家を売るための完全ガイド!売却方法・ポイントなどの基礎知識を徹底解説
家を売る際には、売却に関して最低限の知識を身に着けておく必要があります。
しかし、何から調べたらいいのか、何を知っておけばいいのかと、悩む方もいるのではないのでしょうか。
そこで本記事では、売却方法や流れ、タイミング、売却にかかる費用など、家を売るための基礎知識を解説しています。
高く売るコツや注意点も紹介しているので、家を売ろうと考えている方はぜひ参考にしてください。
- 家を売る際の基礎知識
- 売却のまでの流れやポイント
- 売却する際の注意点
家を売る方法は主に2種類
家を売る方法には、仲介と買取の2種類があります。
仲介とは、売主が不動産会社に依頼して買主を探してもらう方法です。それに対して買取は、不動産会社に家を直接購入してもらう方法です。
それぞれ以下のようなメリットとデメリットがあるため、物件や状況にあった方法を選ぶ必要があります。
仲介 | 買取 | |
---|---|---|
メリット |
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デメリット |
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仲介は売却価格が高い傾向にありますが、買主が見つかるまでに時間がかかります。急いで売る必要がなく、できるだけ高く売りたい人には向いていると言えるでしょう。
買取は不動産会社に直接買い取ってもらうため、買主を探す必要がありません。しかし、仲介は、市場価値や売主の希望を考慮した価格で販売されるのに対して、買取は不動産会社の購入コスト、販売コストなどが入るため、仲介よりも2〜3割安い価格で取引されることが一般的です。
また、仲介を選択する場合は、契約方法を以下の3つから選ぶ必要があります。
一般媒介契約 | 専任媒介契約 | 専属専任媒介契約 | |
---|---|---|---|
依頼できる不動産会社の数 | 複数社 | 1社のみ | 1社のみ |
契約期間 | 定めなし (基本的に3か月以内) | 3ヵ月以内 | 3ヵ月以内 |
買主との直接売買契約の可否 | 可 | 可 | 不可 |
売主への報告義務 | 報告義務なし | 1週間に1度 | 2週間に1度 |
専任媒介契約と専属専任媒介契約は不動産会社1社と専属で契約を結ぶため、売却活動を積極的に行ってくれる可能性が高いです。
一方の一般媒介契約は、複数の不動産会社に依頼することができる契約のため、ほかの案件が優先されやすく、専任・専属と比べるとスムーズな売却活動を行いにくいしょう。
ただし、専任媒介契約と専属専任媒介契約の場合、担当者の能力によっては希望通りの価格や期間で売れないこともあります。
家を売る方法:全体の流れ
家を売る際の流れを、仲介と買取にわけて紹介します。全体像を掴むことで、売却のイメージがつきやすくなるでしょう。
仲介の流れ
上記が、仲介で家を売るまでの流れです。
まずは自分の家がいくらで売れそうなのか、相場を調べましょう。相場を掴むことで、査定額の正確性や不動産会社の信頼性を判断する材料になります。
家を売る流れ | 詳細 |
---|---|
①自分で相場を調べる | ・不動産査定サイトなどで家の相場を知る |
②不動産会社に査定依頼をする | ・複数の不動産会社に査定を行い、相場を掴む ・信用できる不動産会社かどうかを判断する |
③不動産会社と媒介契約を結ぶ | ・売却方法を決めて契約を締結する |
④不動産会社の売却活動が始まる | ・不動産会社からの報告確認や連絡を取る |
⑤購入希望者と条件交渉をする | ・状況によっては購入希望者の交渉に応じる |
⑥購入希望者と売買契約を結ぶ | ・手付金や仲介手数料のやりとりを行う |
⑦決済と引き渡しを行う | ・代金を受け取り、物件を引き渡す |
⑧確定申告をする | ・譲渡所得がプラスになる場合は確定申告をする ※マイナスになった場合でも、確定申告をすることで控除などを受けられます。 |
売却価格の相場や手順について詳しくは以下の記事で解説しています。
買取の流れ
買取は早ければ1週間、基本的には1ヵ月程度という短期間で売却できますが、売却にはさまざまな書類の準備があります。スムーズな売却をめざすには、相場を調べるのと同時に必要書類を準備しておくことが重要です。
家を売る前に知っておくべき基礎知識
家の売却で損をしないためには、不動産会社のいうことを鵜呑みにするのではなく、自分でもある程度の知識を身に着けておくことが重要です。
ここでは、基礎知識として身につけておくべき項目を紹介していきます。
家を売る最適なタイミング
家を売る最適な時期は2〜3月と9〜11月です。また、築年数は20年前後を目安にすると良いでしょう。それぞれの理由を解説していきます。
時季 | 築年数(目安 |
---|---|
2~3月・9~11月 | 20年前後まで |
時季
家を売るタイミングは、入学と転勤シーズンに合わせた2〜3月、9〜11月がおすすめです。新生活に向けて家を探す人が増えるため、ほかの時期よりも買主が見つかる可能性が高くなります。
上記でもお伝えしたように、家を売るためには3〜8ヵ月ほどかかります。そのため、売りたいタイミングに合わせて動き始めておく必要があるでしょう。家を急いで売る必要がないのであれば、できる限り最適な時期を狙っての売却がおすすめです。
築年数
不動産売買における建物の価値は、年数が経つほど落ちていきます。その下がり幅は、木造の一戸建てでは10年で半分、22年で0になると言われています。
ただし、22年になると売れないというわけではありません。一般社団法人不動産流通経営協会の調査によると、中古建て購入者のうち約55%が築21年未満、43%が築21年以上を購入しており、築年数が古い住宅も需要があることがわかります。しかし、グラフを見ると築21~25年以内から築26〜30年以内にかけて一気に下がり、その後もゆるやかに下落していることがわかります。
築21年以降は購入者が減っていることから、立地や建物の状況広さにもよりますが、築20年前後までが売れやすい時期といえるでしょう。家を売るタイミングに関しては、以下の記事も参考にしてください。
家を売るときにかかる費用・税金
家を売る際には、不動産会社へ支払う仲介手数料や、所得に応じて支払う税金など、さまざまな費用がかかります。それらを把握したうえで、手元に残したい金額を考慮した売値を設定しなければなりません。
下表は、家を売るときにかかる費用や税金をまとめたものです。
家を売るときにかかる費用・税金 | 詳細・費用 |
---|---|
仲介手数料 | <詳細>
売買が成立した際に、売買金額に応じて不動産会社へ支払う成功報酬 <金額> 売却価格の3~5%+消費税(売却価格により変動) →売却価格を以下の3つに分けて計算し、3つの額を足した金額 ■200万円以下の部分:売却価格の×5%(+消費税) ■200万円超400万円以下の部分:売却価格の×4%(+消費税) ■400万円超の部分:売却価格の×3%(+消費税) |
登録免許税 | <詳細>
・住所変更登記にあたり発生する税金(登記上と現在の住所が一致していない場合) ・抵当権の抹消にあたり発生する税金(売却時にローン残高が残っている場合) <金額> 自分で手続きする場合:税金のみの負担で、手続き1件につき不動産1件あたり1,000円(土地と物件で2,000円) 司法書士に依頼する場合:手続き1件につき1〜2万円程度(税額を含む) |
譲渡所得税 (所得税・住民税・復興特別所得税) | <詳細>
家の売却で利益がでた際に支払う税金 <金額> 利益に対して以下の税率をかけた金額 1月1日時点で不動産の所有が5年を超えていれば20.315%、5年以内であれば39.63% |
印紙税 | <詳細> 不動産売買契約書に対して、売却単価に応じた印紙を貼って納める税金 <金額> 200円〜60万円(令和6年3月31日までに作成される契約書は最大48万円) |
その他 | ■書類の取得費 1部300円 ■測量:面積や境界を明確にする調査 30〜100万円 ■解体:解体する場合 2~8万円(坪単価) ■ハウスクリーニング 2~13.5万円(部屋の広さや建物の種類で異なる) |
家を売る際の税金については、以下の記事で詳しく解説しています。
家を売る際は、不動産会社の担当者に購入時の価格と住宅ローンの残債を伝え、手取りの試算表を作ってもらうのがおすすめです。あらかじめどの程度の費用・税金がかかり、最終的にいくら手元に残るのかがわかっていたほうが、売却後の計画を立てやすくなります。
家を売る際に必要となる書類
家を売る際にはさまざまな書類の準備が必要ですが、売却相談する段階では以下3つの書類があれば問題ありません。
- 本人確認書類
- 実印・印鑑証明書(不動産会社による)
- 登記済権利証または登記識別情報
なお、売却する際には以下の書類も必要になります。売却相談するときは必要ありませんが、いずれは必要となるため、早めに準備しておくとスムーズに売却を進められます。
必要書類 | 書類の取得先 | 書類の必要有無 | |||
---|---|---|---|---|---|
戸建て | マンション | 土地 | |||
必須 | 本人確認書類 | 売主が保有 | 〇 | 〇 | 〇 |
実印・印鑑証明書 | 売主が保有 | 〇 | 〇 | 〇 | |
登記済権利証または登記識別情報 | 売主が保有 | 〇 | 〇 | 〇 | |
固定資産税納税通知書または固定資産税評価証明書 | 市区町村役場 | 〇 | 〇 | 〇 | |
物件状況報告書 | 売主が作成 | 〇 | 〇 | △ | |
付帯設備表 | 売主が作成 | 〇 | 〇 | - | |
マンションの管理規約または使用細則・マンション維持費に関する書類 | マンションの管理会社 | - | 〇 | - | |
場合によって必要、またはあるとよい | 住民票 | 市区町村役場 | △ | △ | △ |
建築確認済証および検査済証 | 売主が保有 | △ | △ | △ | |
地積測量図・境界確認書 | 地積測量図:法務局または調査を依頼した会社 境界確認書:調査を依頼した会社 | △ | △ | △ | |
建築設計図書・工事記録書 | 売主が保有 | △ | △ | △ | |
ローン残高証明書 | 借り入れをしている金融機関 | △ | △ | △ | |
パンフレットなどの広告資料 | 売主が保有 | △ | △ | △ | |
耐震診断報告書・アスベスト使用調査報告書 | 調査を依頼した会社 | △ | △ | △ |
なお、表の「△」書類準備は任意ですが、必要またはあるとよい書類です。仮に任意の場合でも、売却の手助けになるため、できる限り準備するよう心がけておきましょう。
家を高く売るコツ
ここでは、家を高く売るコツと、早く売るコツをそれぞれ紹介します。
家を高く売るコツ
- 自分で相場を調べて適正価格を知る
- 売りたい家の扱いを得意とする不動産会社を選ぶ
- 売り出し価格を少しだけ高く設定する
- 複数社に査定依頼を行う
家をできるだけ高く売りたいのであれば、自分で相場を調べたうえで、複数の不動産会社に依頼を行いましょう。提示された査定額と根拠を基に、不動産会社の信頼性を判断することができます。
また、査定は売りたい物件の売却を得意としている不動産会社を選ぶことも重要です。例えば、戸建を得意としている不動産会社もあれば、マンションに特化している不動産会社もあります。不動産会社の得意分野によって、売却価格や売れるまでの期間に影響するため必ず確認しましょう。
不動産売買では、値下げ交渉が一般的です。手元に残したいお金と適正価格を考慮したうえで、ある程度の値下げには対応できるよう、売り出し価格を少しだけ高く設定しましょう。
複数の不動産会社に依頼する際には、一度の入力で複数社に査定を依頼できる一括査定サイトの利用をおすすめします。ズバット不動産売却では、最大6社に一括査定を申し込むことが可能です。独自の審査基準を採用しているため、全国の優良な不動産会社のみに依頼を行えます。
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査定依頼してみる完全無料古い家を売却したい人は、以下の記事を参考にしてください。
家を早く売るコツ
- 買取を利用する
- 交渉で妥協できる点を考えておく
- 家の清掃・片付けを行い内覧時のイメージをよくする
家を早く売りたいのであれば、仲介ではなく買取を選びましょう。買取であれば不動産会社が買い取ってくれるためすぐに売却することが可能です。ただし、物件によっては買取の対象にならない場合もあることも留意しておきましょう。
仲介の場合でも、買主からの交渉に応じれば早期に売却が決まる可能性があります。あらかじめ交渉されたら妥協できる点を不動産会社の担当者と考えておくと、スムーズに交渉が進められるでしょう。
また、内覧時のために家の清掃や片付けを行い、家の印象を良くすることも重要です。早く売りたいのであれば、できる限りの対策をしておきましょう。
お金がないから家を売るときの流れについては、以下の記事を参考にしてください。
家を売るときの注意点
以下の表では、家を売るときの注意点を流れに沿ってまとめています。
売却の流れ | 注意点 |
---|---|
売却前 |
|
不動産会社に査定依頼をする際 |
|
不動産会社と媒介契約を結ぶ際 |
|
売り出し中 |
|
売買契約を結ぶ際 |
|
売却後 |
|
家の売却前には、売却価格の相場や、売却時にかかる費用と税金を調べておきましょう。また、売却した際に住宅ローンを返済する必要があるため、残高を確認しておいてください。
不動産会社に査定依頼する際は、仲介か買取を決めてから複数の不動産会社に依頼しましょう。売却する家の販売に強い会社を選べると良いです。
売り手が決まった際も安心せずに、契約書の内容をすべて確認してから契約を締結しましょう。利益が出た場合は確定申告が必要です。
家の売却には大きなお金が動くため、失敗すればそのぶん後悔も大きくなります。事前に注意すべきポイントを押さえておくことで、対処できるようになります。家を売る際の注意点については以下の記事で詳しく解説しているため、ぜひお役立てください。
家を売る際の基礎知識【まとめ】
家を売却する際は、希望する価格や期間で売れるように事前に基礎知識をつけておく必要があります。
また、注意点を押さえておくことで、売却による損失やトラブルを未然に防ぐことができます。
適切な知識を身に付け、後悔の無い売却をめざしましょう。
以下の記事では、家の売却でやってはいけないことについて解説しています。損失やトラブルを防ぐために、ぜひ参考にしてください。
家を売る際は、全体像の把握が大切です。書類の準備などが遅れると契約書で定めた期間内に引き渡しができない可能性もあるため、前もって準備しておく必要があります。具体的な内容は不動産会社に相談し、個別の提案を受けましょう。
買取が短期間で完了する理由は、一般の買主と違い住宅ローンの審査がないからです。不動産会社は基本的に現金で購入するため、条件によっては契約と決済を同時に行う「一括決済」も可能です。審査がない分、融資の否認で契約が白紙になる心配もありません。