通信制高校のスクーリングとは?スクーリングが少ない学校3選も紹介

通信制高校でよく聞く「スクーリング」について、詳しい内容を知らない方もいるのではないでしょうか。 スクーリングとは、通信制高校を卒業する際の単位取得のために必要な「面接指導」のことです。普段はオンラインで授業を受けている生徒もスクーリングには参加する必要があります。 この記事では、スクーリングの種類や実施方法、スクーリングがどんな感じか、参加したくない場合の対処法について解説します。通信制高校への入学を検討している方はぜひ参考にしてください。

通信制高校のスクーリングとは?

スクーリングとは、通信制高校やその他の会場で直接授業を受ける面接指導のことです。自宅学習を行う上で必要な知識を指導してもらったり、学習上の課題についてアドバイスを受けられたりします。

スクーリングは、卒業するための必須条件になっており、教科や科目ごとで回数が決められています。指定の回数を受けることで、高校卒業資格の取得や単位認定試験の受験資格を得ることができます。

スクーリングでは、履修科目の授業や実技科目に加えて、ホームルームや課外授業などの特別活動を行います。

スクーリングの頻度・日数

スクーリングの日数や頻度は、学校によってさまざまです。

また、各教科・科目の面接指導の単位時間の標準は、下表のとおり定められています。

各教科・科目等 面接指導
(単位時間=50分)
国語、地理歴史、公民及び数学に属する科目 1
理科に属する科目 4
保健体育に属する科目のうち「体育」 5
保健体育に属する科目のうち「保健」 1
芸術及び外国語に属する科目 4
家庭及び情報に属する科目並びに専門教科・科目 2~8

出典:文部科学省「令和の日本型学校教育」の実現に向けた通信制高等学校の在り方に関する調査研究協力者会議の開催について」をもとに加工

定められた回数分のスクーリングに参加することで、高校卒業資格取得に必要な単位を修得できます。

スクーリングの種類

スクーリングは学校によって実施回数や会場などが異なりますが、一般的には下記の3種類に分けられます。

  • 通学型:週1~5日など定期的に実施される
  • 集中型:まとまった期間、複数日連続で実施される
  • 合宿型(宿泊型):短期間、合宿形式で実施される

通学型

通学型スクーリングは、定期的に通学し対面で授業を受ける面接指導を指します。在学している通信制高校の校舎、または協力校で開催されます。

一般的には、全日制のように毎日朝から夕方まで授業があるわけではなく、数時間程度というケースもあります。

ただし、全日制にはない専門的な内容を学べるコースの場合には、週5日登校するケースがあります。

定期的に通うため、友人との学校生活を充実させられることや生活リズムを整えやすいことが特徴です。

集中型

集中型スクーリングは、1回に5~10日間の登校を年2~3回行うことが一般的です。

通学型と同様に、在学している通信制高校の校舎、または協力校で開催されます。通学型よりも開催頻度が減るため、1日の授業時間が長くなる傾向にあります。

長期休暇のタイミングで開催されることが多く、仕事との両立がしやすいことも特徴です。

合宿型(宿泊型)

合宿型(宿泊型)スクーリングは、集中型スクーリングの一種で、短期間、学校や宿泊施設に泊まり込みで行われます。

実施の際には、会場までのバスが用意される学校もあります。

また、N高等学校のように沖縄県の離島で自然体験ができるケースもあります。

通学型の授業スケジュールはどんな感じ?

ここでは一例として、わせがく高等学校の授業スケジュール(時間割)をご紹介します。わせがく高等学校では、自分の通いたいペースに合わせて通学スタイルを選ぶことができます。

全日型(週5日制)

全日型(週5日制)

月曜日~金曜日の週5日間、朝から通学します。生活や学習のリズムを整えながら、友達と学校生活を送ることができます。

 
9:40~10:20 国語 英語 数学 国語 情報
10:30~11:10 数学 国語 理科 英語 英語
11:20~12:00 英語 数学 公民 理科 数学
12:50~13:30 (個別指導) 理科 総合 (個別指導) レポート作成
13:40~14:20 (部活) 情報 英語 (部活) 公民

※上記スケジュールは、1年次生の補習授業時間割例です。

通学型(週2日制)

通学型(週2日制)

月曜日と木曜日の午後から通学します。中学校の学習の総復習と高校の学習の補習授業が中心で、通学日以外は自由に過ごすことができます。

 
12:30~13:10 国語 - - 英語 -
13:20~14:00 公民 - - 理科 -
14:10~14:50 情報 - - レポート作成 -
15:00~15:40 数学 - - 総合 -

※上記スケジュールは、1年次生の補習授業時間割例です。

通学型の通信制高校のメリット

通学型スクーリングの通信制高校は、ほとんど全日制高校と変わらないように感じるかもしれません。しかし、登校時間を昼からにしたり、1日の授業時間を短くできたりと、通信制高校ならではの自由さがあるのです。学校に通う自由も、通わない自由もあるわけです。

スクーリングのメリット

スクーリングには、下記のメリットがあります。

  • 教師に直接質問できる
  • 学習へのモチベーションを維持しやすい
  • 普段はできない経験ができる可能性がある

教師に直接質問できる

自宅学習やオンライン授業では、わからないことがあっても回答を得るのに時間がかかります。そのため、理解できなかったり、わからないまま進めてしまったりする可能性があります。

一方、スクーリングでは、直接質問できるので、すぐに回答が得られ、わからないまま放置される心配がありません。

学習に関する進め方や進路に関して相談できる機会でもあるため、教師と直接会える機会をうまく活用しましょう。

学習へのモチベーションを維持しやすい

スクーリングは、仲間と同じ空間で学ぶことができるため、1人で学習するよりもモチベーションを維持しやすい傾向にあります。

自宅学習は自分のペースでコツコツ学習できますが、学習途中でつまずいたり孤独感が強くなったりと、挫折の可能性があります。

一方、スクーリングはほかの生徒も多く集まるため、質問し合ったり、プライベートな話ができたりして交流を深められます。

普段はできない経験ができる可能性がある

通信制高校によってスクーリングの実施内容は異なりますが、内容によっては学校外での活動に参加できます。

たとえば、地方の学校で実施されている合宿型(宿泊型)スクーリングであれば、その土地ならではの歴史学習や観光名所の訪問、郷土料理づくりなどの体験が可能です。

普段の授業では得られない体験により、学習の幅が広がるだけでなく、生徒の成長や社会性の向上につながります。

スクーリングのデメリット

一方で、スクリーニングには下記のようなデメリットがあります。

  • 金銭的な負担が増える
  • 拘束される時間が増える
  • 対面コミュニケーションが求められる

金銭的な負担が増える

スクーリングにはさまざまな費用がかかるため、金銭面での負担が発生します。通学する場合には、学校までの交通費が必要であり、遠方の場合は宿泊費がかかる場合もあります。

通常の授業料とは別に費用が必要なケースが多いため、学校選びの際にはスクーリングの頻度についても事前に調べておくと安心です。

拘束される時間が増える

スクーリングは、登校する必要があるため、拘束時間が増えます。

人によっては仕事など諸事情で、定期的な通学が難しい場合もあるでしょう。

スクーリングの頻度や日数を減らしたい方は、短期間にまとめて実施される集中型や合宿型のスクーリングがおすすめです。

対面コミュニケーションが求められる

スクーリングは対面となるため、人付き合いが苦手な方には負担となる場合があります。

スクーリングは少人数で行われる場合が多いですが、人と会うこと自体がプレッシャーになる方もいるでしょう。

中には、グループで取り組む課題や地域交流を行うケースもあるため、人とのコミュニケーションは避けては通れません。

スクーリングの回数を減らしたい場合には

通信制高校によっては、スクーリングの回数を減らすことが可能です。

たとえば、ラジオやテレビなどのメディアを利用した学習を取り入れることで、スクーリングが一部免除される学校があります。ただし免除を受ける場合には、レポートの提出が必要になる場合があります。

通信制高校にはさまざまなタイプがあります。自分に合った通信制高校を見つけたい方は、通信制高校選びの無料診断がおすすめです。

スクーリング日数の少ない通信制高校3選

スクーリング日数が少ない通信制高校を3校紹介します。

  • ルネサンス高等学校
  • 第一学院高等学校
  • N高等学校・S高等学校

ルネサンス高等学校

第一学院高等学校

N高等学校・S高等学校

まとめ

スクーリングは、卒業するために必要な「面接指導」のことです。学校によって内容や頻度・日数が大きく異なります。

スクーリングの形式は、定期的に通学する「通学型」、短期間集中的に実施される「集中型」、泊まり込みで実施される「合宿型(宿泊型)」の3種類に分けられます。

学校選びをする際には、どのようなスクーリングが自分に合っているのかを吟味して検討することが重要です。

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