不登校でも就職できる?不利になる理由や成功率を上げる方法

中学や高校で不登校の経験があると、「就職できないのでは?」「就職に不利になるのでは?」と不安に感じる人もいるのではないでしょうか。 不登校の経験があるからと言って、就職できないということはありません。 不登校の理由や何をしていたかなどを、きちんと説明できるようにしておけば問題ありません。 この記事では、不登校だと就職が不利になる理由や、不登校経験者が就職活動を成功させるポイントなどについて解説します。

不登校だと就職できない?

不登校経験者であっても、就職できないわけではありません。

「採用面接の際に不利になるのでは?」と思うかもしれませんが、面接官から聞かれない限りは、自分から話す必要はありません。

ただし、面接官から不登校について聞かれた場合は、不登校になった理由や何をしていたかなどを説明できるようにしておきましょう。

自分を飾ったり、嘘をついたりせずに、ありのままを素直に話すことが大切です。

また、中学や高校で不登校になり、高校を卒業していないと、就職が不利になる可能性があります。

厚生労働省「令和5年若年者雇用実態調査」によると、15~34歳の労働者の正社員の割合は、大卒87.3%、高卒63.5%、中卒34.0%でした。

正社員以外がダメというわけではありませんが、中卒と比べると、高卒や大卒の方が、就職には有利と言えます。

不登校経験者の就職率や就職先

文部科学省が2014年に実施した「平成18年度不登校生徒に関する追跡調査」によると、不登校経験のある人の8割以上が、20歳時点で就職か進学をしていました。

出典:文部科学省「不登校に関する実態調査~平成18年度不登校生徒に関する追跡調査報告書~」をもとに作成 (以下同)

このうち、働いていて、学校に通っていない人の働き方は以下の通りでした。

正社員として働いている人はおよそ4人に1人で、半数以上の人がパート・アルバイトとして働いていることがわかります。

不登校だと就職が不利になる理由

不登校経験者でも就職はできますが、高校を卒業していないと、就職が不利になる場合があります。

高校を卒業していないと、最終学歴は「中卒」です。

多くの企業が、「高卒以上」を募集要件としているため、中卒だとそもそも就職先の選択肢が狭まります

また、中卒だと取得できない資格やなれない職業もあります。例えば、保育士、教員、美容師などの資格を取るには、専門学校や大学などで学ぶ必要があります。

そのため、中卒だとこれらの職業を選ぶことができません。

不登校経験があるという理由だけで、就職ができないということはないですが、不登校で中卒だと、就職の選択肢が狭くなってしまいます。

不登校経験者が就職を成功させるポイント

不登校の経験があるというだけで、面接で落とされる可能性は少ないですが、不登校経験について聞かれることはあるでしょう。

その際に、どのように受け答えできるかで、企業の印象は変わってきます。

以下のポイントを抑えて、自信をもって回答できるようにしておきましょう。

  • 欠席が多い理由を説明できるようにする
  • 不登校の経験をポジティブにアピールする
  • 高卒資格を取得する

欠席が多い理由を説明できるようにする

面接官は、なぜあなたが学校に通わなかったのか、そしてその期間に何をしていたのかを知りたがります。

しっかりと説明できないと、「会社も休んでしまうのでは?」と思われてしまうかもしれません。

欠席理由をできるだけ具体的に話すことで、面接官に理解してもらえるようにしましょう。

また、学校を休んでいる間に、何をして、どのように成長したか、どのようなスキルを身につけたかを話せるようにしておくことも大切です。

不登校の経験をポジティブにアピールする

不登校中にどんな困難に直面したか、それをどのように乗り越えたかを具体的に伝えましょう。

例えば、不登校中でも規則正しい生活を心がけ、遅れないように勉強していたのであれば、自己管理能力のアピールになります。

また、不登校中に新しいスキルや知識を習得したことをアピールすることも有効です。

不登校だったことをネガティブに考えるのではなく、「不登校だったおかげでこんなことができた」「こういう考え方ができるようになった」といったポジティブな経験としてアピールしましょう。

高卒資格を取得する

高卒資格の取得は、不登校経験者にとってとても重要です。「高卒」というだけで、就職先の選択肢が広がります。

また、不登校という経験を乗り越えて、高卒資格を取得したというストーリーは、面接官に好印象を与える可能性があります。

就職で役立つスキル

不登校経験者が就職活動を行う際、日常業務で使うスキルを身につけておくと強みになります。

パソコンスキル

現代の仕事において、パソコンスキルは必須です。

Microsoft Office(Word、Excel、PowerPoint)の操作や、メールの送受信、インターネット検索、データ入力などの基本的なスキルは、あらゆる仕事で役に立ちます。

最近では、無料で学べるWebサイトや動画なども充実しているため、独学でもスキルを身につけることができるでしょう。

ライティングスキル

仕事の現場では、報告書作成、メール対応、プレゼンテーション資料の準備など、さまざまな場面で文章を作成する機会があります。

読みやすい文章を書いたり、説得力のある文章を書いたりするスキルがあると、あらゆる場面で役に立ちます。

例えば、読んだ本の内容をまとめてSNSやブログで発信したりすると、文章を書く練習になります。

AIスキル

近年、AI(人工知能)技術は急速に発展しており、多くの業界での需要が高まっています。

そのため、AIを使えるスキルを持っていると、仕事で役に立ちます。例えば、ChatGPTやGeminiなどの生成AIを使えるようになっておくだけでも、仕事をする上でアドバンテージになるでしょう。

不登校から高卒資格を取得するなら通信制高校も

不登校で学校に通えなくなった場合、高卒資格を取得する選択肢として通信制高校があります。

通信制高校は、従来の全日制高校とは異なり、インターネットを通じて授業を受けることができるため、自宅で自分のペースで学習を進めることができます。

通信制高校は柔軟な学習スタイルが特徴で、登校日数や学習の進め方も個別に調整可能です。そのため、不登校経験者でも安心して学習することができるでしょう。

多くの通信制高校では、キャリア支援や進路相談といったサポート体制も充実しているので、自信を持って将来の目標に向かって進むことができます。

通信制高校を通じて高卒資格を取得することで、就職や進学の幅が広がります。

なお、就職サポートが手厚い通信制高校については、通信制高校は就職に不利?現在の就職事情と就職におすすめの通信制高校5選を参考にしてください。

まとめ

不登校経験があるからと言って、就職できないということはありません。

しかし、面接で聞かれた際には、不登校の理由や何をしていたかなどをしっかりと説明できるようにしておきましょう。

また、不登校で中卒のままだと、就職の選択肢が狭まってしまいます。通信制高校などを利用して、高卒資格を取っておくことがおすすめです。