高校で不登校でも大学受験はできる?大学に行きたいなら抑えておくべきポイント

高校で不登校の経験があると、「大学受験は難しいのでは?」と感じるかもしれません。 でも安心してください!不登校の経験があっても、大学進学は可能です。 この記事では、高卒認定や通信制高校など、あなたが夢を実現するための具体的な方法や勉強法を紹介します。

不登校でも大学進学は可能?

高校で不登校になったからといって、「大学進学は無理・・・」とあきらめる必要はありません。必要な学力と資格を取得すれば、大学への進学を目指すことができます。

大学受験をするためには、高卒資格か高卒認定が必要になります。

高卒資格

大学に進学するには、高卒資格が必要になります。

不登校のまま高校を卒業できないでいると、大学受験をすることができません。

不登校から高卒資格を得るには、以下の方法が考えられます。

  • 今の学校に復帰して卒業する
  • 「別室登校」などで今の高校を卒業する
  • ほかの高校に転校して卒業する

高卒資格は、全日制高校、定時制高校、通信制高校のいずれかを卒業することで得られます。

不登校になって、今の学校に戻りたくない場合は、通信制高校などに転校するのもひとつの方法です。

高卒認定

高卒認定とは、高校卒業と同等の学力を持っていることを証明するための試験です。

不登校になって、学校を辞めてしまった場合でも、高卒認定試験に合格すれば大学・短大・専門学校の受験資格を得ることができます。

高卒認定試験は年に2回実施され、8~9科目で構成されています。一回で全科目に合格する必要はなく、複数回に分けて受験することができます。

試験科目 国語/地理/歴史/公共/数学/科学と人間生活
物理基礎/科学基礎/生物基礎/地学基礎/英語
実施場所 ・都道府県毎に1会場(計47会場)
・全国の少年院
・刑務所等の矯正施設
(令和5年度は延べ170ヵ所)
受験料 ・7?9科目:8,500円
・4~6科目:6,500円
・1~3科目:4,500円

また、今の高校で単位を取得していれば、試験が免除される場合もあります。

ただし、高卒認定試験に合格しても高校を卒業したことにはならないため、大学を卒業しなかったら最終学歴は「中卒」になります。

不登校だと大学受験は不利?

「不登校だと大学受験で不利なのでは…」と心配しているかもしれませんが、そんなことはありません。

大学の一般入試は、基本的に学力試験です。試験の点数によって選考されるので、高校での成績や出席状況は受験の合否に関係ありません

不登校で授業を受けていない分、不利とも言えますが、試験対策をし、しっかりと学習していれば不登校であっても十分に合格できます。

高卒資格と高卒認定どっちがいい?

では、高校で不登校の場合、高卒資格と高卒認定のどちらを選んだ方がよいのでしょうか。

結論から言うと、「どちらを選んだ方がよい」「どちらが正解」ということはありません

不登校の理由や状況は、人それぞれ。そのため、解決策や進むべき選択肢も人に一人ひとり異なります。

高卒資格、高卒認定、それぞれに特徴があるので、自分に合った選択肢をよく考えることが大切です。

高卒資格 高卒認定
学校 全日制・定時制・通信制のいずれかの高校に通う必要がある 高校に通う必要がない
期間 最短で3年。
転校前に習得済みの単位があれば、短縮できる可能性がある
16歳以上であればいつでも受験可能。
試験に合格すれば資格取得できる
試験 学校による 認定試験に合格する必要がある
サポート 高校で大学受験に向けたサポートを受けられる 自分で受験情報を調べたり学習したりする必要がある
最終学歴 高卒 中卒

例えば、高3で不登校になり、ギリギリで卒業単位が足りなかったケースを考えてみましょう。

「せっかく高校に通ったのに、高卒資格が得られないのはもったいない。でも、留年して後輩と同じ学年になるのはちょっと」と思うかもしれません。

このような場合は、通信制高校などに転校することで、今の高校で習得した単位を活かしつつ、最短で大学受験を目指すことができます。

不登校から大学受験を成功させる勉強法

高卒資格・高卒認定、どちらを選ぶにしても、しっかりと学習をしなければ大学受験を成功させることはできません。

しかし、「どのように勉強をすればよいか分からない」ということもあるでしょう。

ここでは、不登校から大学受験を成功させるためのポイントを紹介します。

学習習慣を身につける

まず、学習習慣を身につけることが重要です。

不登校で学校に行っていないと、強制力が働かないため、学習がおろそかになりがちです。

大学受験を成功させるには、勉強は必須。学校に行っていなくても、毎日勉強をする習慣をつけておきましょう。

苦手な教科や単元を把握する

学校の授業についていけないという理由で不登校になるケースも、珍しくありません。

つい、得意な教科や単元ばかり勉強したくなってしまいますが、高卒資格や高卒認定を取得するには、苦手な分野も含めて、高校で学習することを全体的に理解する必要があります。

自分の弱点を把握することで、何を優先的に勉強すべきかが分かり、効率よく学習を進められます。

基礎固めを優先する

大学受験を目指す場合、次のような英語、数学、国語の基礎的な学習を早めに始めておきましょう。

  • 英語:単語、文法
  • 数学:公式の理解
  • 国語:古文や漢文の文法、句法

理科や社会は、暗記するだけで解ける問題も多いため、比較的短期間で成績を伸ばすことができます。

一方、英語・数学・国語は、基礎的な内容の理解が前提となった問題が出題されます。

覚えることが多く、習得するのに時間がかかるため、優先的に勉強を始めるようにしましょう。

通信教育を利用する

通信教育を利用することで、自分ひとりでも効率よく学習を進めることができます。

高校の学習内容に沿った教材が届くため、それに合わせて勉強していれば、高校卒業に必要な学力を身につけることができます。

また、大学受験向けの通信教育もあるので、それを利用するのもひとつの方法です。

さらに、通信教育にはサポート体制が充実しているものもあります。例えば、オンラインでの質問対応や、定期的な学力テストを受けられるサービスもあります。これによって、理解度をチェックし、必要なサポートを受けながら学ぶことができます。

塾や予備校を利用する

ひとりで学習を進めるのに不安があるなら、塾や予備校を利用するのも有効です。

専門の講師が指導してくれるため、自分で勉強するよりも、効率よく学習を進めることができるでしょう。

また、塾や予備校は、大学受験のノウハウや情報が豊富です。志望校に合格するための対策や、効率の良い学習計画を立てやすくなります。

通信制高校に転校という選択肢も

中学生の場合、不登校でも留年することはなく、学校に行かなくても卒業ができます。

しかし、高校生の場合、学校に行かないと留年してしまい、卒業することができません。

そのため、今の学校に復帰するのが難しければ、転校するか高卒認定を取得するしかありません。

この場合、通信制高校に転校するのは、有効な選択肢のひとつです。

文部科学省の調査によると、年度途中から通信制高校に転入した生徒数は、通信制高校生の約3割にのぼります。

また、通信制高校生の約6割が、「不登校経験がある」ということが分かっています。

通信制高校は自宅で学習を進めるスタイルが主体のため、心の負担を減らしつつ、自分のペースで勉強することができます。

学習面や生活面でのサポート体制も充実しており、ひとりで悩むことなく学習を進めることができます。

さらに、大学受験のサポート体制が整っている学校を選べば、塾や予備校に行かずに志望校合格を目指すことも十分可能です。

大学進学におすすめの通信制高校については、通信制高校から大学進学は不利?おすすめの通信制高校5選も紹介を参考にしてください。

まとめ

高校で不登校だからといって、大学進学の夢をあきらめる必要は全くありません。

高卒資格や高卒認定を取得すれば、不登校でも大学受験をすることができます。高卒資格・高卒認定は、「どちらがよい」「どちらが有利」ということはありません。

大学受験の成功率を上げるためには、サポートが充実した通信制高校への転校は、有力な選択肢です。自分に合った環境を見つけて、大学進学を目指してください。