通信制高校への編入と転入の違いを解説!注意点から判断ポイントまで紹介
公開日:2018年02月13日 更新日:2025年01月14日
「不登校に悩んでいる」「中退したけど学び直したい」といった理由で通信制高校を検討している人もいるでしょう。 しかし、編入か転入かによって、願書の受付期間や卒業できる時期が異なる点に注意が必要です。タイミングによっては同学年の生徒と卒業時期がずれることもあります。 この記事では、通信制高校への編入・転入の違いについて詳しく解説しています。 編入・転入時の単位の引き継ぎ方法や学年別のポイント、手続きの流れまで紹介しているので、通信制高校への編入・転入を検討している場合はぜひ参考にしてください。
- 通信制高校への「編入」と「転入」の違い
- 通信制高校へ編入・転入する際の注意点
- 【学年別】編入・転入する際のポイント
- 編入・転入する4つのメリット
- 編入・転入する3つのデメリット
- 編入と転入のどちらを選ぶべきか?
- 編入・転入するための試験や手続きの流れ
- 編入・転入するために必要な書類
- 編入・転入を後悔しない通信制高校の選び方
- まとめ
通信制高校への「編入」と「転入」の違い
編入と転入の違いは、以下の通りです。
- 編入とは退学してから入り直すこと
- 転入とは在籍しながら通う学校を変えること
編入とは退学してから入り直すこと
編入とは、在籍している学校を退学し、新しい学校に入り直すことを指します。
編入の特徴は、以下の通りです。
- 退学した学校は中退扱いになる
- 学校に在籍している期間に空白期間が生じる
- 卒業時期が延びる
在籍していた学校を退学してから新しい学校に入り直すので、退学した学校は中退の扱いになります。
退学した学校で取得した単位は、卒業に必要な単位数として編入後の高校で引き継げるケースがあります。その場合、通信制高校に編入したのち、取得済みの単位を差し引いてカリキュラムの編成を行います。
ただし、学校に在籍している期間に空白期間が生じるので、卒業時期が延びてしまう点に注意が必要です。
転入とは在籍しながら通う学校を変えること
転入とは、在籍している学校を退学することなく、新しい学校に入り直すことを指します。
転入の特徴は、以下の通りです。
- 転入前の学校は中退扱いにならない
- 学校に在籍している期間に空白期間が生じない
- 転入時期によっては卒業時期が延びない
在籍していた学校を退学することなく新しい学校に入り直せるので、転入前の学校は中退の扱いになりません。
また、編入と同様に取得済みの単位を新しい学校に引き継げる可能性があります。
学校に在籍している期間に空白期間が生じないので、転入する時期を見極めれば卒業時期を延ばさずに卒業できます。
通信制高校へ編入・転入する際の注意点
通信制高校へ編入・転入する際の注意点は、以下の4つです。
- 編入・転入する時期を考慮する
- 引き継げる単位数を確認する
- 編入・転入後の卒業時期を把握する
- 編入・転入にかかる費用を算出する
編入・転入する時期を考慮する
通信制高校の場合、転入は随時受け付けている学校が多い一方で、編入は受付期間が決まっているケースがあります。
主な通信制高校の編入・転入の入学時期は、以下の通りです。
学校 | 転入時期 | 編入時期 |
---|---|---|
鹿島学園高等学校 | 毎月1日 | 毎月1日 |
飛鳥未来高等学校 | 随時 | 随時 |
飛鳥未来きずな高等学校 | 随時 | 随時 |
第一学院高等学校 | 随時 | 随時 |
ルネサンス高等学校 | 随時 | 4月、7月、10月、1月 |
ルネサンス豊田高等学校 | 随時 | 4月、10月 |
ルネサンス大阪高等学校 | 随時 | 4月、10月 |
ワオ高等学校 | 随時 | 随時 |
ID学園高等学校 | 随時 | 4月、10月 |
勇志国際高等学校 | 随時 | 随時 |
クラーク記念国際高等学校 | 4月~12月 | 4月 |
ECC学園高等学校 | 随時 | 4月、10月 |
ヒューマンキャンパス高等学校 | 随時 | 随時 |
※キャンパスによって入学時期が異なる学校もあります
編入の場合は、受付のタイミングが限られているケースもあり、転入のようにすぐに入れるとは限りません。
在籍期間の空白が長くなるほど卒業時期も遅くなるため、希望の通信制高校がどのタイミングで編入を受け付けているのか、早めに確認しておきましょう。
引き継げる単位数を確認する
通信制高校へ編入・転入した場合は、前籍校で取得した単位を引き継げる可能性があります。
しかし、年度途中に編入・転入すると、その間の単位は引き継ぎできません。例えば、高校2年の10月に編入・転入した場合に引き継がれるのは、高校1年で取得した単位のみです。
仮に、高校1年の途中で通信制高校へ編入・転入すると、引き継げる単位はありません。
通信制高校へ編入・転入後に取得する単位は、前籍校で取得した単位を除いて計算されるため、引き継げる単位を事前に確認しておく必要があります。
編入・転入後の卒業時期を把握する
通信制高校へ編入するか転入するかによって、卒業時期が延びるケースがあるので、事前に確認しておきましょう。
高校を卒業する条件のひとつに「3年以上在籍していること」が挙げられます。編入の場合は、学校の退学に伴い在籍期間に空白が生じるので、その分卒業時期が延びます。
また、高校3年の途中で転入すると、卒業までに必要な74単位以上の取得が間に合わず、卒業時期が延びる可能性があるでしょう。
卒業時期が延びてしまうと、大学受験や就職といった卒業後の進路に影響が出るので、あらかじめ卒業時期を把握しておくことが重要です。
編入・転入にかかる費用を算出する
通信制高校の編入・転入にかかる主な費用は、以下の通りです。
- 入学金
- 施設・設備費
- 授業料
- 教材費
- スクーリング費
通信制高校では単位制を採用しているケースが多く、取得する単位数によって授業料が変わります。そのため、編入・転入前の学校から引き継げる単位数によって授業料が変動する仕組みです。
授業料や入学金といった費用は、公立か私立かによっても異なるので、複数の通信制高校を比較してみるのもおすすめです。
通信制高校にかかる費用について詳しくは、『通信制高校の学費は安い?3年間でいくらかかるか全日制・定時制高校と徹底比較』をあわせて参考にしてください。
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【学年別】編入・転入する際のポイント
通信制高校へ編入・転入する際のポイントを、学年別に解説します。
高校1年生の場合
全日制高校は学年制を採用しているので、高校1年生で年度途中に通信制高校へ編入・転入する場合は、引き継ぎできる単位がありません。そのため、高校1年生の途中で編入・転入すると一から単位を取得する必要があります。
編入の場合は卒業時期が延びるのが一般的ですが、高校1年生という早い段階で転入することによって、全日制高校の同級生と同じ時期に卒業できる可能性が高いです。
三学期に編入・転入を検討している場合は、学年末までもとの学校に在籍・履修することで、高校1年生分の単位を引き継いで通信制高校に編入・転入ができます。
高校2年生の場合
高校2年生で年度途中に編入・転入した場合は、高校1年生で取得した単位は引き継ぎできますが、高校2年生で履修中の科目の単位は引き継ぎできません。
そのため、編入の場合は、学校に在籍していない空白期間も加味すると、卒業までの期間が半年ほど延びる可能性があります。
一方で、転入は学校の在籍期間に空白が生じないので、適切なカリキュラム編成を通信制高校で組むことによって、全日制高校の同級生と同じ時期に卒業が可能です。
高校3年生の場合
高校3年生で年度途中に編入・転入した場合は、高校2年生までに取得した単位を引き継ぎできますが、高校3年生で履修中の科目の単位は引き継ぎできません。
また、高校3年生では、転入を選択した場合でも転入する時期が遅くなるほど、通信制高校での単位取得に十分な時間の確保が難しくなり、3月で卒業できない可能性があります。
大学進学や就職を目指している場合には、受験勉強や就職活動と単位取得の両立という課題も生じます。高校3年生で編入・転入を検討する際は、卒業後の進路も見据えてできるだけ早く決断しましょう。
通信制高校から大学進学を検討している人は、『通信制高校から大学進学は不利?おすすめの通信制高校5選も紹介』をあわせて参考にしてください。
編入・転入する4つのメリット
通信制高校へ編入・転入するメリットは、以下の通りです。
- 定期的な通学が難しくても高卒資格を得られる
- さまざまな人に対応するサポート体制が整っている
- 前の学校で取得した単位を引き継げる
- 自分のペースで学習できる
定期的な通学が難しくても高卒資格を得られる
通信制高校は、全日制高校のように毎日通学する必要がありません。柔軟に学習スタイルを決められるので、以下のような事情で毎日の通学が困難な生徒も高校卒業の資格を得られます。
- 競技スポーツや芸能活動にかかわる生徒
- 持病や不登校などの理由で通学に課題を抱える生徒
- 仕事と学業を両立する必要がある生徒
さまざまな人に対応するサポート体制が整っている
通信制高校では、学習環境や生活リズムが異なるさまざまな生徒に対応するため、サポート体制が整っています。
通信制高校の主なサポート体制は、以下の通りです。
- 精神的な不安を抱える生徒に向けた専門カウンセラーの常駐
- 身体的な事情で通学が困難な生徒向けのオンライン個別指導
- 大学進学を目指す生徒に向けた個別の受験対策
- 個々人の活動(スポーツ遠征等)のため、継続した通学が困難な生徒向けの指導
特に私立の通信制高校では、学習支援システムやICTツールの導入にも積極的です。
前の学校で取得した単位を引き継げる
通信制高校への編入・転入は、在籍していた学校で取得した単位を引き継ぎできます。
高校卒業の資格を得るためには、学校教育法施行規則第九十六条にもとづき、74単位以上の単位取得が必要です。
例えば、全日制高校で1年生のときに30単位を取得していた場合、編入・転入後の通信制高校では、残りの44単位の取得を目標にカリキュラムを編成します。
自分のペースで学習できる
通信制高校では、全日制高校のように決められた時間割にしばられることなく、理解度やペースに合わせて学習を進めることが可能です。
例えば、苦手な科目は時間をかけて取り組み、得意な科目は先取りして学習することもできます。
また、1年間で取得する単位数も調整できるので、在籍期間を3年から4年に延ばすといった方法で全体的にゆっくりと進めることも可能です。
編入・転入する3つのデメリット
通信制高校へ編入・転入するデメリットは、以下の3つです。
- 編入の場合は中退の経歴が残る
- 卒業時期が延びる可能性がある
- 友だちをつくる機会が減少する
通信制高校に通うデメリットについて気になる人は、『通信制高校に通うデメリット5選!後悔しない学校選びの基準とは?をあわせてご覧ください。
編入の場合は中退の経歴が残る
編入の場合は、現在の高校を一度退学して新しい学校へ入り直す必要があるので、経歴上では退学した学校は中退という扱いになります。
就職活動の際に、中退しているという経歴が採用可否に影響する可能性もあるでしょう。
しかし、通信制高校で学び直し、卒業までやり遂げた意欲や向上心を示せれば、自己アピールにつながる場合もあります。
もし中退の経歴を残したくない場合は、転入を選択することをおすすめします。
卒業時期が延びる可能性がある
通信制高校への編入や転入によって、卒業時期が延びてしまう場合があります。学校教育法によって、高卒資格を取得するために以下の条件が定められているからです。
- 高校の在籍期間が3年以上であること
- 74単位以上を取得すること
通信制高校の編入を選択した場合は、学校に在籍していない空白期間が生じるので、卒業時期が延びてしまいます。
また、転入を選択した場合でも、時期によっては卒業する時期が延びてしまいます。例えば、高校3年の途中で転入した場合、残りの期間で卒業に必要な単位が取得できない場合は、卒業時期が遅くなる可能性があるでしょう。
友だちをつくる機会が減少する
通信制高校では自宅学習が基本となり、通学する場合も少人数制で授業を行なっているケースが多いので、全日制高校と比べて生徒どうしが自然に交流する機会が限られます。
そのため、新しい友人関係を築くことに不安を感じる生徒も少なくありません。
しかし、全日制高校で人間関係に悩みをもっていた生徒にとっては、自分のペースで人間関係を構築できるメリットともなります。
多くの通信制高校では、全日制高校と同様に部活動や学校行事を設けており、同じ興味をもつ仲間と交流することも可能です。
また、通学時間や学習時間を柔軟に設定できる特徴を活かし、地域のサークルやアルバイト、ボランティア活動など、学校の枠を超えた幅広い交友関係を築くチャンスも広がります。
編入と転入のどちらを選ぶべきか?
通信制高校への入学方法として、編入と転入のどちらを選んでも最終的に高卒資格を得られることに変わりありません。
選択の際に重要なのは、現状に合った方法を見極めることです。例えば、編入は学校生活を一度離れることになるため、じっくりと将来を考えたい人や、今すぐの通学が難しい事情がある人に適しています。
ただし、学校に在籍している期間に空白期間が生じるので、卒業時期が遅くなる点を考慮する必要があります。
一方、転入であれば学校の在籍期間が途切れることなくスムーズに移行が可能です。転入する時期によっては卒業時期を遅らせることなく卒業もできます。
編入・転入するための試験や手続きの流れ
通信制高校へ編入・転入する手続きの流れは、以下の通りです。
- 希望する学校の願書を入手する
- 必要な書類を揃える
- 願書と書類を編入・転入する通信制高校へ郵送する
- 受験票を受け取る
- 書類選考や試験を受ける
- 合否が発表される
- 入学手続きを行う
通信制高校の試験では、生徒の学習意欲や将来への展望を重視する傾向です。
多くの学校が学力試験ではなく、書類審査や面接や作文の試験を中心に行っています。
多様な背景をもつ生徒に学びの機会を提供することを目的としているので、筆記試験がある場合でも基礎的な内容が中心で、学力以外の要素と総合的に判断されます。
編入・転入するために必要な書類
通信制高校へ編入・転入するために必要な書類は、以下の通りです。
- 入学願書
- 証明写真
- 受験料の振込証明書
- 成績証明写真
- 在籍証明書
- 在籍高校の転学照会書
編入でも転入でも、通信制高校側に提出する書類にほとんど変わりはありません。入学願書は、通信制高校の資料を取り寄せる際に一緒に同封されています。書類によっては用意するまでに時間がかかるので、余裕をもって準備しておくと安心です。
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編入・転入を後悔しない通信制高校の選び方
編入・転入を後悔しない通信制高校の選び方は、以下の通りです。
- 卒業まで受講を継続できそうか
- 必要な支援を受けられそうか
- 進路に合わせた学習ができそうか
通信制高校に転入して後悔する理由については、『通信制高校への転入を後悔する5つの理由と後悔しない選び方も紹介』を参考にしてください。
卒業まで受講を継続できそうか
通信制高校を選ぶ際は、生活リズムに合わせた学習スタイルを選べるかどうかが重要です。
例えば、人混みが苦手で教室での学習に不安がある場合は、オンラインでの受講が中心の学校を選ぶと、自宅という安心できる環境で学習を進められます。
また、通学が必要な場合でも、少人数制や個別指導を重視している学校であれば、精神的な負担を軽減しながら学ぶことが可能です。
状況にあわせて柔軟に学習スケジュールを組める学校を選ぶことで、途中で挫折することなく卒業を目指せます。
必要な支援を受けられそうか
通信制高校では、生徒の状況に応じた支援体制が構築されているかどうかの見極めが重要です。
例えば、専門的な知識をもつスクールカウンセラーの常駐や、学習の進捗管理を行う担任制の導入が挙げられます。
また、サポート校と連携し、少人数制の学習指導や生活面のフォローを受けられる体制を整えている学校もあります。
必要な支援を見極め、適切なサポートが得られる環境かどうかを慎重に検討することが、生徒に合った通信制高校を選択するために必要です。
進路に合わせた学習ができそうか
通信制高校に編入・転入したことを後悔しないためには、進路に合わせた学習環境があるかどうかを確認することが大切です。
例えば、大学進学を目指す場合は、受験に必要な科目に関連した講座の種類や個別指導の体制などを確認します。就職希望の場合は、資格取得のサポート体制や実践的な職業教育が整っているかが、学校選びのポイントです。
大学入試に向けて学び直せる補習制度や進路に合わせた個別カリキュラムの提供など、生徒の学力や目標に対して柔軟に対応してくれる学校を選びましょう。
学校選びに迷っている人は、『転入・編入がいつでもできる通信制学校まとめ』をあわせてご覧ください。
まとめ
通信制高校への編入とは、現在の学校を退学してから新しい学校へ入り直すことです。在籍していた学校を退学するので、学校に在籍している期間に空白期間が生じ、卒業時期が延びます。
一方で、転入は在籍したまま学校を変更するため、卒業時期を遅らせることなく卒業できる可能性があります。
いずれの場合を選択しても、全日制高校で取得した単位を引き継ぐことが可能です。編入と転入のどちらを選ぶべきかは、それぞれの状況によって異なるので、進路への影響を考慮して選択しましょう。
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