発達障害・学習障害・不登校のサポートに強い通信制高校を探す

発達障害を持っていたり、不登校の経験があったりする人だと、通信制高校を無事に卒業できるか不安を抱くかもしれません。しかし、通信制高校やサポート校の中には、そういった不安を解消してくれる体制を持つ学校があります。通信制高校やサポート校を選ぶときは、生徒へのサポート体制にも注目してみましょう。

発達障害などの困難があっても高校へ進学できる?

発達障害があると、高校へ進学できるか不安に思う保護者の方も多いでしょう。発達障害や学習障害の特性は以下のようなものが挙げられます。

  • 文字の読み書きが苦手
  • 気が散って席に座っていられない
  • 周囲と同じように行動ができない
  • ひとつのことに集中して止まらない
  • 言葉がつっかえてうまく話せない など

このほかにも、人によってさまざまな特性があります。特性によっては発達障害とわかりにくいため、家族も気が付かないうちに周囲から孤立してしまい、不登校になるケースもあります。

こうした悩みを抱える人に知ってほしいのが、サポート体制のある通信制高校です。発達障害や不登校の子供が安心して通える学校があります。ここで、発達障害などの困難がある生徒の中学卒業後の進路を見てみましょう。

■発達障害などの困難がある生徒の中学校卒業の進路

通信制高校 定時制高校 全日制高校
15.7% 14.1% 1.8%

出典:高等学校における特別支援教育の現状と課題について p.10

通信制高校に進学する生徒の割合が高い理由として、以下のことが考えられます。

  • 入学しやすい
  • 通学する日数が少ない
  • 専門的な分野を勉強できる
  • サポートが手厚い

それぞれ詳しく見ていきましょう。

入学しやすい

通信制高校は入試で学科試験を行わないところが多く、書類選考と作文、面接などで選考を行います。

内申書に不登校のことが書かれていたとしても入試には影響がありませんし、作文や面接が不得意でも、それぞれの子供の特性に配慮した入試が取り入れられるケースが多くあります。事例として、文部科学省が「高等学校の入学試験における発達障害のある生徒への配慮の事例」をあげており、以下のようなものがあります。

  • 別室受験
  • 試験時間の延長
  • 集団面接を個人面接で実施
  • 問題文の読み上げ
  • 介助者が同席

このほかにもさまざまな特性に合わせた配慮の事例があるため、確認しておくと良いでしょう。

参考:高等学校の入学試験における発達障害のある生徒への配慮の事例

通学する日数が少ない

通信制高校は登校をする必要がなかったり、頻度を選べたりするため、発達障害を抱える生徒が通いやすいという点は大きなメリットです。定時制高校へ進学する場合、通学する時間帯を選べるところもありますが、毎日通学することが原則となるため、通学に不安がある場合は通信制高校の方が無理なく学べるでしょう。

専門的な分野を勉強できる

通信制高校の中には、専門的な分野を勉強できる学校があります。例えば、おおぞら高校ではマンガイラストコースがあり、初心者からプロデビューを目指す人まで学ぶことができます。このほかにもたくさんの通信制高校で専門的な分野に特化したコースがあるため、ひとつのことに集中できる特性を持つ生徒は前向きに取り組めるのではないでしょうか。

サポートが手厚い

通信制高校は学校によって異なるサポートがあります。N高等学校では、精神科医や心理士が専門のカウンセラーとして、生徒をサポートしています。

通信制高校は学校によってそれぞれの特徴が異なります。一度資料請求をして学校の特徴やサポートを比較してみましょう。

⇒あなたに合った学校を探してみる

サポートが手厚い通信制高校を見つけよう

通信制高校は毎日通学する必要がないため、さまざまな事情で全日制高校に通いにくい生徒が数多く入学しています。そうした事情のある生徒が学校に通えるように、手厚いフォロー体制を用意する通信制高校やサポート校があります。そのため、生徒の特性に合わせてサポートしてくれる通信制高校を選ぶことが重要です。困っていること(勉強、人間関係、教室環境)に合わせて、次のような体制があるかをチェックしましょう。

生徒の状態に合わせた個別対応をしてくれるか

通信制高校の中には、個人の学習レベルに合わせた自宅学習の支援、スクーリング指導をしてくれる学校もあります。集中できる時間が短い生徒には、学習の進め方をアドバイスしたり、周囲と同じようなペースで通学することが苦手な生徒には、教職員が自宅まで訪問して授業を行ったりする学校もあります。それぞれの生徒に合わせた学習計画を立ててくれるかどうかは大きなポイントです。

小中学校での勉強の遅れをカバーしてくれるか

不登校の期間が長く、学校の授業を受けられなかった生徒のために、小中学校の学習範囲を復習できる「学び直し」講座を用意しているサポート校もあります。高校の勉強についていく自信がない、あまり勉強が得意でないという生徒でも安心して通学できます。ただし、サポート校は通信制高校とは別に学費も必要になり、サポート校に通うだけで卒業に必要な単位を取得できるわけではないので、注意してください。

常駐するカウンセラーがいるか、いつでも相談できるか

学習障害や発達障害が原因で、心に深い傷を負ってしまった生徒も少なからずいます。メンタル面での支えを必要としている生徒のために、カウンセラーが学校内に常駐していたり、教職員が臨床心理士や社会福祉士などの資格を持っていたりする通信制高校もあるので、事前によく調べておくと良いでしょう。また、生徒だけでなく保護者からもカウンセラーに相談できる通信制高校であれば、いつでも相談できて安心です。

生徒同士のコミュニケーションも支援してくれるか

通信制高校に通う生徒の中には、人間関係を構築するのが苦手で、友達づくりにつまずいてしまう人もいるでしょう。人間関係に不安を持つ生徒同士が交流できるように、修学旅行や文化祭、スクーリングなどの行事、日々の授業を通じて生徒同士での交流を促す学校もあります。初めは緊張する生徒が多いようですが、一度打ち解ければ同じ気持ちを共有できる仲間になります。

無理なく通える、発達障害のサポートに強い通信制高校

発達障害の特性や、それに対して必要なサポートは一人ひとり異なります。サポートを受けたいポイントに合わせて、通信制高校・サポート校を選びましょう。ここからは、発達障害を抱える生徒の悩み別におすすめの通信制高校とサポート校をご紹介します。通信制高校の特徴などとあわせて、学校選びの参考にしてください。

自分にぴったりの学び方を選べる通信制高校

鹿島学園高等学校(通信制高校)

鹿島学園高等学校(通信制高校)

週1日だけ登校するコース、講師が自宅で指導をしてくれる家庭教師制コース、ネットテレビ電話で指導を受けられるネット指導制コースなど、さまざまなコースの中から自分に合った学び方を選ぶことができます。また、グループ全体で全国各地に300ヵ所以上のキャンパスがあるため、通いやすい通信制高校です。

詳細を見る

 

メンタルサポートやカウンセリングが充実している学校

KTCおおぞら高等学院(サポート校)

KTCおおぞら高等学院(サポート校)

「マイコーチ(先生)」が学習面のサポートだけではなく、生徒と1対1で向き合うことで、将来の不安や夢を分かち合うことができます。また、全スタッフがメンタルサポート研修を受けたり、家族支援カウンセラーの資格を持ったスタッフも常駐しているため、生徒や保護者の相談にも応じてくれます。

詳細を見る

  松蔭高等学校 みなとみらい学習センター(通信制高校)

松蔭高等学校 みなとみらい学習センター(通信制高校)

「不登校」「ひきこもり」「学力低下」「高校中退」「人間関係」「発達障害」など、教育問題に直面している人のためのサポートステーション「教育★ステーション」を用意。生徒と保護者の方から現在の状態や心身の健康状態・進路等を聞きながら、問題解決への具体的な提案を受けることができます。

詳細を見る

 

発達障害のための専門プログラムで学べる通信制高校

代々木高等学院(通信制高校)

代々木高等学院(通信制高校)

臨床心理士をはじめ、家族支援カウンセラー、コミュニケーションセラピスト、発達障害学習支援サポーターなど、専門家のメンタルサポートがあります。また、発達支援コースも用意されており、独自の支援プログラムで生徒の特性を伸ばしていくことができます。

詳細を見る

  明蓬館高等学校<特別支援教育コースSNEC>(通信制高校)

明蓬館高等学校<特別支援教育コースSNEC>(通信制高校)

発達障害の支援スキルを持った職員(支援員)と心理士(相談員)が常駐して、教員とチームを組み、発達に課題を持つ高校生が特別支援付きの普通科高校教育を受けることができる教育+療育センターです。各種心理検査などをもとに、個別の環境調整をしてくれます。

詳細を見る

発達障害や不登校経験に寄り添える進学先がある

発達障害や不登校経験などがある場合、進学に不安を感じることもあるかもしれませんが、それぞれに合った学校を見つければ進学は可能です。また、必要なサポートがそろっている学校を選ぶことで、安心して入学後の学校生活を送ることができます。

通信制高校には、学校によってさまざまな特徴があります。事前に資料を確認し、気になる学校があればオープンキャンパスなどで体験してみると良いのではないでしょうか。

⇒あなたに合った学校を探してみる
⇒学校説明会・相談会情報を見てみる