通信制高校のスクーリング(授業)って何?どんなことをするの?

通信制高校では、学校で授業を受けることを「スクーリング」と言います。通信教育が基本ですが、通信制高校でもときどき登校して授業を受けなくてはなりません。各教科・科目の単位修得のためには必ず履修しなければならないのです。ここでは、スクーリングで行うことや、スクーリングが必要な理由、スクーリングの回数を減らす方法などを紹介します。

スクーリングとは学校で直接授業を受けること

スクーリングは、単位を修得し、卒業要件を満たすために必要です。あまり通学したくない人の場合は、スクーリングをまとめて行うことで通学する日数を減らすことができます。

レポートの疑問はスクーリングで解消

スクーリングとは、登校して実際に授業を受けること。面接指導とも言います。

通信制高校での学習は、レポートの作成と提出(添削指導)が中心です。提出したレポートは添削されて手元に戻ってくるので、それを確認することで、自分がどういった問題を間違えていたのか知ることができます。しかし、「課題の意図がわからない」「自分がなぜ間違ったのかを理解できない」「添削に納得ができない」といった、レポートのやり取りだけでは解決できない問題が生じることがあります。そういった問題を解消するのが、スクーリングなのです。

スクーリングの履修回数は各教科・科目ごとに定められており、1単位を修得するのに3回のレポート(添削指導)と1回(1単位時間・50分間)のスクーリングを履修します。理科、外国語、芸術、保健体育の体育は、スクーリングの重要度が高いため、1単位を修得するのに4~5回のスクーリングが必要です。

各教科・科目とは別に、ホームルームや遠足といった特別活動もスクーリングの対象で、卒業までに30単位時間の履修が定められています。

■科目ごとの1単位の修得に必要なレポート回数とスクーリングの単位時間

教科・科目 レポート スクーリング
国語、地理歴史、公民及び数学に属する科目 3回 1単位時間
理科に属する科目 3回 4単位時間
保健体育に属する科目のうち「体育」 1回 5単位時間
保健体育に属する科目のうち「保健」 3回 1単位時間
芸術及び外国語に属する科目 3回 4単位時間
家庭及び情報に属する科目並びに専門教育に関する各教科・科目 必要に応じて2~3回 必要に応じて2~8単位時間

スクーリングは受講しやすい服装で

通信制高校では、制服がない学校がたくさんあります。そのため、スクーリングのときの服装は自由です。入学式や卒業式といった式典でない限り、受講しやすい服装で出席しましょう。体育の授業や課外学習などでは、動きやすい服装が求められる場合も。事前のホームルームなどで確認しましょう。

スクーリングの形態は3通り!

一口にスクーリングと言っても、さまざまな通い方があります。自分の好きな時間、曜日に通ったり、特定の期間だけ集中して参加したりと、自由に選ぶことができます。

まとめてスクーリングを行う「集中型」「合宿型」

スクーリングを行う日数は学校によってさまざまですが、月に1~3日ほどが主流です。それでも、生徒個人や仕事、家庭などの事情で、スクーリングに行く時間を確保できない人もいるでしょう。そういう人のために、夏季や冬季、大型連休といった、社会人でも時間の融通の利く時期に集中してスクーリングを行う「集中型」があります。1日に多くの授業を行い、それを複数日続けるのです。

数日間学校に通い続けるのではなく、宿泊施設を利用して、少ない日数でまとめてスクーリングを行う「合宿型」もあります。北海道や沖縄などのリゾート地で合宿型のスクーリングを行い、その土地の文化や風習を授業に取り入れていたりもします。授業料とは別に、合宿地までの交通費や合宿費などがかかります。

もっと学校へ通うなら「通学型」スクーリング

スクーリングをできるだけ少なくするのではなく、一般的な高校と同じように、ほぼ毎日スクーリングを行うタイプの通信制高校もあります。そういった通信制高校では、週3日コース、週5日コースというように通学する日数をコースで選ぶことができます。

通信制高校というと、あまり学校に通えない、または通いたくない人が入学するイメージがあるかもしれませんが、一般的な高校と同じように授業を受けたり、生徒同士の交流をしたりしたい人も少なくないのです。

通学型スクーリングは、授業を受ける日数が多いので、それだけ学習内容の理解が進み、大学受験へ向けての力をたくわえることができます。ほかにも、高校卒業のための授業だけでなく、専門の知識や技術を修得できるコースもあります。自宅で学習を進める自信のない人にも通学型スクーリングはおすすめです。わからないことがあっても、すぐ先生に教えてもらえますし、怠けてしまうこともないでしょう。

>【特集】全日制と同様に毎日通学できる学校まとめ

通学型の授業スケジュールを見てみよう!

ここでは一例として、わせがく高等学校の授業スケジュール(時間割)をご紹介します。わせがく高等学校では、自分の通いたいペースに合わせて通学スタイルを選ぶことができます。

全日型(週5日制)

全日型(週5日制)

月曜日~金曜日の週5日間、朝から通学します。生活や学習のリズムを整えながら、友達と学校生活を送ることができます。

 
9:40~10:20 国語 英語 数学 国語 情報
10:30~11:10 数学 国語 理科 英語 英語
11:20~12:00 英語 数学 公民 理科 数学
12:50~13:30 (個別指導) 理科 総合 (個別指導) レポート作成
13:40~14:20 (部活) 情報 英語 (部活) 公民

※上記スケジュールは、1年次生の補習授業時間割例です。

 

通学型(週2日制)

通学型(週2日制)

月曜日と木曜日の午後から通学します。中学校の学習の総復習と高校の学習の補習授業が中心で、通学日以外は自由に過ごすことができます。

 
12:30~13:10 国語 - - 英語 -
13:20~14:00 公民 - - 理科 -
14:10~14:50 情報 - - レポート作成 -
15:00~15:40 数学 - - 総合 -

※上記スケジュールは、1年次生の補習授業時間割例です。

通学型の通信制高校のメリット

通学型スクーリングの通信制高校は、ほとんど全日制高校と変わらないように感じるかもしれません。しかし、登校時間を昼からにしたり、1日の授業時間を短くできたりと、通信制高校ならではの自由さがあるのです。学校に通う自由も、通わない自由もあるわけです。

あまりスクーリングに行きたくない場合は…

通信制高校は、あまり学校に通わずに卒業することができますが、それでもスクーリングの日数を0日にすることはできません。しかし、スクーリングの時間を可能な限り減らして卒業することはできます。

スクーリングの単位時間は、教科・科目によって異なります。つまり、スクーリングの少ない選択科目を選べば、それだけ履修する時間を減らすことができるのです。

また、通信制高校によっては、ラジオ、テレビの放送やインターネットの動画配信といったメディアを活用したスクーリングを行っています。そういった授業を行っている学校の生徒であれば、メディアの授業を受講することで、スクーリングの単位時間が最大で60%まで免除されます

例えば、国語を4単位修得する場合、12回のレポートの添削指導と、4単位時間のスクーリングを履修する必要があります。しかし、メディアを活用することで2単位時間のスクーリングが免除され、2単位時間だけ履修すれば済みます。

スクーリングを減らしたい人は、メディアによるスクーリングを実施している通信制高校を選ぶと良いでしょう。

>【特集】通学なし!通信教育中心で卒業できる学校まとめ

スクーリングのしくみは各学校の資料で確認

集中型、合宿型、通学型など、スクーリングのしくみは通信制高校によってさまざまです。通信制高校によっては、複数のコースから選択することができたりもします。学校ごとのスクーリングの違いは、資料を取り寄せて確認してください。

どういったタイプのスクーリングが自分にあっているのかを考え、志望校を絞り込んでいきましょう。