定時制高校の入試と入学(転入、編入)の手続き

定時制高校への入学、転入、編入に必要な手続きや書類などについて紹介します。また、定時制高校によっては、在籍していた高校と定時制高校あわせて3年で卒業する方法があります。同年代の人たちと同じタイミングで卒業、進学したい人は確認してください。

定時制高校へ入学、転入、編入できる時期

定時制高校は、入学、転入、編入ができる時期が決まっています。いつでも自由に入学できるわけではないので、いま在籍している高校をやめようとかんがえている人は、注意しましょう。

定時制高校へ入学できる時期

定時制高校へ入学できるのは、基本的に4月のみです。入学資格はほかの高校と同じで、すでに中学校を卒業している、または卒業見込みであることです。高校の卒業資格がある人は入学できません。そして、入試(入学者選抜学力検査)に合格すれば、定時制高校へ入学できます。

推薦を受けている場合、入学願書の受付は1月半ばごろ。推薦による入試は、2月上旬で一般入試より早い時期に行われます。

一般入試の場合は、入学願書の受付は2月上旬で、入試は2月下旬になるのが一般的です。一般入試(一次募集)で入学者が募集人数に足らないときは、二次募集が行われることがあります。二次募集は、3月上旬に入学願書を受け付け、3月中旬には入試を行います。

住んでいる地域によって、入学願書の受付日や入試日が異なります。事前に在籍している中学校や志望する定時制高校に問い合わせて確認してください。

定時制高校へ転入できる時期

在籍している高校を中退することなく、別の学校へ学籍を移すことを転入(転校、転学、転入学)といいます。転入できるのは、志望する学校で補欠募集をしているときに限られます。学生に欠員がないときは、転入できません。

全日制高校から定時制高校への転入は、原則として全日制高校で通っていた学科と同じ学科でのみ可能です。例えば、普通科なら普通科のみ、商業科なら商業科のみ受け入れてくれます。例外として、1年生の早い段階なら、異なる学科でも受け入れてくれることがあります。

また、学年制から学年制、単位制から単位制、学年制から単位制の高校への転入は、受け入れる学校の基準以上に学力が達していれば問題ありません。しかし、単位制から学年制の高校への転入は難しく、1年生の早い段階を除くと、ほぼ不可能とされています。

転入先の定時制高校が学年制の場合、転入できる時期は、3学期制なら1~3学期、2学期制なら前期か後期の各学期始まりに限られます。4年制の定時制高校に転入する場合、ほとんどが転出した高校と同じ学年になりますが、修得単位数が多い場合に限り、ひとつ上の学年に入れる学校もあります。

単位制の定時制高校へ転入する場合、転入できる時期は、各高校によって異なります。編入を常に受け付けている、年に3~5度受け付けている、年に2回受け付けているなど、学校によって転入できる時期はさまざまです。転入時にどの程度の単位数が引き継げるかは、学籍(就学)状況証明書、教育課程票、修得単位証明書や成績証明書といった転出する高校が発行する書類を基に、転入する高校が判断します。

定時制高校へ編入できる時期

以前に通っていた高校を中退し、改めて高校へ再入学することを編入といいます。転入と同じく、定時制高校が補欠募集をしていないときは編入できません。編入できる時期は、編入先の学校の新年度からになります。一般的には4月です。

編入先が学年制の定時制高校の場合、中退したときの学年が2年生なら、1年生の単位を修得しているため、2年生の新年度から編入できます。同様に3年生のときに中退した場合は、3年生の新年度からの編入になります。1年生で中退した場合は、2年生への進級直前まで授業を受けていたとしても、単位が未修得となり、1年生からやり直すことになります。

学年制の学校から単位制の定時制高校へ編入する場合は、2年生のときに中退しなら1年生修了時の単位数を引き継ぎ、3年生で中退したなら2年生修了時の単位を引き継げます。1年生で中退した場合は、すべての単位が未修得となります。

随時入学することができる通信制高校4選

通信制高校も随時編入や転入を募集している学校があります。
いくつか学校をピックアップしていますので、各学校の特徴などをチェックしてみてください。

定時制高校の入試と面接。偏差値はどれくらい?

高校への入学では、偏差値を基準に学校を選びます。しかし、定時制高校の場合、入学試験があっても、偏差値はありません。基本的に誰でも入学できるように、門戸が開かれています。

入試は国語、英語、数学の3教科が基本

ほとんどの定時制高校では、入試(転入学力検査、編入学力検査も含む)を国語、英語、数学の3教科で行います。一部の高校では、国、英、数の3教科に、社会、理科、作文が加わります。高校によっては、学力検査を行わない、あるいは年齢が成人以上に限り、学力検査を行わない、といったところもあります。

多くの定時制高校では、学力検査のほかに面接も行いますが、生徒を選り分けるものではありません。学習への姿勢や意欲を確かめるものなので、質問には素直に答えましょう。

定時制高校に偏差値はない

定時制高校は学年制、単位制を問わず、高校卒業の資格を得ることを最優先にしています。進学校のように、成績で優劣を競う授業をしていないため、偏差値はありません。

逆にいうと、定時制高校で学ぶ授業は、高校卒業の資格得るための、最低限の内容となっています。大学への進学を目指すのならば、高校のほかに大学進学予備校に通うなどして、不足している学力を補う必要があります。

定時制高校への転入、編入に必要な手続き

転入に必要な手続き

公立の定時制高校は、原則として高校と同じ地域(都道府県)に住む人、あるいは同じ地域に勤務地がある人であれば転入できます。

転入するには、転出する高校と転入を予定している高校の校長の承認が必要です。転入をしたいときは、学校にその旨を伝えて、書類の発行をお願いしましょう。転入するときは、次の書類が必要になります。

■転入に必要な書類

  • 転入用入学願書(転入を希望する高校に請求する)
  • 現住所または引越し先の住所が確認できるもの。もしくは勤務先の所在地が確認できるもの
  • 転入照会書(転出する学校が発行する)
  • 在学証明書(転出する学校が発行する)
  • 成績証明書または単位修得証明書
  • その他、転入先の高校が定めた書類
  • 入学考査料(料金は地域によって異なる)

編入に必要な手続き

公立の定時制高校に編入するには、原則として高校と同じ地域(都道府県)に住む人、あるいは同じ地域に勤務地がある必要があります。

定時制高校に編入するには、成績証明書あるいは単位修得証明書が必要なので、在籍していた学校に請求して発行してもらいます。

■編入に必要な書類

  • 編入用入学願書(転入を希望する高校に請求する)
  • 現住所または引越し先の住所が確認できるもの。もしくは勤務先の所在地が確認できるもの
  • 成績証明書または単位修得証明書(在籍していた高校が発行する)
  • その他、転入先の高校が定めた書類
  • 入学考査料(料金は地域によって異なる)

定時制高校を3年で卒業するなら…

定時制高校は、4年かけて卒業するのが基本です。しかし、それでは同年代の人たちから卒業が1年遅れになってしまいます。3年で卒業するには、通常のカリキュラムとは別に高卒認定試験を受けていたり、単位を修得したりと工夫が必要です。

学年制の定時制高校を3年で卒業する

定時制高校は、4年かけて卒業するのが一般的です。しかし、定時制高校の中には、1日の授業数を多くすることで、3年で卒業できる学校があります。そういった学校であれば、以前在籍していた学校の学年をそのまま引き継ぎ、在籍していた学校と定時制高校あわせて3年で卒業が可能です。

問題は、3年制の高校から4年制の定時制高校に転入、編入するときです。定時制学校へ転入、編入するときは、同じ学年になるため、卒業まで在籍していた学校と定時制高校あわせて4年かかることになります。しかし、一定の条件を満たすことで、ひとつ上の学年で転入することが許され、3年での卒業が可能になります。

高卒認定試験に合格していると、単位が免除されるため、1学年上で定時制高校に転入、編入できるのです。ただし、高卒認定による単位の加算、免除は、各学校に一任されています。入学する前に学校に確認しておきましょう。

単位制の定時制高校を3年で卒業する

学年制に比べると、単位制の定時制高校のほうが、3年で卒業しやすいしくみになっています。高校の卒業には、74単位が必要です。学年制の高校から定時制高校に転入、編入すると、修了した学年によって修得した単位が加算されます。

転入、編入するときに1年生を修了していれば30単位を修得していることになるので、卒業に必要な単位は44単位、1年あたり22単位で済みます。2年生を修了して転入した場合は、残り14単位だけです。これなら簡単に卒業を目指せそうです。

学年制を採用している高校では、学年を修了するのに必要な単位が不足していると、留年(原級措置)となります。そこで、留年しそうになったら、単位制の定時制高校へ転入するのもひとつの方法です。定時制高校によっては、これまでの学習分を単位として認めてもらえることがあるのです。

単位制を採用している高校には、留年はありません。必要な数の単位を修得すれば、それで卒業となります。転入後にがんばれば、3年で卒業することは十分可能です。