不動産の売却価格相場はいくら?調べ方と知っておきたいポイント

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不動産の売却を考え始めたら、まずは相場を知ることが大切です。不動産の売却価格は変動しやすく、売却先によっても価格が大きく異なるためです。

事前に相場を把握しておくことで、適正な価格を提示している優良な不動産会社を選びやすくなります。この記事では、不動産売却の相場の調べ方と、相場を調べる際に知っておきたいポイントを紹介します。

この記事でわかること
  • 不動産売却価格相場の調べ方
  • 相場を調べる際に知っておくべきポイント
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【監修】岡﨑渉 【経歴】国立大学卒業後、新卒で大手不動産仲介会社に入社。現在はフリーランスのWebライターとして活動中。不動産営業時代は、実需・投資用の幅広い物件を扱っていた経験から、Webライターとして主に不動産・投資系の記事を扱う。宅地建物取引士・FP2級の資格を保有。
【SNS】 https://twitter.com/watalog_site
【ホームページ】 https://watalog.site

不動産売却価格の相場の調べ方

不動産売却価格の相場の調べ方

不動産の相場を複数の方法で調べることで、より実態に近い価格を把握できます。相場の調べ方を、おすすめ度や特徴別にまとめました。


【相場の調べ方一覧】
調べ方おすすめ度よい点・悪い点
一括査定サイトやポータルサイトのデータを調べる・参考になるデータがすぐに見つかる
購入価格と築年数から算出・下落率を掛けるだけなので最も手軽
・精度は低め
条件の近い物件の過去の取引事例から算出・実際の取引価格を参考にできる
・取引が少ないエリアでは相場感をつかみにくい
地価情報から算出・主に土地の相場を知るのに有効
・データの更新が年1回以下なので現在の価格と異なる可能性がある
一括査定サイトで査定・最も精度が高い
・訪問調査を依頼すると時間がかかる
・同時に仲介会社探しも可能

それぞれの方法について、次で詳しく見ていきましょう。なお、今回は方法ごとの結果の違いがわかりやすいように、条件を統一して実際に相場を調べていきます。

<仮条件>
埼玉県熊谷箱田
一戸建て
3LDK
築年数20年
土地150平米
建物面積100平米
購入価格3,000万円

一括査定サイト・ポータルサイトのデータを調べる

多くの不動産一括査定サイトでは、建物の種類や土地別にエリアごとの不動産売却相場を調べられます

下のデータは、ズバット不動産売却が提携している全国の不動産会社の直近一年間のデータをベースにした金額です。

ズバット不動産売却1

出典:熊谷市(埼玉県)の不動産売却査定・相場情報・売却実績|ズバット不動産売却

ズバット不動産売却のTOPページから各都道府県を選択すると、専用ページに移行し、さらに細かいエリアを選択できます。

ズバット不動産売却2

今回の仮条件である「埼玉県熊谷市箱田」の「戸建て」を選択すると、売却価格の相場は2,018万円であることがわかりました。築年数と土地面積が今回の仮条件と近いため、相場の2,000万円前後で売れる可能性は高いでしょう。

ズバット不動産売却3

より正確な相場を知りたい場合は、TOPページ冒頭で条件指定を行うことで、机上査定が可能です。入力が簡単で精度も高いため、ぜひ試してみてください。ご希望に応じて訪問査定も行っています。

ズバット不動産売却4

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購入価格と築年数から算出する

一般的に、築年数の経過に伴い建物の価値が下がるため、不動産売却価格の相場は下落します。下の表は、レインズが公開している成約物件の価格と築年数のデータをもとに、下落率を算出した一覧表です。

※レインズ:国土交通大臣から指定を受けた不動産流通機構が運営しているコンピューターネットワークシステム

【築年数と不動産売却価格相場の関係例(中古戸建て)】
  首都圏(万円) 下落率 埼玉県(万円) 下落率
~築5年 4,168 0% 3,361 0%
築6年~10年 3,957 5% 2,784 6.40%
築11年~15年 3,774 9.50% 2,738 8%
築16年~20年 3,460 17% 2,311 22.3%
築21年~25年 3,109 25.40% 1,904 36%
築26年~30年 2,596 37.70% 1,489 55.70%
築31年~ 2,023 51.50% 1,097 67.40%

(下落率は築0~5年を100%として算出) 参照:戸建住宅の築年帯別状況

今回の仮条件である「埼玉県築年数20年」の「戸建て」の場合、「築16年~20年」の項目に該当するため、下落率は22.3%です。そこに購入価格の3,000万円をあてはめると、下落する金額は「3,000万×22.3%=669万円」となり、売却価格の相場は約2,331万円となります。

ただし、詳細な下落率は築年数以外の条件によっても変わってきます。ここで算出できる金額は、あくまで目安とお考えください。

【監修者コメント】
監修者画像

建物の価格は築年数の経過に伴い下落しますが、土地の価格は経済情勢に左右されます。首都圏など、人口が多く不動産の需要が大きいエリアは土地価格が上昇する傾向にあるため、築年数が経過していても購入時より高値で売却できる可能性があります。

条件の近い物件の過去の取引事例から算出する

レインズマーケットインフォメーションや国土交通省が運営する土地総合情報システムでは、過去の取引事例を確認できます。条件に近い取引を探し、その内容をもとに相場を算出することも可能です。ここでは、レインズマーケットインフォメーションと土地総合情報システムの参照方法を紹介します。

レインズマーケットインフォメーション

レインズマーケットインフォメーション1

レインズマーケットインフォメーションでは、条件を指定することで、過去の取引事例とグラフを閲覧できます

下のグラフは、埼玉県東部で何平米の物件がいくらで取引されたのかをまとめたものです。

レインズマーケットインフォメーション2

熊谷市を示す緑の点が「~160」に含まれておらず、直近1年間で、今回の仮条件である150㎡の熊谷市の取引は見つかりませんでした。そのため、箱田の隣である熊谷市中央で築年数の近い物件の価格を参考にします。

レインズマーケットインフォメーション3

この物件は2,400万円で取引されていますが、平米数が仮条件よりも大きくなっています。平米単価を算出したうえで仮条件にあてはめて計算すると、次のようになります。

2,400万円÷170㎡=14万1,176円(平米単価)

14万1,176円×150㎡(仮条件)=約2,118万円

参照:レインズマーケットインフォメーション

土地総合情報システム(不動産取引価格情報検索)

不動産取引価格情報検索

土地総合情報システムは国土交通省が運営するサイトで、不動産の取引価格や地価などの情報を提供しています。レインズマーケットインフォメーションとは異なる情報にもアクセスできるため、幅広く検索したい方は土地総合情報システムを利用してみましょう。

ただし、土地総合情報システムは不動産取引をした方へのアンケート調査をもとにしたデータであるため、正確ではない情報が掲載されている可能性もある点に注意が必要です。

「不動産取引価格情報検索」から過去の取引を閲覧でき、サイドバーの条件指定や地図で閲覧したいエリアを絞り込めます。

不動産取引価格情報検索2

近い条件の取引を見つけた際は、レインズと同様の手順で相場の目安を算出できます。駅までの距離や建ぺい率など、レインズよりも詳細な項目まで閲覧できますが、データごとの絞り込みはできません。

なお、土地総合情報システムでは、仮条件の埼玉県熊谷箱田の物件と条件が近い物件が見つからなかったため、ここでは割愛します。

地価情報から算出する

ここでは、省庁や都道府県が公表している地価情報の数値を参考にして、相場を算出する方法を紹介します。

  • 公示地価・基準地標準価格
  • 路線価
  • 固定資産税評価額

公示地価・基準地標準価格

公示地価とは、国土交通省が毎年1月1日時点の土地の価格を調査し例年3月に公表しているものです。一方、基準地標準価格は、都道府県が毎年7月1日時点の土地価格を調査し、例年9月に公表している価格となります。

公示価格には一般の土地の取引に対して指標を与えることや、公共事業用地の取得価格算定の規準となることなどの役割があります。一方、基準地標準価格は公示価格の半年後に調査することで、年内の価格変動などを考慮し公示地価を補う役割があるのです。

公示地価・基準地標準価格に1.1を掛けると、大まかな実勢価格を算出できます

実勢価格とは不動産が実際に取引される際の価格です。

なお、公示地価の調査対象(標準地)は全国約3万地点ありますが、売却したい土地の近くに標準地がない可能性もあります。その場合は近くの基準地標準価格を参考にしましょう。

路線価

路線価は、道路に接する土地の1平方メートルあたりの価格です。毎年1月1日時点の価格を国税庁が調査し、7月に公表しています。

本来は贈与税や相続税の算定基準として公表されていますが、路線価÷0.8×1.1で、実勢価格の算出が可能です。

ただし、土地の形状によって詳細な数値が変動するため、あくまでも目安として考えましょう。なお、路線価は国税庁のサイトで確認できます。

固定資産税評価額

固定資産税評価額は、総務省によって定められた固定資産税の課税標準となる評価額のことです。各市区町村が算定し、3年に1度見直されます。

固定資産税評価額は、一般的に公示価格の7割程度になるため、固定資産税評価額÷0.7×1.1で大まかな実勢価格がわかります

固定資産税評価額は、納税通知書や固定資産課税台帳、固定資産評価証明書などから確認可能です。

一括査定サイトで査定してもらう

続いて、一括査定サイトを利用する方法を紹介します。同時に複数の不動産会社へ査定を依頼することで、高く売却できる不動産会社を見つけやすいことがメリットです。

査定には「机上査定」と「訪問査定」の2種類があり、それぞれ精度や結果が出るまでの期間が異なります。

  机上査定 訪問査定
査定方法 各種データをもとに机上で算出 各種データに物件の状態を加味して算出
結果が出るまでの期間 当日~1週間 1週間~2週間
精度 概算 精密

机上査定は算出の基準が不動産会社ごとに異なるため、誤差が大きくなりやすい点に注意が必要です。複数の不動産会社で査定したうえで相場を見極めましょう

ズバット不動産売却は、机上査定・訪問査定どちらも可能です。査定に手間をかけたくない方や、調査員の訪問に抵抗を感じる方も、机上査定なら安心です。お気軽にご利用ください。

【監修者コメント】
監修者画像

価格の目安が知りたい場合は机上査定で問題ありません。しかし、実際に不動産を売却する場合は、必ず訪問査定で正確な金額を算出しましょう。訪問査定では机上査定では気づかなかった対象不動産のアピールポイントや懸念点を見つけられます。

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不動産売却の相場を調べる際に知っておくべきポイント

ここでは、不動産売却の相場を調べる際に意識しておきたいポイントを紹介します。売却価格と実際の成約価格の違いや、価格に影響する要素も押さえておきましょう。

売出価格と成約価格は異なる

不動産情報サイトに掲載されているのは「売出価格」であり、売買契約が成立した際の「成約価格」と異なる点に注意が必要です。

売出価格:不動産を売りに出す際に設定する価格

成約価格:実際に不動産が売れた時の価格

売出価格は、不動産会社と売主が相談したうえで決めた売却希望価格であり、実際に取引される成約価格は、これを下回るケースが多くなります。中古不動産の売買では買主から価格交渉が入る可能性があるためです。金額を参考にする場合は、あくまでも目安として考えておくとよいでしょう。

自身の計算結果通りの価格で売れるとは限らない

自分で不動産の相場金額を算出しても、必ずしもその金額で取引できるとは限りません。不動産の価格は、築年数や立地といったさまざまな要素によって決まり、価格相場も市場ニーズを受けて常に変動しているからです。

自分で計算する際は、基本的に過去のデータや公表値をもとに算出しますが、そのデータが作成された時期と計算する時期では、状況が変わっている可能性も考えられます。

過去に不動産会社の査定を受けている場合も、期間が空いた場合は新しく査定を受け直すことをおすすめします。

売却価格に影響する要素

不動産の売却価格に影響を与える要素としては、主に次のようなものがあります。

売却価格に影響する要素詳細
築年数新しいほど高く、古いほど安くなる。耐用年数の違いにより、マンションのほうが戸建てより築年数の影響を受けにくい。
立地最寄り駅までの距離が近いほど需要があり、価格も高くなりやすい。主要路線や複数の駅へのアクセスがよければ付加価値となる。
修繕履歴築年数が経過している不動産でも修繕やリノベーションが行われている場合は、付加価値として評価される。
劣化状況年数がたつほど劣化が進み、売却価格も低くなりやすい。木造一戸建ての耐用年数は22年となるため、それを過ぎると市場価値はほとんどなくなる。
周辺環境病院や学校といった周辺施設のアクセスがよいと価格が高くなりやすい。周辺に工場があるなど、騒音や環境汚染のリスクがあると、価格が下がることがある。
日当たり近隣にビルや高層マンションなど高い建物があり日当たりが悪いと、価格に影響しやすい。
社会情勢(景気)景気が好調なタイミングや住宅ローンの金利が低い時期だと不動産の価値が高くなりやすい。反対に軽減税率終了のタイミングや景気が悪いとされる時期は、不動産の価格が下がりやすい。
接道状況建物の敷地が幅員4m以上の道路に2m以上接していないと価格が下がりやすい。
買主買主から価格交渉が入る場合もある。
不動産会社不動産会社にブランド力があったり、買主向けのサービスが充実していたりすると、相場よりも高い価格で成約できる可能性がある。

不動産売却の価格相場を調べて適正価格を把握しよう

売却したい不動産の相場を事前に調べておくことで、適正な価格で取引しやすくなります。売却価格の相場は、地価情報や過去の取引内容から自分で算出できるため、あらかじめ調べたうえで不動産会社に相談するとスムーズです。

一括査定サイトを利用すると、相場を計算する手間を省けるだけでなく、条件に合った不動産会社も見つけやすくなります。

一括査定サイトは、過去の実績が豊富で、信頼できる不動産会社と提携しているところを選びましょう。ズバット不動産売却では、簡単な入力だけで全国の優良企業の一括査定が受けられるため、ぜひご利用ください。

【監修者コメント】
監修者画像

不動産は適正価格の把握が大切です。相場よりも高すぎる金額ではいつまでも売れない恐れがあります。一方、相場よりも低すぎる価格では高値成約の機会損失になります。不動産会社に査定を依頼し、売却目的に応じた価格を設定しましょう。

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