通信制高校を卒業して大学受験・進学を目指そう!がんばれば難関大学合格も可能!

通信制高校を卒業したあと、どんな進路があるのでしょうか。皆さんがイメージしやすいのは大学進学でしょう。ただ、「通信制高校から大学に進学できるか不安」という人も多いものです。実際に、通信制高校を卒業し大学に進学した先輩たちのデータを見ながら、卒業後の進路について考えてみましょう。東大・京大などの進学実績がある通信制高校やサポート校も多数存在するので、努力すれば難関大学への進学も不可能ではありません。
通信制高校の大学進学実績は?
はじめに、通信制高校と全日制高校を卒業した先輩たちの大学進学率の現状を見てみましょう。文部科学省の「平成30年度 学校基本調査」によると、通信制高校から大学に進学する生徒の割合は卒業者数の約18%で、約6人に1人が大学に進学するという計算です。その一方で、全日制高校から大学に進学する生徒の割合は約55%。2人に1人が進学するという結果になっています。
■大学への進学率
学校の種類 | 卒業生数 | 大学進学者数 | 進学者の割合 |
---|---|---|---|
通信制高校 | 53,550人 | 9,885人 | 18.4% |
全日制高校 定時制高校 |
1,056,378人 | 578,042人 | 54.7% |
出典:文部科学省「学校基本調査」(平成30年度)より作成
全日制高校よりも通信制高校の大学進学率が低い理由
全日制高校などと比べて、通信制高校の大学進学率が低い理由はいくつか考えられますが、
- 「高校卒業資格」の取得を目的としている生徒が多いため
- 大学進学以外(専門学校進学、就職)の道に進むため
- レポートをこなすのに手一杯で、大学入試対策まで手が回りにくい
など、通信制高校に通う生徒の目的が大学進学に限らず、バリエーションに富んでいるからでしょう。通信制高校を卒業した直後ではなく、いったんアルバイトなどで学費を稼いでから大学に進学するという人もいます。こうした人たちは統計には含まれませんが、大学進学を目指す人です。通信制高校では、このような進学方法もあることも知っておきましょう。
「通信制高校卒業」は受験で不利になる?
「通信制高校を卒業した場合、受験で不利になるのでは?」という声を耳にすることがありますが、そもそも通信制高校の卒業証書には高校名は記載されるものの、通信制課程であることは記載されません。つまり、大学入試を受ける段階で、通信制課程かどうかが大学に知られることはありません。
また、就職活動において重視されるのは最終学歴のため、大学に進学してしまえばそこが最終学歴になり、どこの学校に通っていたかを問われる機会はほとんどありません。
通信制高校から大学進学を目指すのは簡単な道のりではありませんが、通信制高校から難関大学に進学した先輩も数多くいます。通信制高校は全日制高校と違って、自由になる時間が多いため、時間の使い方次第では大学受験の勉強に集中できます。時間を有効に使い、大学進学を目指しましょう。
通信制高校に通いながら塾や予備校に行くべき?
通信制高の授業は、レポート、スクーリング、テストという3つの学習で進めますが、「高校卒業資格」取得を目的とする生徒の理解に対応するため、「大学進学」を目的とする生徒にとっては物足りないと感じることも。
また、通信制高校の場合、週に何回通うのかを自由に選べるケースが多く、授業を受ける日数が少なければ、その分学習時間も減ってしまいます。そのため、自分のがんばりが重要になってくるでしょう。
大学受験の対策は?
大学合格に必要な学力を補うには、何らかの対策を立てることが必要です。先輩たちの中には、通信制高校に通学しない自由な時間を使って、予備校や塾の自習室で勉強する人もいます。また、最近はスマホやPCで学習できるeラーニング教材で受験勉強する先輩も。塾や予備校は受講料がかかるため、両親と相談してから決めましょう。
受験対策ができる通信制高校もある
通信制高校によっては、あらかじめ「大学進学コース」などを設置し、志望校合格のための受験対策ができる学校もあるため、通信制高校を選ぶ際には、どんな受験対策があるか、サポートは充実しているかなどをオープンキャンパスや個別相談会でチェックしましょう。
大学進学実績を忘れずにチェック
忘れてはいけないのは、その通信制高校の大学進学実績。例えば、家庭教師のトライで培ってきた受験対策のノウハウを活かしたトライ式高等学院や、AIを使った個別学習プログラムで受験対策ができるヒューマンキャンパス高等学校、全国に400校以上の指定校推薦枠があるルネサンス高等学校など、進学実績の高い通信制高校・サポート校も存在します。進学実績の高さは、裏返せばサポートの手厚さの証。通信制高校を選ぶ際に参考にしてください。
・学受験のための対策、参考書などは充実しているか
・定期的な面談・カウンセリング、模擬試験などのサポートはあるか
・先輩たちの大学進学率や合格実績はどうか
通信制高校でも受けられる推薦入試・AO入試
大学受験では、大学が指定する科目の筆記試験で受験する「一般入試」や、センター試験の成績によって合否判定が行われる「センター試験利用入試」が一般的ですが、近年では「推薦入試」や「AO入試」からの合格者は増えており、私立大学入学者の約5割が推薦・AO入試での合格者(※)となっています。
※文部科学省「国公私立大学入学者選抜実施状況」平成29年度データより
「推薦入試」は筆記試験が苦手な人におすすめ
推薦入試は、公募制一般推薦入試、公募制特別推薦入試、指定校推薦入試に分けられます。各大学の出願条件を満たし、高校から推薦書がもらえれば、通信制高校からでも受験することができます。試験内容も書類審査や面接、小論文を指定する大学が多いため、筆記試験が苦手な人でも挑戦しやすい入試と言えるでしょう。
「AO入試」は本人の意欲や個性が問われる
AO入試は、アドミッションズ・オフィス入試の略で、学力だけでなく、本人の意欲や個性、大学側が求める学生像に合っているかどうかが鍵になります。一般的に、内申書や入学後の目標などをまとめた志望理由書による審査のほか、面接や小論文が行われ、その結果によって合否が決まります。
通信制高校から推薦入試やAO入試を受験するのは決して簡単ではありません。しかし、高校卒業資格があれば誰でも挑戦することができ、また、万が一不合格でも、同じ大学・学部の一般入試に再チャレンジすることができるため、大学受験に慣れておく意味でもトライしておきましょう。
通信制高校の生徒が受験可能な入試方法
公募制一般推薦入試
特徴 | ・高校の指定なし ・高校の推薦書が必要だが誰でも受けられる ・高校での学業成績が問われる |
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選抜方法例 | ・書類選考 ・面接 ・学科(能力) ・小論文 |
こんな人におすすめ | ・評定平均値が高い ・コミュニケーション能力に自身がある |
公募制特別推薦入試
特徴 | ・スポーツやボランティア活動経験、資格などがある ・推薦書が必要な場合と不要な場合がある |
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選抜方法例 | ・書類選考 ・志望理由書 ・面接 ・実技試験 |
こんな人におすすめ | ・部活動や特別活動などの実績がある |
指定校推薦入試
特徴 | ・大学が高校を指定して実施する選抜方法 ・出願後の合格率が高い ・募集定員が少なく、高校内で選抜がある |
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選抜方法例 | ・調査書 ・面接 ・小論文 |
こんな人におすすめ | ・生活態度がよく、授業をしっかり受けている ・大学の志望理由が明確 |
■通信制高校の指定校推薦枠の一例
- ルネサンス高等学校:大東文化大学、東洋大学、帝京大学、国士舘大学、京都外国語大学など
- 第一学院高等学校:大阪樟蔭女子大学、専修大学、東京国際大学、日本大学、立正大学など
- NHK学園高等学校:立教大学、帝京大学、二松学舎大学、城西大学、駿河台大学など
AO入試
特徴 | ・大学が求める学生像に合っているかを見られる ・学びへの意欲や関心、志望動機が必要 |
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選抜方法例 | ・志望理由書 ・面接 ・小論文 |
こんな人におすすめ | ・大学への志望理由が明確 ・大学入学後の目標がある |
※詳細は、各大学の募集要項をご確認ください。
通信制高校に指定校推薦枠を与えている大学も数多くあるため、事前に確認しておきましょう。推薦入試でもAO入試を受ける場合、学力や出席率、課題だけでなく、学校行事への積極性なども判断基準になります。面接では、アルバイトやボランティア活動、学校行事などの経験をしっかりとアピールしたいところ。自分に合った入試方法で受験して、大学合格のチャンスを広げましょう。
東京大学、京都大学などの難関校の合格実績も
通信制高校やサポート校によっては、難関大学の受験を対象とした進学コースを用意しています。こういった通信制高校やサポート校であれば、全日制高校のように、学校とは別に学習塾や予備校に通う必要はなく、高校の勉強と並行して大学受験のための講義や指導を受けられます。とても効率良く、東大や京大といった難関大学を目指すことができるのです。
例えば、サポート校のトライ式高等学校には、難関大学や医歯薬系進学を対象とした特進コースがあります。「家庭教師のトライ」で知られるトライグループが運営するサポート校なので、一人ひとりの志望校にあわせた最適なプランを提案し、合格に向けた学習サポートが可能です。
通信制高校のさくら国際高等学校 東京校は、通学が週5日制のみの通信制高校で、全日制並みの授業時間があります。しかも、進学コースが「文系進学コース」「理系進学コース」、文理両方の「総合進学コース」の3つに分かれており、志望校にあわせた授業が受けられます。
同じく通信制高校のクラーク記念国際高等学校では、英語に特化した授業を受けられる「インターナショナルコース」というコースを設けています。ネイティブ教員による授業や海外留学プログラムなどを通じて英語力の向上を図り、難関大学への進学を後押ししています。
このように、難関大学を目指せる体制が整っている通信制高校やサポート校もあるのです。これらの学校以外にも、進学実績として東大、京大、慶應、早稲田などの有名難関大学が並んでいる学校はたくさんあります。難関大受験を目指したい人は、パンフレットを取り寄せて詳細を確認してみるといいでしょう。
トライ式高等学院
- 自由に選べる学習コースを「通学コース」、「在宅コース」、「ネットコース」から選べます!
- 進路で選べる「普通科」と「特進科」のカリキュラム!お子様に合わせた将来を導きます。
さくら国際高等学校 東京校
- 登校は週5日、制服あり。多様なコースでみなさんの夢を応援します!
- 不登校だった人、勉強に自信がない人でも大丈夫。先生や生徒みんなが受け入れてくれる環境があります。
クラーク記念国際高等学校
- 全日制高校平均を超える高い大学進学率!東大・京大をはじめ、国公立・難関私大への合格実績多数!
- 自分の状況に合わせて、日数選択型の「ネット型」と週5日通学の「全日型」から選べる!