不登校に関する悩みの相談先を紹介!不登校の学生が抱えやすい悩みも解説

不登校になる原因はいじめや勉強不振、人間関係などさまざまです。このような悩みを親に打ち明けるのは勇気がいることであり、まずはほかの相談先を探しているという場合も多いでしょう。 本記事では、学校など対面での相談先だけでなく、電話やメールで相談できる相談先も紹介します。

不登校の中学生や高校生が抱えやすい3つの悩み

不登校の中学生や高校生が抱えやすい悩みとしては、次の3つが挙げられます。

  • 人間関係に対する恐怖や不安
  • 卒業への不安や焦り
  • 将来に対する漠然とした不安

中学生や高校生は思春期に入っている年代であり、悩みもその世代特有のもので複雑です。これらの悩みは誰でも抱える可能性があり、結果として不登校になる可能性もあることから、軽視できません。

ここでは、不登校の中学生や高校生が抱えやすい悩みの内容を詳しく紹介します。

1.人間関係に対する恐怖や不安

不登校の中学生や高校生が抱えやすい悩みに「人間関係の恐怖や不安」が挙げられます。

小学生の場合も、人間関係の恐怖や不安といった悩みで不登校になりやすいですが、思春期のど真ん中にいる中学生・高校生は自尊心が強く、繊細になりやすい時期なため、学校で新しい人間関係を構築するのが小学校の頃よりも難しいのです。

「人と接するのが怖い」「いじめられるのではないか」など、人間関係に対して恐怖や不安を抱えやすくなります。

2.卒業への不安や焦り

高校生で不登校が続くと、出席日数が足りず卒業が難しくなります。「成績が悪くて卒業ができなくなる」「出席日数がギリギリ」など精神的に追い込まれると、卒業への不安や焦りが生まれます。

不安や焦りが日々押し寄せることで、不登校になった自分を責めることにつながり、心身のバランスを崩すような事態にも発展しかねません。したがって、卒業への不安や焦りは軽視できない問題なのです。

3.将来に対する漠然とした不安

将来に対する不安も無視できない悩みといえます。思春期に入り少しずつ大人に近づいているのがわかる年代でもあるため、「社会に出てもやっていけるのか」「やりたいことがない自分は大丈夫なのか」などの不安が生じやすいのです。

さらに、中学生であれば「高校入学できるのだろうか」といった不安や、高校生であれば「大学入学できるのだろうか」「就職できるのだろうか」などの不安を感じる場合もあるでしょう。

このように、大人になるという漠然とした恐怖心から将来に対する不安を抱えやすくなるのです。

担任やスクールカウンセラーなどに相談するメリット・デメリット

ここでは、不登校の学生が担任やスクールカウンセラーに相談するメリット・デメリットを紹介します。まず、担任に相談する大きなメリットは、学校復帰に向けた連携が取れることです。

学校生活での子供の様子を把握したり、学校復帰に向けた具体的な対応を検討したりできます。また、保健室登校などの可否や個別授業への対応など、学校復帰に向けた細かいアプローチなども相談可能です。

ただし、どこまで対応してくれるかは担任の力量や学校の方針によって変わります。よって、うまく連携できなかったり、適切に対処してもらえなったりするケースもある点は、担任に相談するデメリットといえるでしょう。

一方、スクールカウンセラーに相談するメリットもあります。スクールカウンセラーは、多感な時期である小中高校生のメンタルヘルスに精通しているため、悩みや不安など本人の話をしっかりと聞き、子供の自尊心を高めながらアドバイスしてくれます。子供が在籍している学校と連携しやすいため、状況に合わせた対応をしてくれるでしょう。

しかし、スクールカウンセラーの力量によっては解決につながらない場合もあります。特に本人の話を聞くことのみを意識しているカウンセラーの場合は「効果的なアドバイスをもらえない」と感じる場合もあるため注意が必要です。

不登校の悩みを電話やメールで相談できる5つの相談先

不登校の悩みを電話やメールで相談できる相談先は次の5つです。

  • 教育相談センター
  • ひきこもり地域指導センター
  • チャイルドライン
  • 子どもの人権110番
  • 24時間子どもSOSダイヤル

都道府県や市区町村、文部科学省などの公的機関をはじめ、民間団体など相談先によって運営元はさまざまです。

不登校の本人だけでなく、親が相談できる機関もあります。また、機関によっては不登校だけでなく、暴力などをはじめとした人権問題の相談にも対応可能です。自分にあった相談先を選べるよう、ここでは相談先ごとの特徴をみていきましょう。

1.教育相談センター

教育相談センターは、都道府県や市区町村が運営している公的機関です。基本的に費用はかからないため、無料で利用できます。

教育相談員や心理・福祉の相談員、言語聴覚士・作業療法士といった専門療法士、医師などの専門家によるカウンセリングを受けられる機関です。教育相談センターを利用したい場合、居住地の市区町村に問い合わせるかインターネットで検索してみてください。

2.ひきこもり地域指導センター

ひきこもり地域指導センターは、社会福祉士や保健士、臨床心理士、引きこもり支援コーディネーターなどが在籍している機関です。地域における引きこもり支援の拠点という役割を担っており、引きこもり支援の情報発信や関係各所とのネットワーク構築も行っています。

学校復帰に向けた支援を受けられますが復帰を前提に話が進むため、アプローチの仕方によっては学校復帰を急かされると感じる場合もあり、注意が必要です。

3.チャイルドライン

チャイルドラインは、18歳までの子供を対象とした電話相談窓口で認定NPOが運営する機関です。ボランティアの大人が相談者の声に耳を傾け、相談者の意見を尊重しながらアドバイスしたり、どうしたらいいのか一緒に考えたりしてくれます。

利用は無料で、名前や在籍校を伝える必要もありません。通常のカウンセリングより相談しやすい点は大きな特徴といえます。

4.子どもの人権110番

子どもの人権110番は、不登校やいじめ、虐待など子供の人権に関わる相談を受けつけている機関です。法務局が運営しており、相談費用はかかりません。

法務局員もしくは人権擁護委員が相談に乗ってくれるのが大きな特徴です。名称に「子どもの人権」と記載されていますが、大人も相談できます。

「家族や友達などに話しにくいけど、自分では解決できない」といった方はぜひ相談してみてください。

5.24時間子どもSOSダイヤル

24時間子どもSOSダイヤルは文部科学省が運営している機関で、夜間休日問わず24時間いつでも相談可能です。相談費用は無料で、家庭では話しにくい内容も相談できるよう設立されました。

「子どもの人権110番」と同じく大人も相談できるため、悩みを抱えて心身のバランスを崩す前に相談してみると良いでしょう。

不登校に悩む場合に環境を変える3つの方法

不登校に悩む場合に環境を変える代表的な方法に次の3つが挙げられます。

  • フリースクール
  • 転校
  • 通信制高校

フリースクールは学校や家庭以外の第3の居場所として注目されている施設で、不登校に対する支援をしてくれます。また、今の学校が不登校の原因となっている場合は転校や、高校生の場合は通信制高校への転入などによって環境を変えることも可能です。

ここでは、それぞれの方法に関する詳しい内容をついて解説します。

1.フリースクール

フリースクールは、不登校になっている子供を支援するための施設です。個人や団体が運営している民間の施設となり、国が指定しているサポートや支援ではありません。

学校や家庭以外の第3の居場所として注目を集めている施設で、勉強のプロによる学習サポートや不登校になってしまった子供のケアを行ってくれます。また、ケアは長年不登校の子供と関わってきた専門カウンセラーが行うケースも多いです。

学校への復帰はもちろん、将来自立した生活を送れるためのアドバイスをもらえる可能性があります。

2.転校

教師や同級生との相性、いじめなどが不登校の原因である場合、転校によって環境を変えるのもひとつの手段です。転校をすれば不登校の原因を解消できるため、学校復帰できる確率が高まります。

ただし、不登校の原因が集団行動への苦手意識だったり、学校そのものが苦手だったりといった場合は、転校は不登校の原因を解消できません。よって、不登校の原因はなにかをしっかりと把握しておく必要があります。

また、環境の変化は必要以上にストレスがかかり、転校してもすぐに順応できないケースもがあることも理解しておきましょう。

3.通信制高校

通信制高校は、不登校や中退、集団生活が苦手など、さまざまな理由で全日制高校に通えない人が通う高校です。全日制高校とは異なり自由に登校日数や登校時間が決められるため、自分のペースで学習できます。

さらに、同じような不安や悩みを持つ人も多く集まっているため、人間関係を構築しやすい点も大きな特徴です。カウンセラーが配置されていたり、経験豊富な教師が対応してくれたりと不安を抱える人でも通いやすいような体制も整備されています。

通信制高校の概要についてもっと知りたい方は、ぜひこちらのページも参考にしてみてください。

>>「通信制高校」とはどんな学校?世界一わかりやすく解説!

自分にとって最適な相談先をみつけよう

不登校に関する悩みは「人間関係に対する恐怖や不安」や「将来に対する漠然とした不安」などさまざまです。学校復帰を目指すには、担任などに相談して学校と連携することが一番ですが、それだけでは状況が好転しない場合もあります。

そこで「教育相談センター」「ひきこもり地域指導センター」など、不登校の悩みを相談できる相談先を活用してみましょう。自分の心の状況を考慮しながら、最適な相談先をみつけることが大切です。