通信制高校に留年はある?単位を落とす基準や卒業できないケース

通信制高校への入学や在籍を考える際に、留年について不安に感じることもあるでしょう。 通信制高校では基本的に留年をするということはありません。しかし、必要な条件を満たさなければ、単位を落としてしまうということは十分にあり得ます。 この記事では、通信制高校における留年の有無や、単位を落とす基準、さらに単位を落とした場合の対処法について解説します。

通信制高校に留年はない

結論から言うと、通信制高校で留年することはありません。

通信制高校では、学年制ではなく単位制をとっています。学年制の場合、学年ごとに取得する単位数が定められているため、単位を1つでも落とすと留年になります。しかし、単位制の場合、学年によって取得すべき単位数が決まっていません。いつ取得しても良いため、留年という概念がありません。

全日制高校との違い

全日制高校の場合、出席日数が足りないと、単位が取得できず、留年してしまう可能性があります。

通信制高校の場合、自宅での学習が基本となるため、出席日数が足りなくて単位を落とすということがありません。

ただし、年に数回実施されるスクーリングへの参加は必須になります。

通信制高校の卒業要件

通信制高校の卒業要件は、以下の3つです。

  • 3年以上の在籍
  • 74単位以上の単位取得
  • 30単位時間以上の特別活動

3年以上の在籍

通信制高校の卒業要件の1つには、3年以上の在籍があります。

全日制高校と異なり、通信制高校では各自のペースで学習を進めることができますが、それでも最低3年以上在籍することが求められます。

3年未満で卒業に必要な単位を取得したとしても、卒業することはできません。

74単位以上の単位取得

通信制高校を卒業するためには、74単位以上の単位を取得する必要があります。

単位は各科目の学習内容を修得した証明であり、レポートの提出、スクーリング、単位認定試験などを通じて取得します。

30単位時間以上の特別活動

30単位時間以上の特別活動も、卒業要件の1つです。特別活動とは、授業以外の学校活動や社会体験活動などを指します。

具体的には、学園祭やクラブ活動、ボランティア活動などが含まれます。これらの活動を通じて、生徒は社会性を養い、人間関係を構築するスキルを高めます。

30単位時間とは「30時間」ではありません。高校の場合、1単位時間は「50分」なので、30単位時間は時間にすると「25時間」となります。

なお、通信制高校の卒業については、通信制高校の卒業って難しい?簡単?卒業率や必要単位を徹底解説も参考にしてください。

通信制高校の単位取得条件

通信制高校で単位を取得するためには、以下の条件を満たす必要があります。

  • レポート提出
  • スクーリング
  • 単位認定試験

レポート提出

レポート提出は通信制高校で単位を取得するための重要な要件の1つです。生徒は科目ごとに指定されたレポートを作成し、提出する必要があります。

このレポートは授業内容の理解度を確認するためのもので、提出期限を守ることが求められます。遅れると成績や単位取得に影響を与える可能性があるため、計画的に取り組むことが大切です。

レポートについて質問や不明点がある場合は、先生や相談員に相談して早めに解決するのがおすすめです。

スクーリング

スクーリングとは、学校や指定の場所に通って、面接指導を受けることです。具体的な内容は学校によって異なりますが、授業を受けたり、個別指導を受けたりすることが挙げられます。

スクーリングの頻度は学校のカリキュラムによって異なり、定められた回数スクーリングに出席しなければ単位を取得することができません。

スクーリングについて、通信制高校のスクーリングとは?スクーリングが少ない学校3選も紹介を参考にしてください。

単位認定試験

通信制高校の単位認定試験は、各科目の学習内容を理解したかどうかを確認するための試験です。

試験を受けるためには、以下の条件を満たす必要があります。

  • 決められた数の、レポートを提出している
  • スクーリングに出席している

試験の内容は学校や科目ごとに異なり、年に2回もしくは、年度末に1回実施されるのが一般的です。

通信制高校で単位を落とす基準

通信制高校で単位を取得するためには、いくつかの条件をクリアする必要があります。

まず、レポートの提出が不可欠です。すべてのレポートを期限内に提出できない場合、その科目の単位を落とす可能性があります。

次に、スクーリングへの出席も必須です。スクーリングの回数は学校によって異なりますが、決められた回数を満たさないと単位認定がされません。

また、単位認定試験も重要です。試験で一定の成績を収める必要があり、目標点数に達しない場合は単位を取得できません。例えば、試験の合格ラインを60点と設定している場合、60点未満であれば再試験が必要になります。

このように、通信制高校で単位を落とす基準はレポートの提出状況、スクーリングの参加、単位認定試験の成績といった要素によって決まります。

これらの要件をしっかりと理解し、計画的に学習を進めることが大切です。

単位を落とした場合の対処法

通信制高校の場合、単位を落としたとしても留年することはありません。落ち着いて対応し、再履修し、単位を取得すれば問題ありません。

まず、単位を落とした原因を明確にし、今後の学習方法や生活習慣を見直しましょう。こまめなスケジュール確認と進捗管理を行うことで、再び単位を落とさないようにすることができます。

次に、再履修や補習などの学校が提供するサポート制度を活用しましょう。苦手な教科があれば、先生に相談することで、具体的なアドバイスやサポートを受けることができます。

通信制高校を3年で卒業できない場合の学費

通信制高校には留年の概念はありませんが、3年で卒業できない場合には、追加の学費が発生することがあります。ここでは、3年、4年、5年在籍した場合の学費のシミュレーションを行います。

まず、通信制高校の年間の学費は学校ごとに異なりますが、私立の場合、20万~40万円程度が一般的です。

仮に年間30万円と仮定した場合、3年以上在籍した場合の学費は以下の通りです。

  • 3年:90万円
  • 4年:120万円
  • 5年:150万円

ただし、学費は履修する科目の数によっても変わります。4~5年在籍したとしても、履修する科目数が少なければ、学費を抑えることは可能です。

とはいえ、在籍期間が延びると追加の学費がかかるため、3年間で卒業することが経済的に有利です。学習ペースをしっかり管理し、計画的に単位を取得することが重要です。

なお、通信制高校の学費については、通信制高校の学費は安い?3年間でいくらかかるか全日制・定時制高校と徹底比較も参考にしてください。

まとめ

通信制高校では、留年の概念は全日制高校とは異なりますが、必要な単位を取得しなければ卒業が遅れる可能性があります。

卒業要件として、最低3年以上の在籍や74単位以上の単位取得、さらに特別活動への参加が求められます。

これらの条件を満たすためには計画的な学習が重要となります。通信制高校での学びを最大限に活かし、スムーズに卒業できるよう心掛けましょう。