技能連携校とは?サポート校との違いやカリキュラムを解説

通信制高校に関連する学校には、主に技能連携校とサポート校があります。どちらの学校も通信制高校とあわせて入学する教育施設ですが、技能連携校とサポート校では、その役割がまったく異なります。技能連携校とサポート校のそれぞれの特徴や違いを知って、自分にあった学校を選びましょう。

技能連携校とは?

技能連携校とは、技能連携制度を利用して高等学校(通信制高校等)と技能連携している、技能教育のための教育施設です。

法令上、「技能連携校」という言葉はありませんが、一般的に、上記の教育施設が技能連携校と呼ばれています。

主に高等専修学校が該当しますが、それ以外の教育施設もあります。

技能連携制度とは?

技能連携制度とは、高等学校(通信制・定時制)の生徒が、都道府県に指定された技能教育施設で専門的な技能を学ぶ際、その学習を在籍高校の単位として認めてもらえる制度です。

技能連携制度を利用することにより、高等専修学校等で専門的な技能を学びながら、高校卒業資格を取得することができます。

なぜ技能連携制度が必要?

通常、高等専修学校等を卒業しただけでは高卒資格は得られません。あくまで「高卒と同等」という扱いになります。

そのため、就職の際、企業によっては高等専修学校卒では、高卒と判断されない場合があります。

しかし、技能連携校は通信制高校等で高卒資格も同時に取得するため、最終学歴が高卒になります。

技能連携校とサポート校の違い

通信制高校と同時に入学するという点では、技能連携校とサポート校は共通しています。しかし、仕組みが異なるので、その違いをよく理解しておきましょう。

技能連携校とサポート校の最大の違いは「授業が単位になるかどうか」です。

技能連携校での学習は通信制高校での単位になりますが、サポート校での学習は通信制高校での単位にはなりません。

技能連携校は、技能連携制度によって、技能連携校の専門科目の一部を通信制高校の卒業単位と兼ねることができます。そのため、生徒の負担は大きくありません。

一方、サポート校は学校教育法に基づいた施設ではなく、通信制高校の生徒の学習を支援する学習塾や予備校のような存在です。

サポート校へ通学し、授業を受けても、通信制高校の単位としては認められません。

サポート校では、通信制高校を卒業するための指導を受けるのが基本となります。サポート校ごとに特色があり、大学受験の勉強ができたり、文化祭などの学校生活を楽しめたりします。プログラミングやデザイン、イラストなどの専門技術や知識を学べるサポート校もあります。

なお、サポート校について詳しく知りたい人は、こちらの記事「サポート校とは?通信制高校との違いや利用の判断基準」も参考にしてください。

技能連携校のメリット・デメリット

専門的な技能を身につけつつ高卒資格を取りたい人にとって、技能連携制度は便利な制度ですが、メリットとデメリットがあります。

技能連携校のメリット

高等専修学校等で専門的な技術や知識を学びながら、一般的な高校の勉強も行うのが技能連携校です。

通信制高校等に籍を置きつつ、高等専修学校等に通うことで、高校卒業資格と専門技能の両方を得られるのが技能連携校のメリットです。

また、技能連携校での学習が、高等学校の卒業単位として認められるため、生徒の学習負担は少なくなります。

例えば、通信制高校に通う場合、単位取得のためにスクーリングが必要ですが、技能連携校に通っている場合、スクーリングに参加する必要がありません。

技能連携校のデメリット

技能連携校では専門技術を習得することを目的としているため、全日制と同じ週5日の登校としている学校がほとんどです。

そのため、いわゆる通信制高校の魅力である、自分にあったペースで卒業を目指すようなことはできません。

また、技能連携校と通信制高校等の両方に通う必要があるため、2校分の費用がかかるのもデメリットと言えるでしょう。

技能連携校のカリキュラムと学習スタイル

技能連携校では、社会で働くことに直結するような、専門的な知識や技術、資格取得などを目指します。

工業系、商業実務系、調理系、美容系、社会福祉系、服飾系など、職業教育を目的としたさまざまな学科があります。

専門分野が異なるため、カリキュラムも学校によってさまざまです。

学ぶ内容や科目数、普通科目と専門科目のバランスなどは、学校によって異なります。

専門技術を習得することを目的としているため、実技科目も実施されます。そのため、前述の通り、週5日の登校を必要とする学校がほとんどです。

技能連携校の費用

技能連携校の費用は、入学金を含めて年間おおよそ50万~100万円くらいが目安となっています。

技能連携校で何を学ぶかによって変わるため、学校やコースによって幅があります。

また、技能連携校の費用に加えて、通信制高校の費用も別途必要となります。

通信制高校の費用も学校によって異なりますが、年間約20万~40万円程度がかかることが多いです。

技能連携校の卒業後の進路

技能連携校を卒業した後の進路には、さまざまな選択肢があります。

まず、技能連携校で取得した技術や資格を活かして、就職する道があります。

専門的な技能を持つことで即戦力として認められ、企業からの採用も期待できます。

美容師や介護福祉士などの資格取得ができる技能連携校もあるため、そのまま業界に入ることが可能です。

また、進学の選択肢もあります。技能連携校であれば、高卒資格を取得しているため、大学や専門学校への進学が可能です。

技能連携校で学んだ専門分野をさらに深く学ぶことで、より高い技術や知識を身につけることができるでしょう。

他にも、学んだ技術を活かして自分のビジネスを始めるという選択肢もあります。

資料請求できる技能連携校一覧

ここでは、おすすめの技能連携校を紹介します。気になった学校があれば資料請求も可能です。

詳しくは、リンク先の情報を参照してください。

技能連携校 所在地
長岡凛晴高等学院 新潟県長岡市
興学社高等学院 新越谷校 埼玉県越谷市
興学社高等学院 新松戸校 千葉県松戸市
スクールプラス高等部 大阪府大阪市
F.S播磨西高等学院 姫路校 兵庫県姫路市

まとめ

技能連携校とは、技能連携制度を利用して高等学校(通信制高校等)と技能連携している、技能教育のための教育施設です。

技能連携校での学習の一部が、通信制高校の授業の一部として認められるため、専門分野を学びながら効率的に高校卒業を目指すことができます。

単位認定される点などが、サポート校と異なるため、検討する際には違いを理解しておくようにしましょう。