不動産売却の基礎知識!やり方、費用や税金、必要書類を把握しよう

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不動産売却の基礎知識!やり方、費用や税金、必要書類を把握しよう

不動産を売却する機会はそう多くないため、流れや売却にかかる費用、また売却に必要な書類など事前に確認しておいたほうがいいことがたくさんあります。また、不動産売却を円滑に進めるには、売却に関する基礎知識を身につけることが大切です。
ここでは不動産売却の手順や費用・必要書類はもちろん、売却を成功させるポイントや、売却に関するよくある質問にも答えます。

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【監修】西崎 洋一 宅地建物取引士・管理業務主任者・不動産コンサルタント・不動産プロデューサー。不動産業界10年以上の専門家。物件調査、重説作成・説明などの実務経験が豊富。特に土地の売買、マンション管理に精通。大阪を中心に活動を行っている。

不動産売却には「仲介」と「買取」がある

不動産売却には「仲介」と「買取」がある

土地やマンションなどの不動産を売却する方法は、おもに仲介と買取の2種類があります。

それぞれメリットやデメリットが異なるため、事前に確認して自分に適した方法を選ぶことが大切です。

売却方法の種類 メリット デメリット
仲介 ・買取より売却価格が高い傾向がある ・仲介手数料が必要 ・短期間で現金化できない ・内覧などの手間や時間がかかる
買取 ・短期間に現金化できる ・仲介手数料が不要 ・内覧などの手間や時間がかからない ・仲介より売却価格が低い傾向がある

仲介とは

仲介の価格・期間・特徴

仲介とは売り手が不動産会社に売却活動を依頼し、買い手を見つけてもらう方法です。

専門知識を持った不動産会社に売却に関する対応を任せられるため、知識不足によるトラブルを回避できます。

査定によって適切価格が把握できるため、相場に近い金額での売却が期待できるでしょう。

その一方ですぐに買い手が見つかるとは限らないため、売却が完了するまでに時間がかかる可能性があります。

また、売買契約が成立すると不動産会社への仲介手数料の支払いが発生するため、売却にかかる費用の負担が大きくなります。

不動産会社に仲介を依頼する際には、媒介契約と呼ばれる契約の締結が必要です。媒介契約には複数の種類がありますが、詳細は「不動産売却の流れと期間の目安」で解説します。

買取とは

買取の価格・期間・特徴

買取りとは、不動産会社に物件を直接買い取ってもらう方法です。

買い手を見つけるための売却活動が不要なので、仲介に比べて短期間で売却できることに加え、仲介手数料も発生しません。

売り手は改定に対して契約不適合責任を負う必要があるため、売却後に不具合が見つかった場合は、経済的な負担が増えてしまいます。

買取りは契約不適合責任も免責されるため、売却後のトラブルを軽減できます。

その一方で、不動産会社が買い取った後にリフォームして再販するため、売却価格が仲介の7~8割程度になる点がデメリットのひとつです。

また、買取に対応した不動産会社は多くないため、見つけるのに時間がかかる可能性があります。

【監修者コメント】
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時間的余裕がある場合は、仲介。金銭的に急いでいる場合は買取となることが多いです。


裏話として、不動産業者側から見て、一時的とはいえ何千万円も払ってでもそれ以上に利益が出る見込みのある物件は買取となります。

不動産売却の流れと期間の目安

不動産売却の流れと期間の目安

不動産売却の全体像を把握するために、売却の流れと期間の目安を確認しておきましょう。あくまでも目安ですが、すべてが完了するまでに3ヵ月から6ヵ月程度かかるのが一般的です。

不動産会社に査定依頼をして媒介契約を結ぶまでに約1週間から4週間、売出し価格が決定し、売却活動を開始して購入希望者が現れるまでの期間に約1ヵ月から3ヵ月、購入希望者が決まり売買契約を結んで不動産を引き渡すまでは約1ヵ月から2ヵ月かかります。

ただし、あくまで目安であり、購入希望者が現われないと6ヵ月以上かかるケースもあることは覚えておきましょう。

【不動産売却の流れと目安期間】

不動産売却の流れ 目安期間 段階
1. 住宅ローンの残債を確認する - 売却前
2. 不動産の相場価格を調べる - 売却前
3. 不動産会社への査定依頼 約1週間~4週間 売却前
4. 不動産会社と媒介契約を行う 約1週間~4週間 売却前
5. 売出し価格を決め売却活動を開始する 約1ヵ月~3ヵ月 売却中
5. 売出し価格を決め売却活動を開始する 約1ヵ月~3ヵ月 売却中
6. 購入希望者と売買契約を結ぶ・引き渡し 約1ヵ月~2ヵ月 売却中
7.確定申告 翌年の申告期限(3月15日)まで 売却後

1. 住宅ローンの残債を確認する

住宅ローンが完済していない場合は、残債額を確認しましょう。

住宅ローンが残っていても不動産を売却する方法はありますが、資金計画を立てるためにも、残高の照会は必要不可欠です。

住宅ローン残債を確認するには、借入金融機関のお客様サービスセンターに問い合わせる方法や、毎年10月頃に金融機関から送られてくる「残高証明書」、金融機関発行の「返済予定表」を確認する方法があります。

返済予定表にはローン残高のほか、ボーナス返済分や金利も確認できる上、万が一紛失した場合には再発行も可能です。

2.不動産の相場価格を調べる

希望条件(売却価格・売却期間など)を予め決めておくと、次の買い替え先や資金計画、また売却活動を始めるタイミングなども決めやすくなります。

不動産会社に査定を出してもらう前に相場価格を調べておくことで、仲介不動産会社の査定額を客観的に判断できるようになります。

自分自身で相場価格を調べる方法には、不動産ポータルサイトや不動産取引価格情報検索、レインズ・マーケット・インフォメーションなどがあります。

いずれもネット上で気軽に確認できる点がメリットです。

サイト名 特徴 不動産種別
不動産ポータルサイト 売り出し中の不動産価格や競合物件の検索が可能 戸建て・マンション・土地
不動産取引価格情報検索 国土交通省が運営するウェブサイト。不動産の取引価格・地価公示が検索可能 戸建て・マンション・土地
レインズ・マーケット・インフォメーション 国土交通大臣指定の不動産流通機構が提供するウェブサイト。実際の取引価格が検索可能 戸建て・マンション

3.不動産会社への査定依頼

不動産会社の査定方法は、大きく分けて、データから査定する「簡易査定(机上査定)」と、不動産会社の担当者が直接現地に赴き不動産を査定する「訪問査定」の2種類があり、特徴は次の通りです。

【不動産の査定方法と特徴】

査定方法 特徴
簡易査定(机上査定) データ(物件内容・過去の取引実績など)から査定する方法
訪問査定 実際に訪問して不動産を査定する方法

簡易査定の場合、短期間で相場を知ることができますが、訪問査定に比べると査定結果の精度は高くありません。そのため、おおよその価格を知りたい場合は簡易査定が適しています。

一方の訪問査定は、簡易査定よりも結果が出るまでに時間はかかりますが、土地の高低差やロケーション、間取りの使い勝手なども反映されます。より正確な価格を知りたい場合におすすめです。

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4. 不動産会社と媒介契約を結ぶ

不動産会社への査定依頼の後、希望する不動産会社と媒介契約を結びます。媒介契約とは、不動産会社が売主と買主のあいだに立ち、契約成立に向けて活動する旨の契約です。

媒介契約には、専属専任媒介契約・専任媒介契約・一般媒介契約の3種類があり、それぞれ特徴が異なります。

【媒介契約の種類と特徴】

専属専任媒介契約 専任媒介契約 一般媒介契約
他社との契約 できない できない できる
自分で見つけた購入希望者と直接取引 できない できる できる
契約有効期間 3ヵ月以内 3ヵ月以内 制限なし※約款では3ヵ月以内
売却の依頼 1社のみ 1社のみ 複数社可能
レインズへの登録 媒介契約締結から5営業日以内 媒介契約締結から7営業日以内 任意
業務報告 1週間に1回 2週間に1回 任意

専属専任媒介契約は、売却の依頼は1社のみですが、ほかの契約と比べて報告頻度が高く、販売状況を把握しやすいのが特徴です。

専任媒介契約は、専属専任媒介契約と同様、他社との契約はできませんが、自分で見つけた購入希望者と直接取引できます。

一般売却契約は、レインズの登録や業務報告は任意ですが、他社との契約に加え、自分で見つけた買手と直接取引が可能です。

【監修者コメント】
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専任媒介契約が圧倒的に多いです。なぜなら、業者側からすると売却活動が骨折り損となることは避けたいからです。


媒介契約自体は長くても3ヵ月までですから、大きなリスクを被ることはありませんから、専任媒介契約で契約しても問題はありません。

5. 売出し価格を決め売却活動を開始する

媒介契約を結んだら、売出し価格を決めて売却活動を開始します。

売出し価格は、不動産会社の査定価格と売主の売却希望価格を踏まえて、最終的に売主が決定しますが、「高く売りたい」「安くても早く売りたい」など、目的に合わせて価格を設定するのがポイントです。

加えて、購入希望者との価格交渉を想定し、ここまでなら値下げできるという「最低売却価格」を決めておきましょう。特に住宅ローンの残債がある場合は、大幅な値下げで完済できないリスクを避けることができます。

不動産会社が行う売却活動は、ウェブサイトや折り込み広告、不動産関連のポータルサイトなどを活用して行われます。また、購入希望者に直接物件を確認してもらう「内覧」も重要な売却活動のひとつです。

6. 購入希望者と売買契約を結ぶ・引き渡し

不動産の買手が決まると、買主側の不動産会社から手付金や契約条件が記載された「買付申込書」が届くので、内容をよく確認しましょう。売主・買主、両者の条件が整えば、売買契約を結びます。

売買契約を結んだ後、物件を買主に引き渡す段階に入りますが、それまでに余裕をもって引越しの手配を済ませる必要があります。なお引渡しは、決済日に行われるのが一般的です。

なお、物件の引渡しまでに、「登記の準備」「物件の確認」「退去・解体」3つの手続きが必要です。

【物件の引渡し前に行う手続き】

登記の準備 ・不動産に設定された抵当権の抹消の準備
・所有権移転のための手続きの準備
物件の確認 不動産の状態と境界を買主・売主・不動産会社立ち会いのもと確認
退去・解体 ・建物付きの不動産は引越しや不要な荷物の撤去
・更地で引き渡す場合は建物の解体

7. 確定申告を行う

不動産売却で譲渡益(利益)が出た場合は、確定申告が必要です。一方、売却損が出た場合は、確定申告の必要はありません。ただし、売却損が出た場合は確定申告をすれば、節税できる特例が利用できる場合があります。

確定申告は、税務署の窓口・郵送・インターネットで手続きが可能です。確定申告書は、国税庁ウェブサイトや最寄りの税務署で入手可能です。申告書に必要事項を記載して必要な書類と共に不動産売却の翌年の確定申告期間2月16日~3月15日に提出しましょう。

不動産売却にかかる税金・費用

不動産売却にかかる税金・費用相場

不動産売却の際には、不動産会社に支払う仲介手数料、また住宅ローンが残っている場合は、ローン一括返済手数料などの費用が必要です。加えて、譲渡所得税(所得税・住民税・復興特別所得税)や印紙税などの税金もかかります。

【不動産売却にかかる費用相場】

支払いのタイミング 費用相場
仲介手数料 売買契約時 (売買額×3%)+60,000円+消費税
※売却価格が400万円を超える場合(上限額)
ローン一括返済手数料 売却決済時まで 10,000円~30,000円
抵当権抹消費用※司法書士に依頼する場合 不動産の引渡し時 5,000円~20,000円
印紙税 売買契約の締結時 1,000円~60,000円
※売却金額によって異なる
譲渡所得税
(所得税・住民税・復興特別所得税)
売却した翌年の2月16日~3月15日までのあいだ ・不動産の保有期間5年以下:譲渡所得の39.63%
・不動産の保有期間5年超:譲渡所得の20.315%

そのほかにも、土地の場合は解体費や測量費、一戸建て・マンションの場合はリフォーム費用やクリーニング費用などがかかるケースもあります。

仲介手数料

仲介手数料とは、売却活動を依頼した不動産会社に対して支払う手数料のことです。

手数料には物件の広告費用や契約条件の交渉など、売却活動に必要な費用が含まれています。

成功報酬型なので、売買契約に至らなかった場合は支払いが不要です。

手数料の金額は、売却価格に応じて上限が決められています。

手数料に含まれる費用の詳細や計算方法は、下記の記事で詳しく解説しているので、ぜひチェックしてみてください。

ローン一括返済手数料

ローン一括返済手数料とは、住宅ローンの返済期間中に残債の全額を返済する際にかかる手数料のことです。

金額は0円~33,000円と幅が広く、金融機関や返済方法、金利のタイプによって異なります。

窓口や電話で返済する際に手数料が発生する金融機関でも、インターネット経由であれば0円になるケースが多いようです。

詳しくは、自身が借り入れている金融機関でご確認ください。

住宅ローン返済中のマンションを売却する方法や一括返済の方法は、下記の記事で紹介しているので、気になる人はぜひチェックしてみてください。

抵当権抹消費用※司法書士に依頼する場合

抵当権の抹消を司法書士に依頼する場合は、抵当権抹消費用がかかります。

抵当権とは何らかの理由で住宅ローンの返済ができなくなったときに備えて、金融機関が不動産を担保として確保する権利のことです。

住宅ローンを完済すると担保が不要になりますが、自動で抹消されるわけではないので手続きが必要です。

抵当権の抹消は、自身で手続きすることも可能です。

自身で抵当権を抹消する際に必要な書類や費用は、下記の記事で詳しく解説しているのでご参考ください。

印紙税

印紙税とは、印紙税法で定められた文書を作成する際に課せられる税金のことです。

不動産取引では、売買契約書が印紙税法の対象文書になります。

売買契約書は売り手分と買い手分を1通ずつ作成するため、2通分の納税が必要です。

金額は、対象書類に記載された金額に応じて定められています。税額分の印紙を購入し、売買契約書に貼り付ける形で納付します。

印紙税の詳細は、下記の記事で紹介しています。

譲渡所得税

譲渡所得税とは、不動産を売却して出た利益に対して課せられる税金のことです。

不動産を売却しても利益が出なかった場合は、譲渡所得税は発生しません。譲渡所得税は、所得税と住民税で構成されています。

2037年までは、所得税の中に東日本大震災の復興を目的として創設された復興特別所得税が含まれています。

不動産を売却した年の翌年に確定申告し、納税する仕組みです。

【そのほかの費用】

項目 詳細 費用相場
解体費 建物解体にかかる費用 100万円~300万円
測量費 測量にかかる費用 50万円程度
リフォーム費用 内覧に備えた専門家によるキズ・ダメージの修復費用 10万円~30万円
クリーニング費用 内覧に備えた専門家による本格的な掃除費用 50,000円程度
引越し費用 引越しや家財の処分費用 10万円~20万円

解体費

建物を解体した上で売却する場合は、解体費が必要です。

戸建を売却する際には必ずしも解体が必要なわけではなく、状況によって異なります。

【解体が必要なケース】

  • 建物に価値がない場合
  • 早期売却を希望する場合
  • 契約不適合責任を回避したい場合

築年数が古く建物に価値がない場合は、解体して更地にしてから売り出したほうが買い手が見つかりやすくなります。

物件の引き渡し後にシロアリや雨漏りが発覚するなど、契約不適合責任を負うリスクもあります。

しかし、更地にして売却すれば、建物に関する契約不適合責任を負う必要はありません。

【解体しないほうがいいケース】

  • 建物に価値がある場合
  • 再建築不可物件の場合
  • 解体費が売却価格よりも高い場合

近年は中古住宅への需要が高いため、建物に価値がある場合は解体せずに売り出したほうが買い手が早く見つかる可能性があります。

再建築不可物件は、建物を解体すると二度と建物を建てられません。解体すると土地の活用方法が限られるため、買い手がつきにくくなります。

また、解体費が売却価格よりも高くなる場合は売り手に損失が出るため、解体するかは慎重に検討するようにしましょう。

測量費

土地を売却する際には、測量が必要になることがあります。

測量とは、土地の面積と境界線を確定するための作業です。

土地を売却する際に、必ず測量しなければならないというルールはありません。

しかし、土地の面積や境界が曖昧なままだと、隣接する土地の所有者同士でトラブルに発展するリスクがあるため、市街地では測量を求められるケースが多いようです。

リフォーム費用

戸建てやマンションを売却する際には、購入希望者に物件を見学してもらう内覧を行うのが一般的です。

内覧での印象は購入意欲に影響するため、状況によってはリフォームをするのも手段のひとつです。

中古住宅の購入希望者は自分で好きなようにリフォームしたい人が多いため、独断でリフォームしないようにしましょう。

リフォームは、不動産会社に相談することをおすすめします。

引越し費用

住み替えで住み替え先の住居にすぐ住めないときには、仮住まいを準備しなければなりません。

その場合は、仮住まいと住み替え先の住居への2回の引越しが必要です。

2回の引越しになると引越し費用だけでなく、仮住まいの家賃も発生します。

住み替えを進める方法は、おもに売り先行と買い先行の2種類があります。

買い先行で住み替えを進めると住み替え先を前もって準備できるため、1回分の引越し費用と仮住まいの家賃が不要です。

下記のページでは条件を入力するだけで売却時の手取り額がシミュレーションできます。

不動産の売却に必要な書類

不動産の売却に必要な書類一覧

不動産売却にはさまざまな書類が必要です。手続きを滞りなく進めるためにも、必要書類は早めに準備しておきましょう。

ここでは、売却を依頼するときと、不動産の引渡し時に必要な書類を分けて紹介します。

売却を依頼するときに必要な書類

不動産売却を依頼するときに必要な書類には、身分証明書のほか、登記名義人であることを証明する登記済権利証(登記識別情報)や、各市町村役場から送付される固定資産税通知書などがあります。

土地測量図・境界確認書・建築確認済書などは一戸建ての売買の際に、マンションの売買には、管理費・修繕積立金に関する書類・管理規約(細則)などがそれぞれ必要です。

書類名 入手場所
身分証明書・住民票・実印・印鑑証明書 住民票・印鑑証明書(共に3ヵ月以内の発行):役所の窓口・コンビニのマルチコピー機
登記済権利証または登記識別情報 不動産の所有者になった際に、法務局から交付されている書類
固定資産税納税通知書および固定資産税評価証明書 各市町村の役場から送付される書類
土地測量図・境界確認証
※一戸建て・土地の売買に必要
法務局
建築確認済証・建築設計図書・工事記録書など
※一戸建ての売買に必要
建築を依頼した先
管理費・修繕積立金に関する書類・管理規約(細則)
※マンションの売買に必要
マンションの管理会社
耐震診断報告書・アスベスト使用調査報告書
※任意
耐震・アスベスト調査会社
売買契約書・重要事項説明書 購入した不動産会社
その他(販売時のパンフレット・広告など)
※任意
あれば用意

不動産の引渡し時に必要な書類

不動産の引き渡し時に必要な書類には、身分証明書・印鑑証明・実印のほか、売却代金の振り込みに使用する通帳、また住宅ローン利用の場合はローン残高証明書が必要です。

書類名 入手場所
身分証明書・印鑑証明書・実印 印鑑証明書(3ヵ月以内の発行):役所の窓口・コンビニのマルチコピー機
銀行口座の通帳 金融機関
住民票 各市町村の役所(3ヵ月以内の発行)
登記債権利証(または登記識別情報) 不動産購入時に法務局から発行されたもの
ローン残高証明書
※住宅ローン利用の場合
金融機関
建築確認済証および検査済証・建築設計図書 不動産購入時に建築会社から交付されたもの(紛失した場合は不動産会社が写しを用意)
その他(住宅設備機器の取扱説明書・物件のパンフレットなど) あれば用意する

不動産の売却を成功させるポイント

不動産の売却を成功させるポイント

不動産売却を成功に導くには、売却を依頼する不動産会社選びや、余裕のある下準備が重要です。

不動産会社の実績や担当者の質を確認する

不動産会社を選ぶ際は、実績や担当者の質をよく確認します。物件周辺の売却事情に詳しく、販売力の高い不動産会社を選ぶのがポイントです。

知名度の高い大手にこだわらず、その地域に精通した地元密着型の不動産会社も選択肢に入れることで、より自分の条件に合った不動産会社を見つけやすくなります。

また不動産会社には、一戸建ての売買、マンションの売買などそれぞれ得意分野があるため、売却物件に合った会社を選ぶと失敗がありません。

営業担当者の采配も、売却の結果を左右します。査定価格の説明や売却プランの提示が明確でわかりやすく、親身に話を聞いてくれる人が望ましいです。

査定は複数社に依頼し比較する

不動産会社に査定をしてもらう際は、1社だけでなく複数社に依頼しましょう。査定額や担当者の説明・対応は不動産会社によって異なるため、3社以上に依頼して比較検討するのがおすすめです。

複数社に依頼するには、家にいながらにして複数社に査定依頼ができる「一括査定サイト」を利用するとよいでしょう。必要な情報を入力するだけで自分の条件に合う不動産会社を見つけることが可能です。

売却期間には余裕を持つ

不動産売却の準備は早めに行い、売却期間に余裕をもたせるのが売却成功のカギです。

売却期間に余裕がないと、不動産会社選びや売却価格の設定・必要書類の準備、また住宅ローンがある場合はローン残債の確認など、十分な下調べや準備ができません。妥当な価格で売却するためにも、準備は余裕をもって行いましょう。

不動産会社に仲介を依頼して売却が成立するまでの期間は、平均で3ヵ月から4ヵ月ですが、事前準備や各種手続き、引き渡しまでの期間を合わせると、6ヵ月前後を目安とするのが現実的です。

不動産売却に関するQ&A

不動産売却に関するQ&A

ここでは、不動産売却に関するよくある質問に答えます。

住宅ローンの残債がある状態で売却できる?

住宅ローンの残債がある状態でも不動産の売却は可能です。ただし、不動産を買主に引き渡すまえまでに、売却代金や貯金などでローンを完済して抵当権を抹消することが必須条件となります。

新しい家を購入して住み替える場合は、「住み替えローン」を利用することも可能です。住み替えローンとは、売却代金や貯金でローンを完済できない場合に、住宅ローンの残債と新居にかかるローンを、まとめて融資してくれます。便利ですが、売却と新居購入の決済日を合わせる必要があるため、スケジュールが圧迫されることや、ローン審査も厳しいのがデメリットです。

住み替えで不動産を売却するときのポイントは?

住み替えで不動産を売却する場合は、不動産売却と新居購入のタイミングがポイントです。

住み替えには「売り先行」「買い先行」の2種類があり、目的に合わせてどちらかを決める必要があります。

売却してから購入する「売り先行」は、住み替え先が決まるまで、仮住まいの確保や賃料の支払いなどが生じますが、先に売却代金が確保できるため、資金計画の立てやすさがメリットです。

購入してから売却する「買い先行」は、売却金が想定額より下回る可能性があり、資金計画は立てにくいと言えます。ただし、新居を探す時間に余裕があることや、仮住まいを確保する必要のない点がメリットです。

相続した不動産を売却するときのポイントは?

相続した不動産を売却するには、不動産の名義変更(相続登記)が必要です。相続登記をしていない場合は、早めに手続きを行いましょう。

相続登記の手続きは法務局で行います。手続きには、相続人の戸籍謄本・住民票と、被相続人の戸籍謄本・除籍謄本・住民票の除票が必要です。被相続人が転出・転入している場合は、複数の場所で書類を入手する必要があります。

また状況によって異なりますが、相続登記には登録免許税(申請手続き費用)や戸籍謄本・住民税の発行手数料などが必要です。なお登録免許税は、固定資産税評価格×0.4%で算出します。

遠方の不動産を売却するときのポイントは?

遠方の不動産を売却する場合は、現在住んでいるエリア内の不動産会社よりも、売却物件がある地域の不動産会社に売却を依頼するのがおすすめです。

その地域の物件情報に精通している地元の不動産会社なら、相場に合った価格設定が可能な上、その不動産に合った活用方法や魅力を踏まえた販売活動によって、早期に買主が見つかる可能性も高くなります。

不動産売却にかかる税金を節税する方法はある?

不動産売却で譲渡益(利益)があった場合、一定の条件を満たせば、いくつかの控除を適用できます。

3,000万円の特別控除の特例

住居用不動産の売却によって得た譲渡所得に対し、所有期間に関わらず最高3,000万円を控除する特例です。よって売却益が3,000万円を下回る場合は、税金がかかりません。

10年超所有軽減税率の特例

住居用の所有期間が売却年の1月1日現在で10年を超えていれば、譲渡所得税(所得税・住民税)の税率が軽減される特例です。

譲渡所得には、長期譲渡所得(売却年1月1日現在で所有期間5年を超える場合)と、短期譲渡所得(売却年1月1日現在で所有期間5年以下の場合)があり、それぞれ定められた税率によって課税されます。

この特例を利用すれば、長期譲渡所得にかかる税率を通常よりも低く抑えることが可能です。「3,000万円の特別控除の特例」と併用することで大幅な節税が期待できます。

買い替えの特例

居住用不動産を2023年12月31日までに売却した場合、売却で発生した譲渡所得税の支払いを、次の売却まで先延ばしにできる制度です。売却で得た利益を新居の購入費などに利用できる点が大きなメリットと言えます。

適用するには、居住用不動産の所有期間が売却年の1月1日時点で10年超、居住期間10年以上であることが条件です。また、不動産の売却価格よりも新しい住居の購入価格の方が高額である必要があります。

【監修者コメント】
監修者画像

税金の制度は年度ごとに変わることがあります。


特に年度末に制度の終了や廃止が決まることがあるので都度確認するようにしましょう。

不動産売却の準備は余裕を持って行動しよう

不動産売却の準備は余裕を持って行動しよう

売却をスムーズに進めるためにも、事前準備として売却理由や希望条件を明確にすることが大切です。加えて、不動産会社が出した査定額を客観的に判断できるよう、不動産の相場価格も調べておきましょう。

また不動産売却には、さまざまな書類のほか費用や税金もかかります。手続きの場面で慌てることがないよう、前もって用意しておくのがポイントです。不動産売却を成功に導くためには、事前準備や手順の把握、必要書類や費用の用意など、準備は余裕をもって行うことが大切だと言えるでしょう。

【監修者コメント】
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不動産の売却を検討するということは、何らかの目的がある人が多いでしょう。

例えば、金銭的な問題、環境、ライフスタイルの変化など様々だと思います。

しかし売却活動を始めると、その目的を達成できない可能性もあります。


そういった場合にキチンと判断できるよう、本文にあるような知識を深めておき、全体を把握し対応の仕方を覚えておくことがとても重要です。

この記事のおさらい

不動産売却の期間の目安は?
不動産の売却を成功させるポイントは?
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    専任媒介契約の期間は3ヵ月!更新や途中解約の方法を解説

    不動産を仲介で売却する際には、売り手と不動産会社の間で「媒介契約」と呼ばれる契約を結びます。媒介契約は、不動産の売却活動を売り手に代わって宅地建物取引業者である不動産会社が引き受けるという契約です。媒介契約には、一般媒介契約・専任媒介契約・専属専任媒介契約の3種類があり、それぞれ内容が異なります。専任媒介契約の内容は、一般媒介契約と専属専任媒介契約の言わば中間的な存在です。この記事では、専任媒介契約の期間やルールをわかりやすく解説しています。満期を迎えた場合の手続きや途中解約も併せて解説しているので、専任媒介契約の理解を深めて適切な期間で契約しましょう。

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