不登校の自宅学習どうする?勉強遅れを取り戻す方法
公開日:2018年02月09日 更新日:2025年03月31日

不登校の中学生を持つ親にとって、自宅学習をどのように進めるかは悩みのひとつです。「勉強が遅れないか」「遅れが取り戻せなくなるのでは」と不安になることもあるでしょう。しかし、学習環境を整え、計画的に学習をしていれば、勉強が遅れてしまうということはありません。この記事では、家庭学習をする際の準備や、具体的な自宅学習の方法について解説します。
不登校だと勉強が遅れる?
不登校になると勉強が遅れてしまうのではないかと心配する親も多いでしょう。
しかし、不登校になったからといって、急激に勉強が遅れるわけではありません。公立の中学校の学習進度はそれほど早くないため、自宅学習をきちんと続ければ、学校に通っている子どもたちと大差なく学習を進めることができます。
遅れが生じたとしても、勉強して追いつくことは十分に可能です。例えば、オンライン教材や家庭教師を利用することで効率よく学習を進めることができます。
不登校の中学生でも、適切な環境を整えれば、学習の効率が上がり、不勉強が手遅れになることはありません。
不登校で家庭学習するための準備
不登校の中学生が効果的に自宅学習を始めるためには、いくつかのポイントがあります。適切な学習環境の整備をし、必要な学習教材をそろえ、生活リズムを整えることが大切です。
集中できる学習環境を整える
集中して自宅学習をするには、環境を整えることが重要です。
まず、静かで落ち着いた場所を選びましょう。リビングルームや家庭の共用スペースではなく、できるだけ個室や書斎のような場所が望ましいです。自然光が十分に入る場所に机を設置すると、気分がほぐれ、集中力の向上が期待できます。
机や椅子、照明などをそろえることもポイントです。座りやすい椅子を準備したり、明るい照明を設置したりすることで、身体への負担を軽減することができます。
また、学習に必要な道具や教材をすぐに取り出せるような整理整頓も欠かせません。机の上が汚いと、集中力の低下を招きます。机の上や周りには、学習に必要なものだけを置いておくようにしましょう。
必要な学習教材をそろえる
効率的に自宅学習するためには、必要な学習教材をそろえることが求められます。
まず、基本的な教科書やノートのほか、参考書や問題集も用意しましょう。これらは学校で学習する内容を網羅しており、自宅学習でもしっかりとした学力を身につけるために必要です。
効率よく学習を進めるためには、デジタル教材の利用も効果的です。例えば、動画の教材は視覚的に解説してくれるため、理解の助けになります。
生活リズムを整える
学習に集中できるようにするためには、規則正しい生活リズムを整えることも重要です。
まず、毎日の起床時間と就寝時間を一定に保つことから始めましょう。不規則な生活は、集中力の低下や体調不良の原因となります。規則正しい睡眠サイクルを維持することで、体調が安定し、学習効率も向上します。
次に、1日のスケジュールを決めて、計画的に学習を進めましょう。ただし、がちがちにスケジュールを固める必要はありません。あまり無理をすると、学習をするのが嫌になってしまうこともあるでしょう。少しずつでもよいので、無理せず学習を継続することが大切です。
また、適度な運動も欠かせません。軽い運動やストレッチの時間を設けることで、学習の合間にリフレッシュすることができます。
不登校でも遅れることなく自宅学習する方法
不登校の中学生が勉強の遅れを防ぐためには、計画的な自宅学習が大切です。教科書や参考書、オンライン学習サービスなどを活用し、子どものペースに合わせて学習を進めましょう。
教科書で学習する
不登校の中学生が学習を進める際、まず基本となるのが教科書です。学校の授業は、教科書に沿って行われます。教科書の内容を理解していれば、学校の勉強から遅れてしまうということはありません。
具体的には、以下のような方法で学習を進めると効果的です。
- 教科書を読む(音読)
- 要点をノートにまとめる
- 教科書の問題を解く
教科書をただ目で読むだけでなく、音読したり、ノートにまとめたりすることで、内容が記憶に残りやすくなります。
参考書の併用で理解を深める
教科書だけでなく、参考書を併用することでより理解を深めることができます。参考書は、教科書の内容を補完し、より詳しい説明や追加の練習問題を提供してくれます。
教科書だけでは問題演習が不足してしまうため、しっかりと学力を定着させるには、参考書の併用は必須と言えるでしょう。
ただし、むやみに大量に購入すると、学習の計画が立てにくくなり、かえって子どもの学習意欲を削ぐことになりかねません。まずは基本的なものをそろえ、学習の目的に応じて、必要最低限のものを追加するようにしましょう。
オンライン学習サービスを利用する
自宅学習を進めるにあたっては、分からないことを放置しないことが大切です。
教科書や参考書を読んでも分からない場合は、オンライン学習サービスの活用も検討しましょう。
以下のようなサービスを利用することで、さらに効率的に学習を進めることができます。
- 通信教育
- オンライン家庭教師
- オンライン学習塾
- オンラインフリースクール
通信教育
通信教育の教材は、教科書の内容と進度に沿って提供されます。そのため、通信教育で提供される教材に合わせて学習を進めていけば、学校の勉強に遅れることはありません。
また、教材だけでなく、質問サポートや学習相談などの学習サポートを提供している通信教育もあります。こういったサービスを利用することで、自分一人では分からないことも、解決することができます。
オンライン家庭教師・学習塾
オンライン家庭教師やオンライン学習塾は、自宅にいながらプロの指導を受けることができます。
自分のペースで学習を進めながら、不明点を専門の先生に直接質問できるため、効果的です。
オンラインフリースクール
フリースクールは、不登校などの子どもの学習や生活の支援を行う民間の教育機関です。オンラインフリースクールは、完全オンライン、もしくは通学とオンラインの併用ができるフリースクールのことです。
オンラインフリースクールでは、メタバース空間で、ほかの生徒や先生とコミュニケーションを取ることもできます。
例えば、通信制高校の中等部はオンラインフリースクールのひとつです。通信制高校の高校生と同じ環境で過ごすことで、高校生活を疑似体験でき、進路選択の手掛かりにすることができます。
フリースクールについて、『フリースクールとは?費用や活動内容、不登校特例校との違いを徹底解説』を参考にしてください。
不登校の自宅学習は出席扱いになる?
文部科学省は「出席扱い制度」を定めています。学校が認めれば、自宅学習を「出席扱い」としてもらえる場合があります。
ただし、出席扱いとして認めてもらうには、以下のような要件があります。
- 保護者と学校との間に十分な連携・協力関係がある
- ICTや郵送、FAXなどで提供される学習活動
- 訪問等による対面の指導が適切に行われること
- 学習の理解の程度を踏まえた計画的なプログラムである
- 校長が対面指導や学習活動の状況を把握している
上記を満たしていたとしても、必ずしも出席扱いになるとは限りません。学校とよく相談をする必要があります。
高校進学はどうする?
自宅学習によって、学力の不安を解決できたとしても、学校に登校できるようになるとは限りません。
不登校から高校進学を考える場合、全日制高校以外の選択肢も検討しておくと良いでしょう。
例えば、通信制高校が挙げられます。通信制高校は、通学の必要がなく、自分のペースで学習を進めることができるため、不登校の子どもにとって有力な選択肢です。オンラインでの授業やサポート体制も充実しているため、不登校経験のある子どもも、学びやすい環境が整っています。
不登校からの高校進学については、『中学で不登校でも高校進学を諦めない!通信制高校という選択肢のメリットは?』も参考にしてください。
まとめ
不登校の子どもが自宅学習をするためには、適切な学習環境の整備をし、必要な学習教材をそろえ、生活リズムを整えることが大切です。
その上で、教科書や参考書、オンライン学習サービスなどを活用し、子どものペースに合わせて学習を進めましょう。
以上の方法を参考に、不登校の子どもが安心して学習できる環境を整え、学習が遅れないようにサポートしましょう。