家を売るときの注意点を流れに沿って徹底解説
家を売る際の注意点を知っておくと、希望する売値で売ることができたり、不動産会社や買主とのトラブルを未然に防げたりします。
本記事では、家を売る際の注意点を5つの流れにわけて解説しています。家を売る前から、売ったあとまで紹介しているため、売却の進行の度合いによって参考にしてください。
家を売る手順については、以下の記事も参考にしてください。
- 売却の流れに沿った注意点がわかる
家を売るときの注意点
家を売却する際の流れは以下のとおりです。
- 売却前
- 不動産会社に査定依頼をする際
- 不動産会社と媒介契約を結ぶ際
- 売り出し中
- 売買契約を結ぶ際
- 売却後
ここでは、各段階ごとの注意点を順に紹介していきます。
売却前の注意点
初めに売却前の注意点です。できるだけ早く売却を済ませたいと考えている場合であっても、事前準備を怠ってしまうと損する可能性があります。しっかりと準備をしたうえで売却に臨みましょう。
ローン残高は要確認
家を売却する前に、必ずローン残高を確認しておきましょう。住宅ローンが返済できない場合、抵当権が設定されているため家を売却することができません。預貯金で完済する人は少なく、一般的には売却によって得た利益でローン残高を返済する方法を選びます。
つまり、住宅ローンが残っている場合は、住宅ローン残高を払える分だけの利益が必要ということです。そのため、事前にローン残高を確認し、返済できるだけの利益がでるような売値に設定しなければなりません。
売却にかかる費用・税金を把握しておく
売却にかかる費用や税金もあらかじめ確認しておきましょう。家を売る際には、仲介手数料や、利益に対しての税金がかかります。家の売却でかかる費用や税金と、手元に残したいお金、相場を考慮した売値の設定が必要です。
下表は、家の売却にかかる費用や税金をまとめたものです。
家の売却にかかる費用・税金 | 詳細・費用 |
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仲介手数料 | <詳細> 家の売却が決まった際に不動産会社に支払う手数料 <費用> 売却価格の3~5%+消費税(売却価格により変動) →売却価格を以下の3つに分けて計算し、3つの額を足した金額
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抵当権抹消費用 | <詳細> 抵当権を抹消する費用 <費用> 自分で手続きした場合:不動産1件あたり1,000円 司法書士に依頼した場合:1〜2万円程度 |
譲渡所得税 (所得税・住民税・復興特別所得税) |
<詳細> 家の売却で利益がでた際に支払う税金 <費用> 利益に対して以下の税率をかけた金額 1月1日時点で不動産の所有が5年を超えていれば20.315%、5年以内であれば39.63% |
印紙税 | <詳細> 不動産売買契約書に対して、売却単価に応じた印紙を貼って納める税金 <費用> 最小200円〜最大60万円(令和6年3月31日までに作成される契約書は最大48万円) |
その他 | <詳細>
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以下の記事では、家を売るときにかかる費用や税金を詳しくまとめています。
売却価格の相場を掴んでおく
不動産査定を依頼する前に、まずは自分で相場をチェックしましょう。
相場を把握していなければ、不動産会社の提示する査定額が適正価格なのかを判断できません。
家の相場を掴むには、主に以下の3つの方法があります。
- 特定の不動産会社のホームページに載っている売買履歴
- 不動産査定サイトに載っている、さまざまな売買履歴から得たデータ
- 土地総合情報システムやREINS Market Informationのデータ
なかでも、不動産会社のサイトや一括査定サイトに載っているデータは、誰でも簡単に相場を掴みやすいのでおすすめです。
とくに、ズバット不動産売却のような一括査定サイトの場合、全国の不動産会社を扱っているため、さまざまな売買履歴を基にした相場を見ることができます。売りたい物件に近いデータが見つかりやすいでしょう。
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査定依頼してみる完全無料リフォームが売却価格に大きく影響するとは限らない
売却前にリフォームしたからといって、高く売れるとは限りません。
場合によってはリフォームにより家の魅力があがり、早く・高く売れる可能性もあるでしょう。しかし、リフォーム自体にも時間がかかるため、結果的に売れるまでの期間が伸びる可能性もあります。また、リフォームにかかる費用を上乗せして売れる保証はなく、逆に損してしまう可能性もあります。
リフォームするべきか悩んでいるのであれば、不動産会社に相談してから費用対効果があるのかを把握したうえで判断しましょう。
古い家を売りたい人は、以下の記事で詳しく解説しているので参考にしてください。
不動産会社選び・査定依頼をする際の注意点
売却前の準備ができたら、不動産会社に査定してもらいます。さまざまな不動産会社があるため、どこを選べばいいのか悩む人もいるでしょう。
ここでは、不動産会社を選ぶ際や査定依頼をする際の注意点を解説します。
買取と仲介は目的に合わせて選ぶ
家を売る方法は、仲介と買取の2通りがあります。それぞれメリットとデメリットがあるため、家や自分の状況によって選びましょう。
仲介の特徴 | 買取の特徴 |
---|---|
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仲介は売却までの準備に加えて買主を見つける必要があるため、売れるまでに3〜8ヶ月ほど時間がかかる点がデメリットです。メリットとしては、買取よりも高く売れることが挙げられます。また、購入検討者の意見を反映しながら売却活動を進められるため、希望する価格で販売しやすいでしょう。
買取の場合、不動産会社の利回りが重視されるため、売却額が仲介よりも2〜3割低くなることがデメリットですが、不動産会社がそのまま買い取ってくれるため早く売れるといったメリットがあります。早くお金を手に入れたい状況であれば買取が向いているといえるでしょう。
売りたい家の売却を得意とする不動産会社を選ぶ
不動産会社は、それぞれ扱う分野や得意分野が異なります。売りたい家の売却が得意な不動産会社を見つけることも重要です。
具体的には土地取引がメインの会社や、マンションが得意な会社、都心部を中心に売買取引を行う会社などが挙げられます。
その不動産会社が得意とする分野と、売りたい家の特徴が合致すれば、早く・高く売却できる可能性が高いでしょう。
家を売る場所で悩んでいる人は、以下の記事を参考にしてください。
1社だけの査定で不動産会社を選ばない
1社だけでなく、必ず複数社の不動産会社に査定を依頼しましょう。
不動産会社によって査定額が異なるため、1社だけの査定では適正な査定額なのかを判断できません。
また、査定を通して、不動産会社の担当者の営業力や提案力、相性などを確認することもできます。結果的に一番信頼できる不動産会社を見つけられるでしょう。
しかし、一社ごとに依頼するのは手間と時間がかかるため、一括査定サイトの利用が便利です。ズバット不動産売却では、複数の不動産会社で一括査定して、より査定額が高い不動産会社を選べます。適正な売値を知りたいのであれば、ぜひ利用してみてください。
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査定依頼してみる完全無料査定書の中身をよく確認する
不動産会社に査定してもらったら、査定書の中身をしっかりとチェックしましょう。査定書には、査定額だけでなく、査定額の根拠やコメント、取引事例の資料などが記載・添付されています。
複数社の査定書を見れば中身を理解できるようになり、査定書がしっかりしている信頼できる不動産会社を見つけることができます。査定書を見るときのポイントは以下の5点です。
- 査定額の根拠が詳細に書かれているか
- 売主が理解できるように専門用語を使わない、あるいは使う場合は注釈を付けてくれているか
- フォントの統一や見出しの有無など、読み手を意識して見やすくしているか
- 担当者のコメントがある場合、有益な情報が書かれているか
- ページ数が複数枚あるか
査定書は複数枚に渡ることが多いため、極端にページ数が少ない場合は注意が必要です。ただし、ページ数が多ければ良いというわけでもないため、中身が充実しているかどうかを重視して確認しましょう。
不動産会社と媒介契約を結ぶ際の注意点
仲介で売却する場合、不動産会社を決めたら、不動産会社と媒介契約を結ぶ必要があります。
媒介契約の種類について理解しておく
媒介契約は専任媒介契約と専属専任媒介契約、一般媒介契約の3種類があります。
それぞれの違いや特徴を理解したうえで、売却価格や期間などの希望に適した方法を選ぶと良いでしょう。
一般媒介契約 | 専任媒介契約 | 専属専任媒介契約 | |
---|---|---|---|
依頼できる不動産会社の数 | 定めなし | 1社のみ | 1社のみ |
契約期間 | 定めなし (3か月以内が一般的) | 3ヵ月以内 | 3ヵ月以内 |
買主との直接売買契約の可否 | 可 | 可 | 不可 |
売主への報告義務 | 報告義務なし | 2週間に1度 | 1週間に1度 |
特徴 |
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専任媒介契約と専属専任媒介契約は1社しか依頼できませんが、その分不動産会社は積極的に動いてくれる可能性が高いです。また、売主へ定期的に状況報告をする義務があるため、売却活動の様子を随時把握できます。
一般媒介契約は複数の不動産会社との契約が可能で、売主への報告義務もありません。複数の不動産会社から売却活動を行ってもらえるため、購入検討者の目に留まる確率が上がり買主が見つかる可能性もありますが、2つの方法に比べると不動産会社の売却活動は消極的です。
売却にあたっての希望条件をしっかりと伝える
売却を行う際は、不動産会社に希望条件をしっかりと伝えるようにしましょう。媒介契約は不動産会社と売主の間でトラブルを防ぐためにあります。そのため、媒介契約を締結する前に希望条件をしっかりと伝えておく必要があります。
伝えておきたい希望条件には以下のようなものがあります。
- 売却時期
- 売却価格
- 宣伝方法
- 引っ越し可能な時期 など
伝え忘れがないよう、確認しながら話しを進めていきましょう。
媒介契約の中身を確認する
仲介で不動産を売却する際には媒介契約を結ぶ必要がありますが、契約書に書かれている内容はしっかりと確認しておきましょう。基本的に媒介契約後に違反があった場合、ペナルティが課されます。
契約内容には、主に以下のような内容が記載されています。
- 販促活動の内容
- 活動報告のタイミング
- 契約違反のペナルティ
- 特別依頼の費用
- 仲介手数料の金額
- 仲介手数料の支払い時期 など
契約内容の確認を怠ってしまうと、受けられると思っていたサービスが受けられなかったり、予想より高額の費用がかかってしまうなどのトラブルが起こる可能性があります。
契約内容の確認不足によって起こるトラブルの例としては、特別依頼の費用に関わるものが挙げられます。特別依頼の費用とは、家を売却する際に不動産会社に対して特別な依頼をした場合に追加で支払う費用です。仲介手数料で受けられるサービスを理解しておかなければ、何気なく依頼したつもりが特別依頼の費用が加算されてしまうかもしれません。
媒介契約を結ぶ前に契約書はしっかりと目をとおし、わからないところがあれば質問をして理解するようにしましょう。
売り出し中の注意点
仲介の場合、不動産会社との媒介契約締結後に、不動産会社による売却活動がスタートします。
内覧の準備・対応は丁寧に行う
家を売るときは、購入検討者がどのような物件か知るために内覧に来ます。内覧の準備や購入検討者への対応はできるだけ丁寧に行うよう意識しましょう。
内覧に訪れる人は、すでに物件に興味を持った状態ですが、いざ内覧に来た際に掃除や片付けができていなければ印象が悪くなる可能性があります。
また、最終的には売主の人柄を見たうえで、購入するかしないかの判断をすることも考えられるでしょう。結果的に売れるまでに時間がかかったり、売れないことで値下げせざるをえなくなったりする可能性もあります。
そのため、内覧までに片付けや掃除を行い、当日は丁寧な対応を心がけましょう。
値下げ交渉は無理のない範囲で承諾する
不動産取引では交渉は一般的であるため、値下げを要求されることもあるでしょう。交渉をされた際には、無理のない範囲で応じることも検討しましょう。
ただし、売主が損をしてしまわないように、手元に残したいお金はいくらなのかを考慮し、妥協できるラインを決めておくことが重要です。
また、事前に交渉を受ける前提で、相場から外れない範囲で価格を高めに設定しておくとよいでしょう。
売買契約を結ぶ際の注意点
買主が決まったら、売主と買主との間で売買契約を結びます。
物件の不具合・欠陥を隠さない
できるだけ高く売るために、不具合や欠陥を伝えたくないと思う人もいるかもしれません。しかし、物件の不具合や欠陥を隠すと、売却後に発覚した場合であっても契約不適合責任を問われ、違約金等の支払いが発生する恐れがあります。
そのほかにも、補修費用の請求や契約解除、損害賠償請求を受ける可能性もあります。
物件に不具合や欠陥がある場合は、売却する前に修理を行うか売買契約書にすべて記載して買主に伝えるようにしましょう。また、家を売る理由についても隠さずに伝えるようにしてください。
不具合や欠陥を売る前に直すか悩む場合は、不動産会社の担当者に相談したうえで、必要な対応を進めましょう。
以下では、家を売る理由や伝え方について解説しています。
一度締結したら基本的に解除はできない
売買契約は、一度締結したら基本的に解除できません。売買契約の解除を申し出ることは可能ですが、タイミングによっては違約金が発生したり、契約が解除されたりする可能性があるので、簡単に解除できるというわけではありません。
契約を解除したときに売主が負う可能性のある違約金は、以下の表にまとめています。
解除のパターン | 違約金の発生有無 |
---|---|
■売主と買主、双方の合意による解除 | 売買契約に基づく |
■履行着手後の解除 →「引っ越しの準備を始めた」など、売却の実現に向けて動いたあとの解除 |
売買契約に基づく |
■手付金解除 →売買契約書で定めた手付解除の期日前・期日後の解除 |
期日前:手付金の2倍の金額 期日後:売買代金の10~20%(どちらも相場) |
■債務不履行による解除 →契約内容の実現に向けた手続等に応じない場合など |
売買契約に基づく |
■契約不適合責任による解除 →家の不具合や欠陥を隠して売買契約を結んだ場合 |
有(売買契約に基づく) |
契約解除が売主と買主双方同意のもとや、履行着手後の解除の場合は、売買契約に基づいて違約金が発生します。
手付金解除は期日前であれば違約違反ではなく、手付金の2倍の金額を支払って完了することがほとんどです。しかし、期日後では売上代金の10〜20%(相場)の違約金が発生します。
売却後の注意点
家を売却したあとも手続きが必要なケースがあります。
確定申告を忘れずに行う
家が売れた場合、確定申告は忘れずに行いましょう。通常、確定申告は売却によって利益が出た場合のみ必須とされていますが、損失が出た場合も確定申告を行うことで損失を取り戻すことができます。
損失分はその年の給与所得などから控除を受けられ、その年で損失分を取り戻せなかった場合は翌年以後3年に繰り越して控除を受けることが可能です。
利益がでた場合も確定申告が必要ですが、条件に当てはまれば控除を受けることも可能です。結果的に手元に残るお金を増やせるため、家を売ったあとは確定申告を忘れないようにしましょう。
自宅の売却後、税金控除の特例として、3,000万円の特別控除の特例や軽減税率の特例、買い替えの特例などがあります。売却での利益が発生した際、これらの制度が適用されると、税金の負担を大きく減少させることができます。適切な制度を活用して、賢く税金対策を行いましょう。
家を売るときの注意点【まとめ】
家を売るときは、売却検討時から売却後までさまざまな工程があります。それぞれの注意点を理解しておくことで、家を売る際に損したり、トラブルに巻き込まれたりする事態を避けられます。
注意点を理解したうえでできる限りの対策を行い、家の売却をスムーズに行いましょう。
家の売却時にやってはいけないことは、以下の記事を参考にしてください。
不動産売却の成功の鍵は、信頼できる不動産会社の選定です。多くの注意点がある中、適切な不動産会社との連携は失敗を避ける大きな要因となります。複数の選択肢から、自身のニーズに合った信頼性の高い会社を選んで、安心して売却プロセスを進めることが大切です。
多くの内覧者はインターネットや広告チラシを基に訪れます。部屋が汚れていると、「写真と異なる」と感じ、印象が悪くなります。内覧者は部屋の細部までチェックするものです。だからこそ、きれいな状態で内覧を迎えるよう心がけましょう。