高校に行きたくない中学生に知っておいてほしいこと
公開日:2018年02月09日 更新日:2025年06月20日
中学生の皆さんの中には、「高校に行きたくない」という気持ちを持っている人もいるでしょう。 人間関係や勉強への不安から、高校に行きたくないと思うことは、決して珍しいことではありません。 「高校に行く」以外の道を選ぶこともできますが、「高校に行かないとどうなるか?」について理解しておくことは重要です。 この記事では、高校に行きたくないと感じている中学生に向けて、選択肢や解決方法、将来のビジョンについてアドバイスします。
中学生が高校に行きたくない理由
中学生が高校に行きたくない理由はさまざまですが、主に以下のような理由が考えられます。
- 人間関係の不安
- 勉強のプレッシャー
- 受験に自信がない
- 遊びたい
- 働きたい
人間関係の不安
中学生にとって、高校生活は未知の世界です。
新しい環境で友達ができるかどうか、学校になじめるかどうか、不安に思う人も多いでしょう。
特に、中学校でうまく人間関係を築けていない場合、高校でも同様の悩みが続くのではないかと心配になるかもしれません。
勉強のプレッシャー
高校は中学と比べて勉強が難しくなるため、「ついていけないかもしれない」と感じる中学生もいます。
例えば、現在の成績が悪かったり、受験勉強に疲れていたりすると、高校での勉強に不安を感じることもあるでしょう。 こうした不安から逃れたくて、高校進学に対して抵抗感を持つことがあるかもしれません。
受験に自信がない
受験に対する自信のなさも、中学生が高校に行きたくない理由の一つです。
自分の能力や努力が不足していると感じると、「高校に合格できるだろうか」という不安に押しつぶされそうになります。そして、「高校受験したくない」と感じてしまう場合もあります。
例えば、試験の成績が思うように伸びていないと、受験に対する自信を失いやすくなります。
遊びたい
中学生が高校に行きたくない理由として、遊びへの誘惑も考えられます。
友人との遊びや興味のある趣味に時間を割きたいという気持ちが強く、高校生活に縛られたくないと感じる人もいるでしょう。
例えば、ゲームやスポーツ、音楽などの趣味に没頭したい人にとっては、勉強や規律を重視する高校生活はいやだと感じることもあるでしょう。
また、自由な時間を求めるあまり、学校に行くこと自体を避けたいという思いに至ることも考えられます。
働きたい
中には早くから社会に出て働きたいという理由で、高校に行きたくないと考える中学生もいます。
経済的な理由から家庭を支えたい場合や、早く独立して自分の力で生計を立てたいと望む場合もあります。
例えば、家業を手伝いたいという理由や、特定の職業に強い興味を持っている場合、高校の3年間が無駄に感じられることがあります。
このような人は、早くから仕事現場での経験を積むことで、自分のスキルを磨きたいと考えることが多いです。
高校に行かないとどうなる?
中学卒業後、高校に行くだけが選択肢ではありませんが、実際に高校進学以外の選択をしている人はごく一部です。
中学卒業後の進路の割合は、以下の通りです。
- 高校:6%
- 専修学校:4%
- 就職:2%
- その他:8%
出典:文部科学省「令和6年度 学校基本調査」
学年の人数が100人の場合、高校進学以外を選ぶ人は、1~2人程度ということになります。
「高校に行きたくない」と思っていても、高校に行かないと、将来どのような影響があるのか、不安に思う中学生もいるでしょう。
ここでは、高校に進学しない場合のデメリットについて考えてみましょう。
大学進学のハードルが上がる
今は高校に行きたくないと思っていても、将来「やっぱり勉強したい」「大学に行きたい」と思うかもしれません。
その時に、高校を卒業していないと、大学や専門学校を受験することができなくなってしまいます。
高校を卒業していなくても、高卒認定試験に合格すれば大学や専門学校に進学することはできますが、「学びたい」と思った時に行けない可能性があります。
就職が不利になる
高校に行かないことは、職業選択においても不利になる可能性があります。
企業の採用条件には「高卒以上」が含まれていることが一般的です。
厚生労働省の調査によると、令和6年度のハローワーク求人数は以下の通りでした。
- 中卒:694人
- 高卒:約48万2000人
中卒だと圧倒的に就職先が少ないことがわかります。
また、高校で得られる基礎的な学力や社会経験は、社会人生活においても重要な基本スキルとなります。
そのため、高卒資格は、多くの職業での基礎を築くために重要な要素となります。
高校に行きたくない場合の選択肢
高校に行きたくないと感じている中学生には、「高校=全日制」と思っている人も多いのではないでしょうか。
高校は、昼間に登校する全日制の学校以外にも選択肢があります。
高校に行きたくない場合、これらの選択肢を検討してみてはいかがでしょうか。
- 通信制高校
- 定時制高校
- チャレンジスクールやエンカレッジスクール
通信制高校
通信制高校は、高校に行きたくないと感じている中学生にとって有力な選択肢です。
通信制高校では、自宅で教材を使って学習を進めることができるため、学校での人間関係に不安がある人に適しています。
また、自分のペースで学習を進めることができるので、授業についていけないといった心配もありません。
通信制高校を卒業すると、全日制高校と同じく高校卒業資格が得られます。進学や就職に際しても不利になることはありません。
通信制高校について詳しく知りたい人は、こちらの記事「通信制高校とは?カリキュラムや全日制との違いをわかりやすく解説!」も参考にしてください。
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定時制高校
定時制高校は、朝、午後、夜間などに授業が行われるため、昼間に仕事をしている人や、他の事情で昼間に時間が取れない人にとって有力な選択肢です。
また、通っている人の年齢層が幅広いため、さまざまな背景を持つ人と出会えるのも定時制高校の魅力の一つです。
定時制高校の卒業後には、全日制高校と同じ高校卒業資格を得られ、進学や就職で不利になることはありません。
定時制高校について詳しく知りたい人は、こちらの記事「定時制高校とは?全日制との違いをわかりやすく解説!」も参考にしてください。
チャレンジスクールやエンカレッジスクール
不登校などを理由に、小・中学校で充分に能力を発揮できなかった人を対象にした高校もあります。
このような高校では、少人数制のクラスや短時間授業、カウンセリングなど、生徒一人ひとりに寄り添った指導を実施しています。
地域によって名称や制度が異なり、東京都では、チャレンジスクールやエンカレッジスクールが該当します。チャレンジスクールは定時制、エンカレッジスクールは全日制の高校です。
他にも、神奈川県のクリエイティブスクールやフレキシブルスクール、埼玉県のフロンティアスクールなどがあります。
自分の気持ちを整理するためのステップ
高校に行きたくないと感じている場合、自分の気持ちを素直に表現し、内面を整理することが重要です。
親に相談する
親に相談することは、自分の気持ちを伝える第一歩です。
親はあなたを誰よりも近くで見守っている存在であり、あなたの気持ちを理解してくれる最初の人物となります。
自分の悩みや不安を具体的に説明しましょう。「高校に行きたくない」と感じている理由を丁寧に話すことで、親もその状況を理解しやすくなります。
親との対話を通じて、自分の気持ちを整理し、次のステップへ進む力を得ることができます。
先生に相談する
親に話した後は、学校の先生にも相談しましょう。
学校の先生は教育の専門家であり、あなたが抱える、学校生活に関する悩みや不安を理解するための知識と経験を持っています。
例えば、進路についての悩みや人間関係の不安など、具体的な問題について話すことで、毎日の生活が少し楽になるアドバイスや解決策を得ることができるでしょう。
先生はあなたの学習成績や日常の態度を見ているので、あなたにピッタリな進学先を紹介してくれるかもしれません。
カウンセラーなどの専門家に相談する
専門家に相談することも、気持ちを整理するために重要なステップです。
カウンセラーなどの専門家は、あなたの感情や思考を深く理解するためのプロフェッショナルです。
具体的には、カウンセリングを通じて、自分の中で整理できない感情を言葉にして表現する機会を提供してくれます。
また、専門家は学校や家庭の外部からの視点を持っているため、自分では気づきにくい問題点や解決策を提示してくれるかもしれません。
悩みを抱える中学生にとって、専門家の助けを得ることは、新しい方向性を見出し、自分の気持ちを整理する手助けとなるでしょう。
まとめ
中学生が、高校に行きたくないという背景には、人間関係や勉強のプレッシャー、遊びへの関心、受験に対する自信のなさなど、さまざまな要因があります。
高校に行かないという選択をすることも可能ですが、高校に行かない場合のデメリットについてはしっかりと理解しておく必要があるでしょう。
どうしても高校に行きたくない場合は、通信制高校や定時制高校なども検討してみてはいかがでしょうか。

