通信制高校の偏差値は高い?低い?大学を目指せるかどうかまで解説
公開日:2019年03月28日 更新日:2025年01月14日

通信制高校を検討している人の中には、通信制高校にはどのくらいの偏差値があれば通えるのかが気になる人もいるでしょう。 結論から言うと、通信制高校には偏差値という考え方がありません。通信制高校の入試では面接や作文がメインで行われ、学力試験を実施しない学校が多いです。そのため、偏差値を測る学力基準がありません。 この記事では、通信制高校から大学を目指せるのかどうかについて解説します。偏差値60や70を超える難関大学への進学実績をもつ学校も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
- 通信制高校に偏差値の基準はない
- 自分に最適な通信制高校を選ぶ3つの基準
- 通信制でも学習の取組み方で有名大学は目指せる!
- 通信制高校から大学を目指す3つのデメリット
- 通信制高校から大学を目指す4つのメリット
- 通信制高校から偏差値の高い大学を目指すための3つのポイント
- 通信制高校の偏差値や学力に関するよくある質問
- まとめ
通信制高校に偏差値の基準はない
通信制高校には、偏差値の基準がありません。
通信制高校は、学習意欲のある人に広く門戸を開き、個々の事情や目標に応じた学びの機会を提供することを重視しています。入学試験では面接や作文を採用しており、学科試験を実施していないケースが多いです。
一部の通信制高校では学力試験を実施しているところもありますが、中学校で学ぶ基本的な内容が多く、合否を決定する重要な要素ではありません。
通信制高校の受験について詳しくは、『通信制高校にも受験はあるのか?受験内容や難易度について解説』をあわせて参考にしてください。
自分に最適な通信制高校を選ぶ3つの基準
自分に最適な通信制高校を選ぶ基準は、以下の3つが挙げられます。
- 公立か私立か
- 目的に合っているか
- サポート内容が充実しているか
公立か私立か
通信制高校には公立と私立があり、主な違いは以下のとおりです。
公立 | 私立 | |
---|---|---|
スクーリング | スクーリングの日はある程度決まっている | スクーリングの日や頻度を自由に決められる |
入学できる地域 | 狭域 | 狭域・広域 |
学費 | 私立に比べて安い | 公立に比べて高い |
運営元 | 地方自治体(都道府県) | 学校法人や企業 |
公立は学費が安いものの自宅学習がメインなので、自己管理能力を求められます。一方で私立は生徒に合わせたサポート体制が整っているものの学費が高い傾向があります。
通信制高校の広域と狭域の違いについては、『通信制高校の広域と狭域の違い』を参考にしてください
目的に合っているか
生徒の目指す将来像と学校のカリキュラムが合っているかどうかも、通信制高校を選ぶ基準のひとつです。
通信制高校では、生徒の多様なニーズに応えるために特色のあるコースが用意されています。
- 難関大学対策講座や個別指導を充実させたコース
- プロのアスリートを目指せるコース
- プログラミングなどのIT関連スキルを習得できるコース
- 調理師やパティシエの資格を取得できるコース
例えば、大学への進学を検討しているのであれば、受験対策ができるコースを選択するのがおすすめです。
また、将来就きたい職業が決まっているなら、専門的に学べるコースを選ぶことで、就職にもつながりやすくなるでしょう。
サポート内容が充実しているか
通信制高校の卒業に必要な単位を取得するためには、自宅学習やレポート提出が必要です。
全日制高校とは異なり、日々の学習進度や計画を生徒自身で管理していく必要があるので、自己管理能力が求められます。
そのため、自己管理ができるか不安な場合は、学習面やメンタル面のサポートが充実している学校を選択するのがおすすめです。
例えば、卒業後の進路を見据えた場合、大学進学や就職に向けた専門的なサポートがある通信制高校を選ぶとよいでしょう。
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通信制でも学習の取組み方で有名大学は目指せる!
学習の取り組み方次第で、通信制高校からでも有名大学への進学を目指せます。
令和5年度の文部科学省「学校基本調査」によると、令和4年度に通信制高校から大学へ進学した生徒の割合は24.1%です。通信制高校の中でも、公立からの進学は15.5%、私立の場合は25.2%となっています。
大学進学に力を入れている通信制高校では、受験に精通している講師による個別指導やサポートが受けられます。苦手科目を克服するカリキュラムや、志望校に必要な科目のみに特化したカリキュラムを組んでくれる学校もあります。
通信制高校から大学進学を検討している人は、『通信制高校から大学進学は不利?おすすめの通信制高校5選も紹介』をあわせてご覧ください。
偏差値60や70を超える難関大学への進学実績をもつ学校がある
通信制高校の中には、偏差値60や70を超える難関大学への進学実績をもつ学校があります。
難関大学への進学実績をもつ通信制高校の具体例は、以下の通りです。
- N高等学校:東京大学、京都大学、一橋大学、筑波大学、東京工業大学など
- トライ式高等学院:東京大学、京都大学、早稲田大学、慶應大学、上智大学など
- クラーク記念国際高等学校:京都大学、東北大学、名古屋大学、東京工業大学、筑波大学など
- 第一学院高等学校:京都大学、東京藝術大学、北海道大学、東北大学など
学校によっては、志望校に特化したカリキュラムを組んでいたり、予備校を併設していたりします。
難関大学への進学を考えている人は、自分が行きたい大学への進学実績があるかを確認しておくとよいでしょう。
通信制高校から大学を目指す3つのデメリット
通信制高校から大学を目指すデメリットは、以下の3つです。
- モチベーションの維持が難しい
- 自己管理能力が求められる
- 学習に集中できる環境づくりが必要になる
モチベーションの維持が難しい
通信制高校では、自宅での学習が中心となるので、大学受験に向けたモチベーションの維持が難しいというデメリットがあります。
全日制高校であれば、ほかの生徒と毎日教室で一緒に勉強するため、お互いにモチベーションを高め合えるでしょう。しかし、通信制高校は自宅学習がメインなので、自分でモチベーションを維持する必要があります。
モチベーションを維持するためには、スクーリングの日数を増やしたり対面指導が受けられるサポート校を活用したりするとよいでしょう。
自己管理能力が求められる
通信制高校は自宅学習がメインなので、学習計画の作成から実行、進捗などを自分で管理する必要があります。
自己管理能力に不安がある場合は、毎日通学して授業を受ける全日型や個別指導を取り入れている学校を選択するとよいでしょう。
学習に集中できる環境づくりが必要になる
通信制高校では自宅学習が基本となるので、家庭内で集中できる学習環境を整えることが必要です。
例えば、勉強する場所にテレビやゲーム機があると、集中力が途切れてしまったり、誘惑に負けてしまったりする可能性があります。勉強している時間帯は集中できるような環境を整えることが大切です。
通信制高校に通うデメリットについて気になる人は、『通信制高校に通うデメリット5選!後悔しない学校選びの基準とは?』をあわせてご覧ください。
通信制高校から大学を目指す4つのメリット
通信制高校から大学を目指すメリットは、以下の4つです。
- 受験に必要な教科を集中して学べる
- 入学の間口が広い
- 大学を目指すサポート体制が整っている
- 指定校推薦枠がある
受験に必要な教科を集中して学べる
通信制高校では、カリキュラムの自由度が高いので、受験に関係する科目だけに特化して学習することが可能です。
例えば、理系志望であれば数学や理科、文系志望であれば英語や国語を学ぶための時間を多く確保できます。
限られた時間を有効活用し、受験に必要な科目の学習に注力できることは、通信制高校の強みと言えるでしょう。
入学の間口が広い
通信制高校は入学の間口が広いため、不登校経験者や働きながら勉強したい生徒にとっても、大学進学を目指しやすい環境です。
例えば、心身の不調や不登校経験がある生徒であれば、自宅でのオンライン学習と年に数回のスクーリングを組み合わせることによって、無理なく大学進学を目指せます。
また、以下のようなサポート体制が充実している学校があります。
- 生徒や保護者のメンタルケアを行うカウンセラーが常駐している
- ICT教育の導入によってオンライン上のサポートが充実している
- 社会とつながる活動を行っている
通信制高校は、環境や事情に関わらず学習意欲があれば、大学進学を目指せるでしょう。
大学を目指すサポート体制が整っている
通信制高校には、大学進学に特化した独自のサポートを提供している学校があります。
大学進学に特化したサポート体制の例は、以下の通りです。
- 個別授業や少人数制の授業で受験対策を行っている
- 大学受験に精通した講師が学習の進め方をサポートする
- 有名予備校の講師による特別講座を開催している
サポート体制は学校によって異なるため、大学進学に特化したコースがある通信制高校を選ぶことをおすすめします。
指定校推薦枠がある
全日制高校では一般的に知られている指定校推薦は、通信制高校にもあります。
指定校推薦は、高校側が基準を満たした生徒を選抜して推薦するので、ほぼ確実に希望の大学に進学できる点が強みです。
通信制高校は、全日制高校に比べて時間に余裕があるため、空き時間で推薦入試(面接や小論文など)に向けた対策もできます。
大学進学を考えているのであれば、指定校推薦枠がある通信制高校を選ぶとよいでしょう。
通信制高校から偏差値の高い大学を目指すための3つのポイント
通信制高校から偏差値の高い大学を目指すポイントは、以下の3つです。
- 大学受験に特化した学校を選ぶ
- 難関大学への進学実績が豊富な学校を選ぶ
- サポート校の併用を検討する
大学受験に特化した学校を選ぶ
偏差値の高い大学への進学を目指す場合、受験に向けた学習環境が整っている通信制高校を選択することが重要です。
一般的な通信制高校は、高校卒業資格の取得を目的としたカリキュラムを編成しているので、大学受験に必要な対策まで十分にカバーできない場合があります。
志望校に合格するためには、単位取得だけでなく、大学入試に対応した専門的なカリキュラムや、個別指導が受けられる学校を選択することが大切です。
資料請求や学校見学を行い、大学合格実績や具体的なサポート内容をチェックしましょう。
ズバット通信制高校比較では、大学進学のサポートに強みのある通信制高校が掲載されています。複数の学校のカリキュラムや特徴を比較し、気になる学校の資料をまとめて請求できるので、ぜひ利用してみてください。
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学校を探す難関大学への進学実績が豊富な学校を選ぶ
進学実績の豊富な通信制高校を選ぶことは、大学進学を目指すうえで大切なポイントです。
実績のある学校は、難関大学合格のノウハウをもっており、実践的なアドバイスを受けられる可能性があります。
特に志望大学への合格実績があると、先輩たちの合格体験談や学習方法なども参考にできるでしょう。
学校選びの際は、資料請求や学校見学をし、実際の指導内容や支援体制を詳しく確認しましょう。
サポート校の併用を検討する
通信制高校から難関大学を目指すには、サポート校の併用も選択肢のひとつです。
サポート校とは、単位取得や受験指導といった、通信制高校の卒業や大学受験に関するさまざまなサポートが受けられる教育施設です。
学校としての認可を受けていないため、サポート校だけでは高校卒業資格を得られません。しかし、通信制高校と併用することで、学習面やメンタル面のサポートを受けながら高校卒業や大学進学を目指せます。
特に大手予備校が運営するサポート校では、難関大学の出題傾向に合わせた受験対策や、定期的な模擬試験などが実施されています。
サポート校について詳しくは、『サポート校とは?通信制高校との違いや利用の判断基準』をあわせて参考にしてください。
通信制高校の偏差値や学力に関するよくある質問
最後に、通信制高校の偏差値や学力に関するよくある質問を紹介します。
Q.学力不足でも通信制高校に合格できる?
A.通信制高校の入学試験は、学力不足でも合格できる可能性は高いです。
通信制高校は、さまざまな背景をもつ生徒を受け入れる目的から、入学試験に作文や面接を採用しています。そのため、全日制高校のような学力試験がありません。
しかし、学力試験がないからといって誰でも合格するというわけではありません。通信制高校に不合格になる主な原因は、以下の通りです。
- 素行が悪い
- ルールを守れない
- 定員がオーバーしている
通信制高校の入学試験では、志望動機や学習意欲の有無が重視されています。通信制高校を受験する動機や、学校で取り組みたいことを伝えて、入学への意欲をアピールすることが大切です。
Q.通信制高校の学力レベルはどのくらい?
A.通信制高校の学力レベルは、高卒資格の取得を重視した基礎的な内容が中心なので、決して高くはありません。
学校によっては、生徒の理解度に応じて個別指導も行われるので、自分のペースで着実に学習を進められるでしょう。
Q.通信制高校にはどんな人が行く?
A.通信制高校に通う生徒の特徴は、以下の通りです。
- 小学校や中学校で不登校の経験がある
- 体調不良によって全日制高校への通学が難しい
- 全日制高校を退学している
- タレントやスポーツ選手である
- 働きながら高卒資格の取得を目指している
- 自分のペースで大学受験を目指している
文部科学省「高等学校教育の現状」によると、通信制高校の生徒は、平成27年から令和5年まで右肩上がりで増加しています。
通信制高校に通う生徒について詳しくは、『通信制高校に通う普通の子はいる?生徒の特徴や向いていない人の特徴まで解説』をあわせてご覧ください。
まとめ
多くの通信制高校では、学力試験ではなく面接や作文による選考を採用しています。学力ではなく、生徒の意欲や目的を重視しているので、偏差値という考え方がありません。
基礎的な内容が中心のため、学力レベルは決して高くはありませんが、学習への取り組み次第で大学進学が可能です。
通信制高校から大学進学を目指している人は、大学進学に特化したカリキュラムやサポート体制がある学校を選ぶとよいでしょう。
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