家を売るときの手順とは?基本の流れを8つにわけて解説

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家を売るときには、基本的な手順があります。

必要なプロセスを飛ばしてしまうと、期待したような価格で売却できないことがあるので注意しましょう。また、売却までの流れを理解しておけば、必要な書類の準備などの段取りも余裕を持って行えるため、売却までスムーズに進みます。

この記事では、家を売るときの手順を基本的な8つの流れにわけて解説します。売却後の手続きについても解説していますので、ぜひ参考にしてください。

この記事でわかること
  • 家を売るときの手順
  • 売却をスムーズに進める方法
  • 売却後の手続き
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【執筆】松元 健太郎 宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士。 不動産会社退職後、不動産ライターとして独立。不動産実務の経験と知識を活かしながらライターとして活動中。 法人で不動産賃貸経営も行い、不動産の現場で得た経験をもとにした原稿執筆を行う。 https://xn--lsv228akxb.com/

家を売るときの手順

家を売るときの手順

ここでは、家を売るときの手順をステップに沿って紹介します。売却までには、準備を始めてから3〜8ヵ月程度かかります。また、最後の確定申告は家を売った翌年に行うため、忘れないようにしましょう。

手順1:売却価格の相場を調べる

まずは、売却を考えている不動産が、どれくらいの価格で売れそうなのかを自分で調べてみましょう。相場を理解しておくことで、不動産会社から提示された査定価格が妥当かどうかを判断できるようになります

また、売値がわかれば、住み替えにかかる資金計画も立てやすくなるでしょう。

自分で相場を調べるには、主に次の3つの方法があります。

売却価格の相場を調べる方法詳細
不動産会社のホームページその不動産会社で売り出し中の物件の価格
不動産査定サイトのデータさまざまな不動産会社での売買履歴
  • ズバット不動産売却 など
国や都道府県が運営しているサイトのデータ全国の不動産の売買履歴
  • 土地総合情報システム
  • REINS Market Information

調べるときは、売りたい家の周辺にある、できる限り似た条件の住宅の売却情報や売却履歴を調べましょう。

家を売る際の相場や、家の売却でやってはいけないことについては、次の記事で紹介しています。

手順2:不動産会社に査定依頼を行う

ある程度相場を把握したら、不動産会社に査定依頼を行いましょう。査定依頼の方法には、「机上調査(簡易査定)」と「訪問査定」の2種類があります

机上査定と訪問査定
机上査定(簡易査定) 訪問査定
メリット
  • 物件情報を入力するだけで査定額がわかる
  • 匿名査定も利用できる
  • 短期間で結果がわかる
  • 物件の状況から精度の高い査定ができる
  • 担当者の知識や対応を確認できる
デメリット
  • 訪問査定より精度が落ちる
  • 不動産会社によって査定額が大幅に異なることがあるため比較検討が必要
  • 訪問日の調整や書類の取得に時間がかかる
  • 机上査定よりも査定結果がわかるまでに時間がかかる

机上査定はWEB上で簡単に査定を行えますが、実際に家を売る際には精密に査定できる訪問査定も行います。まずは複数の不動産会社に机上査定を依頼し、そこから訪問査定をお願いする不動産会社を選ぶとスムーズでしょう。

査定依頼は不動産会社1社ずつに依頼するよりも、一括査定サイトを利用して一度に複数社に依頼したほうが手間も時間もかからず簡単です。不動産売却ズバットでは、最大6社に一括査定ができるため、査定額が高く信頼できる不動産会社を探せます。

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なお、訪問査定の依頼を行う際には、次の3つの書類が必要です。(不動産会社によって異なる)

査定時に必要な書類
  • 本人確認書類
  • 実印・印鑑証明書
  • 登記済権利証または登記識別情報

そのほか、「建築設計図書・工事記録書」や「地積測量図・境界確認書」など、査定時に用意しておくことで、精度の高い査定が可能になる書類もあります。売却するにあたって、いずれ必要になる書類も多いため、事前に準備しておくとスムーズです。

家を売るときに必要な書類は、こちらの記事で紹介しています。

手順3:不動産会社と媒介契約を締結する

複数社に査定を行い、依頼する不動産会社を決めたら、その不動産会社と媒介契約を結びます。

媒介契約とは、不動産を売却するための営業努力を、不動産会社に依頼する契約のことです。媒介契約には3種類あり、「同時に売却を依頼する不動産会社の数に決まりがあるかどうか」というのが主な違いです。

一般媒介契約 専任媒介契約 専属専任媒介契約
依頼できる不動産会社の数 複数社 1社のみ 1社のみ
契約期間 定めなし
(基本的に3ヵ月以内)
3ヵ月以内 3ヵ月以内
買主との直接売買契約の可否 不可
売主への報告義務 報告義務なし 2週間に一度 1週間に一度

売主にとって制限が最も厳しいのは専属専任媒介契約ですが、その分、積極的な売却活動が期待できます。

反対に、一般媒介契約は制限が少ない分、専任媒介契約や専属専任媒介契約に比べて、売却活動は標準的です。また、「値段を下げましょう」「値段はそのままでいいですよ」のように、各不動産会社から受けるアドバイスが異なることもあり、判断に悩むかもしれません。

おすすめの方法は、まず一般媒介契約で複数社に依頼をかけ、その中で一番対応のいい業者を選んで専任媒介契約もしくは専属専任媒介契約に切り替えることです。信頼できる不動産会社を選べるので安心して依頼でき、スムーズな取引が可能になります。

売却先に迷ったら、次の記事も参考にしてください。

手順4:売却活動をスタートする

売買契約を締結すると、インターネット広告やチラシの配布、物件を探している人への売り込みといった売却活動がスタートします。

売却活動は不動産会社が主体となって進めますが、内覧には売主の協力が必要です。購入検討者によい印象を持ってもらうため、内覧前に家の中を清潔にしておきましょう

売却予定の物件に誰も住んでいない場合は、内覧の立会を不動産会社に任せることもできます。

手順5:購入希望者から条件交渉を受ける

内覧後、購入希望者から条件交渉を受けることがあります。交渉の条件は不動産会社を通じて購入希望者から渡される買付証明書に記載されています。

売主は、条件に応じるべきか検討しなければなりません。条件交渉は不動産会社を通じて行うため、不動産会社に意向を伝えましょう。

なお、条件交渉は金額面だけではありません。

条件交渉の一例
  • 希望購入価格
  • 手付金の金額
  • 家の引き渡し日

条件交渉をすべて受け入れる必要はありませんが、事前に妥協できる点を決めておき、無理のない範囲で交渉に応じると早期の売却につながります

家を売るときの注意点は、次の記事にまとめていますので、参考にしてください。

手順6:買主と売買契約を締結する

買主が決まったら、買主と売主、双方の不動産会社の担当者、計4名が集まり、売買契約を結びます。この場では、買主から手付金を受領します。手付金は売買価格の5~10%が相場です。

売買契約を結んだあとのキャンセルには違約金などがかかるため、契約内容に間違いや不明点がないことをしっかりと確認しておきましょう

確認ポイント
  • 希望の条件が記載されているか
  • 不適切な条件がないか
  • 売買代金や手付金に間違いがないか
  • 買主から残代金を支払われるのはいつか
  • 契約が解除になる条件
  • 違約金が発生する条件

売買契約を締結する日に、売主は不動産会社に対して仲介手数料の50%を支払うのが一般的です。基本的に、売買契約時に買主から受領する手付金で支払えることがほとんどですが、買主によっては自己資金の用意ができず、手付金が少額になるケースもあります。

その場合は、売主の自己資金で賄うか、残代金決済のときに売買代金を全額受領し、そこから不足分を支払うという方法になります。

なお、仲介手数料の残りの50%は、決済の際に支払います。ただし、不動産会社によって仲介手数料の支払い方はさまざまで、売買契約時に全額受領する会社もあります。

売却を依頼する際に、仲介手数料の支払い方を、不動産会社の担当者に確認しておくと安心です。

【監修者コメント】
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手付金は売買価格の5~10%が相場ですが、買主と売主が合意すればいくらでも設定できます。買主の事情に合わせて臨機応変に対応することも可能ですが、手付金を低く設定すると買主の解約リスクが高まるため注意が必要です。

手順7:決済と引き渡しを行う

買主と売買契約の締結が完了したら、売買契約で取り決めた日程で、決済と引き渡しが同日に行われます。

決済

売買契約の際に受領した手付金を差し引いた金額を買主から受け取る

引き渡し

決済が完了したのち、家の所有権を売主から買主に移して物件を引き渡す

その際に、売却する家のローンが残っている場合は、抵当権抹消の手続きも行う必要があります。抵当権抹消の手続きについては、不動産会社の担当者から指示をもらいましょう。

また、売主は不動産会社に対して仲介手数料の残りの50%を支払います。仲介手数料は自己資金で支払うほか、売買代金を充当するなどの方法があります。買い替えをするのであれば、購入先の住宅ローンと売却の諸費用ローンを一緒に組むことも可能です。

【監修者コメント】
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不動産の売買契約において、仲介手数料を支払うタイミングや支払い方法、引き渡しの時期などは、不動産会社と相談し、臨機応変に対応してもらうことができます。お互いに抜け漏れがないように都度確認することや、文章として残しておくことでトラブルを未然に防ぐことができます。

手順8:確定申告をする

売却が完了し、利益が出た場合は、翌年の2月中旬から3月中旬の間に確定申告が必要です。売却利益は、次の方法で算出できます。

利益の計算式

売却金額 - (売却した家の購入額 + 売却にかかった費用)- 控除

控除は、条件を満たすことで、翌年に納付する必要のある譲渡所得税の負担を抑えられる特例のことです。

また、売却によって損失が出た場合も、条件によっては確定申告をすることで利用できる控除もあります。損失が出た場合の確定申告は任意ですが、どちらの場合も確定申告を行うとよいでしょう。

家を売るときの手順【まとめ】

家を売るときは、事前に相場を確認してから複数の不動産会社で査定を行いましょう。

査定結果や査定時の対応を確認したのち、依頼先を選んで媒介契約を締結します。トラブルを防ぐために、契約書をしっかりと確認してから契約を締結することが大切です。

売却の翌年には確定申告があるため、忘れないようにしましょう。

家を売ってなるべく早く現金を得る方法を知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。

【監修者コメント】
監修者画像

家を売る際にわからないことを自分で調べることも大切なプロセスですが、不動産会社に相談することでスムーズに売却を進めることができます。家を売る際の手順や費用、注意点など、わからないことは不動産会社に相談して計画的に進めましょう。

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