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相続した土地の売却の税金をわかりやすく解説!確定申告は必要?

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相続した土地の売却の税金をわかりやすく解説!確定申告は必要?

土地や家などの不動産を相続した場合、特に利用予定のない不動産であれば、売却して現金化するほうが有効活用できるでしょう。しかし、相続した土地や家などの不動産を売却する際には、さまざまな税金がかかるのも事実です。

この記事では土地を相続してから売却するまでにかかる税金や、節税方法になどについて詳しく説明します。相続した土地の売却を検討している方は、参考にしてみてください。

土地の相続・売却時にかかる税金

土地を相続する際と売却する際には、それぞれに異なる税金がかかります。相続した土地や、相続が発生しそうな土地がある場合は、予めおおよその税金の額を把握しておくことで、今後の不動産管理や資金計画に役立てることが可能です。

財産の相続時にかかる「相続税」

相続した財産に課せられるのが相続税です。相続税は預貯金や現金に対してだけでなく、相続対象の有価証券や不動産にも課せられます。

相続税の申告期限は、相続が発生したとき(被相続人が死亡したことを相続人が知った日)の翌日から10ヵ月以内です。そのあいだに相続税を申告して納めるようにしましょう。

相続税の計算方法

相続税は相続した財産に課せられますが、すべての財産に課せられるわけではありません。

被相続人(亡くなった人)の相続財産の総額から基礎控除額を差し引いた額に、相続税の税率を乗じて算出されたものが相続税額になります。

基礎控除額の計算は、次の通りです。

法定相続人の人数×600万円+3,000万円

例えば、相続人が配偶者と子供3人の場合、次の額が基礎控除として相続財産の総額から差し引かれます。

4人×600万円+3,000万円=5,400万円

つまり、この場合だと相続した財産の総額が5,400万円までなら相続税がかからないことになります。

相続税の税率は、次の通りです。

法定相続分に応ずる取得金額 税率 控除額
1,000万円以下 10%
3,000万円以下 15% 50万円
5,000万円以下 20% 200万円
1億円以下 30% 700万円
2億円以下 40% 1,700万円
3億円以下 45% 2,700万円
6億円以下 50% 4,200万円
6億円超 55% 7,200万円

土地の相続税の計算方法

土地の相続税の計算には、相続された土地の資産価値(相続税路線価による評価額)が必要です。市街地などにある不動産の場合は、相続税路線価(路線価)が定められています。

相続税路線価を調べる際に用いるのが、主要な道路に設定された路線価を調べることができる「路線価図」です。調べたい土地が接している道路に設定されている路線価と、土地の面積を乗じたものがその土地の評価額になります。

路線価方式による計算式は、次の通りです。

路線価(1,000円/平方メートル)×面積(平方メートル)=土地の評価額

例えば、路線価が20万円で土地の面積が150平方メートルであれば、土地の相続税における評価額は3,000万円になります。

路線価が定められていない場所にある土地の評価額を算出する場合に用いるのが、倍率方式です。倍率方式は、その土地の固定資産税評価額を基準として評価額を算出します。

路線価が設定されていない土地で、評価倍率が1.1になっている場合の土地の評価額を計算する式は、次の通りです。

倍率方式:評価倍率×固定資産税評価額=土地の評価額

例えば、固定資産税評価額が1,200万円の土地で、その土地のある場所の評価倍率が1.1の場合、次の計算で土地の評価額が求められます。

1.1×1,200万円=1,320万円

路線価方式や倍率方式で算出された土地の評価額に、相続税の税率を乗じたものが土地の相続税額です。

土地の名義変更時に「登録免許税」

相続した土地を売却する場合は、名義変更をしないと売却できません。そのため、土地を相続した場合、被相続人から相続人に名義(所有者)を変更する必要があります。

不動産の登記変更の際には、変更内容に応じた登録免許税が必要です。相続による土地の名義を変更の登録免許税は、次の計算で求められます。

不動産評価額(固定資産評価額)×0.4%(1000分の4)=相続による所有権移転登記の登録免許税額例えば、固定資産評価額が3,000万円の土地を相続による名義変更する場合の登録免許税は、次の計算になります。

3,000万円×0.004=12万円

土地の売買契約時に「印紙税」

ここからは、土地の売買にかかる税金についての説明になります。

相続して名義を変更した土地を売却する際は、売買契約書の作成が必要です。売買契約書は課税対象文書なので、印紙税が課されます。印紙税額は契約書に記載されている取引額によって決まります。

印紙税額分の収入印紙を購入して契約書に貼付し、売主と買主がそれぞれ自分の保管する契約書の印紙税を負担するのが一般的です。

記載されている取引額に応じた印紙税額は、次の通りです。

取引額 本則税率 軽減税率
10万円を超え50万円以下のもの 400円 200円
50万円を超え100万円以下のもの 1,000円 500円
100万円を超え500万円以下のもの 2,000円 1,000円
500万円を超え1,000万円以下のもの 10,000円 5,000円
1,000万円を超え5,000万円以下のもの 20,000円 10,000円
5,000万円を超え1億円以下のもの 60,000円 30,000円
1億円を超え5億円以下のもの 10万円 60,000円
5億円を超え10億円以下のもの 20万円 16万円
10億円を超え50億円以下のもの 40万円 32万円
50億円を超えるもの 60万円 48万円

※2022年(令和4年)3月31日までに作成される場合は軽減税率

売却して利益が出たら「譲渡所得税」

相続した土地を売却して利益を得た場合は、その利益(譲渡所得)に対して「譲渡所得税」が課せられます。

譲渡所得税の内容は、譲渡所得に対する所得税と復興特別所得税、住民税です。

譲渡所得税の計算方法

譲渡所得税の計算式は、次の通りです。

まず、譲渡所得から取得費(不動産を購入した際にかかった費用)と譲渡費用(不動産を売却した際にかかった費用)および控除がある場合は控除額を差し引いて、課税される譲渡所得額を計算します。

課税譲渡所得=売却価格-(取得費+譲渡費用)-控除額

この課税譲渡所得額に所有期間に応じた税率を乗じたものが、譲渡所得税額です。所有期間による税率の違いは、次の項目で説明します。

課税譲渡所得×所有期間に応じた税率=譲渡所得税額

取得費と譲渡費用の額が多く計上できれば、課税される譲渡所得額が低くなるので節税につながります。

取得費に含まれるおもな費用は、対象となる不動産の購入費や購入時の仲介手数料などです。また、譲渡費用に含まれるものは、売却時の仲介手数料や売却のためにかかった建物の解体費や土地の測量費などの費用になります。

ほかにもどのような費用が取得費や譲渡費用に含まれるかについては、国税庁のウェブサイトに詳しく掲載されているので確認可能です。

所有期間によって税率が変わる

譲渡所得税の税率は所有期間によって異なり、5年以下が「短期譲渡所得」、5年を超えると「長期譲渡所得」になります。

所有期間 適用される税率
短期譲渡所得(5年以下) 39.63%
長期譲渡所得(5年超) 20.315%

不動産の所有期間が5年以下の「短期譲渡所得」の税率は39.63%です。内訳は所得税30.63%、住民税9%となります。

不動産の所得期間が5年を超える「長期譲渡所得」の税率は20.315%です。内訳は所得税:15.315%、住民税:5%となります。なお、所得税には復興特別税が含まれます。

所有期間のカウントは実際に所有していた期間ではなく、売却した土地の1月1日時点で5年を超えているかどうかによります。

また、親などから相続した土地を売却した場合は、親の所有年数を引き継ぐことが可能です。

所有期間が10年超だと税率が下がる

売却した不動産が居住用であり、かつ所有期間が10年を超えていた場合は、譲渡所得の内、6,000万円以下の部分について、さらに次のように税率が低くなる特例があります。

10年超所有の居住用不動産の譲渡所得 6,000万円以下の部分 譲渡所得税率:14.21%
6,000万円超の部分 譲渡所得税率:20.315%

譲渡所得税率とは、譲渡所得税と住民税、復興特別所得税を含めたものです。

相続した土地を売却する際の節税方法

ここでは、相続した土地を売却する際に節税できる方法について説明します。課税される額を少なくできれば、税額を下げることが可能です。この点を踏まえた上で、ひとつずつ確認していきましょう。

相続財産を譲渡した場合の取得費の特例

土地や建物などの相続した財産を一定期間内に売却した場合、要件を満たせば、相続税として支払った額の一部分を取得費として加算計上できる特例です。

取得費として加算できる相続税額は、次の計算式で求められます。

譲渡した人の納付すべき相続税額×(譲渡資産の相続税の課税価格÷債務控除前のその人の相続税の課税価格)=取得費に加算できる相続税額

相続税や土地の評価額が高くて計算がたいへんな場合は、税務署の相談窓口や税理士に相談することをおすすめします。

相続した空き家を売却したときの3,000万円控除

相続した土地や建物が居住用として使われていた場合、2023年(令和5年)12月31日までに売却して一定の要件を満たせば、譲渡所得額から最高3,000万円まで控除できる特例です。つまり、課税譲渡所得が3,000万円以下であれば、譲渡所得税がかからないことになります。

居住用の建物(家)を取り壊した後の土地にも適用できる場合があるので、適用するための要件や、適用できるかについては国税庁のウェブサイトで確認してみてください。

特例の適用期間

相続した不動産を売却する際に、相続税を取得費として加算できる特例を適用する場合は、相続が発生した日から3年10ヵ月以内に売却しないと適用することができません。

また、相続した不動産の売却時に、居住用財産の3,000万円特別控除を適用するためには、そこに住まなくなってから3年が経過する年の12月末までに売却する必要があります。

相続による手続きには、以上のような期限が設けられている場合が多いので、期限を過ぎないように注意しましょう。

登録免許税の免税措置

相続した土地を売却する際には、被相続人から相続人への名義変更が必要です。ここでは、その際に課せられる登録免許税の免税措置について説明します。

相続登記の登録免許税の免税措置

土地を相続した人(相続人)がその相続で得た土地の名義を変更(所有権移転登記)する前に亡くなり、さらなる相続が発生した場合、通常であれば2度の所有権移転登記手続きが必要となるため、登録免許税も2回分必要です。

しかし、2022年(令和4年)3月31日まで、新たな相続人の所有権を登記する手続きについては、登録免許税が課されません。つまり、1回分の登録免許税だけが課されることになります。

10万円以下の特定土地の登録免許税の免税措置

相続した土地の評価額が10万円以下の場合は、2022年(令和4年)3月31日までは相続による所有権移転登記の登録免許税が課せられないという免税措置があります。

ただし、市街化区域外で法務大臣が指定する土地であることが要件になるため、郊外の土地を相続した場合は、適用されるかどうかを確認するようにしましょう。

売却後には確定申告が必要

相続した土地を売却して利益(譲渡所得)が出た場合は、売却した翌年の確定申告が必要です。

不動産の売却によって得られた譲渡所得は給与所得とは別に課税される分離課税なので、確定申告をして納税する必要があります。

譲渡所得(利益)が出ていなくも、相続した土地を売却した際の特例や控除を適用するためには確定申告が必要な場合があるため、相続した土地を売却したら、次の年の確定申告をすることをおすすめします。

確定申告に必要な書類

土地を売却した際の確定申告時に必要となる書類は次の通りです。

  • 対象となる不動産を取得したときの売買契約書
  • 対象となる不動産を売却したときの売買契約書
  • 取得費として計上する費用の領収書
  • 譲渡費用として計上する費用の領収書
  • 対象となる不動産の登記簿謄本(全部事項証明書)
  • マイナンバーカードなど確定申告に必要な証明書

また、法務局から次の書類を入手して記入します。法務局の窓口だけでなく、国税庁のウェブサイトなどからダウンロードすることも可能です。

  • 確定申告書B様式(譲渡所得がある場合)
  • 確定申告書第三表(分離課税用の申告書)
  • 譲渡所得の内訳書

確定申告の手順

確定申告書の手順は、次の通りです。

1. 確定申告に必要な書類や契約書などを準備する
2. 譲渡所得税などの計算をして提出書類に記入する
3. 税務署に提出をする(窓口・郵送・オンライン)
4. 納税をする(還付を受ける)

確定申告書の作成から納税までを一括してオンラインで行うe-Taxの利用も可能です。e-taxの利用登録には、次の方法があります。

  • マイナンバーカードを用いて申告(カードリーダーが必要)
  • 事前に税務署窓口でIDとパスワードを取得して申告(カードリーダーが不要)

e-Taxのメッセージボックスからの納税方法は、予め登録しておいた口座振替およびインターネットバンキング、クレジットカードが利用可能です。

譲渡所得税などの申告所得税や復興特別所得税は、ATMやインターネットバンキングなどから納めることもできます。

また、確定申告の方法がわからない場合や計算が合っているか確認をしたい場合は、税務署の窓口や確定申告の期間に開催される相談コーナーの利用がおすすめです。自分で手続きをするのがたいへんな場合は、報酬の支払いが発生しますが税理士に依頼するのもいいでしょう。

相続した土地の売却は早めに行おう

相続した不動産の売却時に適用できる特例や控除には、期限が定められている場合が多いため、利用する予定がなければ早めに売却するのがおすすめです。

また、土地を相続すれば、所有しているだけで毎年固定資産税や都市計画税が課せられるだけでなく、維持や管理のための費用も必要です。早めに売却することで、それらの費用がかからなくなります。

相続した土地を売却して利益を得た場合は、譲渡所得として売却した翌年に確定申告による納税が必要です。納税の必要がなくても、特例や控除を受けるためには確定申告が必要になることがほとんどですので、忘れずに申告するようにしましょう。

土地を相続して売却する際には、さまざまな税金を納めることになります。予めどのような税金が必要になるのかを把握しておくことで、相続した土地の売却をスムーズに進めることが可能です。

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