ネットで不動産査定ができる!ネット査定のメリット・デメリット
土地やマンションなどの不動産を売却する場合、不動産会社に査定を依頼するのが一般的です。最近では、不動産会社に直接問い合わせたり、店舗に足を運んだりしなくても、インターネット環境さえあれば、いつでも手軽に不動産査定を依頼できます。
この記事では、ネットから依頼できる不動産査定の種類やその特徴、メリット・デメリットをわかりやすく解説しているので、ネットを活用した不動産の査定を検討している人は参考にしてください。
【監修】西崎 洋一 宅地建物取引士・管理業務主任者・不動産コンサルタント・不動産プロデューサー。不動産業界10年以上の専門家。物件調査、重説作成・説明などの実務経験が豊富。特に土地の売買、マンション管理に精通。大阪を中心に活動を行っている。
ネットで依頼できる不動産査定とは?
パソコンやスマートフォンを使ってネットで依頼できる不動産査定は、おもに次の3種類です。
- 一括査定サイト
- AI査定サイト
- 不動産会社の査定サイト
ここでは、ネットで依頼できる不動産査定の特徴を種類ごとに解説していきます。所在地や間取りなどの物件情報の入力が必要なことは共通していますが、それぞれ特徴が異なるため比較しながら自身に合うものを見つけてみましょう。
不動産一括査定サイト
不動産一括査定サイトは「一括」という言葉が名称にある通り、一度の情報入力で複数の不動産会社に一括で査定を依頼できるサービスです。
査定結果はおもにメールや電話で通知されるため、依頼した人が不動産会社を訪れる必要はありません。
提携会社数や一度に依頼できる不動産会社は、一括査定サイトによってさまざまです。大規模な一括査定サイトの場合、提携会社数が中小から大手まで1,000社を超えるものや全国を網羅しているサイトもあります。
一括査定サイトは、提携会社からの広告費で運営されているケースが多いため、利用は無料です。
なお、査定を受ける際には、物件情報に加えて氏名や住所などの個人情報の入力が必要になります。
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AI査定サイト
AI査定サイトは、運営会社が独自に開発したAIが、データベースを基に査定額を算出するサービスです。一括査定サイトと異なり、入力する情報は所在地や間取りなどの物件情報のみなので、匿名で査定を依頼できます。
査定の基になるデータベースはAI査定サイトごとに異なり、成約価格の場合もあれば売り出し価格の場合もありますが、おもに活用されているのは類似物件の成約価格です。
査定額を算出するのが人ではなくAIなので、不動産会社とメールや電話でやり取りせずに手軽に査定額を知りたい人におすすめだと言えます。なお、無料で利用できることがほとんどです。
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不動産会社の査定サイト
不動産会社の査定サイトは、不動産会社が自社で運営している査定サービスのことです。一括査定サイトやAI査定サイトと同様に、無料で利用できます。
査定サイトは独立しておらず、各不動産会社のウェブサイト内からアクセスして査定を依頼する仕組みです。大手不動産会社は、売却のノウハウと実績が豊富なため、ほかの種類に比べて精度が高い査定を期待できるでしょう。
ネットから依頼できる不動産査定は簡易査定と呼ばれるもので、どれも入力された情報のみで査定額を出します。より精度の高い査定額を知りたい場合は、簡易査定で得た情報と実際の物件を見た情報を併せて査定額を算出する訪問査定を受けましょう。
なお、すべての不動産会社が査定サイトを持っているわけではないので、よく確認してください。
ネットの不動産査定のメリット・デメリット
ネットで依頼できる不動産査定はメリットがある一方で、デメリットもあります。それぞれのメリットとデメリットを把握し、査定を依頼する際には自身にとってメリットが大きいものを利用しましょう。
ここでは、ネットの不動産査定のメリット・デメリットを種類別に解説していきます。
一括査定サイトのメリット・デメリット
一括査定サイトのメリット・デメリットは次の通りです。
メリット | ・一度に複数の不動産会社に査定を依頼できる ・査定価格や不動産会社を比較しやすい ・信頼できる優良な不動産会社に出会いやすい |
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デメリット | ・電話がかかってくる ・サイトが提携している不動産会社にしか依頼できない |
一括査定サイトを利用すると、一度の情報入力で複数の不動産会社に査定を依頼できるので、査定を依頼する不動産会社探しや店舗を訪れる手間が省けます。
依頼した不動産会社の数に応じた査定額や担当者を比較できるため、信頼できる不動産会社を見つけやすい点もメリットと言えるでしょう。
その一方で、不動産会社とはおもに電話やメールでやり取りするため、営業の連絡を受けやすいといったデメリットがあります。
また、提携している不動産会社は一括査定サイトごとに異なり、特定のエリアだけの場合や大手だけの場合などさまざまです。希望している不動産会社と提携していない一括査定サイトもあるため、事前に確認しておくようにしましょう。
AI査定サイトのメリット・デメリット
AI査定サイトのメリット・デメリットは次の通りです。
メリット | ・個人情報を入力しないで査定できる ・すぐに査定結果が見られる |
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デメリット | ・査定額の正確性に欠ける ・不動産会社とマッチングされない |
AI査定サイトは、一括査定サイトや不動産会社の査定サイトと異なり匿名で査定を依頼できる点がメリットとして挙げられます。
査定後に不動産会社から営業目的の連絡がないため、氏名や電話番号などの個人情報を知られずに利用したい人におすすめです。
データベースを基にAIが査定額を算出するので結果が早くわかる一方で、AI査定サイトごとにどの価格が用いられているかわからないので精度が高いとは言えないことがデメリットと言えます。
また、不動産会社を一切介さないため、訪問査定や媒介契約につながる不動産会社とのマッチングはできません。
不動産会社の査定サイトのメリット・デメリット
不動産会社の査定サイトのメリット・デメリットは次の通りです。
メリット | 売却までの流れが早い |
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デメリット | 複数の不動産会社と比較しにくい |
不動産会社の査定サイトは不動産会社に直接査定を依頼するため、ほかの種類に比べて売却までの流れがスムーズになります。
一括査定サイトのようには複数社に査定を依頼できず、依頼した1社のみです。そのため、売却活動を依頼したい不動産会社が決まっている場合におすすめです。
他社にも依頼して査定額を比較したい場合は、再度不動産会社を探したり、情報を入力したりする作業に手間がかかるため、一括査定サイトを利用するほうが効率が良いと言えるでしょう。
ネットの不動産査定に関するQ&A
ここでは、ネットの不動産査定に関するよくある質問と回答をまとめています。ネットの不動産査定を検討している人は、事前に疑問を解消しておきましょう。
ネットの不動産査定は無料でできる?
ネットによる不動産査定は特別な記載がない限り、どれを利用しても無料です。査定後に費用を請求されることもありません。なぜなら、査定サイトは提携している不動産会社からの広告費で運営されているからです。
不動産会社に費用を支払うのは不動産の売買契約が成立したときです。この費用は仲介手数料と呼ばれており、不動産会社と媒介契約を結んでも売買契約が成立しない限り、支払いが発生することはありません。
個人情報の流出は心配ない?
ネットによる不動産査定のうち、AI査定サイトでは個人情報を入力が不要なので流出の心配はありません。
その他の一括査定サイトと不動産会社の査定サイトでは個人情報の入力が求められますが、基本的にはプライバシーポリシーに則って情報がきちんと管理されています。そのため、ネットによる不動産査定は基本的に個人情報の流出はないと考えていいでしょう。
個人情報保護の管理が適切なウェブサイトには、個人情報の取扱いの記載があったり、プライバシーマークと呼ばれる青色のマークが表示されていたりするので、不安がある場合は利用前に確認しておくと安心です。
不動産査定前に準備することはある?
ネットによる不動産査定では、物件情報や個人情報の入力が必要です。
誤った情報を入力してしまうと正しい査定額が算出されないため、不動産査定を依頼するまえに物件情報が記載された書類を準備しておきましょう。
おもな項目は次の通りです。
- 所在地
- 間取り
- 土地の面積
- 建物の面積
- 築年数
- 所有者 など
また、同じ条件でも査定額は不動産会社ごとに異なるため、適正価格であるかを比較するためには事前に自身で相場を調べておくといいでしょう。
相場を調べる方法として、「土地総合情報システム」と「レインズ・マーケット・インフォメーション」がおすすめです。
【土地総合情報システム】
土地総合情報システムは、国土交通省が運営する不動産情報システムで、過去に実際に取引きした人のアンケート結果がデータベース化されています。すべてのアンケートが回収できているわけではありませんが、類似物件の成約価格の把握が可能です。
【レインズ・マーケット・インフォメーション】
レインズ・マーケット・インフォメーションは、公益財団法人不動産流通機構による不動産情報システムで、国土交通大臣の指定を受けた上で運営されています。全国各地の不動産会社から得た情報をデータベース化しており、土地総合情報システムと同様に類似物件の成約価格が把握可能です。
10年前くらいから不動産の売却実績や査定相場などの情報が一般人でも手に届くようになってきました。
これは各サイトの発展によるものが大きいのですが、どれか1つでは情報は全く足りません。
さまざまな角度から調べることにより査定相場というものが何となく見えてきます。
不動産業者も同じことをして相場を見ていますので、安心してください。
電話連絡が多い場合はどうすればいい?
ネットによる不動産査定を受けた後に、電話がかかってくることがありますが、これは不動産会社にとって営業活動の一環だからです。
必要がなければ断ればその後は連絡がないことが普通ですが、断ったのにもかかわらず連絡が来る場合は、 各サイトが設けている相談窓口に連絡してみましょう。
査定サイトでは独自の審査基準を設けており、クリアしない不動産会社は提携できないケースがほとんどです。また、クレームが多い不動産会社は契約解除の措置を取る場合もあります。
査定依頼後にキャンセルはできる?
査定の依頼後にキャンセルしたい場合、状況によって対処方法が異なります。
【査定結果が未通知の場合】
不動産会社からの査定結果が届いていない場合は、利用した一括査定サイトに連絡してキャンセルを依頼しましょう。
【査定結果が通知されている場合】
すでに査定結果が通知されている場合は、不動産会社に直接連絡してキャンセルを依頼しましょう。
なお、査定の依頼後にキャンセルした場合でも、利用料や違約金の発生はありません。
査定額の比較にはネットの不動産査定を活用しよう
ネットによる不動産査定は、直接不動産会社を訪れる必要がないので手軽に依頼できる点が魅力です。
一括査定サイトと不動産会社の査定サイトは個人情報の入力が必要なので、名前や連絡先を知られたくない場合はAI査定サイトの利用がおすすめです。
しかし、AI査定サイトはそれほど精度が高くないため、不動産の売却を具体的に検討している場合は一括査定サイトや不動産会社の査定サイトを利用するといいでしょう。特に一括査定サイトは複数社に査定を依頼できるため、査定額の比較や不動産会社選びの参考になります。
不動産査定に限らず、一括サイトというものはネットのみで利用でき、うまく使えとても便利です。
ただし、一気に提案の連絡やメールなどが届き、すべてに対応ができなくなることもあります。
業者は真剣に検討していることもあるので、不要となった場合は遠慮なく断ることも重要です。
ネット経由でも、その先には人がいるということをしっかり把握しておきたいですね。
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