家を売るとかかる税金をシミュレーションを用いてわかりやすく解説!
家を売ると利益が得られます。しかし、売却によって得た利益には税金がかかり、利益がそのまま手元に入ってくるわけではないので注意しましょう。
家を売ったときにかかる税金には、いくつかの種類があり、「必ずかかる税金」と「場合によってかかる税金」があります。
そのなかでも、利益が出た場合にかかる譲渡所得税について、シミュレーションを交えてわかりやすく解説しています。ぜひ参考にしてください。
- 家を売ると必ずかかる税金
- 場合によってはかかる税金
- 実際に支払う金額
【監修】深尾 宏|税理士 大学卒業後、静岡銀行へ入社、シンクタンク、東京のベンチャー企業、食品メーカーを経て、税理士法人に勤務した後、独立。経営計画、節税提案、資金調達、銀行対策といったスキルを使って、財務コンサルとして、クライアントをより強い企業に成長させるためのサポートをしている。数々の現場のリアルな体験に基づくコンサルティングに定評がある。 しずおか経営会計 税理士深尾宏事務所 ホームページ https://shizuoka-zeirishi.net/
家を売ると税金がかかる?
家を売る際は、さまざまな税金がかかります。そのなかでも、必ずかかるものとかかるケースがあるものに分かれます。
家を売ると必ずかかる税金
税金の種類 | 詳細 |
---|---|
消費税 |
|
印紙税 |
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場合によってはかかる税金
税金の種類 | 詳細 |
---|---|
登録免許税 |
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譲渡所得税 (所得税・住民税・復興特別所得税※) ※令和19年12月31日までの所得につき徴収される税金 |
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家を売るとかかる場合がある税金
売却益に係る税金は、かかる場合とかからない場合があります。
家を売却するときにもっとも気になる、売却益に係る税金「譲渡所得税」から見ていきましょう。
譲渡所得税(所得税・住民税・復興特別所得税)
家を売って利益が出た場合は、譲渡所得税がかかります。譲渡利益に係る税金(譲渡所得税)には、所得税、住民税、復興特別所得税があります。
家を売却したら、その売却代金に税金がかかると思われている方が少なくないのですが、家を売っても利益が出なければ税金はかかりません。
それでは、詳しい計算方法を見ていきましょう。
まずは「譲渡所得」を算出する
まずは、譲渡所得を算出しましょう。
譲渡所得とは、売却金額から取得費と売却にかかった費用を引いたものです。
①の取得費とは、家を購入した時にかかった費用のことを言います。
具体例は次のとおりです。
- 家の購入代金
- 家の建築代金
- 購入時の仲介手数料
- 外構などの設備の費用
- 登記費用 など
建物の価値は月日が経つごとに下がります。
減価償却費を計算し、建物の購入代金から控除します。
減価償却費の計算方法は下記のとおりです。
なお、償却率は建物の構造と、居住用か事業用かで次のように異なります。
居住用建物 | 償却率 |
---|---|
木造 | 0.031 |
軽量鉄骨造(骨格材3mm超4mm以下) | 0.025 |
鉄筋コンクリート造 | 0.015 |
②の売却にかかった費用の例は次のとおりです。
- 売却時における仲介手数料
- 売買契約書に添付する印紙税
- 売るために行った解体の費用
- その他売却のために生じた費用
家を売却する場合には、いくつかの特例措置が設けられています。下記のいずれかに該当する場合には、それぞれの優遇措置を受けることができます。
詳細(適用の可否等)は、国税庁のホームページや最寄りの税務署、税理士等にご確認ください。
利用できる状況 | 優遇措置 |
---|---|
マイホームを売却した場合 (マイホームを売ったときの特例) |
譲渡所得から最大3,000万円を控除できる |
所有期間が10年を超えたマイホームの売却 (マイホームを売ったときの軽減税率の特例) |
譲渡所得6,000万円以下の部分の所得税・復興特別所得税・住民税の税率が14.21%まで軽減される |
マイホームの買い替え (特定のマイホームを買い換えたときの特例) |
今回取得した譲渡所得に対する課税分を、将来譲渡するときまで繰り延べられる |
マイホームを売って損失が出た場合 (マイホームを買い換えた場合の譲渡損失の損益通算および繰越控除の特例) |
損失した分の金額を、その年の他の所得と損益通算できる |
低未利用地等を売った場合 (低未利用土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の特別控除) |
譲渡所得の金額から100万円が控除される |
算出した譲渡所得に税率をかける
譲渡所得が算出できたら、そこに税率をかけましょう。
税率は、その不動産の所有期間によって異なり、譲渡した年の1月1日時点における所有期間によって判定します。短期間(5年以下)で売却した場合は税率が高くなります。
譲渡した年の1月1日時点での所有期間 | 税率※ |
---|---|
5年を超える土地・建物 | 20.315% (所得税・復興特別所得税15.315%、住民税5%) |
5年以下の土地・建物 | 39.63% (所得税・復興特別所得税30.63%、住民税9%) |
※2037年まで加算される復興特別所得税を含む
実際に5年を超えているケース、今回は、住んでいたマイホームを売却した場合、次の設定で計算してみましょう。
建物の種類 | 木造住宅 |
---|---|
所有期間 | 6年 |
売却価格 | 5,000万円 |
取得費(購入時の建物代金) | 3,500万円 |
売却にかかった費用 | 200万円 |
控除 | 特別控除3,000万円 |
まずは減価償却を行い、売却時の取得費を算出します。なお、このシミュレーションでは、わかりやすいように建物代金のみの取得費を用いて算出します。上述のとおり、取得費には購入時の仲介手数料などの費用も含められる点に留意しましょう。
取得費が算出できたら、そこから譲渡所得税を出しましょう。
譲渡所得税は譲渡所得によって決まるため、まずは譲渡所得を算出します。
5年を超えた場合の税率は20.315%であるため、次の式で税額が算出できます。
今回の結果はシミュレーションであり、使える控除によって計算式が変わります。詳しくは国税庁のWebサイト等もご参照ください。
なお、所有期間は家を売った年の1月1日時点で5年を超えるかどうかという点に注意してください。購入時から5年が経過していても、その年の1月1日時点では5年を超えていない場合もあります。
登録免許税
抵当権が設定されていた家を売却する場合には、抵当権の抹消費用が必要となります。登録免許税とは、お持ちの土地や建物に設定されていた「抵当権」を外す際に必要な税金のことを言います。
登録免許税は土地と建物合わせて2,000円がかかります。
登録免許税の対象 | 税額 |
---|---|
土地 | 1,000円 |
建物 | 1,000円 |
なお、基本的には司法書士等に手続きを依頼するため、登録免許税に加えて、司法書士等への手数料(抵当権の抹消費用)が1~2万円程度かかります。
家を売ると必ずかかる税金
ここでは、家を売ると必ずかかる税金について解説します。
消費税
家を売る際は、下記の費用がかかり、その費用に対して消費税がかかります。
消費税が発生する具体例 | 詳細 | 税金の対象となる費用 |
---|---|---|
不動産会社へ支払う仲介手数料 | 売買取引の成功報酬 | 売却価格の3~5%(売却価格により変動) |
司法書士へ支払う手数料 | 不動産の権利に関する書類の作成・手続きの代行 | 1~2万円が相場 |
家を売る際に不動産会社へ仲介を依頼したり、司法書士に手続きを代行してもらったりすると消費税がかかります。
消費税は本来、事業者が商品やサービスを提供して得たお金にかかるため、個人が家を売っても消費税はかかりません。しかし、事業者に対価を払ってサービスを受けると、消費税の課税対象になります。
不動産会社へ支払う仲介手数料の目安は売却価格の3%+6万円、司法書士へ支払う手数料の目安は1〜2万円程度です。
印紙税
印紙税とは、不動産売買などの取引で作成される書類にかかる税金で、切手のような証票を購入し、書類に貼り付けることで納めます。
令和6年3月31日までに作成される契約書には、軽減税率が適用されます。印紙税額は売却金額に応じて設定されており、200円~48万円です。
契約金額(売却価格) | 印紙税額(本則税率 | 印紙税額(軽減税率) |
---|---|---|
50万円以下 | 400円 | 200円 |
50万円超え100万円以下 | 1,000円 | 500円 |
100万円超え500万円以下 | 2,000円 | 1,000円 |
500万円超え1,000万円以下 | 1万円 | 5,000円 |
1,000万円超え5,000万円以下 | 2万円 | 1万円 |
5,000万円超え1億円以下 | 6万円 | 3万円 |
1億円超え5億円以下 | 10万円 | 6万円 |
5億円超え10億円以下 | 20万円 | 16万円 |
10億円超え50億円以下 | 40万円 | 32万円 |
50億円超え | 60万円 | 48万円 |
家を売ると税金がかかる【まとめ】
家を売る際にかかる税金には、必ずかかるものと、場合によってはかかるものがあり、売却によって得た利益などによっても金額が異なるため、計算が容易でないかもしれません。
しかし、税金を計算せずに売却してしまうと、望む金額を手元に残せなくなってしまいます。売却する前に、税金がいくらかかるのかを必ず計算しておきましょう。
ズバット不動産売却のシミュレーターでは、想定売却価格・取得価額・住宅ローン残債・諸経費を入力すると、売却後の手取り金額が簡単に算出できます。詳細として税金額も表示されるため、ぜひ試してみてください。
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査定依頼してみる完全無料家を売却したからといって、必ずしも納税があるわけではありません。売却益がでなければ所得税等はかかりません。条件を満たせば、売却益から、マイホームの売却特例として3,000万円控除できる場合があります。そうすると、所得税等はかからなくなる場合が多くなります。特例を受けるためには、申告が必要となる場合がほとんどですので、最寄りの税務署や税理士にご相談ください。 まず手取り額を確認したいのであれば、シミュレーションサイトで確認してみるのも良いと思います。
家を売却するときに、最も気になるのは、所得税等がいくらになるか ですね。 もし、売却金額をすべて使ってしまったとしたら、税金を納付できなくなってしまいます。納税の期限は、所得税は確定申告時期の3/15、住民税は、売却年の翌年、納付時期に合わせて分割して納付します。