中古マンションの売却方法|流れ・税金・失敗から学ぶ成功させるコツ

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中古マンションの売却方法|流れ・税金・失敗から学ぶ成功させるコツ

通常、不動産の売買では不動産会社に売却活動を依頼するのが一般的です。しかし、不動産会社に任せきりにしておくと、思わぬところでつまずいてしまう可能性があります。中古マンションの売却を成功に導くためには、きちんと計画を立てることからスタートしましょう。

順調にスタートを切るためには、自身も中古マンションの売却に関する知識を身につけておくことが大切です。この記事では、中古マンションを売却する流れや成功のコツを解説しています。

基礎知識や失敗談もあわせて解説しているので、中古マンションの売却を検討している人は参考にしてください。

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【監修】穂坂 潤平 宅地建物取引士。仲介営業13年(宅建は新卒の時に取得)、不動産仲介会社起業3年の経験を経てウェブクルーに入社。趣味は何でも遊びにすること。仕事では「喜ばれる仕事をして、自らも喜ぶこと」をモットーに日々ご提案しております!

中古マンションを売却する事前準備

中古マンションを売却する事前準備

中古マンションの売却をスムーズに売却を進めていくためには、すぐに査定を依頼するのではなく、いくつかの事前準備をしておくことがおすすめです。

ここでは、中古マンションを売却する事前準備を項目ごとにわかりやすく解説していきます。

必要な書類を集める

中古マンションを売却する際には、売却を進めていくプロセスの中でさまざまな書類が必要になります。書類の中には入手のための手続きが必要なものや、紛失により再発行が必要な場合もあるため、早めに準備しておくと安心です。

中古マンションの査定や売却する際に必要な書類は次の通り。

書類名 費用 必要になる場面 入手方法
身分証明書 ・査定
・売買契約
・物件の引き渡し
免許証やパスポートなどの本人確認できる書類
実印 ・売買契約
・物件の引き渡し
各自で所有
※共有者がいる場合は全員分必要
印鑑証明書 200円~400円程度
※自治体ごとに異なる
・査定
・売買契約
・物件の引き渡し
印鑑登録している自治体の窓口
※有効期間は3ヵ月
登記済権利証または登記識別情報 ・査定
・売買契約
・物件の引き渡し
不動産の取得時に入手済み
※再発行は不可能
間取図 ・査定 ・売却活動 不動産の取得時に入手済み
ローン残高証明書またはローン返済予定表 再発行の場合は再発行料
※金額は金融機関により異なる
・査定
・媒介契約
毎年10~11月に金融機関から送付
※紛失した場合は金融機関の窓口で再発行が可能
マンションの管理規約・パンフレット ・売却活動
・売買契約
・物件の引き渡し
不動産の取得時に入手済み
マンションの管理費等の書類 ・売却活動
・売買契約
・物件の引き渡し
不動産の取得時に入手済み
重要事項説明書 売却活動 不動産の取得時に入手済み
固定資産税納税通知書および固定資産税評価証明書 300円程度 売買契約 毎年自治体から所有者宛てに送付
住民票の写しまたは戸籍附票 300円程度 売買契約 自治体の窓口
預金通帳 決済 各自で所有

登記済権利証または登記識別情報は、紛失した場合の再発行が不可能な書類です。万が一、紛失した場合は、本人確認情報の作成や公証役場の公証人による本人証明などの手続きが別途必要です。

住宅ローンの残債を調べる

中古マンションを購入する際に住宅ローンを利用した場合、現時点でどのくらいの残債があるかを事前に調べておきましょう。

なぜなら、住宅ローンが残っている場合は担保として「抵当権」が設定されており、売却時にローンを完済して抵当権を抹消させる必要があるからです。

抵当権については下記の記事でより詳しく解説しています。

住宅ローンの残債を調べる方法は次の通りです。

  • 返済予定表
  • インターネットバンキング
  • 残高証明書
  • 金融機関の窓口

【返済予定表】
返済予定表は、金融機関から住宅ローンの借入れ時に発行される書類です。しかし、あくまでも借入れ時点での返済予定のため、繰上げ返済をしている場合や遅延などあった場合には変動している場合があります。※金融機関により異なります

【インターネットバンキング】
最近では多くの金融機関がインターネットバンキングサービスを提供しており、オンライン上で各種手続きが可能です。インターネットバンキングのサービス登録をしている場合、Webサイトにアクセスして住宅ローンの残高を確認できます。

【残高証明書】
残高証明書は、住宅ローンを借入れている金融機関から確定申告や年末調整のために送付される書類のことです。毎年10月頃に送付されます。

【金融機関の窓口】
残高証明書を紛失した場合、借入先の金融機関の窓口で再発行してもらうことで確認ができます。金融機関の窓口では、本人確認書類や返済用口座の通帳などが必要です。また、金融機関ごとに異なりますが、発行手数料がかかるケースがほとんどでしょう。

住宅ローンの残債と売却価格によっては、売却時に完済できないケースも考えられます。このような場合は手持ちの資金で補うのも手段の1つですが、住み替えなら住み替えローンを利用する方法もあります。

住宅ローンの一括返済については下記の記事でも詳しく紹介しています。

相場価格を調べる

中古マンションの売却を検討するときは、不動産会社に査定を依頼する前に自身でも相場価格を調べておきましょう。相場価格とは市況などを考慮し、現時点でどのくらいでマンションを売却できるのかを示す価格です。

不動産会社に査定を依頼すると査定額が提示されますが、相場価格を知らないと相場よりも高いのか安いのかの判断が難しいでしょう。

一方で、事前に相場価格を把握していた場合、査定額と比較できます。査定額が相場と異なる場合は不動産会社に根拠を聞くこともでき、適正価格を判断する材料にできるでしょう。また、相場価格で住宅ローンの一括返済が可能かどうかの判断にも役立ちます。

中古マンションを売却する流れ

中古マンションを売却する流れ

必要書類の準備や相場価格の調査などの事前準備が終われば、いよいよ不動産会社へ中古マンションを売却する流れへと進みます。

不動産会社に査定を依頼して物件を引き渡すまでの期間の目安は次の通りです。

中古マンションを売却する流れ 期間目安
1. 不動産会社にマンションの査定を依頼する 1~2週間程度
2. 不動産会社を選び媒介契約を結ぶ
3. 中古マンションの売却活動をする 3~6ヵ月程度
4. 売買契約を結ぶ 1ヵ月程度
5. 決済と引渡し

プロセスごとに期間の目安が異なるため全体の売却期間も変動がありますが、不動産会社に査定を依頼して物件を引き渡すまでの平均期間は約3~4ヵ月が目安です。

ここでは、中古マンションを売却する流れを詳しく解説していきます。

1. 不動産会社にマンションの査定を依頼する

不動産会社による査定には、机上査定と訪問査定の2種類があります。

不動産会社に査定を依頼した場合、簡易的な机上査定を経てより詳しい訪問査定に進むのが一般的です。

それぞれの査定期間は、机上査定の場合で30分~2日程度、訪問査定の場合は1週間程度かかります。

【机上査定】
机上査定は所在地や間取り、築年数などの物件情報だけを基に査定額を算出する方法で、簡易査定とも呼ばれています。

【訪問査定】
訪問査定は詳細査定とも呼ばれており、机上査定で用いた情報と不動産会社の担当者が実際に物件を見た情報を合わせて査定額を算出する方法です。机上査定よりもより精密な査定額を知ることができます。

2. 不動産会社を選び媒介契約を結ぶ

不動産会社に売却活動を依頼するためには、不動産会社と売り手とのあいだで媒介契約と呼ばれる契約を結ぶ必要があります。

売却活動とは、広告作成や各種媒体での掲載などから購入希望者への対応など、中古マンションを売却するために必要な作業です。

媒介契約には3種類あり、それぞれ特徴は次の通りです。

媒介契約名 契約可能な不動産会社数 売り手自身が買い手を見つけた場合の直接契約 レインズへの登録義務(※) 売却活動の進捗状況の報告頻度
一般媒介契約 複数社と可 任意 任意
専任媒介契約 1社のみ 契約後7日以内 2週間に1回
専属専任媒介契約 1社のみ 不可 契約後5日以内 1週間に1回

※国土交通省の指定を受けた不動産情報システムで、登録することでほかの不動産会社も閲覧や検索が可能になる

一般媒介契約

ほかの2つの媒介契約とは異なり、複数の不動産会社と契約できる媒介契約です。一方でレインズへの登録義務がないため、登録されない場合は、ほかの不動産会社が物件情報を目にする機会が少なくなります。

また、売却活動の進捗状況を一定期間ごとに報告する義務がないため、状況を把握しにくいです。

ただし、義務がないだけで任意でお願いすることはできます。そのため、レインズへの登録や業務活動の報告などをお願いしたいときは、契約時に売主から不動産会社へ希望する旨を伝えると良いでしょう。

専任媒介契約

契約できる不動産会社が1社に限られるため、売却活動に力を入れてもらいやすい媒介契約です。契約から7日以内にレインズへの登録義務があるので、物件情報がより多くの不動産会社の目に触れやすいと言えます。

2週間に1度の頻度で売却活動の進捗状況の報告が受けられるため、現在の状況を把握しやすいこともメリットでしょう。また、自身で買い手を見つけた場合の自己発見取引も可能なため3つの中で一番バランスの取れた媒介契約だと言えます。

しかし、売り手と買い手の両方から仲介手数料を得るために、ほかの不動産会社から問い合わせがあっても応じない「囲い込み」に巻き込まれるリスクもあります。そのため、契約を結ぶ前に囲い込みについて理解している旨を伝え、「囲い込みをしないか」という確認をしておくといいでしょう。

専属専任媒介契約

レインズへの登録義務は契約から5日以内なので専任媒介契約よりも早く、1週間に1回の頻度で売却活動の進捗状況の報告が受けられるので、積極的な売却活動が見込めるでしょう。

その一方で契約できる不動産会社が1社に限られるため、不動産会社選びは慎重に行う必要があります。また、一般媒介契約や専任媒介契約と異なり、自身で買い手を見つけた場合の直接契約はできません。

また、専任媒介契約と同じく囲い込みのリスクもあるので、事前に対策をとっておくことが大切です。

3. 中古マンションの売却活動をする

不動産会社と媒介契約を結んだ後は、中古マンションの売り出し価格を設定して、売却活動を進めていきます。売り出し価格は査定額がベースになりますが、相場よりも高すぎると売れ残る可能性があるので不動産会社と相談しながら決めましょう。

売却活動は不動産会社に任せる作業も多いですが、次のように売り手の介入が必要な場面もあります。

  • 売り出し価格の設定
  • 内覧の準備
  • 内覧の対応

中古マンションの売り出し後は、購入希望者の要望に応じて実際に物件を見てもらう「内覧」が行われるのが一般的です。内覧での印象が売買契約に影響する可能性が高いため、整理整頓や清掃をしておきましょう。

特に、使用頻度が多い水回りは購入希望者が重視するポイントになるため、水垢や油汚れがある場合はきれいにしておくことをおすすめします。部屋の臭い敏感な購入希望者も多いため、空気の入れ替えも忘れないようにしましょう。

4. 売買契約を結ぶ

購入希望者が購入の意思を固めた場合、不動産会社経由で購入申込書と呼ばれる書類を受け取ります。購入申込書とは、購入希望者が売り手に対して物件を購入したいという意志を表示する書類です。

ただし、購入申込書を受け取ってもあくまでも意志表示なので、その後キャンセルの可能性もあります。

また、購入申込書を受け取ったときに、購入希望者から価格や費用などの交渉がある場合が多いでしょう。購入希望者と売り手の両方が交渉条件に納得できたら、売買契約に進みます。

売買契約は、宅地建物取引士の資格保有者による説明が義務づけられており、基本的に不動産会社の担当者が行います。売買契約時に行われる作業はおもに次の通りです。

  • 重要事項の説明
  • 売買契約の締結
  • 手付金の受領
  • 仲介手数料の支払い

売買契約の際には、買い手から売り手に売却価格の一部を手付金として受け取ります。手付金は売却価格の10%程度が相場です。

また、売り手は売買契約の成立と同時に、不動産会社は仲介手数料の支払いを請求できるようになります。ただし、引き渡しが完了していないことから、契約締結時に仲介手数料の50%を支払い、引き渡し完了時に残りの50%を支払うことが一般的です。

5. 決済と引渡し

買い手が住宅ローンを利用して中古マンションを購入する場合、住宅ローンの審査に通った後に決済と引渡しを行います。

【決済】
決済では、売買契約時に受け取った手付金以外の売却代金の残金と次の清算金が支払われます。

  • マンションの管理費
  • マンションの修繕積立金
  • 固定資産税 など

固定資産税は毎年1月1日時点の所有者に支払い義務が発生するため、中古マンションの引渡し時期に応じて買い手と売り手で折半するのが一般的です。

【引渡し】
中古マンションの決済と引渡しは、基本的に同日に行われます。決済後、売り手から買い手に中古マンションの鍵と関係書類を渡して引渡しは完了です。

引渡し後は、所有権移転登記や抵当権抹消登記などの手続きを行います。これらの手続きは決済や引渡しと同日に行われ、司法書士に依頼するケースが多いでしょう。手続きの完了後、2週間程度で買い手に登記識別情報が送付されます。

これらすべての手続きが済めば、中古マンションの売却は完了です。

失敗談から学ぶ中古マンション売却を成功させるコツ

失敗談から学ぶ中古マンション売却を成功させるコツ

中古マンションを売却した人の中には、残念ながら失敗してしまったというケースもあります。

おもな失敗例は次の通りです。

  • 査定額の高さや1社だけで不動産会社を選んだ
  • 売り急いで相場より安く売却してしまった
  • 内覧の準備や対応を怠った

ここでは失敗例を基に、中古マンションの売却を成功に導くためのコツを解説します。

【失敗例】査定額の高さや1社だけで不動産会社を選んだ

査定会社に依頼するとき、1社にしか査定を出さなかった場合は、相場の把握ができず、不動産会社の提案した査定額が正しいのかの判断が難しいため失敗のリスクが高まります。

査定額は売り出し価格を決めるベースになりますが、売却までに価格交渉や値下げなどが行われる可能性もあります。

また、不動産会社の中には自社との媒介契約につなげるために、あえて相場よりも高い査定額を提示するところもあります。そのため、査定額と売却価格(成約価格)は決してイコールではないことを心得ておきましょう。

【成功へのコツ1】複数社に査定を依頼して相場を把握・比較する

査定額の高さだけで不動産会社を選んで失敗しないためには、査定を依頼する前に相場価格を把握しておくことが大切です。査定は1社ではなく複数社に依頼し、相場価格とかけ離れていないか比較すると失敗を防ぐことができます。

査定額を比較する場合、複数社に一括で査定を依頼できる一括査定サイトを利用してみましょう。

【成功へのコツ2】査定額の根拠を聞く

不動産会社に相場よりも高い査定額を提示された際には、根拠を説明してもらい、納得した上で媒介契約を決めるようにしましょう。

根拠を的確に説明できない場合、担当者または不動産会社の信憑性は低いと言えます。

【成功へのコツ3】不動産会社の売却力や担当者の信頼度も確認する

不動産会社を選ぶ際には査定額の比較も大切ですが、同時に会社としての売却力や担当者の信頼度もチェックしましょう。

【不動産会社の売却力】
不動産会社ごとに得意分野や実績が異なるため、中古マンションの売却に強いかどうかがポイントです。不動産会社の得意分野や実績は、広告や公式サイトを見ることで確認できます。

【担当者の信頼度】
中古マンションの売却を成功に導くためには、不動産会社だけでなく担当者の信頼度がポイントです。売却を進めていく上で担当者との相性は大切なので、丁寧に説明してくれたり親身に話を聞いてくれたりするかどうかを見極めましょう。

【失敗例】売り急いで相場より安く売却してしまった

早く売りたいがために事前準備や計画を怠ると、後から相場よりも安く売却してしまったことを知るという失敗例もあります。

中古マンションの売却を成功に導くためには、事前にしっかりと準備して計画的に進めていくことが大切です。

【成功へのコツ1】相場価格を調べる

急いで売却した人の中には、売却後に相場よりも安いことを知ったり、売却を希望する時期までの期間が短いことで相場よりも安い価格での売却を余儀なくされたりする人もいます。

売却後に相場よりも安いことを知った場合、事前準備として相場を把握していなかったことが原因のひとつです。そのため、中古マンションの売却を検討した際には、不動産会社に査定を依頼する前に相場を把握しておくことが大切です。

相場を把握しておくことは、売り出し価格を高くし過ぎて売れ残るという事態も防げます。

【成功へのコツ2】最低価格を決めておく

売り出し価格は査定額がベースになりますが、不動産会社に言われるがまま設定するのではなく、事前に最低価格を決めておくといいでしょう。

また、住宅ローンの残債がある場合は、売却と同時に完済できるかどうかを見極めながら最低価格を決めるのがベターです。売却と同時に住宅ローンの完済を計画している場合、残債だけでなく、仲介手数料や印紙税などの売却費用もかかることを忘れないようにしましょう。

【成功へのコツ3】売却期間は余裕を持つ

売却を希望する時期までに余裕がない場合、早く買い手を見つけたり売れ残りを防いだりするために売却価格を下げる可能性が高くなります。

しかし、このようなことは売却期間に余裕があれば防げます。

中古マンションの売却までにかかる期間は約3~4月が目安です。相場よりも安く売却して失敗しないためにもできるだけ早めに準備を進めることをおすすめします。

【失敗例】内覧の準備や対応を怠った

買主候補は現れるのに契約につながらず、売買契約のチャンスを逃してしまうといった失敗もあります。これは、内覧の準備や対応を怠ったことがおもな要因です。

中古マンションの売却する上で重要なポイントになるのが内覧です。内覧時の印象が良ければ、そのまま売買契約につながる可能性が高いでしょう。売却活動は不動産会社が行ってくれますが、売主もできる範囲でしっかりと準備しておきましょう。

【成功へのコツ1】室内は物を減らし掃除しておく

内覧の際には、部屋の状態が良くわかるようにできるだけ物を減らして掃除しておくことが大切です。

また内覧時には、マンションの各部屋だけでなくクローゼットやベランダも見られる可能性もあります。いつ内覧を受け入れても良いように常に整理整頓を心掛けておきましょう。

【成功へのコツ2】アピールポイントは事前に伝える

内覧で失敗しないためには、事前に不動産会社の担当者にアピールポイントを伝えておくことが大切です。

ただし、売主が購入希望者に積極的にアピールした場合、逆にマイナスの印象を与えてしまう可能性があるため、内覧時は不動産会社の担当者が立ち会うので基本的に静かに見守り、質問されたら答えるスタンスを保つのがベターです。

中古マンションのアピールポイントの例はおもに次の通りです。

  • 近隣に大型のスーパーマーケットがある
  • 公園や図書館が近い
  • 閑静な住宅街
  • 共用部分の管理がきちんと行き届いている
  • セキュリティ設備が整っている など

間取りがファミリータイプの場合、学校や病院などが近いこともアピールポイントになります。

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中古マンションを売却するときの費用(税金)

中古マンションを売却するときの費用(税金)

中古マンションを売却する際には、仲介手数料や印紙税などのさまざまな費用がかかります。想像以上に費用がかかる可能性もあるため、売却前にチェックしておきましょう。

項目 費用の目安 支払いのタイミング
仲介手数料 取引額が400万円を超える場合の上限:取引額×3%+6万円)+消費税
※売却価格に応じて異なる
・売買契約が成立したとき
・物件を引き渡したとき
印紙税(税金) ・取引額1,000万円超え5,000万円以下:10,000円
・5,000万円超え1億円以下:30,000円
※軽減措置が適用された場合
売買契約を締結するとき
【登記費用】登録免許税(税金) 不動産ひとつにつき1,000円 決済・物件の引渡しと同日
【登記費用】司法書士への報酬
※依頼する場合
約10,000円~20,000円 決済・物件の引渡しと同日
住宅ローン一括返済手数料
※住宅ローンの残債がある場合
窓口:16,500円~33,000円程度
インターネットバンキング:無料
※金融機関により異なる
住宅ローンを完済するとき
【税金】譲渡所得税 ・長期譲渡所得:課税譲渡所得×20.32%
・短期譲渡所得:課税譲渡所得×39.63%
※復興特別所得税を含む
売却の翌年の確定申告

仲介手数料

仲介手数料は売却活動を依頼した対価として不動産会社に支払う成功報酬で、売買契約が成立した時点で支払い義務が発生します。仲介手数料の上限は宅地建物取引業法で定められており、不動産会社はその範囲内で自由に設定できますが、上限いっぱいの金額に設定してあることが一般的です。

【仲介手数料の上限額の計算方法】

  • 取引額の200万円までの部分×5%
  • 取引額の200万円超えて400万円以下の部分×4%
  • 取引額の400万円を超える部分×3%

また、売却価格が400万円を超える場合は、次の計算式で算出できます。

仲介手数料=売却価格×3%+6万円+消費税

支払いのタイミングは、売買契約が成立したときと物件を引渡したときの2回に分けるのが一般的です。

印紙税

印紙税は特定の文書に課せられる税金です。不動産の売買の場合、売買契約書に記載された金額に応じた税金の印紙を貼付して支払います。

売買契約書に記載された金額 税額
10万円超50万円以下 200円
50万円超100万円以下 500円
100万円超500万円以下 1,000円
500万円超1,000万円以下 5,000円
1,000万円超5,000万円以下 10,000円
5,000万円超1億円以下 30,000円
1億円超5億円以下 60,000円

※2024年(令和6年)3月31日までに作成された文書は軽減措置の対象となるため、表中では軽減措置後の税額を記載しています。

登記費用

中古マンションの売却と同時に住宅ローンを完済する場合、抵当権を抹消する手続きが必要です。この手続きは登記と呼ばれており、登録免許税と司法書士への報酬が費用としてかかります。

登記は自身でも行うことができるため、司法書士へ依頼しない場合は報酬がかからない分コストカットができます。ただし、書類の作成などに手間がかかる上、法務局は平日のみの業務のため、時間に融通が利く人でないと個人での対応は難しいでしょう。

登録免許税

登録免許税は、会社の登記や免許の登録手続きに課せられる税金です。中古マンションを売却する場合、住宅ローンを完済する際に抵当権を抹消する手続きに対して登録免許税が課せられます。

税額は不動産ひとつにつき1,000です。支払いのタイミングは、決済と物件の引渡しを行う日になります。

司法書士への報酬

抵当権の抹消手続きは売り手自身でもできますが、司法書士に依頼するのが一般的です。司法書士に依頼した場合、登録免許税とは別に報酬の支払いが必要です。司法書士への報酬は事務所ごとに異なりますが、10,000円~20,000円が相場です。

支払いのタイミングは、登録免許税と同様に決済と物件の引渡しを行う日です。一方、自身で手続きする場合は司法書士への報酬は不要なので、登録免許税のみの支払いになります。

一括返済手数料

中古マンションの売却と同時に住宅ローンを完済する場合、一括返済手数料の支払いが必要です。一括返済手数料は、住宅ローンの残債を一括返済する際にかかる費用で、金額は金融機関や契約内容によって異なります。

窓口で手続きする場合は16,500円~33,000円程度が相場ですが、インターネットバンキングを利用できる場合は無料になることがほとんどです。支払いのタイミングは、住宅ローンを完済するときになります。

譲渡所得税

中古マンションを売却する際には、状況に応じて譲渡所得税がかかります。譲渡所得税は、中古マンションを売却したときに利益が発生した場合にかかる税金です。税額を計算する際は、まずは課税譲渡所得金額を割り出します。

課税譲渡所得金額=譲渡価額-(取得費+譲渡費用)-特別控除額

譲渡価額は、取得費・譲渡費用・特別控除額を含めた金額です。

【取得費】
取得費は、購入代金や仲介手数料などの中古マンションを購入する際にかかった費用です。建物は年数に応じて劣化していくため、減価償却費相当の金額が購入代金から控除されます。

【譲渡費用】
譲渡費用は、仲介手数料や印紙税などの中古マンションを売却する際にかかった費用です。

【特別控除】
特別控除は、3,000万円特別控除や買換え特例などの控除を利用した際の金額です。

課税譲渡所得金額を割り出した後は、中古マンションの所有年数に応じた税率をかけて譲渡所得税を算出します。

区分 所得税(復興特別所得税を含む) 住民税 合計税率
長期譲渡所得:所有年数5年超 15.315% 5% 20.32%
短期譲渡所得:所有年数5年以下 30.53% 9% 39.63%

譲渡所得税は、所有年数が5年以下と短いほうが税率が高く設定されています。納税は、中古マンションを売却した翌年の確定申告で行います。

失敗例を参考にして中古マンションの売却を成功させよう

失敗例を参考にして中古マンションの売却を成功させよう

中古マンションの売却を検討した際には、すぐに不動産会社に査定を依頼するのではなく、必要書類を揃えたり相場を調べたりするなどの事前準備からスタートしましょう。

下準備がなく不動産会社を頼るだけでは、売却後に相場よりも安く売却したことを知ったり、売却に時間がかってしまったりといったリスクがあります。

失敗を未然に防ぐためには、住宅ローンの残債を確認し、売却と同時に完済できるように計画性をもって売却を進めたり、本記事で紹介した失敗例を参考にしたりして、中古マンションの売却を成功に導くポイントを押さえておきましょう。

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