任意売却はどこに相談すればいい?相談先ごとの特徴や見極め方を解説

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不動産を売却できるのは、本来であれば住宅ローンが完済できる状態に限ります。しかし、任意売却であれば、住宅ローンが返済できない場合でも不動産を売却できます。

ただし、任意売却には専門的な知識が必要であり、売却できなかったときに競売にかけられるリスクもあるため、信頼できる相談先を見つけなければなりません。

本記事では、任意売却の相談先を決めるときの見極め方や、相談先ごとの特徴を解説しています。これから任意売却を考えている人は、ぜひ参考にしてください。

任意売却をまだ詳しく理解していない方は、先にこちらの記事をご覧ください。

この記事でわかること
  • 任意売却の相談先
  • 相談先の見極め方
  • 見極めが重要な理由
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【監修】岡﨑渉 【経歴】国立大学卒業後、新卒で大手不動産仲介会社に入社。現在はフリーランスのWebライターとして活動中。不動産営業時代は、実需・投資用の幅広い物件を扱っていた経験から、Webライターとして主に不動産・投資系の記事を扱う。宅地建物取引士・FP2級の資格を保有。
【SNS】 https://twitter.com/watalog_site
【ホームページ】 https://watalog.site

任意売却の3つの相談先

任意売却の相談先は、以下の3つがあります。

  • 不動産会社
  • 金融機関
  • 弁護士・司法書士

それぞれ特徴が異なるため、一つずつ解説していきます。

相談先①任意売却に詳しい不動産会社

任意売却の相談先として最も適切なのが、任意売却に詳しい不動産会社です。

しかし、任意売却を取り扱っている不動産会社はそれほど数が多くありません。なぜなら、任意売却では、債権者(借入先の金融機関)との交渉や、売却後の残債処理など、通常の売却では行わない専門的な手順を踏む必要があるためです。

一般的な不動産会社に任意売却の依頼をしてしまうと、これらの手順が疎かになり、金融機関から同意を得られないなどのトラブルが起こる可能性があります。任意売却を専門的に取り扱っている不動産会社であれば、スムーズな任意売却が可能です。

また、なかには任意売却を取り扱っているものの、経験が浅くスキルが十分でないケースもあります。不動産会社の選定が、任意売却の成否を分けるといっても過言ではないため、十分なスキルと経験を持つ不動産会社を見極めて相談するようにしましょう。

相談先②借入している金融機関

次の相談先としてあげられるのは、借り入れをしている金融機関です。

ただし、金融機関は、基本的には通常どおりに返済してもらうことを望んでいるため、任意売却の相談をしてもローン借り換えや返済方法の見直しなどを進められるケースもあります

交渉が進まないまま競売の日が近づいてしまうと、任意売却が成功する可能性はますます低くなります。そのような事態を避けるため、まずは任意売却に詳しい不動産会社に依頼し、交渉に同席してもらうのが理想的な流れといえるでしょう。

【監修者コメント】
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金融機関と同じグループ会社に不動産会社がある場合や、提携している不動産会社がある場合、金融機関から紹介してもらえるケースもあります。ローンの支払いなどで金融機関と打ち合わせをする際に、売却を検討していることを伝えてみましょう。

相談先③任意売却に詳しい弁護士や司法書士

任意売却では、法律の専門知識が必要になることもあるため、弁護士や司法書士に相談することもあります。

ただし、不動産の売却は専門外のことがほとんどあり、最初に法律の専門家に相談しても不動産会社を紹介されることが多いです。

結果的に、相談料や仲介手数料などで費用負担が増えることから、最初から任意売却に詳しい不動産会社に依頼する方がおすすめです。

任意売却の相談先の見極め方

任意売却の相談先を選ぶ際のポイントは、以下の6つです。

それぞれ見ていきましょう。

任意売却の相談先の見極め方

問い合わせの回答が丁寧かつスピーディーか

問い合わせに対する回答の丁寧さとスピーディーさは、信頼できる不動産会社なのかどうかを判断するポイントとなります。

任意売却は、限られた期間内に売却できなければ競売にかけられてしまい、任意売却よりも売却価格が下がってしまうため、丁寧でスピーディーな仕事ぶりが重要です。

実績が豊富であるか

相談先に、任意売却を取り扱った実績があるかどうかも、事前に確認しておくと良いでしょう。

任意売却の目的は、なるべく高く売って住宅ローンの残債を少なくすることです。また依頼主にとってデメリットの大きい競売にかけられることを防ぐねらいもあります。

不動産は相場より大幅に高い価格では売れません。一方、早く売りたいと安く設定すると、今度はローン負担が減らせなくなるため、まずは不動産会社による査定をもとに適正価格を把握する必要があります。

また、任意売却は、依頼主の事情や売却価格など、そのときどきの状況に応じた対応や手続きが必要です。つまり、高く、早く売るために適切な価格を設定し、依頼主の状況に応じたサポートをスピード感を持って対応してくれるかが重要です。

これには、専門的な知識に加えて豊富な経験数が必要になります。不動産会社の実績を調べる際は、実際にどのような任意売却の案件に対応したかヒアリングしてみるのがおすすめです。

売却後の相談にも乗ってくれるか

任意売却の相談をする際に、売却後の相談にも乗ってくれるかを確認しましょう。

任意売却の最終的なゴールは不動産の売却ではなく、債務者の生活の立て直しです。任意売却では残債が帳消しになる訳ではないので、売却後に残債を分割して支払っていく必要があります。

任意売却後の生活を送るためには、売却時のアドバイスや手続きだけではなく、売却後の無理のない返済金額や返済期限など、債務者の状況に応じて親身に相談に乗ってくれるかが重要です。

法律の専門家と提携しているか

依頼する不動産会社が、弁護士や司法書士といった、法律の専門家と提携しているかも確認してください。

任意売却後のローン支払いが苦しく返済できない場合、利息のカットなどを行い毎月の返済の負担を減らす任意整理や、裁判所に申し立てを行い借金を免除してもらう自己破産の手続きを行うケースがあります。

これらの手続きには、不動産会社ではなく、法律の専門家の助けが必要です。法律の専門家と提携している不動産会社であれば、売却後の残債がある場合もスムーズに解決できます

交渉力があるか

任意売却では、金融機関をはじめとする関係各所との交渉が必要になるため、交渉力に優れていることも重要です。また、引っ越し費用を払うことが難しい場合、交渉次第では売却代金の中から引越し費用を融通してもらえることがあります。

交渉力は数値化できない定性的な要素で見極めが難しいですが、実績数や対応の仕方から、ある程度推測することができます。プラスαの要素としてチェックしておきましょう。

任意売却以外の提案もしてくれるか

任意売却以外の提案をしてくれる不動産会社は、信頼に足る相談先である可能性が高いです。

住宅ローンの支払いが難しい際の選択肢は、任意売却と競売だけではありません。例えば、売却後も賃料を支払うことでその家に住み続けられる「リースバック」や、不動産買取業者に直接購入してもらう「買取」、裁判所に申し立てを行うことで大幅に住宅ローンを減額してもらい、原則3年で分割して完済する「個人再生」などがあります。

任意売却だけでなく、他の選択肢も示したうえで最適な方法を探ってくれる不動産会社は、依頼者に寄り添った視点を持っており、信頼性が高いといえるでしょう。

【監修者コメント】
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住宅ローンの支払いが難しい際の選択肢は複数あります。ただし、売却する際は、いずれにしても抵当権を抹消しなければなりません。ローン残高が売却価格を上回っており、自己資金を入れても完済できない場合の選択肢は限られてくるので、まずは査定を依頼しましょう。

任意売却の相談先の見極めが重要な理由

任意売却を成功させるためには、相談先の見極めが非常に重要です。

ここでは、その理由を2つ紹介します。

金融機関からの許可を得やすいため

適切な相談先を選べば、金融機関から任意売却の許可を得やすくなります。

上述のとおり、任意売却には債権者(借入先の金融機関)の許可が必要です。任意売却を得意とする不動産会社は金融機関の担当者と顔見知りであり、信頼関係を得ていることも少なくありません。

そのため、任意売却の実績が少ない相談先と比べて許可を得やすい傾向にあります。

相談先の選定を間違えると時間をロスするため

相談先を間違えてしまうと、かなりの時間をロスしてしまうでしょう。

任意売却は、競売にかけられる前に売却を済ませる必要があるため、時間との戦いになります。競売の入札が始まるのは住宅ローンを滞納してから10〜14ヶ月ほどです。

競売は相場よりも3〜5割程度安い金額で売られてしまうため、任意売却に失敗すれば、ローンの残債が多く残ってしまいます。

相談先の選定を間違えてしまうと、別の相談先に再度依頼し直さなければいけないため、売却活動に使える時間がそのぶん短くなります。売却活動の時間が限られれば、買主が見つけられなかったり、希望額よりも下げざるを得なかったりするリスクがあるでしょう。

そのため、最初から適切な相談先を選ぶことが非常に重要なのです。

不動産を任意売却する際の相談先【まとめ】

不動産を任意売却する際の相談先は、不動産会社や金融機関、弁護士・司法書士の3つがあります。

基本的には、任意売却の知識と経験がある不動産会社を選べば、金融機関との関わりもあるため、手続きがスムーズに進む傾向にあるでしょう。さらに、弁護士・司法書士と提携している不動産会社であれば、不動産売却後の流れもサポートしてもらえる可能性があります。

任意売却の知識や経験があり、信頼できる不動産会社を選ぶ材料としては、提示された査定額を確認することが大切です。極端に高い・低い場合は信憑性にかけるため、それに気付けるようになるためには、まず自分で売却相場を調べることが必要です。

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【監修者コメント】
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任意売却は限られた期間内で進めなければなりません。不動産会社に1社ずつ相談するのでは時間が足りなくなるため、一括査定サービスを活用してスムーズに検討を進めましょう。

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