続けながら老後の資金を確保したい人

2019年6月に公表された金融庁の金融審議会市場ワーキング・グループの報告書をきっかけに、老後資金2,000万円問題が取り沙汰されるようになりました。

報告書では、65歳以降30年間生きるには、2,000万円程度の資金が必要と試算されています。

年金だけで生活をまかなうことが難しくなった昨今、老後の生活資金を確保したい人には、リバースモーゲージがおすすめです。

リバースモーゲージは自宅に住み続けながら資金を調達できるため、安心した老後を過ごせる可能性が高まります。

老後は老人ホームでの生活を考えている人

持ち家があり、将来的に老人ホームへの入居を検討している人には、リバースモーゲージがおすすめです。

老人ホームに入居するには、入居一時金の支払いが必要なケースがほとんどです。

高級老人ホームの場合、入居一時金が数千万円必要になることも珍しくありません。

リバースモーゲージは自宅を担保にまとまった資金を手に入れられるため、入居一時金に充てることが可能です。

元本は契約終了後に自宅を売却して返済するため、入居一時金のために貯金を切り崩す必要もありません。

相続人がおらず家を遺す必要がない人

リバースモーゲージは、契約者が存命中に自宅を資金化できます。

相続人がいない場合は、誰かの同意を得る必要もありません。

契約者の死亡後は、契約先の公的機関や金融機関に財産処分を任せられます。

そのため、リバースモーゲージは相続人がおらず、自宅を遺す必要がない人におすすめです。

資金用途に制限がない商品を選べば、年金や貯金と併せて老後の生活を豊かにすることが可能です。

リバースモーゲージ以外の資金調達方法「リースバック」

リバースモーゲージ以外の資金調達方法「リースバック」

自宅を活用した資金調達方法は、リバースモーゲージだけではありません。

リースバックとは自宅を不動産会社に売却しつつも、毎月賃料を支払うことで住み続けられる方法です。

利用時に自宅の売却代金を受け取るため、元本の返済が不要です。

そのため、リバースモーゲージのように、担保評価額の低下や金利上昇による返済リスクがありません。

ただし、住宅ローンが残った自宅で利用する場合は、残債が売却代金を上回るオーバーローンになる可能性があります。

オーバーローンでも、自己資金で完済できれば問題ありません。

しかし、自己資金でも完済できない場合は抵当権を外せないため、リースバックの利用自体ができません。

リバースモーゲージを利用する際はデメリットをしっかりと把握しよう

リバースモーゲージを利用する際はデメリットをしっかりと把握しよう

リバースモーゲージには、担保評価が下がったり金利が上昇したりするなどのデメリットがあります。

契約者の死亡後は配偶者が自宅に住めなくなる可能性もあるため、万が一のときの対応を検討した上で利用する必要があります。

一方で月々の支払いは利息だけなので、経済的な負担が少ない点が魅力のひとつです。

自宅に住みながら資金を調達できるため、住み慣れた場所を離れずに済みます。

事前にシミュレーションして無理のない返済計画を立てれば、有力な資金調達方法になるでしょう。

この記事のおさらい

リバースモーゲージとは何ですか?
リバースモーゲージはやばいの?
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