通信制高校から専門学校へ進学できる?条件や入試方式や進学後のキャリアを解説!
公開日:2025年02月03日 更新日:2025年02月03日
「通信制高校から専門学校へ進学できるの?」と不安を感じている方もいるでしょう。結論からお伝えすると、通信制高校を卒業して専門学校へ進学することは可能です。 この記事では、専門学校へ進学する条件や入試内容、進学後のキャリアについてわかりやすく解説していきます。 専門コースがあり、専門学校と提携している高校もあわせて紹介するので、通信制高校選びに迷ったらぜひ参考にしてください。
- 専門学校へ進学するために必要な受験資格
- 専門学校へ進学する生徒は4人に1人
- 通信制高校から専門学校へ進学する理由
- 専門学校の主な入学試験は3種類
- 通信制高校から専門学校進学後の就職は難しい?
- 専門学校と提携している通信制高校3選
- 通信制高校から専門学校を受験する際のよくある質問
- まとめ
専門学校へ進学するために必要な受験資格
通信制高校で高卒資格を得るには、下記の3つの卒業要件を満たす必要があります。
- 3年以上の在籍
- 74単位以上の取得
- 30単位時間以上の特別活動への参加
それぞれの具体的な内容は、下表のとおりです。
| 卒業要件 | 内容 |
|---|---|
| 3年以上の在籍 | 高校の在籍期間が通算で3年以上あること。転入・編入の場合、前の高校の在籍期間も含める |
| 74単位以上の取得 | 下記の過程にしたがって、すべての科目あわせて74単位以上取得すること ・レポート提出 ・スクーリング(対面授業/面談) ・単位認定試験 |
| 30単位時間以上の特別活動への参加 | ホームルーム・文化祭・体育祭などの行事に参加し、30単位時間以上参加すること(1単位時間=50分) |
通信制高校でこれらの3つの卒業要件を満たし高卒資格を得ると、専門学校へ入学できます。
ここで注意しておきたいのが、高卒認定(高等学校卒業程度認定試験)との違いです。高卒認定も専門学校への進学は可能ですが高校を正式に卒業したことにはなりません。
高卒認定は、高校卒業と同程度の学力があると認められるだけで、最終学歴は「中卒」となります。一方、通信制高校を卒業すると最終学歴は「高卒」となります。
専門学校へ進学する生徒は4人に1人
文部科学省「学校基本調査」によると、令和5年度における通信制高校からの進学率は以下の通りです。
- 大学進学:5%
- 専門学校進学:3%
約4人に1人が専門学校へ進学しており、珍しい進路選択ではないことがわかります。
通信制高校から専門学校へ進学する理由
ここでは通信制高校から専門学校への進学が選ばれる理由を2つ紹介します。
- 通信制高校の専門コースと相性がいい。
- 専門学校と提携している通信制高校がある。
通信制高校の専門コースとの相性がいい
通信制高校には、専門分野を特化して学べるさまざまな専門コースがあります。国語や数学などの一般教科と並行して、将来の職業に関連した専門的な知識・技術を学べるのが特徴です。
主な専門コースには次のようなものがあります。
- 学習系:大学進学・難関大学進学・英語・語学
- IT系:プログラミング・PC(資格・スキル)
- 芸能系:ダンス・音楽・声優・演劇
- クリエイティブ系:アニメ・漫画・イラスト・ゲーム
- 美容・服飾系:美容・メイク・ネイル・デザイン・ファッション
- eスポーツ系:eスポーツ
- スポーツ系:サッカー・野球・テニス・ゴルフ・スポーツインストラクター
- 調理系:調理・製菓(パティシエ)
- 医療・介護系:看護・福祉・介護・保育
専門コースで得た基礎知識やスキルは、その分野の専門学校でさらに深めることが可能です。専門学校では、より実戦的な授業や資格取得を目指した授業が行われるため、就職先で即戦力となるスキルを身につけられます。
専門学校と提携している通信制高校がある
通信制高校には、専門学校を運営する学校法人が設立したものや、専門学校と提携しているものがあります。連携している通信制高校には、次のようなメリットがあります。
- 専門分野のプロから直接指導が受けられる
- 専門学校の設備や機材を利用できる
- 提携する専門学校へ内部進学できる
- 専門学校の学費が一部免除になる
学校によって連携内容は異なるため、学校選びの際に事前に確認することが大切です。
専門学校の主な入学試験は3種類
専門学校の入学試験は、主に次の3種類です。
- AO入試(総合型選抜)
- 推薦入試(自己推薦・指定校推薦・公募推薦)
- 一般入試
専門学校の入試は、受験生の学力ではなく、学びたいという意欲や適正を重視する傾向があります。特にAO入試や推薦入試は、面接や書類選考のみの学校が多いのが特徴です。
AO入試(総合型選抜)
AO入試は学力ではなく、受験生の学習意欲や学校の求める人物像との適性を重視する選考方法です。主に面接と書類選考が行われ、自己アピール力や専門学校についての理解が求められます。
AO入試は「専願」という入試方式で、ほかの学校を受験しないことが条件となるため、進学意思が固まっている場合に適しています。
以下、AO入試の一般的な流れです。
- オープンキャンパスに参加
- 6月~エントリー(書類提出)
- 面接・面談選考
- AO出願許可書の発行(許可された場合のみ)
- 9月~出願
- 合格発表
エントリーにオープンキャンパスへの参加を条件としている学校や、出願時に課題作文の提出が必要な学校もあります。
また、AO入試の選抜方法や時期は学校によって多少異なるため、パンフレットやホームページで早めに確認しておくことが大切です。
推薦入試
推薦入試はAO入試同様に原則専願で、出願は10月頃から始まります。書類選考や面接が主な選考方法で、以下3通りの形態があります。
- 自己推薦
- 指定校推薦
- 公募推薦
自己推薦
自己推薦は、高校からの推薦状が必要ない代わりに、自己推薦書の提出が必要です。学力や資格、部活動の実績、ボランティア活動など特筆すべきものがある人に向いています。
面接では、自分の実績や活動内容をしっかりとアピールをすることが重要です。
指定校推薦
指定校推薦は受験校側が特定の高校を指定し、その高校の生徒だけが出願できる制度です。
出願できるのは学業成績や出席状況、生活態度をもとに校内選考に通過した生徒に限られます。指定校推薦は、校内選考を通過すれば合格率は極めて高いのが特徴です。
ただし、指定校推薦は専願のみなので、希望する専門学校が確定している場合に適しています。進学先で迷っている場合には慎重に検討しましょう。
公募推薦
公募推薦は、受験校が定める基準を満たし、学校からの推薦状があれば、誰でも出願できます。公募推薦には主に以下の2つがあります。
- 公募一般推薦:受験校の基準を満たし、校長の推薦があれば誰でも出願可能
- 公募特別推薦:スポーツ活動や文化活動での実績があることが出願条件
公募推薦は指定校推薦とは異なり、高い確率で合格できるとは限りません。
一般入試
一般入試の出願は11月頃から始まり、AO入試や推薦入試で不合格となった場合でも再度挑戦できます。
また、複数の学校を受験できる「併願」が可能で、合格した中から自分に最も合う学校を選択可能です。入試日程次第で、何校でも受験することができます。
一般入試の選考方法は書類選考、学科試験、面接が主です。特定の分野によっては実技試験や適性試験が課されるところもあり、学校によって異なります。出願期間や試験日程もあわせて早めに希望の専門学校に確認しておきましょう。
通信制高校から専門学校進学後の就職は難しい?
通信制高校から専門学校に進学しても、就職は特に難しいというわけではありません。
文部科学省文部科学省「令和6年度大学等卒業予定者の就職内定状況調査」によると、専門学校卒業生の就職率は97.5%で、大学生の就職率98.1%とほぼ同じ水準です。
また、同調査における専門学校生の就職内定率推移は下表のとおりです。
| 卒業年 | 就職内定率 |
|---|---|
| 令和6年卒 | 97.5% |
| 令和5年卒 | 95.7% |
| 令和4年卒 | 94.7% |
| 令和3年卒 | 91.2% |
| 令和2年卒 | 96.8% |
| 令和元年卒 | 96.6% |
専門学校進学後からの就職は決して難しくはなく、安定した就職状況であることが読み取れます。
専門分野のスキルを活かせて就職に有利
専門学校では、専門分野に特化した実践的なスキルが習得できます。即戦力を求める企業にとっては魅力的な人材であり、就職に有利です。
例えば、美容師免許取得コースでは、美容師の免許取得に特化したカリキュラムが組まれ、卒業までに資格取得を目指すことが可能です。
希望する職業に必要な資格を取ることで、さらに就職の可能性が広がるでしょう。
専門学校の就職サポート体制が充実
専門学校は特に就職支援に力を入れている学校が多いです。
例えば、教師による個別面談で丁寧な指導が行われます。また、クリエイティブな職業を目指す場合は、自己アピールのための作品集の制作指導が受けられる学校もあります。
さらに、多くの専門学校は、特定の分野に関係する企業とつながりが強く、学校を通じてその企業からの求人が来ることも少なくありません。
専門学校と提携している通信制高校3選
ここでは専門学校と提携しているおすすめの通信制高校を3校紹介します。
- 飛鳥未来高等学校
- ECC学園高等学校
- ヒューマンキャンパス高等学校
飛鳥未来高等学校
ECC学園高等学校
ヒューマンキャンパス高等学校
ヒューマンキャンパス高等学校
- 学べる分野は40以上!目指せる職種は100以上!いろんな「なりたい」に対応
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通信制高校から専門学校を受験する際のよくある質問
最後に通信制高校から専門学校を受験する際のよくある質問を紹介します。
Q.通信制高校から専門学校を受験しても落ちる可能性が高い?
A.通信制高校出身という理由で落ちる可能性は低く、また不利になることもありません。
仮に推薦入試で不合格だったとしても一般入試で受験できる機会があるので、募集要項をチェックしておくとよいでしょう。
Q.専門学校受験の難易度は?
A.専門学校は学力よりも、学びたいという熱意や学校への適性を重視します。そのため学力重視の大学受験に比べると難易度は高くないでしょう。
ただし看護・医療系の人気の高い専門学校では、学科試験を採用し、基礎学力を重視しているところが多い傾向があります。過去問を繰り返し解いたり、模擬試験を受けたりして、十分な対策を取りましょう。
Q.通信制高校から専門学校の面接を受ける際の適切な服装は?
A.制服がある場合は制服を着用します。制服がない場合は、紺色やグレーなどの落ち着いた色味のスーツを着用すれば問題ありません。
まとめ
通信制高校を卒業し、専門学校へ進学することは十分可能です。実際、4人に1人が専門学校へ進学しており、一般的な進路として珍しくありません。
通信制高校の専門コースや提携専門学校を活用することにより、専門分野への進学準備がスムーズに進められます。
そのためには、専門分野の学習ができるコースや、提携専門学校がある通信制高校を選択するのもよいでしょう。
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