高校の単位制とは?学年制との違いやメリット・デメリットをわかりやすく解説
公開日:2018年02月08日 更新日:2025年02月27日

高校における単位制とは何か、学年制とどっちがいいのか、疑問に思っている人もいるのではないでしょうか。 単位制とは、学年ごとに決められた単位を取得するのでなく、3年以上学校に在籍した上で必要な単位を取得すれば卒業できる制度です。通信制高校で多く導入されています。 この記事では単位制の概要や学年制との違い、メリット・デメリットをわかりやすく解説します。単位制高校を検討している人は、ぜひ参考にしてください。
高校の単位制とは?
単位制とは、学習時間数を単位として履修し、単位の取得数によって進級や卒業を判定する制度のことです。学年制と違い、学年による教育課程の区分がありません。
単位制の特徴は、以下の通りです。
- 好きな科目を選べる
- 生徒自身のペースで学べる
- 学年の区分がない
- 留年の概念がない
教科ごとに単位数が設定されており、生徒自身で興味や関心のある科目を選択できます。学年の区分がないため、自分のペースに合わせて学習することができます。
単位制と学年制の違い
単位制・学年制ともに、卒業資格を得るには3年以上の在籍と、必修科目を含めた74単位以上の単位修得が必要です。ただし、異なる点もあります。
単位制 | 学年制 | |
---|---|---|
単位の取得法 | 3年以上在籍し74単位取得すればよい(※1年間の取得単位数に上限あり) | 学年ごとに取得単位が決まっている |
再履修の方法 | 落とした科目だけ翌年度に履修すればよい | 同じ学年に留まり全科目履修し直す |
出席日数 | 必要な出席日はスクーリングなどに限られる | 年間の出席日数が3分の2以上必要なケースが多い |
単位制のメリット・デメリット
単位制高校のメリット・デメリットを解説します。
メリット
単位制高校のメリットは、次のようなものがあります。
- 履修科目を調整できる
- 講師のサポートを受けやすい
- 自分のペースで学習できる
- 編入・転入の際に単位を引き継ぎやすい
単位制では、生徒自身が進路希望に合わせて好きな履修科目を選択・修得できるのが大きなメリットです。少人数クラスになることが多く、講師のサポートを受けやすいです。
得意科目の履修を早めに終わらせることや、じっくり苦手科目に取り組むなど、好きなペースで学ぶことができます。
デメリット
単位制高校のデメリットには、次のようなものがあります。
- 自己管理能力が求められる
- 選べる学校が少ない
- レポート提出がある
- クラス単位の活動が少ない
単位制は、学習を自身でやりとげる必要があるため、自己管理能力が求められます。計画的に取り組めなければ、単位を取りそこなう可能性があります。
単位制の方が向いている人
単位制は、下記のような人に向いています。
- 自分のペースで学びたい人
- 学業以外に打ち込みたいことがある人
- 集団行動が苦手な人
- 将来の夢や目標が明確な人
単位制は学習ペースを調整できるため、苦手科目があってもじっくり学習を進めたい人に向いています。そのため仕事やスポーツなど、学業以外に打ち込みたい活動がある人にもおすすめです。
単位制を導入している高校とは
単位制は、通信制高校で主に採用されています。全日制高校・定時制高校は、学年制が多いですが、一部で単位制を導入しています。
単位制の学校数 | 全学校数 | 単位制の割合 | |
---|---|---|---|
全日制 | 766 | 4,161 | 18% |
定時制 | 80 | 174 | 46% |
通信制 | 299 | 335 | 89% |
通信制・全日制・定時制いずれも得られる高卒資格は同じものとなります。また、留年の概念がない点も同様です。
通信制高校については、『通信制高校とは?カリキュラムや全日制との違いをわかりやすく解説!』を参考にしてください。
よくある質問
単位制に関する「よくある質問」について回答します。
Q.単位制高校では留年しないの?
A.単位制の場合、学年の概念がないため、留年することはありません。単位を落とした場合は、再度履修をすることになります。
Q.単位制と学年制どっちがいい?
A.どちらがよいかは生徒のタイプによって異なります。
単位制の特徴を踏まえると、自分のペースで学びたい人や、学業以外に打ち込みたい活動がある人、集団生活が苦手な人は単位制に向いています。
自己管理能力に自信がない人や、決まった時間に毎日登校したい人、コミュニケーションしながら学びたい人は学年制がよいといえます。
Q.単位制は2年で卒業できる?
A.2年で卒業はできません。
単位制を含めた高校の教育課程では、卒業の条件として3年以上の在籍が必要です。
また、1年間に取得できる単位数には上限があるため、そもそも2年で卒業に必要な単位を取得することは難しいといえます。
ただし、単位制の学校に転入・編入した場合は、前の学校の在籍期間を加算できる可能性があります。例えば、全日制に2年在籍し、単位制で卒業に必要な残りの単位を1年間で修得できれば、1年で卒業できます。
なお、通信制高校への転入については、『通信制高校への編入と転入の違いを解説!注意点から判断ポイントまで紹介』を参考にしてください。
Q.単位制で単位を落とす基準は?
A.単位を落とす基準は、次の3つのうちのいずれかに該当する場合です。
- レポートを提出しない場合
- スクーリングに参加しない場合
- レポートやテストで合格点に達していない場合
単位制では、レポートの提出やスクーリング(面談指導)への参加、テストに合格することが必須です。上記の条件をクリアできない場合は単位を得ることはできません。
Q.単位制には学年がないの?
A.単位制の学校には学年がありません。
在籍年数に応じて、「1年次」「2年次」「3年次」といった呼び方をします。
Q.単位制にはクラスや担任といったものはあるの?
A.ある場合とない場合があり、学校によって異なります。
全日制の場合、クラスと担任を設けている学校は多いです。
また、通信制高校でもクラスや担任を設けて、スクーリングや学校行事をクラス単位で行う学校もあります。
まとめ
高校の単位制とは、3年以上在籍し必修科目を含めた74単位以上の単位を取得できれば卒業できる制度です。希望に応じて履修科目を選べたり、自分のペースで学習できたりするメリットがあります。
単位制を導入している学校には、全日制・定時制のほか通信制高校もあります。とくに通信制高校は、在宅学習が基本のため自分のペースで学びやすく、単位制の特性を十分に活かした学習が可能です。
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