広域通信制高校とは?狭域通信制高校との違いや特長、注意点

通信制高校を検討していると、「広域通信制高校」「狭域通信制高校」という言葉を目にすることがあるのではないでしょうか。 通信制高校は学校によって、入学できる地域が限られている場合があります。 この記事では、広域と狭域の違いや、広域通信制高校の特長について解説します。

通信制高校には広域と狭域がある

通信制高校は「広域通信制高校」と「狭域通信制高校」の2種類に分かれます。

住んでいる地域によって入学できる学校に制限があり、広域と狭域は、入学を受け入れられる地域の広さを表しています。つまり、広域と狭域では「通学範囲」が異なるということです。

広域と狭域で、取得できる高校卒業資格に違いはありません。

広域と狭域の違いは、下表の通りです。

  広域 狭域
入学可能な地域 3都道府県以上 学校の所在地と
隣接した1都道府県
公立・私立 私立がほとんど 公立がほとんど

例えば、第一学院高等学校やN高等学校は広域通信制高校で、全国にキャンパスがあり、47すべての都道府県から通うことができます。

一方、広域通信制高校でも、通える地域に制限がある学校もあります。受け入れ地域は、学校によって異なるので、志望校に確認するようにしましょう。

なお、基本的には、「私立は広域」「公立は狭域」と考えて大丈夫です。

私立は広域通信制高校が多い

広域通信制高校は、3つ以上の都道府県から、生徒を募集できる通信制高校です。

私立の通信制高校の多くは広域通信制高校です。学校の規模にもよりますが、全国から生徒を募集している学校もあります。

広域通信制高校は、学校の所在地以外にも、スクーリングを行える施設を持っている、まとめてスクーリングができる宿泊施設がある、インターネットを活用して授業を行うなど、積極的にスクーリングの負担を軽くする試みを採用しています。

公立はほぼ狭域通信制高校

狭域通信制高校は、学校のある県と隣接するひとつの都道府県から生徒を募集する通信制高校です。

公立の通信制高校はほぼ狭域通信制高校です。公立の広域通信制高校は、大分県立爽風館高等学校通信制のみです。しかし、この学校も募集地域は3地域のみなので、実態は狭域通信制高校とほぼ変わりません。

広域通信制高校と比べて、スクーリングの施設が少なく、中には本校でしかスクーリングができない通信制高校もあります。

広域通信制高校の特長

広域通信制高校の主な特長は、以下の通りです。

  • 希望校を選びやすい
  • スクーリングの拠点が多い
  • スクーリングの回数が少ない
  • カリキュラムが充実している

希望校を選びやすい

広域通信制高校は全国から生徒を募集している学校もあるため、選択肢が広いという特長があります。

自宅の近くに限らず、全国のさまざまな学校から自分に合った学校を選べるという利点があります。

スクーリングの拠点が多い

広域通信制高校では、スクーリングの拠点が全国各地にあります。

これにより、生徒は自宅から近い場所でスクーリングを受けることができるため、通学にかかる時間や費用を軽減できます。

例えば、N高等学校・S高等学校 ・R高等学校は、全国100のキャンパスがあり、どこに住んでいても通うことができます。

スクーリングの拠点が多いことで、柔軟な学習が可能となり、学業と他の活動を両立しやすくなっています。

スクーリングの回数が少ない

スクーリングの頻度が多いと、自宅が遠い人は、負担に感じることもあるでしょう。

広域通信制高校の中には、スクーリングの回数が少ない学校もあります。

長期休暇中に集中してスクーリングをする集中型や、合宿型のスクーリングを採用している学校もあります。

そのため、自分のライフスタイルに合った学習方法を選ぶことができます。

カリキュラムが充実している

広域通信制高校はほとんど私立校のため、各校さまざまな特長を打ち出しています。

学校ごとのカリキュラムや教育方針も多様なため、自分の学びの目的やスタイルに合った学校を見つけることができます。

例えば、大学進学に強い学校や、専門的な知識や技術を学ぶ学校、スポーツプログラムが充実している学校や、アートや音楽に力を入れている学校など、幅広い選択肢があります。

このように、広域通信制高校は、自分の興味や将来の進路に合わせた学校選びが可能です。

広域通信制高校の注意点

広域通信制高校はメリットも多いですが、いくつか注意点もあります。これらの注意点を理解して、最適な学校選びをしましょう。

  • 教師1人あたりの生徒数が多いことがある
  • 選択肢がほぼ私立のみ

教師1人あたりの生徒数が多いことがある

広域通信制高校では、全国からたくさんの生徒を受け入れています。学校によって教師1人がかかえる生徒数は異なりますが、教師1人あたりの生徒数が多いことがあります。

通信制高校で学習を進めるために、学校は万全のサポート体制を整えていますが、人によっては「十分でない」と感じることがあるかもしれません。

ただし、学校の規模や運営方針によっても差があり、個別指導に力を入れている高校もあります。

手厚いサポートが必要だと思う場合は、先生との面談頻度や、気軽に相談できるかなどを確認するようにしましょう。

選択肢がほぼ私立のみ

前述の通り、広域通信制高校の選択肢はほぼ私立です。

私立の通信制高校は幅広い選択肢があるものの、公立と比べて学費が高くなる傾向にあるため、経済的な負担が増えることがあります。

特に、家計に負担をかけたくない場合や経済的に余裕がない場合は、その点を考慮する必要があるでしょう。

広域通信制高校の選び方

広域通信制高校を選ぶ際には、学習スタイル、経済面、サポート体制など、自分に合った条件を考慮することが重要です。

学習スタイルで選ぶ

広域通信制高校を選ぶ際には、自分に合った学習スタイルを考慮することが重要です。

広域通信制高校は、スクーリングが少なく、自宅学習を基本とする学校も多いです。

自分自身でモチベーションを持って学習に取り組めるのであれば、このような学校を選んでも良いでしょう。逆に、定期的な通学を希望する場合は、自分が通いやすい拠点がある学校を選びましょう。

学費で選ぶ

公立高校の場合、学校によって学費はほとんど変わりませんが、広域通信制高校はほぼ私立なので、授業料や教材費が学校によって異なります

そのため、各学校の授業料や関連費用を事前に確認することが重要です。

奨学金制度や分割払いプランなど、費用の支払いに関するオプションを提供している学校もあるので、合わせて確認しましょう。

サポート体制で選ぶ

サポート体制も学校によってさまざまです。サポート体制が充実している学校では、学習の相談や進路指導、生活面でのサポートを受けることができます。

通信制高校の学習は、自分一人で進めることが多いため、必要なときにサポートを受けられる環境が整っていると安心です。

例えば、学習相談に関しては、オンラインで教師やカウンセラーとつながれるシステムがある学校を選ぶと良いでしょう。進路指導についても、定期的な面談を行ってくれる学校を選ぶことで、自分の目標に向かって適切なアドバイスを受けることができます。

また、心理的なサポートが必要な場合の対応や、特別なニーズを持つ生徒に対しての支援体制についても確認しておくと良いです。

資料請求できる広域通信制高校一覧

主な広域通信制高校の一覧については、こちらの学校一覧ページにまとめています。

気になった学校があれば、資料請求もできるのでチェックしてみてください。

まとめ

広域通信制高校は、地域に縛られずに全国からの入学が可能な通信制高校です。

希望校を選びやすい、カリキュラムが充実しているなどの特長がある反面、広域校はほぼ私立なので学費が高いなどのデメリットもあります。

通いたい通信制高校を選ぶときは、学習スタイルやサポート体制などを確認し、自分に合った学校を探しましょう。オープンキャンパスなどの学校を見学できる機会があれば、実際に足を運んで、よく確認しましょう