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不動産の査定方法を解説!種類・流れを把握して売却活動をスムーズに

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不動産の査定方法を解説!種類・流れを把握して売却活動をスムーズに

「不動産査定」とは、不動産がいくらで売却できそうか算出することです。これは適切な売り出し価格を設定するために必要です。不動産査定は無料で依頼でき、仮に媒介契約を結んでも、売却成立まで基本的に費用はかかりません。しかし、査定額=売却できる額ではないので、ひとつの目安として売却活動を進めましょう。

この記事では、不動産査定方法の種類や査定額がどのように決まるのかについて詳しく解説します。

不動産査定の流れ

不動産査定のおもな流れは次の通りです。

  • 一括査定を使って不動産会社に「簡易査定」を依頼する
  • 「訪問査定(詳細査定)」を依頼する
  • 現地での調査(訪問査定)を行う
  • 必要書類の確認をする
  • 査定結果を報告する

一括査定では、不動産会社によって査定額にばらつきがあることと、今後の売却活動でパートナーとなる会社を選ぶという点からも、複数の不動産会社へ査定を依頼することがポイントです。

現地調査(訪問査定)では、売主が査定に立ち会った際に、不動産について質問されることがあります。回答が査定額に影響することも十分に考えられるので、質問には正直に答えるようにしましょう。

また査定結果を聞く際には、「なぜその額になったのか」をきちんと説明してもらうことが大切です。そこでの説明や担当者の対応が、媒介契約を結ぶかどうかを決める指標になります。

不動産査定方法の種類

不動産査定には一般的に2種類の方法が用いられます。

  • 簡易査定(机上査定)
  • 訪問査定(詳細査定)

ここではそれぞれの査定方法を詳しく解説します。

簡易査定(机上査定)

簡易査定とは、情報の提供だけで完結する査定方法で、実際の不動産を見ずに面積や立地などから査定額を算出します。

簡易査定の際に提出しなければならない書類はなく、延床面積や土地面積もおよそで大丈夫です。早いと当日中に査定額を教えてくれる場合もあります。

しかし、あくまで簡易的な査定であるため、実際の売却価格とズレが生じる可能性もあります。

訪問査定(詳細査定)

訪問査定とは、実際に現地へ訪問して物件の状態や立地条件を細かく確認する査定方法です。

訪問時間は1〜2時間程度です。結果が出るまでに3日~1週間程度かかりますが、より正確な査定額を知ることができます。

不動産査定額はどのようにして決まる?

不動産査定額は、さまざまな条件または要因によって決定します。おもな算出方法は次の3種類です。

  • 取引事例比較法
  • 原価法
  • 収益還元法

ここでは3種類の算出方法を詳しく解説していきます。

土地やマンションは取引事例比較法

取引事例比較法は、売却したい不動産に近い物件の過去の取引事例を用いて、対象不動産と比較しながら査定する方法です。

取引事例比較法の計算式は次のようになっています。

査定額=事例物件の価格×査定物件の評点×査定物件の面積

取引事例比較法での査定価格は、事情補正、時点修正、地域要因、個別的要因の4つを考慮して決定されます。

事情補正

比較対象取引が、買い進みや売り急ぎなど特別な事情による価格と認められる場合、特別な事情ではない通常の状態で取引きされるとみなされる価格に補正すること。

時点補正

対象不動産と取引事例が異なる地域に存する場合に、比較対象不動産の近隣地域と取引事例の類似地域の地域要因を考慮して価格補正すること。

地域的要因

対象不動産と取引事例が異なる地域に存する場合に、比較対象不動産の近隣地域と取引事例の類似地域の地域要因を考慮して価格補正すること。

個別的要因 対象不動産との違い(日当たりやリフォームの有無など)を考慮する。

例えば、売却したい50坪の土地をAとし、次の条件を設定して計算してみます。

対象の土地 土地価格 坪数 平均単価/坪
Bの土地 700万円 40坪 17.5万円/坪
Cの土地 900万円 60坪 15万円/坪
Dの土地 800万円 40坪 20万円/坪

B(700万÷40坪=17.5万円/坪)+C(900万÷60坪=15万円/坪)+D(800万÷40坪=20万円/坪)÷3=17.5万円/坪

土地B、C、Dの平均単価が17.5万円となるので、Aの土地の坪数50坪をこれに掛けます。

50坪×17.5万円/坪=875万円

つまり、売却を考えているAの土地の査定額は875万円となります。

戸建ての場合は原価法

原価法とは、現在ある建物と同じものを再度建てる場合にどれくらいの費用が発生するのかを計算し、経年劣化分を差し引いて査定する方法です。

原価法の計算式は次のとおりです。

査定額=単価×総面積×残存年数(耐用年数-築年数)÷耐用年数

耐用年数と残存年数は物件の構造により異なり、建物の耐用年数は法律で決められています。

構造 耐用年数
木造・合成樹脂 22年
鉄骨鉄筋コンクリート・鉄筋コンクリート 47年
れんが造・石造・ブロック造 38年
金属造 骨格材の肉厚が4mmを超える場合:34年
3mmを超え4mm以下の場合:27年
3mm以下の場合:19年

例えば、築20年の総面積100平方メートルの木造戸建てを再建築するとします。この木造戸建ての建築の単価が15万円/1平方メートルとすると、次のような計算式が成り立ちます。

単価×総面積×残存年数(耐用年数-築年数)÷耐用年数=15万円×100平方メートル×(22-20)÷22=135万円

つまりこの事例の場合の積算価格は、135万円になるというわけです。

投資用などの収益物件は収益還元法

収益還元法とは、売却したい不動産で将来的にどのような収益が見込めるのかに基づいて査定額を算出する方法で、主に投資用物件の査定に用いられます。

収益還元法には直接還元法とDCF方法の2種類があります。

収益還元法の種類 概要
直接還元法 不動産が1年間で生み出す収益を、周辺地域の類似物件の利回りで割り戻して算出する。
【1年間の純利益÷還元利回り】
DCF方法(ディスカウントキャッシュフロー法) 将来的な収益と売却価格から、現在の価値を割り引いて算出する。
【対象不動産が所有期間中に得られる純利益を現在価値に換算したものと所有期間終了時に売却できる予定の価格を現在の価値に割戻したものの合計額】

例えば、還元利回りが8%のエリアで1年間の純利益が200万円の物件と仮定すると、計算式は次のようになります。

200万円÷8%×100=2,500万円

つまり直接還元法の場合は、対象の物件は2,500万円の価値があることになります。

次にDCF方法で計算していきます。DCF法の計算式は、年間割引率をXとした場合の、Y年後のZ円の現在価値、「割引現在価値」で表されます。

割引現在価値=Z÷(1+X)Y

1年間の家賃収入120万円の物件を10年後に1,000万円で売ると仮定します。賃料は月10万円なので、年間合計の120万円×10年=1,200万円が入ります。

また銀行に預金をして1%/年の利子がつくと、割引現在価値は120万円÷(1+0.01)で118万8,118円となり、10年後には11,365,550円になります。

ここで初めに設定した、10年後に1,000万円で売ることを合計し、2,136万5,550円がDCF法での査定額となります。

不動産会社によって査定額が違う理由

これまで紹介した査定額は、不動産会社によって変動します。なぜなら、比較する不動産に違いがあったり、担当者の判断が違ったり、不動産会社の事情によって左右されるためです。

特に一括査定サイトなどで複数の不動産会社に査定を依頼した場合、売主が高い価格をつけた会社と媒介契約を結ぶことを見越して、高めに査定額を提示してくることがあります。

そのため、不動産会社の査定方法によって査定額が異なることは十分に考えられます。

査定額が高いと利益を得られる可能性が高い反面、売れるまでに時間がかかるリスクも考えられます。反対に、査定額が安いと買い手が見つかりやすいものの、本来の価値より低い額で売却してしまい、結果的に損をしてしまう可能性もあります。

そのため、査定額はあくまでも相場を知るためのひとつの目安として活用しましょう。

不動産査定を依頼する際のポイント

不動産査定で得られる査定額は、不動産会社や担当者によって異なります。納得できる査定額を提示してくれる不動産会社を見つけるために、次の6つのポイントをおさえておくと良いでしょう。

査定時の必要書類は早めに準備する

査定をスムーズに進めるために、必要書類は早めに準備しましょう

  • 本人確認書類
  • 土地・建物登記済証(権利証)または登記識別情報
  • 固定資産税、都市計画税納税通知書
  • 建築確認通知書・検査済証(一戸建てを売却する場合のみ)
  • 測量図、建物図面、建築協定書(土地・一戸建てを売却する場合のみ)
  • 新築時のパンフレット・管理規約集、管理組合総会議事録(マンションを売却する場合のみ)
  • 耐震診断報告書(実施している場合のみ)
  • アスベスト使用状況調査報告書(実施している場合のみ)

このように、不動産の種類によって必要な書類が異なります。より正確な査定結果を出してもらうためにも、該当するものを確認して準備しておきましょう。

査定依頼前に自分で相場価格を調べる

不動産会社に査定を依頼する前に、自分で査定額を調べておくことも大切なポイントです。

事前に下調べしておくことで、後に査定してもらう複数の不動産会社の中から、適正な査定額を提示しているところを見極める目安になります。

自分で相場を調べることができる代表的な2つの方法を紹介します。

相場を調べられるサイト 対象物件 概要
レインズマーケットインフォメーション マンション
一戸建て
国土交通大臣指定の不動産流通機構が運営するサイト。
直近1年間に売買された物件の価格情報を検索できる。
土地総合情報システム 土地
一戸建て
マンション
農地など
国土交通省が不動産取引したユーザーにアンケート調査を行い、データベース化されたサイト。
実際の価格情報が閲覧できる。

その他不動産ポータルサイトで、物件の売り出し価格から相場を調べることもできます。

査定は複数の不動産会社に依頼し比較する

複数の不動産会社に依頼することで、いくつかの査定額がわかるだけでなく、不動産会社の力量や対応の良さなども比較できます。

売却活動時の媒介契約を結ぶ不動産会社は、査定額だけで選ぶのではなく、担当者の対応や売却力で選ぶことも大切です。

査定時に不動産の瑕疵は伝える

瑕疵(かし)とは、売却する建物や土地に何かしらの欠陥があることです。瑕疵があることを隠して取引きし、後に何らかの欠陥が見つかった場合、売主は買主に対して「契約不適合責任」を負うことになります。

これは買主が善意無過失でなくても(気付かなかったことの落ち度があってもなくても)売主に対して契約不適合責任を追及できます。

また瑕疵の有無については査定額に影響することもあるので、簡単に直せる不備は事前に直し、その他の瑕疵に関しては査定時に正直に伝えることが大切です。

査定前のリフォームやハウスクリーニングは不要

査定前にリフォームを行ったとしてもリフォーム費用を上乗せした額で売却できるとは限りません。自分でリノベーションしたいという購入希望者もいます。

また、ハウスクリーニングしたから査定額が上がるわけではないので、査定前にリフォームやハウスクリーニングは基本的に必要ありません。

より正確な査定額を知りたいなら不動産鑑定士に依頼する

不動産鑑定士は、国家資格を持った、土地や建物の価値を判断するプロフェッショナルです。不動産鑑定士に依頼する際には、数万円〜数十万の費用が発生する上、1ヵ月ほど時間がかかることも。

その代わり、現地調査と計算だけでなくさまざまな調査をもとに、より高精度な査定をしてくれます。

一般的にマンションの一室を売却するときなどには利用せず、マンションを1棟売るなど、適正価格の判断がつきにくい場合に利用することが多いです。

査定額はさまざまな要因によって変化する

不動産の査定方法や査定額の計算方法、査定をする際のポイントについて詳しく解説してきました。

売却したい不動産の種類や、築年数、立地と周辺の雰囲気などによって査定額が変わるだけでなく、依頼した不動産によっても査定額にばらつきがあります。査定後は、複数の不動産の中から自分が信頼できる会社を見つけて、媒介契約を結ぶようにしましょう。

複数の不動産会社に査定を依頼するのは、査定額を知るだけでなく、不動産会社の力量も見極めるためにも有効的な方法です。

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