通信制高校で取得できる高卒資格と高卒認定はどっちが良いの?メリット・デメリットも解説
公開日:2018年02月13日 更新日:2025年01月31日

「通信制高校を卒業して高卒資格(高校卒業資格)を得るのと、高卒認定(旧大検)を取得するのはどちらが良いの?」と、進学を考える際に迷う人もいるでしょう。 中学校を卒業して間もない場合や高校中退など、状況によって選ぶべき答えは異なります。 この記事では、通信制高校で取得できる高卒資格(高校卒業資格)と高卒認定(旧大検)の特徴や違い、それぞれのメリット・デメリットについて解説します。
- 通信制高校へ通うのと高卒認定を取得するのはどちらが良い?
- 通信制高校へ通うのと高卒認定を取得するのはどう違う?
- 通信制高校と高卒認定のメリット・デメリット
- 高卒認定を取得するための学習方法3選
- 高卒資格と高卒認定に関するよくある質問
- まとめ
通信制高校へ通うのと高卒認定を取得するのはどちらが良い?
大学や専門学校、短期大学へ進学するためには下記のいずれかの方法で受験資格を得る必要があります。
- 通信制・定時制・全日制高校のいずれかを卒業して高卒資格を取得
- 高校へは通わずに高卒認定(旧大検)を取得
受験資格があれば誰でも大学や短期大学、専門学校の受験は可能で、高校を卒業しているかどうかは問われません。
通信制高校を卒業すると高卒資格を得られ、最終学歴は「高卒」となります。一方、高卒認定を取得する場合は、その後進学しない限り最終学歴が「中卒」になります。
通信制高校へ通うのと高卒認定を取得するのはどう違う?
高校卒業資格が取れる通信制高校に通うのと高卒認定を取得するのでは、かかる時間や取得までの過程が異なります。
- 高卒認定は高卒認定試験に合格する必要がある
- 通信制高校を卒業すれば高卒資格が得られる
高卒認定は高卒認定試験に合格する必要がある
高卒認定は、高校卒業程度の学力があることを認める高卒認定試験(高等学校卒業程度認定試験)に合格することで得られる資格です。2005年から「大学入学資格検定(大検)」が「高等学校卒業程度認定試験」という名称に変更になっています。
高校へ通って卒業していなくても、認定試験に合格すれば大学・短期大学・専門学校の受験資格が得られます。
しかし、高卒認定はあくまで「高校卒業と同程度の学力があることを認定する資格」であり、高校を卒業したことにはならないため、最終学歴は「中卒」となります。
高卒認定試験はどんな試験?
高卒認定試験は、何らかの事情で高校を卒業していない人が、高卒者と同等以上の学力を有するかどうかを認定するための試験です。
8月上旬と11月中旬の年2回実施され、受験資格は16歳以上で高卒資格がないことです。
文部科学省「令和6年度高等学校卒業程度認定試験」によると、令和5年度は、約2万人が受験し約8,000人が合格しています。
高卒認定試験に合格すると大学・短期大学・専門学校の受験資格だけでなく、国家試験の受験資格も取得できます。試験の詳細は、下記の通りです。
試験科目 | 国語/地理/歴史/公共/数学/科学と人間生活/物理基礎/科学基礎/生物基礎/地学基礎/英語 |
---|---|
実施場所 | ・都道府県毎に1会場(計47会場) ・全国の少年院 ・刑務所等の矯正施設(令和5年度は延べ170ヵ所) |
受験料 | ・7~9科目:8,500円 ・4~6科目:6,500円 ・1~3科目:4,500円 |
出典:文部科学省「令和6年度高等学校卒業程度認定試験パンフレット(一般用)」をもとに加工
合格に必要な科目数は、受験者の選択により8~9科目とされており、1回の試験ですべての科目に合格する必要はありません。
通信制高校を卒業すれば高卒資格が得られる
通信制高校へ通って卒業をすると「高卒資格(高校卒業資格)」が得られます。高校卒業資格自体は、全日制・定時制・通信制のどの高校を卒業しても同じものになります。ただし、卒業しなければ高卒資格は得られません。
通信制高校では、自由な時間で学びながら単位を修得でき、大学・短期大学・専門学校などへの受験資格が得られます。
全日制・定時制高校へ通うのが難しい場合は、通信制高校を検討するのもひとつの方法です。
通信制高校で高卒資格を取得するための3つの条件
通信制高校を卒業するためには、各学校の卒業条件を満たしつつ、進級するための単位を修得する必要があります。
条件は下記のとおりです。
- 3年以上在籍
- 74単位を修得
- 30単位時間以上の特別活動
高卒資格を得るということは学力の証明だけでなく、高校生活における友人・先生との交流によって社会性も培ってきたという証明になります。
通信制高校と高卒認定のメリット・デメリット
通信制高校を卒業して高卒資格を得ることと、高卒認定を取得することには、下記のメリット・デメリットがあります。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
通信制高校 | ・課外授業や職場体験などさまざまな経験を積みながら進学を目指せる ・最終学歴が高卒になるため進路の幅が広がる |
・出席日数や取得単位など進級や卒業に条件がある ・取得するのに最低でも3年必要 |
高卒認定 | ・高校を卒業せずとも大学や専門学校を受験できるようになる ・費用を安く抑えて大学受験資格が得られる |
・合格しても進学しない限りは最終学歴が中卒となる ・年2回しか受験できない |
中でも、資格を取得できるまでの期間に大きな違いがあります。通信制高校は最低でも卒業までに3年かかるのに対して、高卒認定は学習を適切に進めることで1年以内に取得できる場合があります。
ただし、大学を受験するためには18歳以上という年齢制限があるため、中学校を卒業後すぐに高卒認定を取得しても、18歳になるまでは受験できない点に注意が必要です。
高卒認定を取得するための学習方法3選
高卒認定を取得するための学習方法を3つ紹介します。
- 独学
- 塾・予備校
- 通信講座
独学
高卒認定試験の学習を独学で行う場合には、自分でスケージュール管理を行い、計画通りに進めていく必要があります。学習の際は、下記の方法を取り入れると効率的です。
- 教科書の読み込みや暗記
- 参考書の問題を繰り返し解く
- 過去問を解く
過去問は、文部科学省「高等学校卒業程度認定試験問題(高卒認定試験)解答・過去問題」に掲載されています。出題される問題は、高校1年生で習う問題が多いため、難易度はそこまで高くありません。
塾・予備校
独学で学習するのが難しい場合には、高卒認定専用コースが用意されている塾や予備校を利用するのがおすすめです。プロに教わるため効率よく合格を目指せます。
また、大学受験まで目指せるコースや個別指導コースなど目的に合わせて受講できるなど、それぞれの目的に合わせた学習が可能です。
集団塾は複数に対して講師1人が指導を行うため、個別指導塾と比較すると料金も抑えられる傾向にあります。
自分に合ったコースの有無や、かかる費用なども事前に確認しておきましょう。
通信講座
通信講座は、カリキュラムに沿って自分だけで学習が進められるため、場所を選ばずに学習できます。
使用するテキストは指定されているため、自分で選ぶ手間がかかりません。
また、出題傾向を講師らが分析しているため、通信講座を受講することで高卒認定試験の対策が可能です。
講師への質問ができたり、添削を行ってくれたりするサービスを用意している通信講座もあります。
自分に合う通信講座を見つけて効率的に学習を進めていきましょう。
高卒資格と高卒認定に関するよくある質問
高卒資格と高卒認定についての「よくある質問」について回答します。
Q.通信制高校でも高卒認定は取得できる?
A.通信制高校に在学中でも高卒認定は取得できます。
受験条件は、「16歳以上で高卒資格を持っていないこと」です。全日制・定時制・通信制のいずれかに在籍していた場合でも受験可能です。
また、受験する年の年度中に満16歳を迎えるのであれば試験は受けられるため、実施日や内容をよく確認しておきましょう。
Q.高卒認定はどんな人におすすめ?
A.高卒認定を取得するのがおすすめな人は、下記の通りです。
- 大学受験の準備を効率的に始めたい人
- 費用を抑えて大学受験資格を得たい人
- 自分のペースで勉強を進めたい人
高卒認定は、大学や専門学校の受験資格を効率的に取得したいと考えている人におすすめです。
高卒認定試験では、どの科目をどのような順番で受験するかを自分で決められるため、自分のペースで学習できます。
また、試験の難易度はそこまで高くないため、勉強を始めて1年以内に合格することも可能です。
学習期間が短くても試験に受かれば、大学・短期大学・専門学校の受験資格が得られます。費用を抑えながら効率的に学習したい人は高卒認定の取得を検討してみましょう。
Q.通信制高校はどんな人におすすめ?
A.通信制高校に通うのがおすすめな人は、下記の通りです。
- 高校生活を楽しみながら進学を目指したい人
- 専門分野を学びながら進学を目指したい人
- 高校へ通学するのが苦痛という人
- 就職活動を有利に進めたい人
通信制高校は全日制・定時制高校のように毎日通学する必要がないため、学校へ行くのが苦痛という人にも向いています。
また、高卒認定を取得すると就職活動にも活用できますが、大学や短期大学に進学しなければ最終学歴は中卒です。中には、高卒認定を「高卒として認めていない」企業も減少傾向ではあるものの存在します。
就職先の選択肢を広げて就職活動を有利に進めたいという人も、通信制高校へ通って高卒資格を取得しておくのがおすすめです。
まとめ
高卒資格と高卒認定は似ているようで、実際は全く異なります。
高卒資格は、全日制・定時制・通信制高校のいずれかを卒業することで得られるのに対して、高卒認定は自身で高卒認定試験を受験して合格する必要があります。
取得までに要する期間や最終学歴など各特徴を把握したうえで、自分の将来のためにはどちらを選択すべきかを検討することが重要です。
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