知っておきたい、通信制高校の用語解説

通信制高校について調べていると、聞いたことのない言葉がたくさん見つかります。ここでは、そんな通信制高校に関する用語を解説します。初めて聞く用語もあるかと思いますが、ぜひチェックしてください。

学校の種類

用語 内容
通信制高校 全日制や定時制と同じく「高校卒業」となる高校教育過程のひとつです。修業年限は3年以上と定められています。時間や場所に縛られることなくさまざまな学び方が可能で、不登校の方や夢に向かいながら勉強したい方などでも、きちんと高校卒業の資格が取得できるように配慮されています。以前は、仕事の都合などで毎日通学できない方が多く通っていましたが、現在では不登校や中退された方はもちろん、芸能人やスポーツ選手なども通っていることで注目されています。
サポート校 通信制高校に在学している生徒の単位取得や進級、確実な卒業に向けて、学習面や生活面、精神面などの支援を行う民間の教育機関です。サポート校は学校教育法で認められた正規の学校ではなく、学習塾や予備校に近い存在で、高卒資格を取得するためには、あくまで通信制高校を卒業する必要があります。
高卒認定予備校 「高等学校卒業程度認定試験(旧、大検)」に確実に合格するための指導をする予備校です。効率的な勉強方法や試験対策など、合格へのサポートをするだけでなく、合格後の進路(大学・短大・専門学校など)の指導をしてくれる予備校もあります。

教育課程

用語 内容
全日制高校 平日の昼間に5時間から8時間程度の授業を行う、通常の高校教育課程です。修業年限は3年間と定められており、全日制のほとんどが学年制です。
定時制高校 夜間や特定の時間・時期に授業を行う、高校教育課程のひとつです。修業年限は3年以上と定められています。卒業すれば高校卒業の資格が取得できます。

通学区域

用語 内容
広域通信制高校 3つ以上の都道府県から入学が可能な通信制高校を言います。中には、全国を対象にしている広域通信制高校もあります。
狭域通信制高校 2つ以下の都道府県から入学が可能な通信制高校を言います。

科目の修得システム

用語 内容
単位制 科目ごとに取得できる単位数が決まっており、各自で科目を選択して、卒業に必要な単位数を取得していくシステムのことを言います。そのため留年がなく、その年に単位が取得できなくても、翌年に再度履修することが可能です。通信制高校の多くは、この単位制を導入しています。
学年制 各学年ごとに決められた科目を学習して、すべての単位を取得し、最終的に卒業するシステムを言います。そのため、単位を1つでも落とすと留年となり、同じ学年の勉強を初めからしなければなりません。全日制高校・定時制高校の多くは、この学年制を導入しています。

学科

用語 内容
普通科 ある専門分野に特化したものではなく、「国語」「数学」「公民」「理科」「英語」「保健体育」「家庭科」「芸術」など、幅広い分野のうち基礎的な部分が学べる学科で、最もよく知られている学科と言えます。学校によっては、普通科の中に難関大学を目指すコース(特進コースなど)や特定の分野を極めるコースを設けている場合もあります。
専門学科 「農業」「工業」「商業」「水産」など、専門的な分野が学べる学科です。専門学科は、職業教育を主とする「職業学科」と、普通教育をより高度に拡充させた専門教育を行う学科に分けられます。
○職業学科:農業科、工業科、商業科、水産科、家庭科、看護科、情報科、福祉科 など
○職業学科以外の学科:理数科、体育科、音楽科、美術科、外国語科 など
総合学科 普通教育と専門教育を選択履修することにより、総合的に学べる学科です。基礎的な分野を学びつつ、興味や関心のある分野を専門的に学ぶことができます。

学習スタイル

用語 内容
スクーリング 通信教育受講生に課される面接指導のことです。レポート作成についての学習相談から友達についての精神的な悩みまで、先生が直接指導し生徒とふれ合います。通う日数や時期などは学校によってさまざまで、年間20~25日程度が一般的ですが、週3~5日の通学タイプ、合宿での集中スクーリングタイプなどがあります。
レポート 先生から与えられた課題を自宅で勉強・提出して受ける添削指導のことです。
テスト 単位認定のための試験のことです。スクーリングやレポートの条件をクリアするとこの試験が受けられ、合格することにより単位が認定されます。

入学の種類

用語 内容
転入 高校在学中に、ほかの高校に入学(転入)することです。通信制高校の大多数が、期間を問わず随時受入れ可能です。
編入 先高校中退後、再度ほかの学校に入学することです。通信制高校の大多数が、期間を問わず随時受入れ可能です。

その他

用語 内容
特別活動 ホームルームや入学式、卒業式などの学校行事のことです。1単位50分で計算され、学校によって修学旅行や体育祭、体験学習、クラブ活動など、さまざまな活動が設けられています。
高等学校卒業程度認定試験
(旧:大検)
平成16年度まで行われていた「大学入学資格検定(大検)」に代わる試験制度で、合格すれば「高校卒業と同程度の学力」が認定され、大学・短大・専門学校の受験資格が与えられます。また、就職、資格試験などに際しても、高校卒業者と同じ扱いを受けることができます。ただし、この試験に合格しても高卒の学歴にはなりません。