通信制高校から大学進学は不利?おすすめの通信制高校5選も紹介

通信制高校への入学を検討していて「大学進学に不利になるのではないか」「通信制高校から行ける大学はある?」と不安に思うご家庭もあるのではないでしょうか。 結論として、通信制高校に通っているからといって大学進学に不利になることはありません。中には、大学進学を想定したカリキュラムを用意しているケースも増えており、難関大学の合格実績を豊富にもつ学校もあります。

通信制高校から大学進学は難しい?

通信制高校というと、学習レベルが低いのではないかと想像する人もいるかもしれません。しかし、昨今では、大学進学を想定したカリキュラムを用意した学校や、予備校や塾と連携した学校も増えています。

目指す進路に合わせた学校選びや受験対策を行えば、通信制高校からでも問題なく大学進学を目指すことができます。

令和5年度の文部科学省「学校基本調査」によると、全日制高校の大学進学率は61.6%です。一方、通信制高校は24.1%と、全日制高校に比べると進学率は低いです。

ただし、通信制高校には、以下のように大学進学以外の理由で通っている生徒が多数在籍しています。

  • 心身の状況的に全日制高校に通うことが難しく通信制高校を選択している
  • 高校を中退したが、働きながら高卒資格の取得を目指している
  • 大学進学ではなく就職を目指している

そのため、通信制高校の進学率だけを見て、「通信制高校だと大学進学が難しい」と判断するべきではありません。

通信制高校が大学進学に不利ではない5つの理由

通信制高校が大学進学に不利ではない理由は、以下の5つです。

  • 大学受験の際に出身高校は合否に影響しない
  • 受験に関係する科目に絞って学べる
  • 大学進学コースが設置されている学校がある
  • 学力に応じたサポートを受けられる
  • グループに塾や予備校をもつ学校がある

大学受験の際に出身高校は合否に影響しない

大学入試の目的は学力や適性を測ることです。全日制・定時制・通信制かどうかは、入学試験の合否とは関係がありません

ただし例外として、指定校推薦は、大学側が指定した高校の生徒のみが出願できる選抜方法です。在籍している学校に指定校推薦の枠がなければ受験ができません。

指定校推薦を視野に入れている場合は、事前に推薦枠の大学を確認しておきましょう。

受験に関係する科目に絞って学べる

通信制高校では、必修科目以外は自分で選択できるので、志望大学の入試科目に焦点を絞った学習ができます。

受験に必要な科目に集中できる点では、受験対策をしやすく、効率的に学習することができると言えるでしょう。

大学進学コースが設置されている学校がある

多くの通信制高校が大学進学コースを設置している点も、通信制高校が大学進学に不利ではない理由の1つです。

中には、大学受験に精通した専門講師による指導を受けられる学校もあります。

コースの内容は通信制高校によって異なるので、行きたい大学や学科に合わせた学校を選ぶことが重要です。

学力に応じたサポートを受けられる

通信制高校の中には、個々の学力や志望校に合わせて、個別のカリキュラムを組んでくれる学校もあります。

例えば、志望校の出題傾向を踏まえて指導をしたり、面接試験の対策を行ったりなど、進路に合わせたサポートを受けることが可能です。

また、苦手科目を克服するための集中講座や、定期的な面談など、充実したサポートが受けられる学校もあります。

グループに塾や予備校をもつ学校がある

通信制高校の中には、塾や予備校をグループにもつ学校があります。現役の予備校講師から、入試対策に特化した授業を受けられる点がメリットです。

志望校選びから学習計画の立て方まで、受験に関するアドバイスを得られるでしょう。

通信制高校から大学へ進学する6つのポイント

通信制高校から大学へ進学するポイントは、以下の6つです。

  • 大学へ進学する目的を明確にする
  • 進路に合わせたサポートが充実している学校を選ぶ
  • 大学進学の実績がある学校を選ぶ
  • 公立よりも進学率が高い私立の通信制高校を選ぶ
  • 時間を有意義に使う
  • サポート校を利用する

大学へ進学する目的を明確にする

通信制高校では自主的な学習が基本となります。そのため、「なぜ大学へ行くのか」「大学で何を学ぶのか」など、目的を明確にしておくことで、学習のモチベーションを保つことが重要です。

進路に合わせたサポートが充実している学校を選ぶ

通信制高校から大学進学を目指す場合、適切なサポート体制をもつ学校を選ぶことが重要です。

高卒資格を取得することを目的とした学校や、受験以外の専門分野に特化している通信制高校などもあります。そのため、学校によっては大学受験に必要な知識の習得が難しい場合があります。

例えば、以下のようなサポートがある学校を選ぶとよいでしょう。

  • 大学進学に向けた特別カリキュラムや個別指導を提供している
  • 進路指導専門の教員が常駐し、受験対策講座や模擬試験を実施している
  • 志望校に応じた学習プランの作成をサポートしてくれる

大学進学の実績がある学校を選ぶ

大学進学の実績がある学校を選ぶことは、通信制高校から大学進学を目指す上で重要なポイントになります。

Webサイトや資料では、進学実績に加えて在校生や卒業生の体験談を公開している場合もあります。

公立よりも進学率が高い私立の通信制高校を選ぶ

通信制高校には、公立と私立があります。

文部科学省の学校基本調査によると、令和4年度の大学進学率は、以下の通りです。

  • 公立:15.5%
  • 私立:25.2%

私立のほうが、大学受験専門のコースを設置している場合が多く、大学進学率が高いという特徴があります。

大学進学を目指すのであれば、大学受験に向けたサポートを受けやすい私立の学校から選ぶことも1つのポイントです。

通信制高校の公立と私立の違いについては、こちらの記事通信制高校の公立と私立の違い!どっちがいいか解説を参考にしてください。

時間を有意義に使う

通信制高校ではオンライン授業や個別学習がメインとなるので、全日制高校のように毎日決められた時間に通学する必要がありません。

そのため、自由に学習計画を立てることができます。

苦手分野を重点的に学習したり、得意分野を伸ばしたり、時間を有意義に使って受験対策をしましょう。

サポート校を利用する

通信制高校から大学受験を目指す場合、サポート校を利用する方法もあります。

サポート校は塾や予備校を運営する企業が通信制高校と提携することにより、通信制サポート校として運営しているケースが多いです。

・トライ式高等学院:家庭教師、個別教室のトライ

・ベネッセ高等学院(Be高等学院):進研ゼミ、東京個別指導学院

・Gakken高等学院:学研塾グループ

・CLARK SMART高等学院:市進学院

・駿台i高等学院:駿台予備校

そのため、受験に関するノウハウや蓄積が充実しており、受験勉強を有利に進めることができます。

大学進学におすすめの通信制高校・サポート校5選

ここでは、大学進学におすすめの通信制高校・サポート校を5つ紹介します。

  • トライ式高等学院(サポート校)
  • N高等学校・S高等学校・R高等学校(通信制高校)
  • クラーク記念国際高等学校(通信制高校)
  • 第一学院高等学校(通信制高校)
  • 飛鳥未来高等学校(通信制高校)

トライ式高等学院(サポート校)

トライ式高等学院では、オーダーメイドの学習カリキュラムを作成し、マンツーマン授業で志望校合格に向けてサポートします。また、体調に合わせて学習スタイルを通学・在宅・オンラインの3つから自由に選べる柔軟性も特徴の一つです。

トライ式高等学院の2025年度の大学進学率は71.1%と、通信制高校の平均大学進学率23%と比較して、非常に高い進学率を誇っています。難関大学の多くの進学実績を持つ「家庭教師のトライ・個別教室のトライ」のプロ講師による授業が受けられるのも魅力です。

入学時に志望校が決まっていない場合は、進路指導によって志望校を選択し、基礎学力をつけることから始めて、のちのち受験対策のカリキュラムに変更することも可能です。

また、数々の難関大受験生をサポートしてきた教育プランナーが在籍しており、志望校合格に向けたサポートを受けられます。

【進学実績】

・国立:東京大学、京都大学、大阪大学、東北大学、名古屋大学、九州大学 など

・私立:早稲田大学、慶應義塾大学、上智大学、立命館大学、同志社大学など

N高等学校・S高等学校・R高等学校(通信制高校)

N高等学校・S高等学校・R高等学校では、1年次より進路について考える授業を実施している他、ライブ配信で行われる課外授業の「大学受験講座」、海外大学進学の支援など、さまざまな進路サポートを行なっています。

また、2025年度より「定期テスト」を導入しています。生徒一人ひとりの学力・習熟度を測り、テストの結果に基づいてメンターと生徒が学習の振り返りを行う機会を増やし、生徒個々の適性・能力に合った学習サポートを行っています。(定期テストの結果が成績や高校卒業資格の取得に影響しません)。

さらに難関大学を目指す生徒には、思考力と実践力をさらに高めることができるコミュニティー「Class H」があり、優秀な東大生および東大出身者で構成される作問チームが、オリジナルテストの作問から解説、さらには生徒との交流も行い、このコミュニティーを支えています。

【進学実績】

・国公立大学の合格者数189名、東大7名、旧帝大23名、医学部医学科14名、東京芸大4名

・主要私立大学の合格者3,598名、早稲田・慶應82名、GMARCH264名、関関同立近556名

・海外大学の合格者数203名など

クラーク記念国際高等学校(通信制高校)

クラーク記念国際高等学校では、国内難関大学や海外大学の合格を目指す生徒を対象としたプログラム「クラーク予備校」を開講しています。

現役予備校の講師による授業や、コーチング面談による学習計画の立案などの支援を受けられます。

国内難関大学志望者を対象とするクラスと、海外大学進学志望者を対象とするクラスの2クラスが設置されています。

【進学実績】

・国立:北海道大学、京都大学、東北大学、名古屋大学、東京工業大学、筑波大学など

・私立:早稲田大学、慶應義塾大学、上智大学、東京理科大学、国際基督教大学など

第一学院高等学校(通信制高校)

第一学院高等学校では、大学や短大への進学を目指す生徒に向けた「プレミアムコース(特別進学専攻)」を開講しています。

高卒資格取得のための通常の学習に加えて、大学受験用の映像授業や、予備校のライブ配信授業を受講することができます。

ライブ配信授業は双方向の授業のため、リアルタイムに不明点を解決でき、録画映像で復習することも可能です。

また、科目や講座が増えても追加料金が発生しないので、学費負担を抑えられます。

【進学実績】

・国立:東京芸術大学、北海道大学、東北大学、千葉大学、名古屋大学、筑波大学など

・私立:早稲田大学、慶應義塾大学、上智大学、東京理科大学、国際基督教大学など

飛鳥未来高等学校・飛鳥未来きずな高等学校、飛鳥未来きぼう高等学校(通信制高校)

飛鳥未来高等学校では、普段の授業を受けながら大学受験合格までの学力向上を目指す「進学コース」を開講しています。

目標に応じた学習サポートや進路指導に強みをもっており、家庭での学習方法のフォローを受けたり苦手科目の克服に取り組んだりと、志望校合格に向けた支援が受けられます。

※開講コースはキャンパスによって異なります。

【進学実績】

・国立:北海道大学など

・私立:慶應義塾大学、上智大学、明治大学、青山学院大学、中央大学など

通信制高校から大学進学を目指す際の注意点

通信制高校から大学進学を目指す際の注意点は、以下の3つです。

  • 主体性が求められる
  • 大学進学を目指す仲間をつくりにくい
  • サポートが不十分な可能性がある

主体性が求められる

通信制高校は、個別学習がメインとなります。

そのため、日々の学習だけでなく、受験対策についても、自主的に計画して実行する必要があります。

自己管理に不安がある場合は、進捗状況を確認する支援や定期的な進路相談などのサポートがある学校を選びましょう。

大学進学を目指す仲間をつくりにくい

通信制高校は自宅学習が基本となるので、クラスメイトとの交流が少ないです。

また高校卒業資格の取得を目的として、大学進学を目指さない人も多いので、同じように大学進学を目指す仲間がつくりにくいとも言えます。

友人と切磋琢磨してがんばりたい場合は、大学進学コースがある学校など、同じように大学進学を目指す仲間がつくりやすい学校を選びましょう。

サポートが不十分な可能性がある

通信制高校の中には、生徒からの質問に答えるだけといった最小限のサポート体制しか整っていない学校もあります。

受験に特化した学習計画の立案や、定期的な進路指導など、大学受験のためのサポートがあるかどうかを確認しましょう。

通信制高校から大学進学を目指す際によくある質問

通信制高校から大学進学を目指す際に、よくある質問を紹介します。

Q.通信制高校から独学で大学進学を目指せる?

A.独学で大学進学を目指すことは可能です。

ただし、受験勉強を効率よく進めるには、サポート校を利用するのがおすすめです。

サポート校は学習塾や予備校を運営する企業が、通信制高校と提携することにより、通信制サポート校として運営しているケースがとても多いです。

そのため、サポート校は受験ノウハウの蓄積が多く、受験勉強を有利にすすめることができます。

Q.通信制高校から大学へ進学するには予備校を併用する必要がある?

A.必ずしも予備校を併用する必要はありません。

学力や志望する大学などによって、予備校を併用したほうがよい場合もあるでしょう。

上述の通り、提携しているサポート校があれば、サポート校を利用するのもおすすめです。

Q.通信制高校でも大学進学の指定校推薦は受けられる?

A.通信制高校でも指定校推薦を受けられます。

ただし、推薦を受けられる大学は通信制高校によって異なるので、あらかじめ確認が必要です。

まとめ

通信制高校から大学進学を目指すことは、決して不利にはなりません。

難関国公立大学から有名私立大学まで、多くの進学実績をもつ通信制高校が増えています。ただし、一般的な通信高校だと、十分な受験サポートを得られない場合もあります。

そのため、通信制高校から大学進学を目指すのであれば、専門のコースや大学進学実績の豊富な高校も検討するとよいでしょう。

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