通信制高校に通う普通の子はいる?生徒の特徴や向いていない人の特徴まで解説

「全日制の高校に通うことが普通」という思い込みから、通信制高校への入学に不安や疑問をもつ人もいるのではないでしょうか。 通信制高校は「不登校の生徒」や「持病のある生徒」などが通う学校という、先入観がある人もいるかもしれません。 実際には、通信制高校への入学者は増加傾向にあり、さまざまな生徒が在籍しています。 この記事では、通信制高校にはどのような生徒が通っているかや、通信制高校に向いていない生徒の特徴などについて解説します。

通信制高校にはどんな人が通っているの?

保護者によっては、通信制高校は「不登校の生徒」や「心身に不調のある生徒」が行く学校という印象がある人もいるでしょう。

しかし、通信制高校に通う理由は、生徒によってさまざまです。

  • 不登校の経験がある
  • 体調不良のため毎日通学することが難しい
  • 学業不振で全日制高校を退学している
  • 経済的な事情がある
  • 学業以外の活動を重視している
  • 働きながら高卒資格の取得を目指している
  • 専門的な知識やスキルを身につけたい

不登校や経済的な理由など、ネガティブな理由で通信制高校を選択している生徒もいますが、専門的なスキルの習得など、ポジティブな理由で通信制高校を選択している生徒もたくさんいます

不登校の経験がある

文部科学省の調査によると、通信制高校に通う生徒の約半数が、小・中学校や前の高校で「不登校の経験がある」ことがわかっています。

通信制高校は、スクーリングを除いて、基本的に登校しなくても高校卒業資格を取得することができます。

そのため、不登校の経験がある生徒にとっては、安心して学習を進められる環境と言えます。

体調不良のため毎日通学することが難しい

通信制高校には、持病や心身の不調を抱えている生徒も通っています。こうした生徒は、全日制高校だと、出席日数が足らずに留年してしまうという懸念があります。

通信制高校では、オンライン学習を中心としており、体調に合わせて学習を継続できる環境が整っています。

学業不振で全日制高校を退学している

全日制高校に入学後、授業についていけず、退学してしまうケースがあります。

通信制高校では、自分のペースで学習を進めるため、授業についていけなくなるという心配はありません。

また、個別のサポートが充実しており、自分のペースで無理なく学習を進められます。

経済的な事情がある

経済的な事情や、家庭の事情から通信制高校を選択している生徒もいます。文部科学省の調査によると、2~3割の生徒が「ひとり親家庭」でした。

特に公立の通信制高校は、全日制高校と比べて学費が安いです。そのため、経済的な事情を抱えている生徒にとって、通信制高校は有力な選択肢の1つになるでしょう。

学業以外の活動を重視している

将来の夢の実現に向けた活動をしながら、通信制高校に通う生徒もいます。

  • スポーツ選手を目指している
  • アーティストを目指している
  • 芸能人として活動している

スポーツ選手やアーティストになるために練習やレッスンをしたり、芸能人として活動したりしながらでも、高卒資格を取ることができます。

働きながら高卒資格の取得を目指している

通信制高校では、仕事と学業を両立できるので、働きながら高卒資格の取得を目指す生徒も在籍しています。

学校によってはスクーリングの日程も柔軟に設定できるので、仕事と両立しながら無理なく単位を取得することができます。

専門的な知識やスキルを身につけたい

通信制高校によっては、専門的な知識やスキルの習得に特化したコースを設けている学校があります。

  • デジタルコンテンツ制作
  • ファッションデザイン
  • ゲームプログラミング
  • 英語
  • 料理

など

専門的なコースでは、仕事に直結する、実践的な知識やスキルを学ぶことができます。

また、第一線で活躍する講師の指導を受けられる場合もあります。

通信制高校に通う生徒は年々増加している

文部科学省の学校基本調査によると、通信制高校の生徒は増加傾向にあります。

特に私立通信制高校の生徒数は、平成12年から令和5年までの20年間で、約3倍に増加しています。

通信制高校に通う生徒が増加している背景には、高卒資格を取得するに留まらず、進学や就職などに対応した多様なカリキュラムを提供する学校が増えていることが挙げられます。

そのため、「不登校の経験がある」「心身に不調がある」といったネガティブな理由だけでなく、ポジティブな理由で通信制高校に通いたいという生徒も増えていると考えてよいでしょう。

進学先として通信制高校が選ばれる理由

進学先として通信制高校が選ばれる主な理由について解説します。

  • 自分のペースで学習を進められる
  • 大学進学を目指せる
  • 全日制に比べると費用が安い
  • 人間関係のストレスを減少できる

自分のペースで学習を進められる

通信制高校では、生徒の学習ペースを尊重した教育を実施しています。

全日制高校のようにクラスメイトと同じペースで学習を進める必要がないので、苦手科目は時間をかけてじっくり取り組むことができます。

基礎から学び直したり、受験対策をしたりと、生徒の状況や目標に合わせて柔軟に学習計画を立てることができます。

大学進学を目指せる

通信制高校の中には、大学進学のためのカリキュラムやコースを提供している学校もあります。

文部科学省の学校基本調査によると、通信制高校に通う生徒の大学進学率は約20%でした。

学校によってカリキュラムやコースの内容が異なるため、希望する進路に合わせた学校を選ぶことが重要になります。

通信制高校からの大学進学については、通信制高校から大学進学は不利?おすすめの通信制高校5選も紹介もご覧ください。

全日制に比べると費用が安い

通信制高校は、全日制高校に比べて費用が安くなる場合があります。

通信制高校の入学にかかる主な費用は、以下の通りです。

  • 入学金
  • 施設・設備費
  • 授業料
  • 教材費
  • スクーリングの費用(交通費・宿泊費等)

ただし、学校やコースによって費用が異なります。

通信制高校の費用については、通信制高校の学費は安い?3年間でいくらかかるか全日制・定時制高校と徹底比較も参考にしてください。

人間関係のストレスを減少できる

全日制高校では、毎日同じクラスメイトと過ごす必要があり、精神的な負担を感じる生徒もいます。

通信制高校は、登校する機会が限られており、クラスメイトや先生と会う頻度が少なくなります。そのため、人間関係にストレスを感じる生徒にとっては、学習に集中しやすい環境と言えます。

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全日制高校と比べてデメリットになるポイント

通信制高校が全日制高校と比べてデメリットになるポイントは、以下の通りです。

  • 自分で学習を進める必要がある
  • 友だちをつくる機会が少ない
  • 生活リズムが乱れやすい

自分で学習を進める必要がある

通信制高校では、柔軟が学習スケジュールを組める一方、学習の進捗を自己管理する必要があります。

決められた時間割に沿って授業を受けるわけではないので、自分で立てた計画を実行する力が求められます

自己管理が苦手な場合は、定期的な面談や学習計画の作成支援、進捗状況の確認など、サポート体制が整っている学校を選びましょう。

友だちをつくる機会が少ない

通信制高校では登校する機会が限られているので、クラスメイトと交流する頻度が少なくなります。

教室で一緒に学んだり、休み時間に談笑したりといった時間が少ないので、友人関係の構築が難しい場合もあります。

友だちをつくりたい場合は、スクーリングが多い学校や、オンライン上で交流できる機会を設けている学校を選ぶと良いでしょう。

生活リズムが乱れやすい

通信制高校では、毎日決まった時間に登校するわけではないので、生活リズムを自分で管理する必要があります。

自己管理ができなければ、深夜まで起きていたり、昼過ぎまで寝ていたりと、生活リズムが乱れてしまう可能性があるでしょう。

自己管理が苦手な場合は、学校や家族のサポートも得るなど、具体的な対策が必要です。

通信制高校に通っている生徒のインタビュー

通信制高校に通っている生徒のインタビューを紹介します。

トライ式高等学院:勝田さん

不登校を経験した勝田さんは、友人関係での悩みからトライ式高等学院中等部への入学を決意しました。

入学のきっかけは、説明会で自分の話に真摯に耳を傾けてくれた先生との出会いです。

入学後は、先生のサポートを受けながら生活リズムを整え、現在は週5日通学。国立大学受験に向けた学習に取り組んでいます。

インタビューの詳細は、【トライ式高等学院】小さな不安も、大きな目標も、受け止めてくれる先生がいるをご覧ください。

原宿AIA高等学院:ひまりさん

生活リズムの乱れから不登校になったひまりさんは、母親の勧めで原宿AIA高等学院への入学を決意しました。

入学のきっかけは、自分の好きなことを学べる環境と、生徒に寄り添い一緒にやりたいことを探してくれる先生たちの存在でした。

現在は週5日通学しながら、興味のある英語や中国などの語学を中心に学び、自分の未来につながる学びを積み重ねています。

インタビューの詳細は、自分のために、自分の「好き」を学んで、未来を探す。原宿AIA高等学院の在校生にインタビューをご覧ください。

ID学園高等学校:石原さん

石原さんは、コロナ禍での生活リズムの乱れと受験へのプレッシャーから高校2年生のときに不登校になりました。そんな中「通える通信制高校」の存在を知り、ID学園への転入を決意しました。

入学の決め手は、大学進学へのサポート体制と、高校生らしい生活が送れる環境です。

入学後は、柔軟なカリキュラムと先生方の手厚いサポートを受けながら、ほぼ毎日通学。スポーツ大会などのイベントにも積極的に参加しています。

インタビューの詳細は、通ってみないとわからない良さがある。ID学園は大学進学へのサポートと高校生らしい生活があり、自己表現ができる場所をご覧ください。

おおぞら高校:武田さん

武田さんは、小さい頃から抱いていた「役者になる」という夢を叶えるために、おおぞら高校への進学を決意しました。

入学のきっかけは、おおぞら高校のオリジナル授業「みらいの架け橋レッスン®」との出会いでした。演劇のレッスンだけでなく、美容やボイスパフォーマンスなど、演劇に関連するさまざまなことにチャレンジできる環境に魅力を感じました。

現在は、俳優養成所での稽古や海外留学などの経験を重ね、自分らしい進路選択を模索しています。

インタビューの詳細は、【おおぞら高校】やりたいことはいくつあってもいい。自分なりの進路を見つけるための通信制高校をご覧ください。

通信制高校に向いていない人の特徴

通信制高校にはメリットやデメリットがありますが、通信制高校の環境に向いていない人もいます。

自己管理ができない

通信制高校は自宅学習が基本となります。強制力がないため、やる気が出ないときは学習を後回しにできてしまいます。

自己管理が苦手だと、課題をため込んでしまうこともあるでしょう。計画通りに単位が取得できないと、卒業に時間がかかってしまう可能性があります。

個別指導や定期的な面談で、スケジュール管理をフォローしてくれる体制が整っている学校を選ぶと良いでしょう。

高いレベルの授業を望んでいる

一般的に、通信制高校では高卒資格を取得するための基礎的な学習がメインとなります。

そのため、高レベルな学習内容を求めていたり、難関大学への受験を希望したりする生徒にとっては、物足りなさを感じることもあるでしょう。

高いレベルの学習を希望する場合は、大学進学に力を入れている学校を選んだり、塾や予備校を併用したりすると良いでしょう。

なお、通信制高校の大学進学については、通信制高校の偏差値は高い?低い?大学を目指せるかどうかまで解説を参考にしてください。

本格的に部活動に励みたい

通信制高校にも部活動はありますが、活動頻度は全日制高校と異なります。

多くの生徒が自分のペースで学習を進めており、スクーリングの頻度も生徒によってさまざまのため、定期的な部活動の実施が難しい環境です。

積極的に部活動を実施している学校もありますが、週に1~2回程度の活動で、試合や大会への参加機会も限られている場合が多いです。

本格的な練習や技術向上を目指すには、専門のコースがある学校を選んだり、学校以外で活動できる場所を探したりすることが必要です。

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よくある質問

最後に、通信制高校についてのよくある質問を紹介します。

Q.子どもが通信制高校に行きたいと言ったらどうする?

A.子どもが通信制高校への進学を希望したら、慌てず、子どもの思いに耳を傾けましょう。

通信制高校に行きたい理由はさまざまです。「なぜ通信制高校に行きたいのか」「どんな点に魅力を感じているのか」を明確にしましょう。

通信制高校には独自の教育方針や特色があります。資料請求や学校見学をして情報を集め、将来の可能性を一緒に探ることが必要です。

Q.通信制高校と全日制高校の違いはある?

A.通信制高校と全日制高校の主な違いは、以下の通りです。

  通信制高校 全日制高校
登校頻度 生徒によって調整できる 毎日
単位を取得する仕組み 単位制
(3年間の在籍と単位を満たせば卒業できる)
学年制
(1年ごとに必要な単位数が決まっている)
授業形態 自宅学習とスクーリング 集団授業

通信制高校については、通信制高校とは?カリキュラムや全日制との違いをわかりやすく解説!も参考にしてください。

Q.通信制高校は誰でも受かる?

A.通信制高校の受験は、基本的に落ちることはありません。ただし、以下のような場合は落ちる可能性もあると考えておくとよいでしょう。

  • 素行が悪い
  • ルールを守れない
  • 学習意欲がない
  • 志望動機が明確ではない

また、定員に達している場合、出願できない可能性もあります。

まとめ

通信制高校は「不登校の生徒が通う学校」ではなく、多様な学習ニーズに応える教育機関です。

生徒数は増加傾向にあり、不登校経験のある生徒や体調不良を抱える生徒だけが通っているわけではありません。

働きながら学習をしている生徒や、自分のペースで学習できる環境で大学進学を目指す生徒など多岐にわたります。

「子どもが通信制高校に通いたい」と言った場合は、固定観念に捉われず、子どもの状況や目標に応じて進学を検討することが重要です。

なお、ズバット通信制高校比較の診断フォームなら、希望に合わせた通信制高校の資料を無料で一括請求できます。

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