高校の出席日数が足りない!? 留年しそうなときの対策

高校生活を送る上で、意外と見落としがちなのが「出席日数」です。進級や卒業には一定の出席日数が必要で、足りないと留年になってしまう可能性があります。この記事では、高校生活における出席日数の重要性や、出席日数が足りなくて留年しそうな場合の対策などを紹介します。出席日数が足りなくて不安な人はもちろん、将来の進路選択に役立てたい人もぜひ読んでみてください。

高校生活における「出席日数」とは

授業への出席日数を満たしていることは、進級・卒業の要件のひとつです。しかし、全体の出席日数で判断する学校もあれば、科目ごとの出席日数で判断する学校もあるため、学校によって基準は異なります。

学校側としては、生徒の体調不良やケガ、入院、停学処分などを理由とした欠席を見越して、余裕を持った授業を行っています。しかし、1年を通して3分の1以上の授業を受けなかった教科や科目では、進級や卒業に必要な単位を得られません。

出席日数が足りない場合には、夏休みの補講などで救済してくれる場合もありますが、すべての学校がそのような救済措置を取ってくれるわけではないので注意が必要です。

 

進級・卒業に必要な出席日数

高校では、出席日数に関する明確な定めはありません。各都道府県の教育委員会が定めた基準に基づいて、各学校が独自に設定しています。

多くの全日制高校では出席すべき日数の「3分の2以上」を基準としていますが、より厳しい基準では「4分の3以上」としている学校もあるようです。遅刻や早退のカウント方法も異なるため、学校側にしっかり確認しておく必要があります。

不登校の場合の出席日数はどうなる?

不登校になってしまった場合、欠席日数がどんどん増えていくことに焦りや不安があるでしょう。しかし、文部科学省による不登校生徒支援の一環として、「学校外の公的機関や民間施設で相談や指導を受けている場合、その学習状況等を評価し、指導要録上の出欠扱いとする」という通知が出されています。

要するに、学校から認められているフリースクールなどの施設に通っていて、一定の条件をクリアできれば「出席扱い」として認められるのです。学校には行きたくないけれど、ほかの場所で勉強や友達作りがしたいという場合は、担任の先生や親に相談してみることをおすすめします。

【参考】
「不登校児童生徒への支援の在り方について(通知)」(文部科学省:令和元年10月25日)
高等学校における不登校生徒が学校外の公的機関や民間施設において相談・指導を受けている場合の対応について(文部科学省:平成21年3月12日)

出席日数が足りず、留年しそうな場合の対策

この記事を読んでいる時点で、すでに出席日数がギリギリだったり、出席日数が足りなくて留年が決定していたりすることもあるかもしれません。留年せずに卒業する方法はいくつかありますが、状況によって難易度が異なります。

1. 追試や補習で単位を取得する
多くの高校では、留年が確定する前に追試や補習の機会が設けられています。これらの試験で必要な単位を取得できれば、留年せずに進級できる可能性があります。

2. 定時制高校に転校する
定時制高校は全日制高校よりも始業が遅く、夕方や夜間に授業が行われるため、起立性調整障害などで早起きが苦手な人には良い選択肢となるでしょう。留年した科目のみを履修することで、留年せずに卒業できる可能性があります。

3. 通信制高校に転校する
通信制高校では単位制を採用しており、自分のペースで学習を進めることができます。こちらも定時制高校同様、留年した科目のみを履修することで、短期間で卒業できる可能性があります。

通信制高校には、全日制高校とは異なる特徴がほかにもたくさんあります。今の高校で苦手なことがあっても、克服しやすい環境が用意されていると言ってもいいかもしれません。

通信制高校とは?

一般的な全日制高校では「学年制」が導入されており、取得すべき単位が1年ごとに決まっています。前述の通り、出席日数が足りなかったり、成績が一定の基準を満たしていなかったりして単位をひとつでも落とすと留年が決定。つまり、同じ学年をもう一度やり直さなければなりません。

しかし、通信制高校では「単位制」という仕組みが取られているため、3年以上在籍し、卒業要件である74単位以上を修得すれば卒業できます。最終的に卒業に必要な単位数を修得できればいいので、学年制での留年という概念が存在しないのです。

もし、通信制高校に興味を持ったら、実際に通信制高校に通っていたり、卒業したりした人の体験談を読んでみてください。出席日数が足りなくなってしまった理由は人それぞれですが、留年・退学の危機を乗り越えたリアルな声があなたの進路選択にきっと役立つはずです。

出席日数が足りなくても高校生活をやり直せる!通信制高校への転入体験談

■全日制にこだわらなくていいと思ったら気が楽になりました。長い人生、少しくらいは回り道してもいい
<この体験談のポイント>
部活の顧問との関係やクラス替えで友人と離れたことなど、さまざまなことがきっかけで不登校に。最初は全日制の高校でもがんばれると思っていたけど、気持ちも身体も辛かった。全日制にこだわる必要がないと思うと気が楽になり、同じように高校卒業資格を貰える通信制高校に通うことを決めました。
⇒体験談を読んでみる

■選択権は子どもにある。親はいつでも「大丈夫!」とサポートを。
<この体験談のポイント>
留年が決まり不登校になってしまったが、同級生と同じタイミングで卒業して大学進学を望んでいました。通信制高校への転入を検討するなら、パンフレットやHPを確認し、疑問点は電話で問い合わせて、学校の見学へ行き実際に目で見て感じることが重要です。選択権は子どもにあることを忘れず、親はいつでも「大丈夫!」と子どもをサポートしてあげてほしいです。
⇒体験談を読んでみる

■全日制高校進学が当たり前ではない。多種多様な選択をしてもいいことを、先生や親が柔軟に対応してあげることで救われる子供がいる
<この体験談のポイント>
全日制高校へ進学後、2学期から不登校になりました。転校前は引きこもりがちで毎日イライラしていましたが、通信制高校へ通い出したら肩の力が抜けて親子共々落ち着きました。全日制高校進学が当たり前ではなく、多種多様な選択をしてもいいんだよと、先生、親がシフトチェンジできる柔軟性があれば、悩んでいる子供たちは救われると思います。
⇒体験談を読んでみる

このように、出席日数が足りなくても高校生活をやり直すチャンスがあります。通信制高校に興味を持ったら、以下のページも参考にしてみてください。

⇒転入・編入がいつでもできる学校まとめ
⇒入学(転入・編入)に関するお悩み相談

最後に

通常であれば、出席日数が足りなくなる前に先生から声掛けがあるはずなので、その時点で今後の方針を考え始めておくのがベストです。しかし、体調や心の問題を抱え、学校のことを考える余裕がなくなってしまうこともあるでしょう。留年してもう1年やり直すか、ほかの手段を取るかは、先生や家族としっかり話し合って後悔のない決断をしてください。