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【2021年】全国のマンション価格推移|価格変動の要因とは

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【2021年】全国のマンション価格推移|価格変動の要因とは

全国的に見ると、マンション価格は2013年から2021年現在まで上昇傾向で推移しています。ただし、バブル期を含めた過去30年で見た場合、日本のマンション価格が下落していた時期もがあるのも事実です。買い手、売り手のどちらの立場であっても、今後も上昇し続けることを見込んでおけばよいというわけではありません。

この記事では、過去12年の全国のマンション価格の推移と、近年の首都圏、大阪府、愛知県の地域別傾向、その地域ならではの価格変動の要素を解説します。また、後半では景気や政策の関連を含めたマンション価格変動の要因と、アフターコロナの予測も詳しく解説します。

全国のマンション価格推移(2008年~2020年)

出典:国土交通省「不動産価格指数 令和2年11月・第3四半期分」(令和3年2月25日)

このデータは国土交通省が公表している年間約30万件の取引価格情報をもとにした全国の不動産価格指数です。

2008年以前は記されていませんが、2007年からアメリカの低所得者向けローンである「サブプライムローン」の返済延滞率の上昇問題が顕在化していました。

そして2008年、ついにサブプライムローン危機を発端とするリーマンショックが起こったのです。住宅関連の金融機関の株価が大幅下落して、世界的な金融危機が起こり、日本の不動産市場もこの影響を受け、マンション価格が下がりました。

その後、再びマンション価格の上昇が始まったのは2013年。日本銀行によって金融緩和が導入されたことにより長期金利が過去最低まで低下したこと、さらに2014年の消費税増に合わせた「駆け込み需要」が生じたことが、回復のきっかけとなったおもな要因です。

なお、金融緩和以降も景気回復への期待感が持続しているとみられ、マンション価格は現在まで上がり続けています。

首都圏のマンションの価格推移

東日本不動産流通機構が2021年1月度に公開した「月例速報 Market Watch サマリーレポート」によれば、首都圏(東京、神奈川、埼玉、千葉)の中古マンション成約件数は前年同月比29.9%増と大幅にアップしました。

また、在庫件数は前年同月比22.2%の大幅減、成約平米単価は平均的に上昇傾向となっており、需要の高まりが窺えます。

ここからは、東京都、神奈川県、埼玉県の価格について、このサマリーレポートで示された数値をもとに詳しく解説します。

東京都

「東京カンテイ プレスリリース 中古マンション価格(年間版)」によると、東京都のマンション価格は2013年から上昇し続けており、この上昇の背景には人口の増加が関係していると考えられます。

東京都による人口推計を見てみましょう。

出典:総務局「東京都の人口(推計)」の概要(令和3年1月1日現在)

地域別の人口の増減が必ずしもマンション価格と連動しているというわけではありませんが、人口が増えている世田谷区、中央区、品川区、江東区はマンション価格の上昇傾向にあるエリアです。

上記の表を見てみると、中古マンションにおける021年1月の東京都区部の成約平米単価は84.53万円で、前年同月比3.8%増。

一方で人口が1人~1,999人減となっている多摩地域では成約平米単価は43.69万円、前年同月比2.4%減の値を示しています。

神奈川県

神奈川県は直近数ヵ月の価格上昇率が高まりました。横浜市と川崎市の中古マンション成約平米単価は51.28万円で前年同月比5.3%増、ほかの地域でも成約平米単価は34.03万円と価格自体は低いものの、上昇率は6.6%となっています。

また、成約件数は横浜市、川崎市が前年比25.5%増だった一方で、ほかの地域は前年同月比69.7%と大幅増だったことにも注目です。東京にアクセスしやすい郊外の人気が高まっていることもひとつの要因として考えられるでしょう。

人口については、2020年(令和2年)1月1日現在の神奈川県全体の人口は前年より20,200人増えているものの、2020年以降は減少に転じるというシミュレーションを神奈川県が示しています。これは高齢化がおもな要因です。

神奈川県全体では高齢化のため人口が減少すると考えられています。一方で横浜市などの人気のある地域では、新しく転入してくる人が多く平均年齢も低いです。このような現象が、将来のマンションの需要や価格にも影響してくると考えられています。

埼玉県の中古マンション成約平米単価は35.65万円で、前年同月比6.3%増です。成約件数も上昇しており前年同月比26.7%増と、需要の高まりが見られます。

人気のエリアは大宮や浦和といった代表的な都市部だけではありません。人口上昇率から見ると、東京と荒川を挟んだ戸田市や、「越谷レイクタウン」「ららぽーと新三郷」といった大規模商業施設へのアクセスがよく、街並もきれいな吉川市も注目を浴びているようです。

大阪府のマンション価格推移

公益社団法人近畿圏不動産流通機構(近畿レインズ)が発行している「マンスリーレポート2021年3月号」によると、大阪府を地域別で見ると、2021年2月時点での前年同月比で大阪市は成約件数が1.3%減ですが、成約平米単価は50.2万円で前年同月比5.0%上昇しています。

また、これまで人気が高かった大阪府北部の人気が下がり、東部の人気が上昇しています。

大阪府北部では、成約件数は9.2%減、成約平米単価は33.1万円で前年同月比4.6%減、4ヵ月連続での下落となった一方で、大阪府東部では、成約件数は8.4%増、成約平米単価は27.8万円で前年同月比2.3%増でした。

また、大阪府南部も成約件数は6.2%減ですが、成約平米単価は24.9万円で前年同月比15.6%増となっています。

愛知県のマンション価格推移

出典:国土交通大臣指定 公益財団法人 中部圏不動産流通機構 中古マンション(愛知県)成約・在庫価格推移

愛知県は2021年2月の中古マンションの成約平米単価が28.1万円で、前年同月と比べて微増しています。成約件数は2020年4月~5月で大幅に減少しましたが、コロナ禍における緊急事態宣言以降は回復し、年単位で見た推移としては安定していると言えるでしょう。

また、愛知県の人気エリアとして注目されるのは最も人口が増加した長久手市です。

長久手市は「日本一若い街」とも呼ばれており、2015年の国勢調査では平均年齢が38.6歳でした。

若い人が多く転入した理由としては、都市部へのアクセスが比較的良く、大型ショッピングモールが揃っていることや、愛・地球博記念公園などの自然があることも挙げられます。

さらに、小学校から大学まで教育機関が多いことから子育て世代にも人気です。

マンション価格が変動する要因とは

マンション価格と人口増減には少なからず関係があることが見えてきましたが、価格変動の要因はそれだけではありません。

人口の増減以外の景気から政策、マンション自体の価値に至るまで、要因となり得ることを解説します。

国内および世界全体の景気

景気は不動産市場にも大きな変動をもたらします。

いわゆるバブル期は国内の経済が急激に上向いたため、不動産全体の価格も急上昇。しかしバブルが崩壊すると不動産価格も急落しました。

また、物価が下落するデフレ期に入ると、労働者の収入も下がるため高いマンションは売れにくくなり、買主を獲得するために売主は価格を下げ始めます。さらに国内の景気は、リーマンショックのような世界的な経済事情にも大きな影響を受けると言えるでしょう。

ただし、「景気が下がっている=マンションが安くなる」とは言いきれません。景気が落ち込んでいるときは、不景気に強い好立地にしかマンションが建設されず、売買されるマンション価格が高くなるという状況も見受けられます。

政策・税制の影響

今から約30年前の1990年前後は、不動産バブルのピークで土地の価格が跳ね上がったため、マンションも高額になりました。このバブルが生じた背景には、いわゆる「プラザ合意」で政治的に進行させたドル高是正、円高ドル安誘導があります。

そして政府の予想を超える速度で円高が進行したため、輸出に関わる事業が不況に陥るのを回避すべく日本銀行(日銀)が低金利政策を実行しました。その結果、市場の資金に余剰が生まれ、株式や不動産へ大量に流れたことで、不動産価格全体が高騰したのです。

また、消費増税が発表された際には、実際に増税されるまでの期間に駆け込み需要が生まれ、マンションが売れる数が増えることから価格も高騰する傾向にあります。

このように、政策と税制も不動産価格に大きな影響を与えると言えるでしょう。

2022年問題

「生産緑地の2022年問題」も、今後の不動産市場に影響を与えると考えられています。

生産緑地とは、都市化が進む地域の緑地や農地を守るために、自治体が指定する市街化地区にある農地などのことです。

生産緑地に指定されると、市街化地区にあっても固定資産税が農地並みの低い水準になる代わりに30年間の営農義務があります。

この生産緑地の指定は1992年に施行されたため、2022年で30年が経過することになります。指定が解除されると、固定資産税が一般農地と同様の水準から一気に上昇してしまうため、生産緑地指定を解除された土地が一斉に売りに出される可能性があります。これが「2022年問題」です。

宅地転用した土地が大量に売りに出されると「需要と供給のバランス」が崩れ、不動産市場全体が落ち込むのではと懸念されています。

需要と供給のバランス

需要と供給のバランスが価格に影響を与えるのは、不動産に限ったことではありません。

例えば、ひとつしかない物を10人が買いたいと手を挙げれば、売主は最も高く買ってくれる1人に売却するでしょう。その価格がその物の価値となります。

一方、1人しか買い手がいないのに10人の売主が同じ商品を持ち寄れば、買い手を逃さないために価格競争が始まり、物の価値は下がります。

先ほどの2022年問題は、まさにこの構図が関係しています。土地を欲しがる買主の数よりも、供給される土地の数が増加するため、土地全体の価格が下がるということです。

買い手にとっては不動産を安く購入できるチャンスとなる一方で、売り手にとっては競合が増えることで売れにくくなったり、相場が下がったりという不利益が生じる可能性が考えられます。

築年数と物件の条件

物件ごとの価値や価格は築年数や間取り、立地、生活や通勤の利便性など物件の条件によって大きく左右されます。

例えば、マンションでは5年以内の築年数は築浅物件と呼ばれ、設備や間取り、周辺の環境などが新築時と大きな差がないため、新築物件とあまり変わらない価格で売買されることが多いです。

そのほか、通勤通学に欠かせない公共交通機関の充実度、スーパーや商店街など日常の買い物ができる場があるかどうか、騒音や日照などの生活全般に関わる条件が価格に影響します。

また、建築基準法の耐震基準が改訂された、1981年6月以降に建てられたか否かも重要なポイントです。それ以前に建てられたマンションで耐震診断の基準に沿っていないものは改修の必要があるため、そのままの状態で高く売ることは難しいと言えます。

【アフターコロナ】2021年以降のマンション価格の推移はどうなる?

新型コロナウイルスの感染拡大が経済全体へ打撃を与えているのは事実です。しかし、マンション市場では、一時的に影響を受けたものの、全体的には大きな価格変動が見られません。

一時的に下落した地域でも2021年4月現在では回復傾向にあり、今後も暴落する見込みはないという意見が多いようです。

むしろ、リモートワークの促進や外出制限によって家にいる時間が増えたことから、住宅の質や居住性が重視されるようになり、需要が増えるとも言われています。

ただし、これまでの人気エリアが高価格を維持し続けるとは限りません。

資産価値が下がりにくい一等地に関しては、引き続き高価格が続くと予想される一方で、一等地周辺の高価格帯エリアでは人気が低下しており、平米単価の安い郊外に人気が出始めています。

実際に、「借りて住みたい街」ではありますが、コロナ以前まで人気エリアとして上位ではなかった神奈川県の本厚木が急浮上しています。都心からは遠いものの、小田急小田原線が新宿まで直通しているため、急行なら1時間かからないという利便性が評価されているようです。

このように、住宅の需要は都心の一等地と郊外の二極化が進むと見られ、マンション価格もこの需要に伴って変動することが予想されます。

マンションの価格は複数の要因によって変動する

マンション自体の価値は立地や間取りなど物件の条件によって査定されますが、査定の基準となる相場は景気や政策、需要と供給のバランスといったさまざまな要因によって変動します。売りどき、買いどきを見極めるためには、これらの要因を調べて総合的に考えることが大切です。

しかし、最高値や最安値がどの程度になるのかはプロでも予想が難しいと言えるでしょう。そのため、価格推移を参考にしつつ、自分にとって売買可能な金額や最低売却価格を設定したうえで、売却のタイミングを見計らって売りに出しましょう。

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