不動産売却に必要な費用を一覧にまとめ紹介!費用を抑えるコツも解説

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不動産売却費用のイメージ

所有する不動産を売却したい場合、売却にはどんな費用が、いくらぐらい必要なのか気になるものです。
そこで本記事では、不動産売却にはどのような費用が必要か、費用額、支払い時期、費用を抑える方法を詳しく解説します。
不動産売却にかかる費用を知りたい人は、ぜひ参考にしてみてください。

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【監修】穂坂 潤平 宅地建物取引士。仲介営業13年(宅建は新卒の時に取得)、不動産仲介会社起業3年の経験を経てウェブクルーに入社。趣味は何でも遊びにすること。仕事では「喜ばれる仕事をして、自らも喜ぶこと」をモットーに日々ご提案しております!

不動産売却にかかる費用一覧

不動産売却にかかる費用

一般的に不動産売却でかかる費用は売却価格の4〜6%程度といわれています。
不動産売却に必要な方法は以下のとおりです。

費用名 費用 支払時期
仲介手数料 売却額×3%+60,000円+消費税(売却代金が400万円超の場合) ・売買契約時 ・物件引渡時
印紙税 数1,000円~数十万円(売買価格による) 売買契約書の作成時点
抵当権抹消費用 1,000円(司法書士に依頼する場合(約10,000円~50,000円) 所有権移転登記の時点
住宅ローン返済手数料 約5,000円~30,000円 譲住宅ローンの返済時点
売買契約関連書類の発行費用 1通数百円~ 売買契約関連書類の発行時点
譲渡所得税 譲渡所得の額、所有期間による 不動産を売却した翌年の確定申告(2月16日~3月15日)
引越し費用 約30,000円~30万円 引っ越し完了後
ハウスクリーニング費用 約30,000円~10万円 ハウスクリーニング実施後
測量費用 約50万円~80万円 測量実施後
解体費用 約100万円~300万円 物件解体後

それぞれを詳しく解説します

仲介手数料

仲介手数料とは、売買契約が成立した際に発生する不動産会社に支払う費用であり、費用の中でも高額になる項目です。 一般的に売買契約完了時と物件引渡し時の2回にわけて支払います。
宅建業法により仲介手数料の上限額が決まっており、計算式は下記の通りです。

  • 売買価格200万円以下の場合:
    売買価格×5%+消費税
  • 売買買価格200万円超400万円以下の場合:
    売買価格×3%+60,000円+消費税
  • 売買価格400万円超の場合:
    売買価格×3%+60,000円+消費税

仲介手数料の早見表

売買価格 仲介手数料(税込) 計算式
100万円 55,000円 売買価格×5%+消費税
200万円 110,000円 売買価格×5%+消費税
500万円 231,000円 売買価格×3%+60,000円+消費税
1,000万円 396,000円 売買価格×3%+60,000円+消費税
1,500万円 561,000円 売買価格×3%+60,000円+消費税
2,000万円 726,000円 売買価格×3%+60,000円+消費税
2,500万円 891,000円 売買価格×3%+60,000円+消費税
3,000万円 1,056,000円 売買価格×3%+60,000円+消費税
4,000万円 1,386,000円 売買価格×3%+60,000円+消費税
5,000万円 1,716,000円 売買価格×3%+60,000円+消費税

印紙税

印紙税とは、印紙税法で定められた課税文書に対して課税される税金です。
不動産の売買契約書は課税文書に該当するため、契約書の記載金額によって決定する印紙税を納税しなければなりません。

平成26年4月1日から令和6年3月31日までのあいだに作成された契約金額10万円を超えるものは、軽減措置の対象となります。

税額は下記の表の通りです。

契約金額 本来の税額 軽減後の税額
100万円を超え500万円以下 2,000円 1,000円
500万円を超え1,000万円以下 10,000円 5,000円
1,000万円を超え5,000万円以下 20,000円 10,000円
5,000万円を超え1億円以下 60,000円 30,000円
1億円を超え5億円以下 10万円 60,000円

印紙税を納めなかった場合、納めるべき印紙税の額と、その2倍の額の合計額(印紙税額の3倍)が過怠税として徴収されるので注意しましょう。

抵当権抹消費用

抵当権がついている不動産を売却する際は、抵当権抹消費用がかかります。

抵当権がついている不動産とは、住宅ローンが完済されていない不動産です。
抵当権とは、住宅ローンが完済されない場合に担保となっている不動産を競売にかけられる権利のことです。

抵当権を抹消するには、住宅ローンの完済後、抵当権抹消に関する書類を法務局に提出し抵当権抹消登記を行います。
不動産の売却代金で住宅ローンを完済する場合は、買主から売主へ売却代金が支払われた後に抵当権抹消手続きが行われるため、司法書士に手続きを依頼する必要があります。

物件引渡し日に抵当権抹消登記と所有権移転登記を行わなければならないため、一般的に登記のプロである司法書士に手続きを依頼します。

抵当権抹消登記にかかる税金は、登録免許税として土地または建物1件につき1,000円かかります。
また、司法書士への報酬は、20,000円~30,000円が相場です。

抵当権抹消についてはこちらで詳しく紹介しています。

住宅ローン返済手数料

住宅ローン返済手数料とは、売却時に住宅ローンを一括返済する際に金融機関に支払う手数料です。

手数料は金融機関により異なるので、住宅ローンを組んでいる金融機関に確認するとよいでしょう。

売買契約関連書類の発行費用

売買契約するにはさまざまな書類が必要になり発行費用がかかります。おもな必要書類は次の通りです。

必要書類 詳細
印鑑証明書 発行日から3ヵ月以内のものを用意
住民票 発行日から3ヵ月以内のものを用意
登記識別情報 家を売却するときは、家と土地の登記識別情報を用意
固定資産税評価証明書
固定資産税通知書
固定資産税を売却代金で調整する場合に必要

交付手数料は1通300円程度です。それに加え交通費や郵送費がかかる場合もあります。

また、これらの書類を発行する際は、身分証明書が必要です。あらかじめ準備しておきましょう。
身分証明書は、マイナンバーカード、運転免許証、個人情報カード、パスポートなどから、通常いずれか一点の提示でかまいません。

譲渡所得税

譲渡所得税とは、不動産売却により発生した譲渡所得にかかる税金で、譲渡所得とは、不動産売却により発生した利益のことです。

【譲渡所得と譲渡所得税の計算式】
  • 譲渡所得=売却価格-(取得費+売却費用)-特別控除
  • 譲渡所得税={売却価格-(取得費+売却費用)-特別控除}×税率

譲渡所得税の構成要素は、次の通りです。

  • 税率
  • 取得費
  • 売却費用
  • 特別控除

それぞれ見ていきましょう。なお、特別控除については、「控除や特例などを利用する」のパートで説明します。

税率

売却した年の1月1日現在で所有期間5年以下の不動産を売却した場合
所得税税率30.63%+住民税税率9%=39.63%


売却した年の1月1日現在で所有期間5年超の不動産を売却した場合
所得税税率15.315%+住民税税率5%=20.315%

所得税税率には復興特別所得税税率が含まれています。
平成25年から令和19年までは、復興特別所得税として各年分の基準所得税額の2.1%を所得税と併せて納付することになります。

取得費

取得費とは、売却する不動産を購入したときの金額です。
相続したときの不動産の取得費は、被相続人が購入したときの金額になります。

購入したときの金額が不明の場合は、概算取得費で計算します。

概算取得費=売却価格×5%

売却費用

売却費用とは、不動産を売却するための必要費用です。
例えば仲介手数料、売買契約書の印紙代、建物付き土地を売却する際の建物取り壊し費用などです。

そのほかの費用

不動産売却は、マストでかかる費用以外にも、以下のような費用が発生する可能性があります。

  • 引っ越し費用
  • ハウスクリーニング費用
  • 測量費用
  • 解体費用

それぞれ見ていきましょう。

引っ越し費用

住まいにしている家を売却する場合、引っ越し費用がかかります。

引っ越し費用は荷物の量や引越し先までの距離、引越しする時期などによって変動しますが、50,000円~20万円程度が相場です。

ハウスクリーニング費用

売却する際、物件をきれいにしておくと買手が見つかりやすく、高値で売れる可能性も高まります。

なお、空き家の場合は居住中と比べるとクリーニングがしやすいため、費用が20%~30%程度安くなる傾向です。

【ハウスクリーニング費用の目安】

広さ 居住中の場合 空き家の場合
1LDK~
2LDK
約40,000円~50,000円 約28,000円~39,000円
3LDK~
4LDK
約60,000円~65,000円 約42,000円~46,000円
5LDK以上 約65,000円~ 約46,000円~

測量費用

土地を売却する際は、確定測量図と境界確認書が必要です。 これらがない場合は測量を行い作成する必要があります。

費用は土地の状況によって異なりますが、35万円~100万円程度です。
私有地・国有地に面している場合や官民立会いの必要がある場合は、費用が通常よりも高額になります。

解体費用

戸建てを売却する場合、古い建物を解体し更地にしてから売却したほうが高値で売れるケースがあります。
ただし、戸建を解体し売却する場合は解体費用が必要です。

建物の解体費用は建物の構造によって異なります。建物の構造による解体費用の坪単価は以下の通りです。

建物の構造 坪単価
木造 約30,000円~50,000円
鉄骨造 約40,000円~60,000円
RC造(鉄筋コンクリート造) 約40,000円~70,000円

不動産売却の費用を抑えるには

不動産売却を抑える方法

不動産売却の費用は高額になりがちです。なるべく負担を抑えるには、以下の方法が挙げられます。

  • 仲介手数料を安くしてもらう
  • 自治体の補助金を利用
  • 控除や特例などの利用

それぞれ詳しく解説します。

仲介手数料を安くしてもらうかサービスをつけてもらう

宅建業法により仲介手数料の上限は決まっていますが、下限は決まっていません。
不動産会社によっては値引き交渉ができる場合もあります。

もし、値引き交渉するなら、媒介契約を結ぶ前にしましょう。
媒介契約を結ぶ前であれば不動産会社が契約を決めたいと考えているため、仲介手数料の値引きを要求しても応じてくれる可能性が高いからです。

ただし、値引きを強要しすぎると不動産売却の働きぶりが低下する恐れがあります。
仲介手数料を交渉するかわりに、ハウスクリーニングやインスペクション(建物診断)などのサービスを打診してみるのもいいでしょう。

仲介手数料を値切るよりもサービスをお願いしたほうが早く買い手が見つかり、結果的に得するケースも多いです。

詳しくは下記の記事で紹介しています。

仲介手数料が無料の不動産会社は注意

仲介手数料が無料の不動産会社もありますが、このケースでは両手仲介を行っている可能性が考えられます。
なぜなら、仲介手数料は不動産会社のおもな収入源だからです。

両手仲介とは、不動産会社が売主と買主の双方の仲介を行い、双方から仲介手数料を受け取る仲介方法のことです。

不動産会社が売主と買主の双方から仲介を依頼された場合、双方から仲介手数料を受け取れます。
両手仲介により売主、買主のどちらかから仲介手数料を受け取れるため、もう片方からの仲介手数料を無料にできるのです。

ただし、「仲介手数料は無料」を強調する不動産会社は、売却価格から仲介手数料を差し引いた金額での成約を提案したり、故意に案内を断る囲い込みをしたりすることがしばしばあります。

こうなると希望の売却価格で成約するのは難しく、結果として値下げをしないと売却できないリスクが発生します。

詳しくは下記の記事で解説しています。

自治体の補助金を利用する

地域によっては自治体の補助金を利用することで、費用の一部を安く抑えられるでしょう。
空き家対策の補助金を出している自治体も見られます。

例えば、北海道釧路市の「不良空家等除去補助制度」では、老朽化が著しい空き家などの除去費用が最大30万円補助されます。

売却したい不動産の管轄地域の自治体のウェブサイトをみたり、問い合わせてみたりするといいでしょう。

控除や特例などを利用する

控除、特例制度の利用で税金を減らすことができます。おもな控除、特例は下記の4つです。

  • 3,000万円の特別控除
  • 10年超所有軽減税率の特例
  • 特定居住用財産の買換え特例
  • 特定居住用財産の譲渡損失の損益通算および繰越控除

それぞれ内容、適用条件、注意点などを見ていきましょう。

3,000万円の特別控除

居住用不動産の売却による譲渡所得から最大3,000万円を控除できる制度です。

譲渡所得が3,000万円超であれば3,000万円控除でき、譲渡所得が3,000万円以下であれば譲渡所得すべてが控除できます。

つまり譲渡所得が3,000万円以下であれば、譲渡所得税はかかりません。


【適用条件】

1.居住している家を売却すること、または家とともにその敷地を売却すること
以前に住んでいた家や敷地などを売却する場合は、住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却すること

2.売主と買主が特別な関係でないこと
特別な関係でないこととは、親子、夫婦、生計を同一にする親族などではないことです

3.売却した年の前年、前々年に3,000万円の特別控除を受けていないこと

4.売却した年、その前年、前々年にマイホームの買い替えやマイホームの交換の特例の適用を受けていないこと

出典元:国税庁「マイホームを売ったときの特例」

10年超所有軽減税率の特例

売却した年の1月1日現在で所有期間10年を超える居住用不動産を売却した場合、譲渡所得税の税率を下げられる特例です。

3,000万円の特別控除を適用した後の課税長期譲渡所得に対して軽減税率が適用されます。


【適用条件】

3,000万円の特別控除と同様


【税率】
  • 課税長期譲渡所得6,000万円以下の部分の金額
    →所得税:10.21% 住民税:4%
  • 課税長期譲渡所得6,000万円を超える部分の金額
    →所得税:15.315% 住民税:5%

出典元:国税庁「マイホームを売ったときの軽減税率の特例」

特定居住用財産の買換え特例

売却する居住用不動産よりも高い住宅に買い替える場合、譲渡所得税を先送りにできるという特例です。


【適用条件】

①売却する居住用不動産

  • 売却する年の1月1日現在で所有期間10年を超える居住用家屋または土地などの売却であること
  • 居住期間が10年以上であること
  • 売却価額が1億円以下であること

②買い換える不動産

  • 建物の床面積50㎡以上、土地の面積500㎡以下であること
  • 築後25年以内であること、または新耐震基準に適合していること
  • 取得した翌年の12月31日までに居住の用に供すること

出典元:国税庁「特定のマイホームを買い換えたときの特例」

この特例は3,000万円の特別控除や10年超所有軽減税率の特例と併用はできず、課税を先送りするものです。
したがって将来買い換えた不動産を売却した段階で、先送りにした譲渡所得税とまとめて課税されます。

特定居住用財産の譲渡損失の損益通算および繰越控除

居住用不動産を売却しても損失が出る場合もあります。

その場合、ほかの所得と損失を損益通算することで課税対象となる所得の金額を抑えられ、所得税・住民税を減らせます。

損益通算とは、同じ年の利益と損失を相殺することです。

特定居住用財産の譲渡損失の損益通算および繰越控除とは、居住用財産の売却により損失が出た場合、一定の条件を満たせばほかの所得と損益通算を行い、通算しきれない譲渡損失は翌年以後3年間に繰り越して控除できるという制度です。


【おもな適用条件】
  • 売却した年の1月1日現在で所有期間が5年を超えていること
  • 売却先が配偶者、直系血族、生計を一にする親族等でないこと
  • 居住用不動産の売買契約日の前日において、返済期間10年以上の住宅ローンが残っていること
  • 売却金額よりも住宅ローン残高のほうが多いこと
  • 繰越控除を受ける年の合計所得金額が、3,000万円以下であること

出典元:国税庁「特定のマイホームの譲渡損失の損益通算および繰越控除の特例」


不動産売却の特別控除については下記の記事でより詳細に開設しています。

不動産売却に必要な費用は早めに用意しておこう

不動産売却の費用まとめ

不動産の売却には、仲介手数料や引っ越し費用、印紙税などの費用がかかります。
費用のなかでも仲介手数料はとくに高額になる費用です。

また不動産売却により利益が発生した場合、売却の翌年の確定申告時に譲渡所得税を納付しなければなりません。
ただし、控除を利用すれば課税されないケースがほとんどです。

不動産売却を検討する際には、いくらぐらい費用が必要になるかをあらかじめ計算しておき、費用を抑えるための控除や補助金の確認をしておくと安心です。

この記事のおさらい

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