通信制高校「やめとけ」と言われる6つの理由!実際に進学した人がどう思っているかアンケート

通信制高校への進学を考えている人の中には、本当に通信制高校でよいのか不安を感じる人もいるでしょう。 「通信制高校はやめとけ」という意見を聞いて、さらに不安感を大きくする人もいるかもしれません。 この記事では、通信制高校が「やめとけ」と言われる理由を解説するとともに、実際に通信制高校に進学した人へのアンケート結果を紹介します。通信制高校に対する理解を深め、最適な進路選びに役立ててください。

「通信制高校はやめとけ」と言われるのはなぜ?

「通信制高校はやめとけ」と言われる主な理由は、以下の6つです。

通信制高校はやめとけと言われる6つの理由

・進学率が低い

・就職が不利になる

・卒業が難しい

・学費が高い

・友達ができない

・偏見の目で見られる

進学率が低い

通信制高校は、全日制高校に比べて進学率が低い傾向にあります。

令和6年度学校基本調査によると、大学進学率は以下の通りでした。

  • 全日制:8%
  • 通信制:4%

しかし、近年、通信制高校の大学進学率は上昇傾向にあります。

  • 2018年度:0%
  • 2019年度:6%
  • 2020年度:5%
  • 2021年度:1%
  • 2022年度:1%
  • 2023年度:5%

出典:文部科学省「学校基本調査」

2020年度以前は20%未満でしたが、2021年度以降、進学率は20%を超えています。

大学進学対策を充実させた通信制高校も増えてきており、通信制高校に在籍している生徒でもしっかりと大学進学を目指すことが可能です。

就職が不利になる

通信制高校を卒業した生徒は就職で不利になるという意見がありますが、実際には大きな差はありません。

令和6年度の学校基本調査によると、就職率は以下の通りです。

  • 全日制:5%
  • 通信制:8%

通信制高校では、就職に直結するスキルを学べるカリキュラムを提供している学校も多くあります。そのため、通信制高校での学びが、むしろ就職に有利に働くケースもあります

例えば、ITやデザインなどの専門知識を学ぶことができる通信制高校では、卒業後に即戦力として活躍できるスキルを身につけることができます。

また、就職サポートも充実しており、インターンシップや企業との提携を通じて実社会に触れる機会を提供している学校もあります。

卒業が難しい

通信制高校は卒業が難しいと言われることがあります。これは、通信制高校の生徒が自主学習を中心に学びを進めるため、自己管理が求められるからです。

しかし、卒業までのサポート体制が充実した学校も多いです。

例えば、個別指導や定期的な面談を通じて、生徒一人ひとりの学習状況を管理し、必要なサポートを提供する学校は少なくありません。

また、オンラインでのサポートやアドバイスも行われており、生徒が安心して学び続けることができる体制が整っています。これにより、通信制高校の生徒でもしっかりと卒業を目指すことが可能です。

学費が高い

通信制高校の学費が高いというイメージがありますが、3年間でかかる学費は以下の通りです。

学校区分 公立 私立
1年間の授業料(約25単位) 約10,000円
※1単位400円の場合
約30万円
※1単位12,000円の場合
1年間の諸費用 約20,000円 約60,000~10万円
1年間の学費合計 約30,000円 約36万~40万円
3年間でかかる学費 約90,000円 約108万~120万円

特に公立の通信制高校は、3年間でかかる学費が約90,000円と安価です。

私立の通信制高校では専門的なカリキュラムを提供しているため、公立校より学費が高くなりますが、一般的な全日制高校の私立校よりも安価な場合が多いです。

ただし、通学日数の多いコースを選んだ場合、学費が高くなる可能性があります。

友達ができない

通信制高校では全日制高校と比べると、友達と交流する機会が少ないため、「友達ができない」と言われることがあります。

しかし、スクーリングなどの機会を利用して、友達を作ることはできます。

また、部活動や学校行事、交流会などを通じて友達を作ることもできるでしょう。 さらに、オンラインキャンパスで交流ができる学校もあります。

通信制高校でも、友達を作りやすい環境を整えている学校が増えてきており、不安を解消するための取り組みが進んでいます。

偏見の目で見られる

日本の高校生の約9割が全日制高校に通っています。そのため、一般的に通信制高校はなじみがなく、偏見の目で見られてしまう場合があります。

通信制高校は全日制に通えない子の受け皿としての役割もあるため、「普通の学校に通えない子」というイメージを持つ人もいます。

しかし、現在では通信制高校は多様な学び方を実現する場として注目されています。例えば、アスリートや芸術家志望の生徒など、特定の分野で活躍を目指す生徒が自由に学習時間を確保できる環境として利用されています。

また、子どもの数が減少している中、通信制高校の生徒数は増加しています。これは、多くの保護者や生徒が通信制高校のメリットを理解し、選択するようになった証拠です。

現代の通信制高校は従来のイメージとは異なり、多様なニーズに応える柔軟な教育機関として進化していることを認識する必要があります。

アンケートから分かる通信制高校の現実

通信制高校に対して「やめとけ」と言われることがありますが、その多くは通信制高校に関する正しい情報や実態を知らないことが原因です。

ここでは、当サイトが実施した「通信制高校の本音調査」の結果を紹介します。

Q.あなたのお子さん、あるいはあなたが通信制高校へ入学する前と後で、通信制高校へのイメージは変化しましたか?

Q5. (Q2に「はい」と答えた方に質問)あなたのお子さん、あるいはあなたが通信制高校へ入学する前と後で、通信制高校へのイメージは変化しましたか?

保護者、学生本人回答をあわせ55人が「変化した(とても変化した、やや変化した)」と回答しています。

Q.(「とても変化した」「やや変化した」と答えた方に質問)そのイメージはどのように変化しましたか?

Q6.(Q5に「とても変化した」「やや変化した」と答えた方に質問)そのイメージはどのように変化しましたか?

通信制高校のイメージについて、通信制高校入学前後でイメージが変化した保護者が多いことがわかります。

しかし、ほとんどの保護者が「ポジティブなイメージに変化している」と回答しています。

「通信制高校はやめとけ」といったネガティブな意見は、通信制高校の本質を理解していないことが多いです。

もちろん、人によっては通信制高校が合わない場合もあるでしょう。しかし、他人の評価や思い込みで判断するのではなく、実際に学校を見学したり、問い合わせたりして、自分の目で確かめることが重要です。

なお、アンケート全文は、こちらの記事に掲載しています。

>ズバット 通信制高校比較利用ユーザー96人にズバッと本音を聞いてみた! 「通信制高校に進学してよかった!」

通信制高校に向いていない人

通信制高校は、全日制高校とは異なる教育システムを採用しています。そのため、次のような人は、通信制高校に向いていないと考えられます。

  • 自己管理が苦手な人
  • 自主的に勉強できない人
  • 集団生活が好きな人
  • 友だちと切磋琢磨したい人

自己管理が苦手な人

通信制高校では、自主学習が中心になります。そのため、自分で学習計画を立て、学習の進捗状況を自身で管理する必要があります。そのため、自己管理が苦手な人には負担となる可能性があります。

自己管理が苦手な人は、定期的な面談を実施している学校を選んだり、サポート校を利用したりするとよいでしょう。

自主的に勉強できない人

通信制高校では、教師からの指示が少なくなるため、自主的に勉強する必要があります。

内容が理解できない場合、自分で解決するか、先生に積極的に質問する姿勢が求められます。

そのため、自主的に勉強できない人にとっては、学習が思うように進められない可能性があります。

自主的に勉強するのが苦手な人は、通学日数の多いコースを選ぶとよいでしょう。

集団生活が好きな人

通信制高校は、集団での授業が少ないため、集団生活を楽しみたい人には向いていないかもしれません。

全日制高校と比べると学校行事やイベントが少なく、友達と一緒に過ごす時間が制限されることがあります。その結果、孤独感を感じることもあるかもしれません。

また、集団活動を通じて得られる協力やチームワークの経験も少なくなるため、チームでの活動が好きな人には不満が生じることが考えられます。

集団生活が好きな人は、通学日数の多いコースを選んだり、いつでも登校できるキャンパスが近くにある学校を選んだりするとよいでしょう。

また、学校を選ぶ際に、イベントや部活動がどのくらい行われているかを判断基準に入れるのもおすすめです。

友達と切磋琢磨したい人

通信制高校では、直接顔を合わせて友達と切磋琢磨する機会が少ないため、友達と競争しながら学びたい人には向いていないかもしれません。

全日制高校では、日常的にクラスメイトと一緒に勉強をします。しかし、通信制高校では、個人の学習が中心となるため、友達と共に学ぶ機会は限られます

結果として、学習のモチベーションや効率が落ちることがあります。同じ目標を持つ仲間と協力して学びたい人には、通信制高校は向いていない可能性があります。

友だちと切磋琢磨したい人は、通学日数の多いコースを選ぶとよいでしょう。

よくある質問

通信制高校を検討する際によく寄せられる質問をまとめました。

Q.通信制高校はどんな子が行く?

A.通信制高校に通う理由は、生徒によってさまざまです。

  • 不登校の経験がある
  • 体調不良のため毎日通学することが難しい
  • 学業不振で全日制高校を退学している
  • 経済的な事情がある
  • 学業以外の活動を重視している
  • 働きながら高卒資格の取得を目指している
  • 専門的な知識やスキルを身につけたい

不登校や経済的な理由など、ネガティブな理由で通信制高校を選択している生徒もいますが、専門的なスキルの習得など、ポジティブな理由で通信制高校を選択している生徒もたくさんいます。

詳しくは、こちらの記事「通信制高校に通う普通の子はいる?生徒の特徴や向いていない人の特徴まで解説」を参考にしてください。

Q.通信制高校の欠点は何ですか?

A.通信制高校の欠点としては、「勉強のペースがつかみにくい」「友達を作る機会が少ない」「生活リズムが乱れやすい」などが挙げられます。

全日制高校と教育システムが異なるため、その点をよく理解した上で進学を検討するとよいでしょう。

通信制高校のデメリットについて、詳しくはこちらの記事「通信制高校に通うデメリット5選!後悔しない学校選びの基準とは?」を参考にしてください。

Q.通信制高校に行くのは甘えですか?

A.通信制高校に通う生徒は、健康上の理由、家庭の事情、あるいは学業以外の活動を優先したいなど、さまざまな理由で通信制高校を選んでいます。

そのため、通信制高校に行くことが甘えだという考え方は不適切です。

まとめ

通信制高校が「やめとけ」と言われる理由のほとんどは、通信制高校に関する正しい情報や実態を知らないことが原因です。

全日制高校と教育システムが異なるため、通信制高校に通うのが向いていない人がいることは確かです。

しかし、通信制高校の良し悪しを、他人の評価や思い込みで判断するべきではありません。 自分で確かめて、自分に合っているかどうかを確かめてください。