家を売るときの基礎知識|手順・費用・注意点・成功のコツ

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家を売るときの基礎知識|手順・費用・注意点・成功のコツ

家やマンションなどの不動産は大切な資産であり動くお金の額も大きいため、売却してから後悔しないよう、売買の取引きをする際にはさまざまな知識を身につけておくことが大切です。

この記事では、家を売るときの手順だけでなく、売却にかかる費用から節約方法、売却時の注意点やコツまで、家を売るときの基礎知識を詳しく説明します。これから家を売却しようとしている人だけでなく、将来、売却するかもしれない人まで、ぜひ参考にしてください。

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【監修】西崎 洋一 宅地建物取引士・管理業務主任者・不動産コンサルタント・不動産プロデューサー。不動産業界10年以上の専門家。物件調査、重説作成・説明などの実務経験が豊富。特に土地の売買、マンション管理に精通。大阪を中心に活動を行っている。

家を売る方法

家を売る方法について

家を売るおもな方法は、「仲介」と「買取」の2種類です。「仲介」とは、不動産仲介業者に家の売却を依頼して買主を探してもらい契約をまとめてもらう方法です。

仲介

仲介について

仲介で売却するメリットは、相場価格に近い額で高く売ることができる点です。しかし、いつ買主が現れるかがわからず、場合によっては売却期間が長期に渡るかもしれないというデメリットがあります。

買取

買取について

これに対して、「買取」とは不動産業者や不動産買取業者に家を買い取ってもらう方法です。

買取は業者が直接買い取るため、すぐに売却できます。売却条件や必要書類がそろえば、数日~1週間での売却も可能です。また、仲介で必要となる仲介手数料もかからないというメリットもあります。

しかし、買取だと相場価格の7割程度でしか売却できません。仲介よりも安くなる点が買取のデメリットだと言えます。売却の目的や売却期限にあわせて、仲介と買取、どちらで売却するかを選ぶようにしましょう。

詳しくは下記の記事で紹介しています。

【監修者コメント】
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売却期間に余裕がある場合は、高い金額での売却が見込める仲介がいいでしょう。

一方で売却を一刻でも急ぐ人は買取を検討してください。

家を売る手順

家を売る手順

売却を始める前に手順を把握しておけば、次に何をすればいいのかがわかるので売却をスムーズに進められます。

家を売る手順と必要となる期間は次の通りです。

1 家の相場価格を調べる 1~2週間程度
2 売りたい家の査定を依頼 2週間程度
3 不動産会社と媒介契約を結ぶ 1~2週間程度
4 家を売る活動を行う ~数ヵ月(購入希望者が現れるまで)
5 購入希望者と売買契約の締結・引き渡し 1~2ヵ月程度
6 必要に応じて確定申告する 売却した翌年の2~3月

家を売りに出してから引き渡すまで、最短でも2~3ヵ月程度かかります。

また、家を売却した代金をすべて受け取れるのは、売買契約を結んだときではなく引渡し時になることも把握しておくようにしましょう。

次に、それぞれの家を売る手順を詳しく説明します。

1. 家の相場価格を調べる

家を売却しようとする場合は、まず自分で家の相場価格を調べておくようにしましょう。

不動産会社に査定を出してもらう前に自分で相場を調べておけば、査定額が高過ぎたり安すぎたりしていないかを判断できるのでおすすめです。

自分で家の相場価格を調べられる方法には、次のような方法があります。

ここで大切なことは、成約価格と現在売出し中の価格とは違うという点です。売出し価格は成約価格よりも高めに設定されているので、売出し価格から相場価格を算出する場合は、1~2割ほど差し引いて考えるようにしましょう。

また、住宅ローンが残っている場合は、家の相場価格を調べる際に家の売却代金で住宅ローンの完済ができそうかどうかを意識しておく必要あります。

おおよその相場価格の目安がついたら、家の売却にかかる費用と住宅ローンの残額とを差し引いてマイナスにならないかどうかを確認しておきましょう。

2. 売りたい家の査定を依頼

簡易査定と訪問査定

家を売却する前には、不動産会社に査定をしてもらいます。不動産会社が行うおもな査定方法は、次の2種類です。

【簡易査定】
売却したい不動産の情報だけで、おおよその査定額を出す方法が簡易査定です。立地場所や築年数、広さなどの情報を提供するだけで査定が可能なので、手軽で簡単に査定をしてもらうことができます。

ただし、情報だけの査定になるので簡易査定では正確な査定額を出すことはできません。実際に家を売りに出す場合は、簡易査定をした後で次に説明する訪問査定をしてもらうことが一般的です。

【訪問査定】
不動産会社の担当者が、実際に売りに出したい不動産を訪れてくわしくチェックし、査定を出す方法が訪問査定です。

家の状態や周辺の環境など、実際に訪れないとわからない項目を加味して査定を出すことができるので、簡易査定よりも正確な査定ができます。

ただし、不動産会社の担当者が査定する際には、立ち合いやスケジュールの調整が必要です。簡易査定よりも気軽に行うことができないので、最終的な判断をする段階になってから訪問査定を依頼するとよいでしょう。

査定をしてもらう際の注意点として、次のようなポイントが挙げられます。

  • 査定をしてもらう際には、査定がしやすくなるように家の登記簿謄本の写しや購入時の契約書類、リフォームや修繕をした記録などを準備しておく
  • 査定は購入希望者が家を確認する内見とは異なるので、クリーニングやリフォームなどの特別な準備はしなくてもよい
  • 査定は複数の不動産会社にしてもらい、比較してから決める
  • 査定額が実際に売れる額ではないので、査定額の高さだけで不動産会社を選ばないようにする

査定時の説明の仕方や対応なども考慮した上で、売却を依頼する不動産会社を決めるとよいでしょう。

【監修者コメント】
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査定をしてもらう際は、悪いところほど担当者に先に伝えておくことです。

後から伝えるとそれだけで先に伝えるよりも大きく値引かれることがありますので注意が必要です。

また、不動産会社を選ぶ際は、同エリアでの家の売却実績を重視するといいでしょう。

3. 不動産会社と媒介契約を結ぶ

家の査定をしてもらった不動産会社の中から、仲介での売却を依頼する不動産会社を決定したら、その不動産会社と媒介契約を結びます。

媒介契約とは、不動産会社に正式に売却の仲介を依頼するために結ぶものです。売却活動の内容や売買が成立した際に不動産会社に支払う仲介手数料について取り決めをするための契約になります。

媒介契約の形態は、「一般媒介契約」「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」の3つです。

一般媒介契約 専任媒介契約 専属専任媒介契約
複数の不動産会社と契約できるか できる できない できない
自分で見つけた買主と直接取引できるか(※1) できる できる できない
不動産会社からの売却活動の報告義務 なし(任意) あり(2週間に1回以上) あり(1週間に1回以上)
指定流通機構(レインズ)への登録義務(※2) なし(任意) あり(契約締結日から7日以内) あり(契約締結から5日以内)
契約期間の定め なし(行政指導では3ヵ月以内) あり(3ヵ月以内) あり(3ヵ月以内)

※1:不動産会社の仲介を通さずに売主と買主だけで契約を結ぶこと。親族や知り合いなど、信頼関係のある者同士の取引きで用いられることが多い
※2:不動産会社のみが利用できる物件の情報サイト。レインズに登録された物件は全国の不動会社が閲覧できるようになる

複数の不動産会社と媒介契約を結ぶことができる一般媒介契約には、明示型と非明示型があります。

明示型の一般媒介契約では、ほかに契約を結んでいる不動産会社を明らかにすることが必要です。非明示型ではどの不動産会社と契約を結んでいるかを伝える必要はありません。

しかし、不動産会社から不信感を抱かれやすくなるので明示型を選ぶことがおすすめです。

4. 家を売るための活動を行う

売却を依頼する不動産会社と媒介契約を結んだら、いよいよ売却活動の開始です。不動産会社がインターネットやチラシ、店頭での紹介などで購入希望者の集客活動をします。

購入希望者が現れるまでは、不動産会社の活動が主導です。購入希望者が現れた場合の内見に備えて、家の整理や清掃をしておきましょう。

購入希望者が現れたら、不動産会社の担当者の立会いもとで、実際に家を確認する内見(内覧)が行われます。

内見は購入希望者が家を買うかどうかを決めるための大切なポイントです。できるだけスケジュールを合わせて対応するようにしましょう。

5. 購入希望者と売買契約の締結・引き渡し

売買契約締結の流れ

購入希望者が家を買う意思がある場合は、購入申込書(買付申込書)が不動産会社に送られてきます。

購入申込書には購入希望金額などが記載されているので、不動産会社の担当者と相談をしながら取引条件を交渉しましょう。

売買価格や引渡し時期などの条件が成立したら、不動産会社の仲介で売主と買主が売買契約を結びます。売買契約を結んだ際に、買主から売主に代金の1割程度の手付金が支払われることが一般的です。

売買契約時に、残金の支払い(決済)と家の引渡し日を決めます。買主が住宅ローンを組んで家を買う場合は、住宅ローンの審査が通ってから引渡しになります。

引渡しおよび決済は、買主が住宅ローンを組んだ金融機関で行われることが一般的です。買主から手付金を差し引いた残代金を受け取り、司法書士に家の登記の変更を依頼して引渡しが完了します。

6. 必要に応じて確定申告する

家の引渡しが済めば、売買取引はそこで完了です。ただし、家を売却した場合は、売却した翌年の2月16日~3月15日のあいだに確定申告が必要な場合があります。

家の売主が確定申告する必要があるのは、次のような場合です。

  • 家を売却して利益が出た場合
  • 売却利益に特別控除や特例を適用する場合
  • 家を売却して新しく家を購入した際に損失が出た場合

家を売却した際に得た利益のことを「譲渡所得」と呼びます。不動産を売却して譲渡所得があった場合は、給与などに課せられる所得税とは別に「不動産譲渡所得税」の支払いが必要です。

ただし、マイホームや相続した家などを売却した場合は譲渡所得から一定額を控除できる特例などが適用されることがあるため、譲渡所得税が課されなくなるケースがあります。この場合、確定申告が必要です。

確定申告を必ずしないといけないのは税金(譲渡所得税)を納める必要がある場合ですが、税金を安くするための控除や特例などを適用する場合も確定申告が必要になることを覚えておきましょう。

家を売るときに必要な書類

家を売るときにはさまざまな書類が必要です。

必要な書類のほかにも査定に影響を与える書類も含め紹介します。

売却時に必要な書類

書類の種類 内容 取得できる場所
登記識別情報通知書(12桁の隠された番号) 不動産の所有権が誰にあるかを示す書類 不動産の取得時に交付済み
紛失時は再発行不可
物件の重要事項説明書 物件の内容や取引条件、買主に告知すべき事項が記載されている書類 不動産の取得時に入手
紛失時は管理会社や当時の購入時の不動産会社に連絡すれば取り寄せられる場合がある
ローン残高証明書 ローン返済中の場合に必要な書類 多くの金融機関では毎年10~11月に送付される
紛失している場合は金融機関に問い合わせることで再発行してもらえる可能性がある
身分証明書 パスポート、マイナンバーカード、運転免許証など -
印鑑証明書 各種契約時に押印するハンコが本人の実印であることを証明する書類 居住する市区町村の役所で申請
住民票 本人の居住関係を証明する書類。各種登記の確認や申請に必要 居住する市区町村の役所で申請
土地測量図または境界確認書 土地の面積を証明する書類と隣地との境界線を明確にする書類 法務局に申請(窓口・郵送・オンライン)
物件の図面 建物の間取りや土地の形状がわかるもの 物件の取得時に入手
手元にない場合は建物を設計した会社に再発行を依頼
建築確認済証 建物の工事前の計画が法律に則っていることを証明する書類 建物の取得時に入手
再発行不可であるものの、紛失時は管轄の役所で「建築計画概要書」または「建築確認台帳記載事項証明書」を発行することで代用できる
検査済証 建物の工事の途中・完了時に法律に則っていることを検査によって証明した書類 建物の取得時に入手
再発行不可であるものの、紛失時は管轄の役所で「建築計画概要書」または「建築確認台帳記載事項証明書」を発行することで代用できる

必要書類は、家を購入したときに入手したものや、家を売るときに改めて取得しなくてはならないものがあります。

もしも登記済権利証や建築確認済証などを紛失している場合は、法務省や市役所などに申請が必要です。

また、登記識別情報通知書は再発行できません。

万が一、紛失している場合は司法書士を通して「本人確認情報」を作成してもらい、登記を行いましょう。

なお、別途費用がかかる可能性があります。

査定時にあればベターな書類

必須の書類ではないものの、用意してあると査定にスムーズかつ影響を与える可能性がある書類は以下のとおりです。

書類の種類 内容 取得できる場所
物件購入時のパンフレット 物件の設備や共用部分に関する資料 物件の取得時に入手
建築設計図書と工事記録書 物件の設計を記載した書類と、工事の過程を記した書類 物件の取得時に入手
耐震診断報告書 地震に対してどの程度の耐震性があるのか、建物の構造的な強度を調査した報告書 物件の取得時に入手
または建築士などの専門家に依頼
アスベスト使用調査報告書 建材にアスベストが含まれているかどうかを調査した報告書 物件の取得時に入手
または仲介を依頼する不動産会社に相談
地盤調査報告書(戸建の場合) 建物が建つ前の土地の地盤を調査した報告書 建物を建てるまえに当時の土地の買主が調査を依頼していれば、物件の取得時に入手できる
住宅性能評価書 国土交通省が定めるルールに基づいて、構造の安全性や火災時の安全性、劣化の軽減対策などについて評価したもの 物件の取得時に入手
または仲介を依頼する不動産会社に相談

上記で紹介した書類は物件の取得時に入手している書類です。

紛失しているものを必ずしも再発行する必要はありませんが、できるだけ準備しておくといいでしょう。

家を売るときにかかる費用・税金

家を売るときにかかる費用・税金

家を売却して最終的に手元に残るお金は、家を売った代金から売却にかかった費用を差し引いた額になります。そのため、家を売った後の資金計画を立てる場合には、家を売るときにかかる費用や税金を把握しておくことが必要です。

ここでは、家を売るときにかかる費用や税金について詳しく説明します。

家を売るときにかかる費用

家を売る際にかかるおもな費用は、次の表の通りです。

費用 支払時期 支払額
不動産会社への仲介手数料 売買契約成立時(および引渡し時) 売買取引額によって異なる(取引額の3%+60,000円が多い)
ローン繰上げ一括返済手数料 住宅ローンを一括返済する際 無料~数万円(金融機関によって異なる)
司法書士への報酬 抵当権抹消登記手続きの依頼時 10,000~20,000円程度

家を売却する際にかかるそれぞれの費用を詳しく説明します。

仲介手数料

仲介手数料とは、家の売却を依頼した不動産会社に対して契約が成立した場合に支払う成功報酬です。家の売却費用の中でも額が大きくなるので、おおよその額を予め把握しておくとよいでしょう。

仲介手数料は取引額から算出され、宅地建物業法によって上限額だけが定められています。そのため、上限額の範囲内であれば不動産会社が自由に額を決めることができます。

仲介手数料の上限額の計算は次の通りです。

取引額を次のように分けて、それぞれ計算した額を合計。

  • 200万円以下の部分×5%
  • 200万円を超えて400万円以下の部分×4%
  • 400万円を超える部分×3%

例えば、3,000万円の取引額の場合、計算は次のようになります。

200万円(200万円以下の部分)×0.05+200万円(200万円を超えて400万円以下の部分)×0.04+2,600万円(400万円を超える部分)×0.03=96万円(+消費税)

ただし、この計算方法だと計算が多くてたいへんなので、400万円を超える取引きの場合は次の速算式を使うと便利です。

取引額×3%+60,000円

3,000万円の取引額の仲介手数料の上限額を速算式で計算してみましょう。

3,000万円×0.03+60,000円=96万円(+消費税)

先ほどの計算と同じ額になることがわかります。

抵当権抹消費用

抵当権抹消の費用とは、住宅ローンが残っている家を売却する際に、司法書士に抵当権抹消の登記手続きを依頼した際の報酬です。

住宅ローンの借入先である金融機関などは、ローンを組んで購入した家を貸したお金の担保にします。これは、万が一ローンの返済が滞るなどで貸したお金が返ってこなかった場合、家を強制的に売却してお金を回収するためです。

抵当権とは、お金が返済されなかった場合に担保にした家を強制的に売却してお金を回収できる権利のことで、住宅ローンを組んで購入した家に登記されます。

家を売る際には、住宅ローンをすべて返済して、この抵当権を登記から外すことが必要です。その手続きが「抵当権抹消登記手続き」になります。

抵当権抹消手続きだけなら自分でも可能です。しかし、家を売却した代金の受け取りと住宅ローンの返済を同時にする場合は、司法書士に登記手続きを依頼することになるため、司法書士への報酬が必要になります。

抵当権が設定されていない場合は、家の売却時に抵当権抹消の費用は発生しません。

ローン返済手数料

抵当権抹消費用で説明した通り、住宅ローンが残っている家を売却する際は、抵当権を外すためにローンの残りをすべて返済しなければなりません。

住宅ローンを設定した際の返済スケジュールを変更して一括返済する場合に必要となるのが、ローン一括返済のための事務手数料です。

住宅ローンの一括返済手数料は、ローンを組んだ金融機関によって異なります。また、金融機関によっては手続きの方法によっても手数料が変わることがあるので、予め確認しておくようにしましょう。

抵当権抹消費用と同様に、住宅ローンを組んでいない場合はローン返済の手数料はかかりません。

家を売る際にかかる税金

家を売る際には、費用だけでなくさまざまな税金もかかります。ここでは、家の売却でかかる税金を見ていきましょう。

家の売却でかかる税金は、表の通りです。

税金の種類 支払時期 税額
印紙税 売買契約締結時 取引額に応じて異なる
登録免許税(抵当権抹消登記) 引渡し時 不動産ひとつにつき1,000円
譲渡所得税 売却の翌年 譲渡所得の額と売却した不動産を所有していた期間によって異なる

印紙税

印紙税とは、不動産の売買契約書などの文書に課せられる税金です。税額は契約書に記載されている金額によって決まり、印紙税額の収入印紙を契約書に添付して納税します。

取引額と印紙税額は、次の表の通りです。

契約金額 税率 軽減税率
10万円を超え50万円以下のもの 400円 200円
50万円を超え100万円以下のもの 1,000円 500円
100万円を超え500万円以下のもの 2,000円 1,000円
500万円を超え1,000万円以下のもの 10,000円 5,000円
1,000万円を超え5,000万円以下のもの 20,000円 10,000円
5,000万円を超え1億円以下のもの 60,000円 30,000円
1億円を超え5億円以下のもの 10万円 60,000円
5億円を超え10億円以下のもの 20万円 16万円
10億円を超え50億円以下のもの 40万円 32万円
50億円を超えるもの 60万円 48万円

※2024年(令和6年)3月31日までは軽減税率が適用されます

登録免許税

登録免許税は、法務局にある不動産の登記に変更を加える際に必要です。

住宅ローンが残っている家を売ったとき、売主は抵当権抹消登記手続きの登録免許税を負担します。抵当権抹消登記の登録免許税は、ひとつの不動産につき1,000円です。土地と建物、それぞれに抵当権が設定されている場合は2,000円になります。

不動産を売買した場合、所有権(不動産の持主)を変更する登記も必要ですが、所有権移転登記の登録免許税は買主が負担することが一般的です。

譲渡所得税

不動産を売却した際に出た利益に対して課せられるのが譲渡所得税です。譲渡所得税は、所得税(および復興特別所得税)と住民税からなります。

ただし、得た利益すべてに対して税金が課せられるわけではありません。譲渡所得から売却した不動産を購入した際にかかった費用(取得費)や売却した際にかかった費用(譲渡費用)を差し引いた額に課せられます。

譲渡所得税が課せられる譲渡所得(課税譲渡所得)の計算式は、次の通りです。

課税譲渡所得税=譲渡所得-(取得費+譲渡費用)-特別控除

マイホームなどを売却した際には、譲渡所得から特別控除が差し引かれます。種痘日や譲渡費用、特別控除を差し引いた結果、譲渡所得がゼロかマイナスになれば譲渡所得税はかかりません。

課税譲渡所得に税率を乗じると、不動産の譲渡所得税額が算出されます。譲渡所得税の税率は、売却した不動産の所有期間が5年を超えるか超えないかによって異なり、それぞれの税率は次の表の通りです。

所得税(復興特別所得税を含む) 住民税
長期譲渡所得
(所有期間5年超え)
15.315% 5%
短期譲渡所得
(所有期間5年以下)
30.63% 9%

家を売るときのポイント

家を売るときのポイント

家を売るときには、いくつかの知っておきたいポイントがあります。家を売る際の失敗を減らしたり売却をスムーズに進めたりするには、ポイントを押さえておくことが大切です。

ここでは、家を売るときのポイントを紹介します。

不動産会社は複数社を比較して選ぶ

家を売る際には、不動産会社に査定してもらうことが必要です。不動産会社に査定をしてもらう場合は、1社に絞って依頼するのではなく、複数の会社に依頼して査定を出してもらうようにしましょう。

1社のみの査定だと、その査定内容や査定額が正しいかどうかを判断できません。また、複数の不動産会社に査定を依頼することで、査定額だけでなく、担当者の態度や対応なども比較ができるので、不動産会社選びに役立ちます。

複数の不動産会社に査定を依頼する場合は、不動産一括査定サイトの利用がおすすめです。売りたい家の情報を一度入力するだけで、複数の不動産会社に査定を依頼できます。

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不動産会社は査定額だけで選ばない

査定額は必ずしも売れる金額(成約価格)ではないため、査定額の高さだけでなく、総合的な判断で不動産会社を選ぶことをおすすめします。

むしろ、高い査定額のまま売出し価格をつけると、高すぎるため購入希望者がなかなか見つからないという恐れもあります。

売却を依頼する不動産会社を選ぶ際には、査定額の高さだけでなく、査定内容や根拠をしっかりと説明してくれるかどうかもチェックしましょう。

また、不動産会社の得意分野や販売実績、担当者の提案力なども比較して、信頼できる不動産会社を選ぶことが大切です。

「売出し価格」は適切な価格にする

先にも述べた通り、査定額と売れる額とは必ずしも同じではありません。売出し価格が高過ぎると購入希望者がなかなか現れず、安すぎると売却損が出てしまいます。

そのため、売出し価格を決める際には、査定額だけでなく、周囲の同じような物件がいくらぐらいで取引きされているかといった相場額を調べることが大切です。

成約価格は、レインズマーケットインフォメーションや不動産ポータルサイトで確認できます。

また、いつまでにいくらぐらいで売りたいかによっても売出し価格の設定は変わってきます。売出し価格を決める際には、売却希望価格(売りたいという価格)と売却最低価格(この額までなら値下げできる価格)を予め決めておくと、値下げの際や価格交渉の際に迷いにくくなるのでおすすめです。

内見の準備・対応をしっかり行う

内見は購入希望者が家を購入するかどうかを決める大切なポイントです。家の売却が成功するかどうかは、購入希望者による内見にかかっているといっても過言ではありません。そのため、内見の予定が入ったら、準備と対応をしっかりと行うことが大切です。

内見準備や対応のおもなポイントとして、次のようなものが挙げられます。

  • 内見スケジュールは、できるだけ購入希望者に合わせるようにする
  • 清掃をする際は、玄関や水回りを特に念入りにきれいにする
  • 家のすみずみまでチェックされるので、押し入れやクローゼットの中、バルコニーなどもきれいにしておく
  • 部屋が明るくなるようにすべての照明をつけ、窓を開けて換気をしておく
  • 購入希望者が落ち着いて内見できるように立ち合いは1人だけにする
  • どうしても片付けられない場合は、トランクルームやホームステージング(室内をきれいに演出してくれるサービス)などを利用する

内見時の印象はとても大切です。内見によって家の売却の成功が左右されるので、しっかり準備と対応をしましょう。

家が売れやすいタイミングを見極める

転勤や住み替えなどで売却期限が決まっているのでなければ、家が売れやすいタイミングを見計らって売りに出すこともひとつの手です。

3月から4月にかけては、勤め先の異動や入学などのため引越しが多くなります。そのため、その時期までに引渡しができるようなスケジュールで売りに出すと、ほかの時期よりも売れやすくなる可能性が高くなると言えるでしょう。

3月頃までに買主に引渡しができるようにするためには、遅くとも前年の12月頃から売却活動を始める必要があります。前もって準備を進めておくようにしましょう。

【監修者コメント】
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売ろうと思ってもすぐには売れないと思っておいた方が良いです。

なぜなら日本においては中古の家より新築の家の方が好まれる傾向にあります。

自分にとってはこれが一番と思う特徴でも他人にとってみれば趣味と会わないこともよくあります。

購入者がいて初めて売れるのでスケジュールは長めに見ておきましょう。

<ケース別>家を売るときの注意点

家を売るときの注意点

最後に、家を売るケース別の注意点を説明します。

家を売る理由はさまざまです。そして、家を売る理由によって、売却方法やスケジュールが違ってくる場合もあります。

家を売るケースにどのような場合があるのか、またそれぞれのケースでは何に注意すればよいのか見ていきましょう。

住み替えで家を売る場合

売り先行と買い先行のメリット・デメリット

今、住んでいる家を売って新しい家を購入して住み替える場合は、売却と購入のタイミングを調整することが大切です。

売却した家を引き渡すタイミングと、購入した家を受け取るタイミングが同時になれば理想的ですが、なかなかそうはいかないのが現実です。

そのため、住み替えの場合、売却を優先するのか(売り先行)購入を優先するのか(買い先行)をまず決める必要があります。

売り先行の場合は、売却できる額がわかってから購入物件を探すことができるので、資金計画が立てやすくなる点がメリットです。しかし、購入前に引渡しをすることになると、仮住まいが必要になります。

買い先行の場合は、購入物件をじっくりと探すことができる点がメリットです。しかし、新しい家を購入したにもかかわらず今の家が売れないと、しばらくのあいだ二重のローンを組むことになってしまいます。

売り先行と買い先行、それぞれにメリットとデメリットがありますが、住宅ローンが残っている家を売却する場合や資金面で不安がある場合は、売り先行で売却スケジュールを組むほうが資金計画を立てやすくなるのでおすすめです。

住宅ローンの残債がある状態で家を売る場合

住宅ローンの残債があるマンションの売却方法

住宅ローンが残っている家を売却する場合は、売却代金で住宅ローンが完済できそうかどうかを見極めることが大切です。

家を売却した代金で住宅ローンが完済できるかどうかを調べるためには、住宅ローンの残債の確認をしなければなりません。

住宅ローンの残債は、借入している金融機関から郵送される残高証明書か、住宅ローンを設定した際に発行される返済予定表などの書面で確認できます。

それらの書類がない場合は、金融機関に直接問い合わせをするといいでしょう。

万が一、売却後に不足金が発生する場合は、自己資金でまかなうか、買い替えローンの検討が必要です。

不足金が解決しそうにない場合は、賃貸に出したりや任意売却という選択肢も考えましょう。

離婚によって家を売る場合

離婚時に家を売る場合の確認ポイント

離婚で家を売却する場合、まず大切なことは家の名義人を確認することです。夫婦で名義人になっている共同名義の場合は、家を売却した代金をどのように分けるかを予め取り決めておく必要があります。

また、共同名義の場合、原則として売却の契約時や決済時には夫婦の立ち合いが必要です。どうしても両者で立ち合うことが難しい場合は、お互いの承諾を得た上で委任状を作成して相手に委任するか、代理人を立てるようにしましょう。

相続した家を売る場合

相続した家を売る場合の確認ポイント

相続した家を売る場合に大切なことは、売却前に相続した家の所有者を相続人に変更しておく必要がある点です(相続による所有者変更手続き)。

家の所有者を変更しておかないと、売却ができません。相続人が複数いる場合は、家が相続人全員の共同名義になるため、売却の同意や契約時には全員の同意が必要になります。

相続人が複数いる場合は、予め遺産分割協議を行って遺産分割協議書を作成しておき、売却時や売却した代金を分ける際にトラブルが生じないようにしましょう。

【監修者コメント】
監修者画像

家を売るということは不動産を売却して金銭に変えるという行為になります。

ですので、手元に入る金銭をどうするか、また税金などいくらくらい支出が伴うのかという全体像を把握しておくことがとても重要です。

家の売却の流れを把握して売却を成功させよう

家の売却の流れを把握して売却を成功させよう

家を売却する際には、売却をスムーズに進めたりトラブルを回避したりするためにも、予め売却の流れや基本的な知識を身につけておくことが大切です。

また、どのようなポイントに注意すべきかを知っておけば、売却を依頼する不動産会社を選ぶ際にも役立ちます。家の売却を成功させるためにも、売却の流れや基本的な知識をしっかりと学んでおくようにしましょう。

【監修者コメント】
監修者画像

不動産の売却活動はそのほとんどを仲介業者に任せることになります。売主は依頼さえすれば実はあまり何も活動する必要はありません。

しかし、自分の思うような売却活動にするためには希望条件などをしっかり担当者へ伝え、その履行を確認していくことが重要です。

この記事のおさらい

家を売るおもな方法は?
家を売るときのポイントは?
58秒で入力完了売りたい物件を無料査定!
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  1. 不動産売買の委任状の書き方|記載項目・必要書類・注意点
    不動産売買の委任状の書き方|記載項目・必要書類・注意点

    不動産を売買する際に、入院している場合や遠方で移動が難しい場合など、当事者が直接立ち会えないケースもあります。このような場合、委任状と呼ばれる書類を作成し、代理人を立てた上での取引きが可能です。この記事では、不動産売買による委任状の基礎知識をわかりやすく解説します。どのようなときに委任状で取引きできるか、どのようなときに委任では取引きできないのかに加え、委任状の記載項目や注意点も併せて説明しますので参考にしてください。

  2. 土地と建物の名義が違う場合|売却方法や名義変更手続き方法を紹介
    土地と建物の名義が違う場合|売却方法や名義変更手続き方法を紹介

    土地とその土地に建っている家や建物の名義人は、一般的には同じことがほとんどです。しかし、さまざまな事情により、土地の名義人と家や建物の名義人が異なっている場合もあります。土地と建物、それぞれの名義人が違うことで、不具合が生じることは通常はあまりありません。しかし、その土地や建物を売却する際や、税金が課せられる際に問題が生じる場合があります。この記事では、土地と建物の名義が違う不動産を売却したい場合、どのような方法があるのか、手続きはどうすればいいのかなどの解説しています。名義が異なる土地や建物を所有している人は、ぜひ参考にしてください。

  3. マンションにおける減価償却費の計算方法<シミュレーションを基に解説>
    マンションにおける減価償却費の計算方法は?シミュレーションを基に詳しく解説

    確定申告を行う際には減価償却費の計算が必要です。不動産で得られた所得には税金が課せられますが、所得から経費を差し引くことができれば課税される額が抑えられるので税金が安くなります。減価償却費は、その経費として計上することが可能です。この記事では減価償却の意味をはじめ、メリットとデメリット、計算方法まで詳しく解説します。

  4. 不動産売買の契約後に解約したくなったら?解除パターンと注意点
    不動産売買の契約後に解約したくなったら?解除パターンと注意点

    戸建てやマンションなどの不動産の売買契約を結んだ後は、物件が引き渡されるまでに1ヵ月程度の期間があるケースがほとんどです。その期間中に、売主または買主が何らかの理由で売買契約を取りやめたいと考えることがあります。売買契約を結んだ後も解除を申し出ることは可能ですが、違約金の支払いや手付金の放棄などのデメリットもあるのが現状です。また、売主または買主とトラブルになる可能性もあるため、売買契約の後に解除する場合は慎重に検討しましょう。この記事では、不動産の売買契約後に解約できるかどうかをわかりやすく解説します。「解約」と「解除」の違いも併せて解説するので、不動産を売買する予定がある人はぜひこのまま読み進めてください。

  5. 専任媒介契約の期間は3ヵ月!更新や途中解約の方法を解説
    専任媒介契約の期間は3ヵ月!更新や途中解約の方法を解説

    不動産を仲介で売却する際には、売り手と不動産会社の間で「媒介契約」と呼ばれる契約を結びます。媒介契約は、不動産の売却活動を売り手に代わって宅地建物取引業者である不動産会社が引き受けるという契約です。媒介契約には、一般媒介契約・専任媒介契約・専属専任媒介契約の3種類があり、それぞれ内容が異なります。専任媒介契約の内容は、一般媒介契約と専属専任媒介契約の言わば中間的な存在です。この記事では、専任媒介契約の期間やルールをわかりやすく解説しています。満期を迎えた場合の手続きや途中解約も併せて解説しているので、専任媒介契約の理解を深めて適切な期間で契約しましょう。

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