通信制高校には偏差値がない!それでも大学に進学できる理由と通信制高校を選ぶメリット

自分の将来を選択する高校や大学受験において、学力の重要な指標となるのが「偏差値」です。全日制高校では当たり前に取り入れられていますが、実は通信制高校には偏差値という概念がありません。「偏差値がないのに、どうやって自分に合った通信制高校を選んだり、大学を選んだりできるの?」と疑問に思う人もいるでしょう。ここでは、偏差値に頼らない通信制高校の選び方、偏差値の高い大学へ進学するポイントなどを紹介します。

通信制高校には偏差値がない!

高校に進学する際に最も気になるのは、偏差値ではないでしょうか。希望する学校に入れるかどうかの目安として、偏差値は重要な判断材料になります。

ところが、通信制高校には偏差値という概念がありません。全日制高校と異なり学力試験がなく、書類選考と面接、作文での試験となるため、偏差値を割り出せないのです。中には、偏差値を公開している通信制高校もわずかにありますが基本的に偏差値という概念はありません。

学校選びはあなたの学習目的に合わせましょう

偏差値のような学校選びの基準がないとなると、「どうやって学校を選んだらいいのかわからない」と思う人がいるかもしれません。しかし裏を返せば、偏差値を気にせずに一人ひとりの学習目的に応じた学校を選ぶことができる、ということです。

通信制高校では学校ごとに、学習コースやサポート体制の特色も異なり、将来の就職に有利となるような資格や検定などを取得できる学校もあります。まずは自分がどんな道に進みたいか、どんなことを学びたいかをよく考えた上で、興味を持った学校の資料請求をしたり、説明会に参加したりすることをおすすめします。

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通信制高校から偏差値の高い大学に進学するためには

通信制高校は全日制高校と同様に高校卒業資格を取得することができるので、大学に進学できないということはありません。そのため、志望大学に合格する程度の学力が伴ってさえいれば、どんな大学でも受験することができます。自分自身の頑張り次第では偏差値70以上の難関大学に合格することも可能と言えます。ただし、偏差値の高い大学を目指すのであれば、大学受験のサポート体制が整った通信制高校を選ぶことが重要です。

最近では、高校卒業資格の取得をゴールとするだけではなく、大学進学を視野に入れた教育に力を入れている通信制高校も増えています。もちろん、高偏差値の大学を目指すような場合は、予備校や塾に通う必要が出てくるケースもあるでしょう。

一般入試ではなく指定校推薦入試やAO入試を狙うのも一手

受験する際には、一般入試ではなく指定校推薦入試やAO入試(アドミッションズ・オフィス入試)を目指すのもひとつの方法。一般入試は学力勝負なのに対し、指定校推薦入試やAO入試では普段の学業成績や課外活動に対する意欲、生活態度などを重視。学力試験ではなく面接と小論文が課されるのが特徴です。

AO入試では特に受験者の個性や特技が重視されるため、通信制高校で自由に使える時間を活用して、自分の特技やアピールポイントを増やす生活を心がけるといいでしょう。

■指定校推薦・AO入試を実施している学校の例
・NHK学園高等学校
・クラーク記念国際高等学校
・ルネサンス高等学校
・ルネサンス豊田高等学校
・ルネサンス大阪高等学校

進学率や進学先の情報を公開している通信制高校も

通信制高校の中には、進学率や進学先の情報を公開している学校がたくさんあります。大学進学を目指すのであれば、まずは、希望する通信制高校の卒業生がどれだけ大学へ進学しているのか、また、どんな大学に進学しているのかといった実績を確認してみましょう。

通信制高校で大学進学を目指すメリット

通信制高校では、卒業条件のひとつとして74単位以上の修得が必須です。多くの学校では教科・科目の選択は個人に任されているため、自分に合った計画を立てて学習し、それ以外の時間を受験勉強に充てることができます。決められた日以外は通学する必要もないため、時間を有効に使うことができます。

ただし、学習カリキュラムの組立てや登校時間を自由に決められる代わりに、目標に向かうための自己管理が重要な鍵となります。大学受験までの学習計画をしっかりと立てた上で受験勉強に臨めば、難関大学への進学も夢ではありません。

通信制高校に入学する時点で大学受験まで見据えている人は、大学進学に特化したコースを設置している学校を選ぶのが近道です。いくつかご紹介しますので、参考にしてみてください。

■大学進学に特化したコースを設置している学校の例
・北海道芸術高等学校 仙台サテライトキャンパス
・北海道芸術高等学校 名古屋サテライトキャンパス
・北海道芸術高等学校 福岡サテライトキャンパス
・さくら国際高等学校
・日本文理学院高等部
・希望高等学園

全日制の進学校から通信制高校に転入・編入して大学進学を目指したい人へ

この記事を読んでいる人の中には、難関大学進学を目指して偏差値の高い全日制の高校に在籍していたにもかかわらず、「宿題が多すぎて自分の勉強ができない」「受験に必要な科目だけ勉強したいのに、不要な科目に時間を割かれてしまう」など、さまざまな事情で学校を変えたいという状況にある人もいるのではないでしょうか。

「偏差値60だった」とか「偏差値70になったことがある」という人が学校を移るとなると、なおさら偏差値が気になるでしょう。しかし、前述のとおり通信制高校には偏差値がないため、「難関大学への進学実績があるかどうか」という視点で学校を探してみてください。目標としている大学への進学実績がある学校ならば、「先輩がどのような学習をしていたか」「先生からどのような指導を受けることができるか」が明確にわかるので、合格により近づくことができます。

どうしても偏差値を知りたいのなら、公開模試を受けよう

いくら通信制高校に偏差値という概念がないといっても、大学受験においては大切な判断基準。そのため、「自分が今どのくらいのレベルなのか」「どんな大学なら合格圏内なのか」というように自分の学力を把握したい場合には、予備校が実施している公開模試を受けてみるといいでしょう。

■おもな公開模試
・SAPIX YOZEMI GROUP模試(代々木ゼミナール)
・駿台模試(駿台予備学校)
・全統模試(河合塾)
・東進模試(東進)