学校でのひとりぼっちを解決するには?主な要因と回避方法などを紹介
公開日:2021年09月13日 更新日:2021年09月13日

学校で周りのクラスメイトと馴染めず、教室にひとりでいる時間が長くなると、「ひとりぼっち」の状況に陥ります。元々コミュニケーションが苦手だったり、ネガティブ思考だったりすると周囲の人と距離ができてしまい、寂しい思いや孤独な思いをするケースもあるでしょう。 ひとりぼっちを解決するには、その要因と回避方法、学校以外の居場所づくりがポイントです。今回は、学校でひとりぼっちになる要因や解決方法について紹介します。
- そもそもひとりぼっちとは?
- 学校でひとりぼっちになる主な4つの要因
- 学校でのひとりぼっちを解決する5つの方法
- 学校以外で自分の居場所を見つける方法
- つらいひとりぼっちを回避する3つの考え方
- 学校でのひとりぼっちを相談できる窓口
- ひとりぼっちは悪いことではない
そもそもひとりぼっちとは?
ひとりぼっちとは、友人や仲間がおらず孤独である様を指します。「ひとりぽっち」「ひとりぼち」と呼ぶ場合もあるでしょう。
学生であれば、学校でひとりぼっちでいる状態を「寂しい」と感じる人もいれば、ひとりぼっちを「気楽で良い」と感じる人もいます。ただし、いずれの場合もひとりぼっちでいる自分を「このままではいけない」と不安に感じる人は少なくありません。
人は少なからず周囲の他人とのつながりを求めるものです。ひとりぼっちでいることへ疑問や不安を持つことは当然といえます。
学校でひとりぼっちになる主な4つの要因
学校でひとりぼっちになる主な要因は「コミュニケーションを避けている」「何らかの劣等感がある」「自己中心的な考えである」「ネガティブな思考」の4つが挙げられます。
自分では気付きにくいこともあるため、どのような要因があるかを正しく理解しておくとよいでしょう。ここでは4つの要因について、それぞれ詳しく解説します。
1.他人とのコミュニケーションを避けている
1つ目の要因は「他人とのコミュニケーションを避けている」です。学校でひとりぼっちになりやすい人は、自分からコミュニケーションを取るのが苦手で、話すきっかけを作るのが難しいと感じています。コミュニケーションが苦手だと感じている人は、以下のような考えを持っている場合が多いです。
- ・クラスの雰囲気は好きだけど、何を話せばよいかわからない
- ・みんなが話している内容が気になるけど、輪の中に入っていけるか不安
- ・仲良くなれそうな人がいたけど、どう話すきっかけを作ればよいかわからずにいる
このように、自分にまったく自信がないと人間関係を作るきっかけを作れず、いい人間関係を築くのが難しくなります。また、ひとりぼっちになるとさらにネガティブな思考に捉われるようになり「自分なんて誰も相手をしてくれない」と思ってしまうことがあるのです。
まずは自分の良いところを見つけ、自己肯定感を高めると良いでしょう。自分が頑張ったことや良かったことを書き出すと、自分の良い点を見つけられるようになります。
2.何らかの劣等感を持っている
2つ目の要因は「何らかの劣等感を持っている」です。自分に自信がなく、他者と比べてしまうタイプをいいます。劣等感を持っている人は、以下のような考え方を持っている場合が多いでしょう。
他者に受け入れてもらう自信がない 話しかけてもつまらないと思われるだろう あの人と友達になりたいけど、自分なんかは釣り合わないと思っているこのように、自分にまったく自信がないと人間関係を作るきっかけを作れず、いい人間関係を築くのが難しくなります。また、ひとりぼっちになるとさらにネガティブな思考に捉われるようになり「自分なんて誰も相手をしてくれない」と思ってしまうことがあるのです。
まずは自分の良いところを見つけ、自己肯定感を高めると良いでしょう。自分が頑張ったことや良かったことを書き出すと、自分の良い点を見つけられるようになります。
3.考え方が自己中心的である
3つ目の要因は「考え方が自己中心的である」です。コミュニケーションを取るとき、自分の自慢話ばかりしたり、相手の話に耳を傾けずに自分の話をし続けたりすると、相手から距離を置かれてしまいます。
一方的なやりとりは自己中心的な行動と見られてしまうため、注意が必要です。自己中心的な人は、その自覚がない場合が多いでしょう。
気付かないうちに、相手を傷つけたり失礼な行為をしたり、相手を遠ざけることをしています。その一方で、自分の気持ちには敏感で、孤独感を強く感じる人ともいえます。
まずは他者がどのような気持ちになるかを考え、自分の振る舞いを客観的に見られるようにしましょう。
4.思考がネガティブになりがち/
4つ目の理由は、「思考がネガティブになりがち」です。消極的な考え方によって、物事がうまくいかなかったり、ネガティブな行動につながったりしてしまいます。
例えば、誰かに話しかけようとしたときに「うまく話せなかったらどうしよう」と考えてしまったとします。すると実際には声をかけられずに、その場が流れてしまうでしょう。
また、ネガティブな思考は行動として現れるため、相手に良い印象を与えません。結果として周囲の人から距離を置かれるようになり、ひとりぼっちになってしまうのです。自分自身の思考が、ひとりぼっちを招く原因といえます。
思考を変えていくのは簡単ではありませんが、小さなことからポジティブ思考に移れるよう意識しましょう。
学校でのひとりぼっちを解決する5つの方法
学校でひとりぼっちになってしまった際、解決する方法として次の5つが挙げられます。
- ・同じひとりぼっちの人を探す
- ・勉強や読書をする
- ・教室以外で授業を受ける
- ・熱中できる趣味やモノを見つける
- ・話しやすい人を探す
今の状況や、とりかかりやすいものから取り入れていくといいでしょう。ひとりぼっちの解決方法に関する内容ついて、詳しく紹介します。
1.休み時間などに同じくひとりぼっちの人を探す/
1つ目は「同じくひとりぼっちの人を探す」です。学校の中でひとりぼっちでいると、孤独を感じたりネガティブな思考が巡ったりしがちです。
しかし、実際にはひとりぼっちでいるのは自分だけではないことがあります。クラス替えや人間関係の変化によって、同じようにひとりぼっちでいる人がいるかもしれません。
周りの人とコミュニケーションを取るのは緊張しても、同じ境遇の人であればコミュニケーションがとりやすいでしょう。うまくきっかけが作れれば、ひとりぼっちを解決して友達になれる可能性があります。休み時間や下校する際などに、声をかけてみてください。
2.ひとりの時間を使って勉強や読書をする
2つ目は「ひとりの時間を使って勉強や読書をする」です。学校の休み時間に友達といないと、周りからは「ひとりぼっちで可哀そう」と思われかねません。
しかし、その時間を活用して勉強する解決法があります。学生生活の中で真剣に勉強できた期間がどれだけあったかによって、進路先や就職先など将来の選択肢が広がるでしょう。
また、ひとりの時間に読書をして過ごすのもおすすめです。教室にひとりでいるのが苦痛だと感じるのであれば、ひとりの空間を確保できる図書室や自習室を活用してみてください。
「ひとりぼっちの時間は寂しい」という考え方ではなく、「ひとりでいるからできること」を探して自分勉強や読書に打ち込み、有意義な時間を持ちましょう。
3.教室以外で授業をうけてみる
3つ目は「教室以外で授業をうけてみる」です。「ひとりぼっち」になりがちな人の多くは、人と接するのが苦手な場合が多いです。
そのため、クラスの大人数の中にいるのが苦痛になってしまう可能性があります。教室以外の居場所として、保健室や相談室などがあり、特定の先生や生徒とのコミュニケーションを通して、徐々にひとりぼっちから人との関わりを広げていけるでしょう。
また、相談室では先生から授業を受けられます。「教室にいないと先生から勉強を教えてもらえない」と思っている人は、相談室で授業を受けたいと相談してみてください。保健室登校や相談室登校は、学校によっては出席日数に含まれます。
進路の選択をする際にも、出席扱いになるかどうかは重要なポイントです。教室でひとりぼっちでいるのがつらいときは、教室以外で過ごすのも選択肢として入れると良いでしょう。
4.熱中できる趣味やモノを見つける
4つ目は「熱中できる趣味やモノを見つける」です。ひとりぼっちでいても、何か熱中できる趣味があったり打ち込めるモノがあったりすると、充実した時間を過ごせます。
それが将来の仕事や得意なことにつながる可能性があります。また、同じ趣味の人が近くにいると、その趣味を通してコミュニケーションが活発にでき、親友になれるかもしれません。ひとりぼっちから脱却できるきっかけにもなるでしょう。
趣味や熱中できるモノを探すのは、ひとりぼっちの解決方法として非常に有効です。まずは自分が好きなことを見つけ、深堀りしてみてください。
5.話しやすい人を探してみる
5つ目は「話しやすい人を探してみる」です。人に話しかけるのは、慣れ親しんだ人でない限り、誰でも緊張するものです。
特に学校のようにクラスが決まっている場合は、コミュニケーションのきっかけ作りができるかどうかが、ひとりぼっちの解決につながります。まずは席が隣の人や、雰囲気が柔らかい人など、自分が話しやすいと感じる人がいたら積極的に声をかけましょう。
きっかけが作れると、そのあとのコミュニケーションも臆せずとれるようになり、ひとりぼっちから脱却できるかもしれません。
学校以外で自分の居場所を見つける方法
ひとりぼっちの人が学校以外に居場所を見つけられる場所として「習い事や塾」「通信制高校」などがあります。また、学校を休むことで新たな居場所を見つけられる場合もあるでしょう。
学校以外で自分の居場所を見つけることができれば、これまでひとりぼっちと感じていた状況に大きな変化を起こせるかもしれません。ここからは、学校以外の居場所を見つける方法について紹介します。
1.習い事や塾などで居場所を探す
学校以外の居場所として、習い事や塾が挙げられます。クラスでは友達を作れずひとりぼっちでいる人も、場所が変わればそこでしか出会えない友達ができる可能性があります。
例えば、同じような進路先を目指す塾であれば、目標に向かって切磋琢磨できる友達と出会えるでしょう。また、習い事では同じような趣味を持っている人が集まるため、気の合う友達を見つけられる場合もあります。学校以外でのさまざまな出会いは、充実した人間関係につながるかもしれません。
ただし学校以外の居場所が見つかっても、学校の登校日数が少ないと進路選択の際にどこにいけば良いか悩むものです。登校日数が少なくても目指せる進路として、次に紹介する通信制高校が選択肢として挙がります。
2.通信制高校に通ってみる
通信制高校は、学校でひとりぼっちでいた人の居場所として選択肢のひとつとして挙げられます。
「人と接することが苦手」といった場合は、特別学級などで授業を受けているケースもあるでしょう。何らかの興味を示すものがあるものの、人と接することが苦手なことが原因で学びの機会を失ってしまう場合も少なくありません。しかし、毎日登校する必要がない通信制高校では不登校という概念がなく、自身が興味を示すものを学びやすい環境があります。
また、通信制高校に通う人の多くは、不登校やひきこもりなどの悩みを抱えています。クラス替えのたびにひとりぼっちにある自分と同じ悩みを抱えていた人もいるでしょう。お互いに悩みを打ち明け、励ましあえる仲間ができれば、かけがえのない友人をつくることも可能です。
3.思い切って学校を休んでみる
学校に行かないといけないと感じ、気持ちが落ち込んでしまう場合は、思い切って学校を休むのも選択肢のひとつです。ひとりぼっちでいるとネガティブな思考が深まり、学校に行くこと自体がつらくなってしまう可能性があります。
落ち込んだ気持ちを回復させるためにも、学校を休んで距離を置くこともおすすめです。周りの目を気にしすぎないで、次に学校に行くための気力を補充しましょう。
回復した後に学校に行ってみるとこれまでとは見える景色が変わり、前向きに学校に向き合えるかもしれません。
つらいひとりぼっちを回避する3つの考え方
ひとりぼっちでつらい思いをするのを回避するには「強局的な考え方をやめる」「相手の話を受け入れる」「相手の立場を考える」などの方法が挙げられます。他者と円滑な人間関係を築けるようにするには、根本的な考え方を変える意識を持つことが重要です。
自分自身の考え方を変えることで、物事の捉え方も変わります。ここでは、ひとりぼっちを回避する考え方について、詳しく解説します。
1.消極的な考えをやめる
1つ目は「消極的な考え方をやめる」です。先ほど、ひとりぼっちになる原因として「ネガティブ思考」を挙げました。
消極的な考え方は、周囲の人々から距離を置かれてしまうことにつながります。消極的な考え方を持っている場合は、意識的にポジティブな考えに切り替えるとよいでしょう。
いきなり自分の考え方を真逆にするのは難しいですが、小さなことから考え方を変える習慣をつけると効果的です。自分の行動に対して「きっと大丈夫」と言い聞かせると、おのずと自信がつきます。
自信がつけば行動が変化して、ポジティブな関わりを持てるようになるでしょう。ネガティブな考えをポジティブな考えへ変換すれば、ひとりぼっちを脱却するきっかけをつくれるかもしれません。
2.相手の話を受けいれる
2つ目は「相手の話を受け入れる」です。コミュニケーションがとにかく苦手な人は、相手に話しかけるときに何を話したらよいか悩む場面も多いでしょう。
話しかけるきっかけが作れても、話が展開されなければ自信を失ってしまいます。コミュニケーションが上手く取れない人は、まず相手の話を聞く姿勢を意識しましょう。
相手に興味を向ければ、その人の話を聞きたいと意識しやすくなります。自分から何か話さなければと思わず、関心を向けていると伝わる「聞き上手」になると好印象です。
そのため、相手に嫌な思いをさせずに円滑なやりとりができるようになります。相手の話を受け入れれば好感を得やすくなり、信頼関係を構築できるでしょう。
3.相手の立場で物事を考える
3つ目は「相手の立場で物事を考える」です。ひとりぼっちになりがちな人の特徴の一つに、自己中心的で相手の話を聞かないことが挙げられます。
自分の話ばかりで一方的なコミュニケーションを取る人は、「この人と話しても面白くない」と相手から敬遠されかねません。また、自己中心的な振る舞いをしていると、直接関わっていない人からの印象も悪くなってしまいがちです。
これらの問題からひとりぼっちになるのを回避するために、相手の立場で物事を考えるように意識しましょう。相手の立場を考えた言動をできるよう、気を配って物事を考える癖をつけると、周りもその変化に気付きます。
その結果として、自己中心的な人という印象からやさしい人と思われるようになり、しだいに周りに人が戻ってくるでしょう。相手に対してやさしい言動をすることが、ひとりぼっち回避のために必要な考え方といえます。
学校でのひとりぼっちを相談できる窓口
学校内にひとりぼっちでいて、悩んでいるときに相談できる窓口は「公的相談窓口」「SNSの相談窓口」の2つです。どちらもうまく活用して、寂しさや不安感を相談できると解決方法を見つける糸口となる可能性があります。
「他人に相談しても何も変わらない」と思っている方も多いかもしれません。しかし、まずは自分の考えや悩みを打ち明けることから、さまざまな変化が起こるケースも少なくないのです。ここでは、それぞれ相談窓口の特徴について紹介します。
1.公的相談窓口
公的相談窓口は、地域や専門機関で相談できる窓口を差します。相談相手はカウンセラーや教員など、子供の悩みに詳しい人が対応してくれるため、問題解決につながりやすいでしょう。代表的な公的相談窓口は、以下の通りです。
- ・学校(担任、スクールカウンセラー)
- ・教育相談室(教育相談員、発達相談員)
- ・ひきこもり地域支援センター(社会福祉士、臨床心理士)
- ・児童相談所(カウンセラー)
- ・教育センター
- ・民間の不登校支援団体
また、直接相談しに行くのは抵抗がある人に向けて、電話相談をしている相談窓口もあります。以下のダイヤルは、子供の相談を全般的に受けている場所です。
- ・24時間子供SOSダイヤル(文部科学省)
- ・ヤング・テレホン・コーナー(警視庁)
- ・子供の人権110番(法務局)
- ・児童相談所(カウンセラー)
- ・教育センター
- ・民間の不登校支援団体
このように直接相談するか、電話で相談するかを選択できるのが、公的相談窓口の特徴といえます。
2.SNSによる相談窓口
SNSを活用した相談窓口は、2020年から本格的に始動した相談先として注目されています。学生にもなじみ深いSNSは上記の公的相談窓口への相談より敷居が低く、相談のしやすさが特徴です。
厚生労働省で紹介されている相談窓口は、主要SNS(LINE、Twitter、Facebook)を活用しており、年齢や性別問わず相談できる先となっています。中には、18歳以下の子供のためにつくられたチャット相談窓口もあるほどです。
「小さなことだけど相談したい」と思っている人に、ぴったりの相談先といえるでしょう。
ひとりぼっちは悪いことではない
ひとりぼっちでいるのは、決して悪いことではありません。学校でひとりぼっちでいても、学校以外の場所で新しい仲間ができれば充実した人生につながるからです。
また、ひとりでも熱中できる趣味や目標があれば、それは自分にとって価値のあるものとなります。しかし、学校でひとりぼっちになっている人の大半が、それを恥ずかしいと思って誰かに相談しづらいと感じ、「誰かに話してもしょうがない」とネガティブに考えてしまうこともあるでしょう。
ひとりぼっちでいる寂しさやつらさを抱えているのであれば、その悩みを誰かに相談することで解決に向かう可能性があります。電話相談やSNSの相談など、気軽に話せる窓口もその方法にひとつです。
悩みを打ち明けると、思わぬ解決方法と出会い、ひとりぼっちを解消できるかもしれません。ひとりで抱え込まずに相談して、前向きに人との関係づくりについて考えていきましょう。