定時制高校の授業時間、学費、卒業率など

高校卒業の資格を得るには、全日制高校、通信制高校のほかに、定時制高校を卒業するという方法があります。定時制高校は、1日あたりの授業時間が少ないのが特徴で、夕方から始まる学校が多いので、すでに仕事をしている人でも高校に通うことができます。ほかにも、定時制高校には、さまざまな特徴があります。

定時制高校と全日制高校の違いは授業時間

現在、公立定時制高校では、単位制が主流になっています。かつて定時制高校は、働きながら学校に通う人が多かったため、会社の就業時間が終了した夕方、あるいは夜から授業が始まり、授業は1日4時限というスタイルが一般的でした。定時制高校は、全日制高校と同じ日程で学校へ通い、1日の授業時間が短い分、4年かけて卒業します。

しかし最近では、就業時間が企業によって異なるため、画一的な始業時間では、働きながら学校に通えない人がいます。また、定時制高校に通う生徒は、働きながら学校に通う人より、家庭の事情や不登校などで全日制に通えない人たちが多くなりました。

そういった背景もあり、定時制高校では、依然として夕方や夜からの授業が中心ではあるものの、全日制と同じように朝や昼にも授業を行う学校が登場しています。

また、制度の変更によって、定時制高校でも3年で卒業できるようになりました。これにより、多くの定時制高校で、3年で卒業するコースと4年で卒業するコースのどちらかを選択できるようになっています。3年のコースを選んだ場合は、1日の授業時間が、5~6時限へと増えます。

定時制高校では、学年制の学校が多かったのですが、通信制高校と同じ単位制を採用する学校が増えています。実態としては、単位制の全日制高校に近づいているといえるでしょう。

定時制高校にかかる学費

公立の定時制高校の学費は、公立の全日制高校と同程度です。定時制高校にも公立と私立があり、卒業までにかかる学費は大きく違います。公立定時制高校は「高等学校就学支援金制度」を利用することで、授業料(東京都の場合、32,400円)、あるいは単位修得費(東京都の場合、1単位あたり1,740円)を、ほぼ無料にできます。

実際にかかる学費の大半は学校徴収金(修学旅行の積立金や設備費等)で、全日本教職組合が2013年に取ったアンケート調査によれば、1ヵ月平均でおよそ8,400円の学校徴収金が発生しています。給食のある学校だと、これに給食費が加わります。

私立定時制高校の学費は、学校によって異なりますが、入学金に20~30万円、そのほか授業料や積立金、設備費を加えると、初年度の学費は50~60万円ほどが目安です。ただ、私立定時制高校も就学支援金の対象です。支援金の額は家庭の所得によって異なります。

定時制高校は、学校数が少ないため、地域によっては近くに学校がないことがあります。近くに定時制高校がない場合は、学費とは別に、学校までの交通費がかかることに注意してください。

定時制高校の卒業率

定時制高校の卒業率は、正確に算出するのが困難です。定時制高校には3年制と4年制があり、また単位制を導入した高校では4年以上在籍する生徒もいます。転入や編入する生徒も多いため、全日制ほど正確に卒業率を算出できません。そういった点を踏まえた定時制高校の卒業率は、公立で60%、私立で80%ほどとされています。

公立の定時制高校では、約40%もの生徒が中退していることになります。しかし、途中で高卒認定の試験に合格して中退していたり、通信制高校へ転入する生徒がいたりするので、純粋に高校卒業を諦めた生徒は、数字ほど多くないといわれています

定時制高校と通信制高校のどちらがいい?

定時制高校と通信制高校には、全日制高校に進学しない人が通う学校という共通点があります。現在、多くの定時制高校が単位制へと変わり、毎日通学できる通信制高校が増えるなど、学習スタイルにおいて重なる部分が増えてきています。全日制高校以外の進路を考えたとき、定時制と通信制のどちらを選択すべきでしょうか。

定時制と通信制のどちらかを選ぶ場合、それぞれの特徴をよく吟味して、検討する必要があります。

定時制高校は、毎日学校に通うので、多くの友人と一緒に勉強し、卒業するという高校生活らしさがあります。通信制高校でそういった高校生活らしさを体験するには、毎日通学するコースを選んだり、サポート校に入学したりして補わなくてはなりません。

自宅や勤務先の近くに定時制高校がない場合は、通信制高校のほうがいいでしょう。通信制高校は、基本的に毎日学校へ通う必要がなく、スクーリングのときだけ学校へ行けばいいので、近所に学校がなくても勉強を進められるのです。遠方の定時制高校に毎日通うのは、思っている以上に大変です。

また、通信制高校によっては、中学校までの勉強の復習をしてくれたり、大学進学のための専門コースがあったりと、定時制高校にはない、手厚いサポートを受けられます。学校ごとに魅力があるのも通信制高校の特徴です。

入学後に「思っていたのと違う」と後悔しないためにも、各学校の資料を請求してよく比較、検討しましょう。気になる学校が見つかったら、説明会で質問をしたり、オープンキャンパスで実際に確かめることが大切です。