通信制高校のメリット・デメリット、全日制・定時制との違いも徹底比較!

通信制高校には、自分のやりたいこと、自分らしさを最優先にして学べるメリットがあります。通信制高校の資料を比較するときは、通信制高校のメリット・デメリットについて知っておきましょう。あわせて、通信制高校以外の進路のメリットとデメリットについても紹介します。

通信制高校、全日制、定時制の違いを比較

通信制高校だけでなく、全日制、定時制などほかの高校のメリットとデメリットを紹介します。どれも優れたメリットがありますが、デメリットも必ずあります。高校進学を考えるときは、それぞれのメリットとデメリットを比較することが大切です。

また、高校以外の進路についても検討できるように、高等専修学校、高卒認定のメリット・デメリットについても紹介します。

全日制高校は数が多いので、選択肢が非常に豊富です。ただし、入学試験があるため、学力にあった学校を選ぶことになります。

■通信制高校のメリット・デメリット

通信制高校のメリット
・単位制なので自分のペースで学習を進められる
・自由になる時間が多く、趣味や仕事などと学校を両立できる
・ほとんど通学しなくていいので、不登校でも卒業しやすい
・厳しい校則に縛られない
留年がない
通信制高校のデメリット
・自宅学習がメインなので、わからないことがすぐに解決できない
・学習スタイルが自由なので、卒業するには自己管理能力が必要
・登校が少ないので友達を作る機会があまりない
・学校行事や部活動が活発な学校が少ない

■全日制高校のメリット・デメリット

全日制高校のメリット
・学校が多く、選択肢が豊富
学校行事や部活動が活発
・生徒が多く、友達を作りやすい
全日制高校のデメリット
・学力にあった学校でなければ入学できない
成績や出席日数が不足すると留年する
・仕事との両立は難しい

■定時制高校のメリット・デメリット

定時制高校のメリット
・授業時間が少ないので自由になる時間が多い
・授業内容はやさしく、勉強が苦手でも大丈夫
・仕事やバイトなどと学校を両立できる
定時制高校のデメリット
・大学進学するには学習内容が不足
・学校が少なく、あまり選べない
・基本的に卒業まで4年かかる

■高等専修学校のメリット・デメリット

高等専修学校のメリット
・就職に役立つ資格や技能を取得できる
・高校の卒業資格を得られる学校がある
・大学の受験資格を得られる学校がある
高等専修学校のデメリット
・専門分野に特化しているので、一般的な大学への進学には不向き
・学校行事や部活動があまり活発ではない
・志望する分野の学校が近所にあるとは限らない

■高卒認定のメリット・デメリット

高卒認定のメリット
・高校に通わずに、大学や専門学校の受験資格が得られる
・学校に通わないので時間を自由に使える
・高校中退でも同年代の人と同じタイミングで大学受験が可能
高卒認定のデメリット
・高校卒業の資格にはならず、進学先を卒業しなければ最終学歴が中卒になる
・高校生活を体験できない
・友達を作る機会が少ない

通信制高校の3つのメリット

通信制高校には、さまざまなメリットがあります。ここでは大きく3つのメリットについて詳しく説明します。

■通信制高校の3つのメリット
  • ・自分のペースで学習ができる
  • ・多くの自由時間が持てる
  • ・高校卒業の資格は全日制と同じ

メリット その1:自分のペースで学習ができる

通信制高校は、単位制を採用しているため、1年間で学習すべき量が決まっていません。1年間でどれだけ学習をするのかは、生徒に任されています。通信制高校は、次の卒業要件を満たせば、卒業することができます。

■通信制高校の卒業要件
・74単位以上の修得
・36ヵ月以上の在籍
・30単位時間の特別活動

つまり通信制高校は、学年制の全日制高校のように、毎日決まった時間に登校して、進級に必要な学習を1年間で終える必要はないのです。自分のペースで学習して、卒業を目指すことができます。

学年制の高校では、成績が悪かったり、出席日数が不足したりすると進級できずに留年(原級措置)となって、もう1年同じ学年をやり直さなくてはなりません。しかし、単位制の高校では、修得できなかった単位があっても、その単位だけをやり直せばいいのです。

そのため、体やメンタルの不調で毎日学校に通えない場合は、あえて学習のペースを落として、3年ではなく4年で卒業する、という方法を選ぶこともできます。

■3年間で通信制高校を卒業するスケジュールの例

3年間で通信制高校を卒業するスケジュールの例

■4年かけて通信制高校を卒業するスケジュールの例

4年かけて通信制高校を卒業するスケジュールの例

通信制高校では、3年で卒業することもできますが、4年かけることで無理をせずに学習を進めることもできるのです。

単位制のしくみや通信制高校の卒業要件については「通信制高校の単位制とはどんなしくみ?学年制との違い」で、より詳しく紹介しています。

メリット その2:多くの自由時間が持てる

通信制高校は、自分で自由にカリキュラムを組むことができます。

例えば、通学週1日コースであれば、週6日間を、自由に使うことができるのです。もちろん、自宅学習をする必要はありますが、それでも自分の自由になる時間をたくさん持てます。そのため、通信制高校は、成人して仕事に就いている人でも学習を続けることができるのです。

仕事をしていない人であれば、空いている時間を利用してアルバイトや大学受験の勉強ができます。通信制高校によっては、オプションコースで美容やコンピューター、イラストやマンガ、料理の専門的な知識や技術を身に付けられるカリキュラムを用意しています。それにより、全日制高校に通っていたのでは得られない経験を積むことができるのです。

■ルネサンス高等学校のWスクール
・海外留学コース
・英会話コース
・パソコン実用(資格・スキル)コース
・フードプロフェッショナルコース
・美容師養成コースなど
■鹿島学園高等学校のオプションコース
・大学進学コース
・スポーツコース
・アクターズコース
・アニメ・マンガ・声優コース
・音楽コースなど

学校によって設置されているコースが異なるので、資料を取り寄せたり、学校説明会に行ったりして、自分の学びたいコースがあるか、入学前に確認しておきましょう。

メリット その3:高校卒業の資格は全日制と同じ

通信制高校を卒業すると、高校卒業の資格を得ることができます。通信制高校の学習内容は、全日制高校と比べると簡単な学校が少なくありません。しかし社会に出ると、全日制高校と通信制高校の卒業資格は同じものとして扱われます。

高校を卒業すると、大学や専門学校などの受験資格が得られます。また、必要資格に高卒以上を提示している求人に応募することもできます。どんな高校を卒業しようとも、高校卒業の資格に違いはないのです。

また、学校法人の中には、通信制高校と全日制高校の両方を運営しているところがあります。そういった学校法人の場合、全日制高校と同じ卒業証書を、通信制高校の卒業者に授与してくれることがあります。例えば、鹿島学園高等学校の場合は、全日制の鹿島学園高等学校、中京高等学校の場合は全日制の中京高等学校の卒業証書が授与されます。通信制高校卒業であることを知られたくない人は、そういった学校に入学するといいでしょう。

通信制高校の3つのデメリットとその解消法

通信制高校にはメリットだけでなく、デメリットももちろんあります。ここではデメリットになりうる3つの項目を紹介します。
気になるデメリットがあっても、大丈夫です。デメリットを解消する方法もあわせて解説してありますので、しっかりチェックしてみてください。

■通信制高校の3つのデメリット
  • ・自主性、自己管理を求められる
  • ・生徒同士の交流が少ない
  • ・学習内容がやさしすぎる

デメリット その1:自主性・自己管理を求められる

全日制高校は、ある程度、学校側に勉強や生活を管理されます。成績が落ちてきたり、生活態度が悪かったりすると、先生に注意されます。しかし、通信制高校は、ほぼすべてが生徒に任されます。

学習ペースが自由ということは、どのようなペースで学習をしていくのかを自分で決めなくてはいけない、ということ。そして、自分で決めた通りに学習を進められるように、自分で管理しなくてはなりません。そのため、公立の通信制高校は、卒業率が40%程度といわれています。

【デメリット解消法】~自主性・自己管理~

私立の通信制高校は、卒業率の低さを解消するためのサポート体制を整えています。通学の多いコースを選べば、学校で学習の進行具合をチェックしてもらえます。それ以外にも、学校ごとにさまざまな方法で生徒をサポートしています。

■学校ごとの学習管理、サポート体制の例

第一学院高等学校 学習の進捗や学校生活の様子を保護者に通知
ルネサンス高等学校 生徒一人ひとりに担任がついて卒業までサポート
NHK学園高等学校 インターネットで閲覧できる学習ページで学習状況を生徒と保護者が把握できる
さくら国際高等学校 東京校 教科別勉強会を年に数回行い、教科担当が個別に指導
鹿島学園高等学校 履修相談員と話し合い、最適な履修方法を決定
飛鳥未来高等学校 一人ひとりのレベルにあわせて担任の教師が個別指導
KTCおおぞら高等学院(サポート校) 個別指導コースでは、個別に学習メニューを作成。カウンセリングとメンタルサポートも行う

デメリット その2:生徒同士の交流機会が少ない

通信制高校は、ほとんど通学せずに卒業できます。そのため、生徒同士の交流機会は、非常に少なくなります。学校で会った友達同士で連れ立って遊びに行く、というのは、なかなか難しいかもしれません。

【デメリット解消法】~生徒同士の交流機会~

通学コースを週3日制や週5日制を選択することで、顔なじみの知り合いが増え、交流する機会を持てるようになります。

ほかにも、学校行事を豊富に用意している通信制高校やサポート校もあり、遠足や文化祭、体育祭、スキー合宿などで生徒同士が交流する機会があります。部活動が活発な通信制高校もあり、全日制高校と同じように、充実した学校生活を送れます。

■鹿島学園高等学校の年間行事の一部

5月 ディズニーランド遠足
6月 農業実習
8月 林間学校
10月 修学旅行
11月 球技大会、文化祭
1月 スキー・スノボ合宿
3月 後期卒業式

■さくら国際高等学校 東京校の部活動の一部

運動部 野球部、サッカー部、陸上部、テニス部、卓球部、バスケットボール部、バトミントン部、空手部、ダンス部
文化部 アート部、演劇部、合唱部、軽音楽部、交通研究部、写真部、マンガ研究部

また、「生徒同士でチャットを通して交流できる」(N高等学校)、「アプリでデータを共有したグループ学習」(第一学院高等学校)など、ITツールを使ったコミュニケーション方法を多くの学校で取り入れています。

デメリット その3:学習内容がやさしすぎる

通信制高校の学習内容は、全日制高校と比べると、かなりやさしくなっています。これは通信制高校が、学校にあまり通えなくて、学力が不足している人にも門戸を開いているからです。 そのため、大学進学を目標にしている人には、通信制高校の学習内容だと物足りない可能性があります。

【デメリット解消法】~学習内容~

多くの通信制高校やサポート校では、大学進学を目指す人に向けて、オプションで進学コースを用意しています。また、「脳科学理論に基づいた復習方法」(トライ式高等学院)、「マンツーマンでの徹底指導」(鹿島学園高等学校)など、同じ進学コースでも学校ごとに特色があります。

■通信制高校の大学進学コースやカリキュラムの例

学校 コース、カリキュラム
さくら国際高等学校 東京校 総合進学コース、文系進学コース、理系進学コース
飛鳥未来高等学校 週2日の進学アカデミーを開催
第一学院高等学校 特別進学コース
N高等学校 ネットコース:大学受験対策授業、通学コース:大学受験講座
鹿島学園高等学校 大学進学コース
ヒューマンキャンパス高等学校 大学短大・総合進学コース

大学進学を目標にして通信制高校を選ぶときは、各学校の資料に掲載されている進学実績が参考になります。自分が志望している大学、またはレベルの近い大学が進学実績として資料に掲載されているなら、その通信制高校のカリキュラムで進学できたということです。

志望大学へ進学するために、さまざまな通信制高校の資料を取り寄せて、進学実績を見比べてみましょう。

全日制、定時制、高等専修学校、高卒認定のメリット・デメリット

通信制高校以外の進路にも、それぞれメリットとデメリットがあります。そういった進路ごとの特徴をよく考えて、進学先を選んでください。また、高校卒業後の進路も含めて考えると、具体的に進路について考えることができます。

【全日制高校】最も一般的なスタイルの学校

高校の中で最も多いのが全日制高校です。一般的に高校といえば、全日制を指します。全日制高校は、基本的に朝~夕方にかけて授業を行い、月曜~金曜までの週5日間通学します。決まった時間に登校し、時間割に沿って授業を受けるなど、学校が定めたカリキュラムに従って学習を進めます。

全日制高校のメリット

学校の数が多くて、さまざまな学校を選ぶことができます。さらに、学校行事や部活動が活発で、生徒が多く、友達が作りやすい環境です。いわゆる高校生活を楽しめるのが魅力です。

全日制高校のデメリット

学校の数は豊富ですが、入学試験があるので、自分の学力にあった学校しか選べません。また、多くの学校で学年制を採用しているため、留年して同じ学年を繰り返すこともあります。 また、在学期間中は、ほぼ高校生活に時間を費やすため、仕事や別分野の勉強などと両立するのは困難です。

【定時制高校】仕事などと両立して勉強できる学校

定時制高校とは「夜間もしくはそのほかの特別な時間や時期に授業を行う高校」のことです。夜に授業を行うイメージがあるかもしれませんが、朝~昼、昼~夕方、夕方~夜というように、複数の時間帯で授業を行う定時制高校もあります。

定時制高校のメリット

定時制高校は、毎日の通学が必要ですが、1日の授業時間が少ないため、自由になる時間が豊富にあります。仕事やアルバイトなどと両立できるので、自分で学費を稼ぎながら通学することもできます。また、学習内容は比較的やさしく、勉強が苦手な人でも卒業できます。

定時制高校のデメリット

一般的に定時制高校は卒業まで4年かかります。3年で卒業したい場合は、2部制(昼、夜)、3部制(朝、昼、夜)の定時制高校で、複数の時間帯の授業を受ける必要があります。また、授業内容がやさしいため、大学進学を考えている人には学習内容が不足します。大学進学するには、高校とは別に予備校などに通う必要があるでしょう。 学校数が非常に少ないため、通える範囲に定時制高校がないこともあります。

【高等専修学校】専門分野を学んで仕事に活かす

高等専修学校は、職業や実生活に必要な能力を育てることを目的としている学校です。高等専修学校で受けられる職業教育「工業」「農業」「医療」「衛生」「教育・社会福祉」「商業実務」「服飾・家政」「文化・教養」の8分野で、それぞれにさまざまな学科が設置されています。卒業までの年数は1~5年と学科によって異なります。

高等専修学校のメリット

高等専修学校では、就業を目的とした専門的な教育を受けられるので、学んだことが直接就職に役立ちます。また、3年制の高等専修学校の多くでは、通信制高校にもあわせて入学します。これにより、技能連携制度を利用して高等専修学校の卒業と同時に高校卒業の資格を得られるのです。高等専修学校によっては、特定の大学の受験資格を得られることもあります。
※技能連携制度…技能連携校に指定された専修学校で受けた教育の一部が高校の単位として認められる制度

高等専修学校のデメリット

高等専修学校では、学習する内容が特定の専門分野に偏るため、同じ分野の大学はともかく、そのほかの学科の大学に進学するのは困難です。学校行事も全日制高校より少ないのが一般的で、ふつうの高校生活とは異なると思っておきましょう。
また、学びたい学科を持つ高等専修学校が家の近所にあるとは限りません。人によっては、学生寮などから通うことになります。

【高卒認定】高校へ行かないという選択肢

「高等学校卒業程度認定試験(高卒認定)」に合格すると、大学や専門学校の入試を受験できるようになります。以前は大学入学資格検定(大検)と呼ばれていたものです。これにより、高校中退や事情があって高校進学できなかった人でも、大学や専門学校へ進むことができます。

高卒認定のメリット

高卒認定の最大の魅力は、高校を卒業しなくても、大学や専門学校の受験資格が得られることです。学校に通う必要がないので、自分の時間を自由に使えます。また、高卒認定を取得すれば、高校を中退しても同年代の人と同じタイミングで大学受験ができます。

高卒認定のデメリット

高卒認定自体は、大学や専門学校を受験する資格にすぎません。つまり、大学や専門学校を卒業しなければ、最終学歴は中卒になります。また、学校へ通わないため、高校生活を送ることができません。同級生の友達もできません。

また、自力で高卒認定を得るまで勉強するのは大変です。ひとりで勉強を進めるのが難しい場合は、高卒認定予備校を利用しましょう。学校によっては、高卒認定取得後も、大学受験の勉強もできます。

高卒認定に関して、「高卒認定(旧・大検)の取り方とかかる費用」で詳しく解説していますので、チェックしてみてください。