起立性調節障害でも通える通信制高校まとめ

起立性調節障害は、最近になって不登校の原因のひとつとして知られるようになってきました。しかしまだその内容は詳しく広まっているとは言えず、自分が起立性調節障害なのか、そうでないのか不安に思う人もいるでしょう。 この記事では起立性調節障害について、症状や原因を具体的に解説したあと、治療をはじめとする対応についても触れていきます。さらに起立性調節障害に対応できる高校も紹介します。参考にしてください。

こんな人におすすめ!
起立性調節障害 通信制高校

起立性調節障害とは

起立性調節障害は、体のなかにある自律神経のはたらきが乱れ、血圧や心拍などの循環器系がうまく調節できなくなる病気です。

基本的には体内の神経に関わる疾患ですが、心の動きや環境も影響すると考えられており、心身ともに成長期にある中高生に多く見られます。疫学的な調査結果では、中学生の約10%が起立性調節障害を有するとされ、このうち重症化するのがおよそ1%です。また不登校の子どもたちのうち、およそ30~40%は起立性調節障害であると診断されています。

ここでは起立性調節障害について、症状と原因、治療法を解説します。

起立性調節障害の症状

起立性調節障害の主な症状としては、朝に起きられないこと、これが影響して夜に寝付けないことなどが挙げられます。また循環器系の調節がうまくいかず、心拍数が過剰に上がったり、逆に低血圧を起こしたりするため、立ちくらみ、めまい、ふらつきが見られるでしょう。

これらのことが影響しての頭痛や、動悸、腹痛、食欲不振なども、起立性調節障害の症状のひとつです。立ちくらみではないけれど、立っている間に気持ち悪くなってしまうというようなことも起こりえます。

たくさんの症状がありますが、全てにあてはまるとは限りません。しかし複数の心当たりがある場合は、起立性調節障害が疑われます。

起立性調節障害の原因

起立性調節障害の主な原因は、自律神経の乱れにあると考えられています。

自律神経とは、意志力に関わらず体のなかで自動的にはたらき(自律)、生命維持に必要な活動をコントロールしている神経です。例えば心臓が勝手に動くのは自律神経によるもので、同様に何種類もの生命維持活動が体のなかでおこなわれています。

ところが、中高生など成長期を迎えたときは、自律神経もまた成長しなくてはなりません。成長の過程ではたらきが不安定になり、結果として起こる症状のひとつが起立性調節障害です。さらに、症状は不登校などのストレスによっても悪化すると考えられています。

起立性調節障害になると、血流が乱れ、頭部や上半身に流れる血液が減少しがちになります。結果として、血流を増やそうと心拍数が上がって動悸を感じたり、血流や酸素が不足するために立ちくらみが起こったりと、さきに紹介したようなさまざまな症状があらわれるのです。

起立性調節障害の治療

起立性調節障害の治療は、まず日常生活を整えることから始めます。まっすぐ立ったまま静止せず足をクロスする、水分は1日に1.5~2リットル摂る、塩分を10グラム摂ることなどを心がけます。寝ているあるいは座っている状態から立ち上がるときは頭を下げてゆっくりと起きる、眠くないときも早めに就寝することも有効とされます。

投薬治療をおこなうこともありますが、それだけでは十分に効果が出ないことがあります。まずは上記のような日常生活での心がけを始めることが大切です。

さらに、起立性調節障害を悪化させるのは周囲や保護者の無理解です。起立性調節障害は身体疾患であり、サボっている、怠けている、あるいはゲームやスマホのやりすぎが原因ではありません。にも関わらず、怠けと受け取られて叱責されると、ストレスがかかりさらに自律神経に負担をかけてしまいます。保護者や周囲による症状の理解と受け入れは、起立性調節障害治療の大切な一歩です。

起立性調節障害の高校生への学校の対応

高校の場合、起立性調節障害の生徒への対応は、全日制高校と通信制高校とで異なります。それぞれの対応を見てみましょう。

全日制高校

全日制高校とは、平日の昼間に授業をおこなう高校です。月~金曜、あるいは土曜まで、毎日のように授業過程があり、生徒は毎日登校することが前提となります。「通常過程」と呼ばれることもあり、一般的に「高校」と言えば、大体が全日制高校を指すことが多いでしょう。

1~3月に入試によって入学者が決められ、4月に入学します。転入、編入があった場合は、事情がない限り学期末、年度末など決められた時期におこなわれるのも特徴です。

定期考査と呼ばれるテストがあり、このテストの結果や日常の授業への出席数によって、授業単位が取得できます。もちろん成績や出席日数によって単位を落とすこともありますが、定められた単位が取れなければ進級、卒業することができません。

メリット

起立性調節障害を抱えながら全日制高校に通うメリットとしては、価値観の似た生徒が多いため、単位が取れるようであれば友達ができやすいということが挙げられます。

起立性調節障害はサボりと思われることもありますが、むしろ反対で、しっかりと通学をしたい、授業を受けたい、成績を上げて成果を出したい、といったような精神的ストレスを抱えやすい子どもが罹患することも多い疾患です。こうした価値観は、夜間定時制高校などと比較しても全日制高校の生徒に近いものであり、仲間と悩みを相談し合い、協力し合いながら、起立性調節障害の克服に向けて、意欲を持てる可能性があるでしょう。

現在では全日制高校でも、起立性調節障害への理解は徐々に進んでおり、ある程度軽度の起立性調節障害であれば、先生と相談しながら前進できる生徒もたくさんいます。

デメリット

全日制高校で、進級や卒業ができるだけの出席日数を確保するためには、やはりある程度の頻度で遅刻せずに登校を続ける必要があります。起立性調節障害は、朝起きられない症状を抱えることが多い疾患です。したがって朝早くに登校することに対して、困難さを感じる生徒はやはり多いでしょう。

遅刻が増えると、周囲の同級生との間にも心理的な溝ができることがあります。授業が受けられないことによって、学力が落ちてしまい、テストで点数が上がらないことも考えられるでしょう。元々「しっかりと通学したい」「朝は学校へ行くべきだ」と考えている子どもは、それができない自分や、成績がふるわない自分に対して徐々に自信を失ってしまうかもしれません。

そしてまた、これらのストレスは自律神経が正常化するのを妨げるため、起立性調節障害を悪化させてしまうことがあり、通信制高校への転校をする子どもも多いのが現状です。

通信制高校

通信制高校とは、通信教育をメインにして高校の卒業資格を取得することのできる高校です。

普段は通学がないのが特徴で、週に何回、月に何回など、学校によって決められた頻度で登校します。成績はレポートやテストによってつけられます。決められたレポートやテストは、郵送やインターネットなどを通して学校側へ提出するのです。これらの他に面接指導がおこなわれることもあり、わからないことがあれば質問もできます。

通信制高校には、働いている人や、一度高校を中退した後に再入学した人、全日制高校に通いづらく転校してきた人なども通っています。年齢もバラバラですが、いずれも高校の卒業資格を得たいという意欲があることで共通しています。

メリット

通信制高校は、普段は通学がないため、日常の勉強時間も場所も自分で決めることができます。起立性調節障害の場合は朝起きづらいという症状がありますが、目が覚めたらゆっくりと起き、自分のペースで勉強を始められるのがメリットです。

自宅でも良いですが、通信制高校が設置している学習センターに通う子どももいます。学習センターでは講師が在室し、質問に答えてくれるなど学習のサポートが受けられるのです。

登校日はホームルームがあり、イベントが用意されていることもあるため、友達もできます。生徒同士で同じ悩みを抱えていることも多く、お互いに相談し合う、支え合うといった関係になれるかもしれません。

デメリット

起立性調節障害の子どもにとって、通信制高校のデメリットも、いくつかは存在しています。

ひとつには、通学頻度が少ないとはいえ、ゼロではないことが挙げられるでしょう。夜間の通学ではないため、登校日には朝頑張って起きなくてはなりません。しかし毎日通うことに比べれば、圧倒的に負担は小さいと言えます。

もうひとつは、自己管理が求められるという点です。通信制高校では、登校をしない生活のなかで定められたレポートを書き上げ、テストで成績をあげなくてはなりません。当然、テストで点数を取れるだけの基礎的な学力も自ら身に付ける必要があります。

また毎日の登校がないということは、限られた登校日のなかで友達づくりをせざるを得ないということでもあります。毎日同じことに打ち込むという統一感はなかなか求められません。とはいえお互いに何かしらの事情を抱え、共感をしやすいのはメリットです。

起立性調節障害の生徒におすすめの通信制高校

ここまでで全日制高校と通信制高校についてメリットやデメリットを紹介してきましたが、起立性調節障害の生徒には、やはり通信制高校のほうがおすすめです。毎朝、早起きして登校する義務がなく、圧倒的なストレスや負担の少ないなかで起立性調節障害の治療に取り組むことができるでしょう。

ここでは、起立性調節障害の生徒におすすめの通信制高校をご紹介します。地域にあわせて最適な学校を見つけてみてください。

ルネサンス高等学校

ルネサンス高等学校が開校して14年でグループ全体の卒業生約15,000名の安心実績。

全日制高校とまったく同じ「高卒資格」を取得しながら、自分のやりたいことを実現する高校です。全国各地のキャンパスや受付センターにて各種進路セミナーや個別相談を行っていますので、気軽にご相談ください。

★オンライン個別相談会も実施中!です。

ここがポイント!:最先端のネット学習で、いつでもどこでも効率的に学べる

飛鳥未来高等学校

メンタルサポートから、スマートフォンで学習状況がチェックできる学習サポートまで、学校生活を安心して送るためのサポートが充実しています。飛鳥未来高校は通信制高校なので、年間数日の通学から毎日の通学まで、自分のペースにあわせて通えます。

ここがポイント!:通信制高校だから自分のペースで学べて、学費の負担が少ない!

飛鳥未来きずな高等学校

自由に選べる学校行事を通して多くの友達ができます。もちろん学校行事への参加は自分の意思で選ぶことができます。何かあればすぐに先生に相談できるよう、職員室は開放的なつくりになっています。

ここがポイント!:個別指導&担任制で一人ひとりの学校生活をサポート!

勇志国際高等学校

勇志国際高校では、学校生活において生徒一人ひとりに合わせた対応を行っています。学習、生活習慣、人との接し方、卒業後のことなど安心して取り組めるフォロー体制が充実しています。

様々な実体験型プロジェクトやイベント・課外授業も開催しており、普段の学習とは違ったリアルな学び・経験を得ることができます。また、たくさんの仲間との交流でき、充実した高校生活を過ごすことができます。

ここがポイント!:生徒たちの「心の居場所」となり、夢や目標に向かって自分らしく高校卒業を目指せる学校です!

トライ式高等学院

生活スタイルや体調面に併せて「通学コース」、「在宅コース」、「ネットコース」の3つから 自由に選択することができます。もちろん、途中でコースを変更することも可能です。

「毎日通えるか心配…」「入学しても授業についていけるかな…」そんな不安にもきちんと向き合います。

多くの生徒が最初は週1~2日の登校からスタート。学校生活に慣れてきたら、徐々に登校日数を増やしていきます。年に4回の三者面談も実施しています

ここがポイント!:オンラインコンテンツを活用し、自分のペースで着実に高校卒業・大学受験を目指すコースも!

ゴールフリー高等学院

ゴールフリー高等学院は母体に学習塾の成基学園を持つ通信制高校です。また日本初の学校と塾が一体となった通信制高校でもあります。25年以上で2万名以上の高校生を指導してきた実績と信頼が基盤となり、安心して高校生活を送れることが可能です。

ここがポイント!:学力だけでなく心の成長にも力を入れている

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>起立性調節障害の子どもに親ができること

まとめ

起立性調節障害は、中高生にとって決して珍しくない疾患です。まだ理解が進まないなかでは、サボり、怠け、夜遅くまでスマホやゲームのやり過ぎ等と誤解されることもありますが、そうではなく、さまざまな症状は自律神経が上手に調整できないことに起因しています。ストレスをかけずゆっくりと治療をおこないながら、高校の卒業資格も取得するためには、通信制高校という選択もおすすめです。生徒の意志を尊重し、体調にあわせて柔軟な学校選びをしていきましょう。

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