技能連携校とサポート校の違いは何?
公開日:2018年02月09日 更新日:2018年02月09日
通信制高校に関連する学校には、主に技能連携校とサポート校があります。どちらの学校も通信制高校とあわせて入学する教育施設ですが、技能連携校とサポート校では、その役割がまったく異なります。技能連携校とサポート校のそれぞれの特徴や違いを知って、自分にあった学校を選びましょう。
授業が単位になるかどうかが最大の違い
技能連携校とは、技能連携制度を利用して、高校卒業の資格を得られる高等専修学校のことです。技能連携校の高等専修学校に入学した生徒は、同時に通信制高校にも入学し、専門的な技術を学びながら高校の勉強も並行して行います(技能連携制度)。これにより、高等専修学校を3年かけて卒業するのと同時に、通信制高校も卒業し、高校の卒業資格を得ることができます。
※高等専修学校…中学卒業以上の人が入学できる専修学校のこと。
通信制高校と同時に入学するという点では、技能連携校とサポート校は共通しています。しかし、しくみが大きく異なるので、その違いをよく理解しておきましょう。技能連携校とサポート校の違いで、最も大きいのが単位の割り当てに関する点です。
技能連携校は、「学校教育法」で定められた技能連携制度によって、技能連携校の専門科目の一部を通信制高校の卒業単位と兼ねることができます。そのため、高等専修学校と通信制高校のそれぞれの勉強をすることになるのですが、生徒の負担は大きくありません。
■技能連携校の専門科目が単位になる
サポート校は学校教育法に基づいた施設ではなく、通信制高校の生徒の学習を支援する学習塾や予備校のような存在です。サポート校へ通学し、授業を受けても、通信制高校の単位としては認められません。サポート校で通信制高校を卒業するための指導を受けるのが基本です。サポート校ごとに特色があり、大学受験の勉強ができたり、文化祭などの学校生活を楽しめたりします。コンピューターのプログラムやデザイン、イラストなどの専門技術や知識を学べるサポート校もあります。
■サポート校での学習は単位にならない
【技能連携校】専門的な技術と高卒資格を取得する
高等専修学校の専門的な技術や知識を学びながら、一般的な高校の勉強も行うのが技能連携校です。通信制高校に籍を置きつつ、高等専修学校に通うことで、高校卒業の資格と専門技能の両方を得られるのが技能連携校の大きなメリットです。
技能連携校には、技能教育の設備が整った高等専修学校が指定されます。技能連携校で得られる技術として、工業系、商業実務系、調理系、美容系、社会福祉系、服飾系などの科目が用意されています。専門技術をしっかり習得するため学ぶことが多く、全日制と同じ週5日の登校としている学校がほとんどです。
そのため、いわゆる通信制高校の魅力である、自分にあったペースで卒業を目指すようなことはできません。高校卒業の資格を得るために、通信制高校へも入学しているだけと考えておきましょう。
【サポート校】通信制高校に通う生徒の学習支援をする
通信制高校は自宅での学習が基本になるため、ひとりで勉強を進められず、途中で挫折してしまうケースがあります。サポート校は、学習面の支援や精神的ケアなどの支援を行い、生徒が通信制高校をきちんと卒業できるようサポートする教育施設です。
基本的には、技能連携校と同じように通信制高校に籍を置きつつサポート高校に通う、というスタイルになります。しかし、サポート校で授業を受けても、通信制高校の単位修得には影響しません。通信制高校の単位を修得するには、レポートの提出やスクーリングなどが必要です。
サポート校に通うメリットは、高校卒業をより確実なものにできることです。しかし、それだけがサポート校の役割ではありません。大学進学を志望している人は、受験のための勉強ができますし、専門的な技術や知識を学ぶカリキュラムが用意されていたりもします。サポート校に通うことで、多彩な高校生活を実現できるのです。
サポート校の詳しいしくみや学費などについては「通信制高校を確実に卒業するなら。サポート校の学費とメリット」で紹介しています。通信制高校を卒業するまでに、さまざまなことにチャレンジしてみたい人はご覧ください。