通信制高校卒業後の進路が不安なあなたへ ~大学進学や就職に与える影響とは~
公開日:2018年02月14日 更新日:2023年10月04日
通信制高校に対して、ネガティブなイメージを持つ人は少なくありません。そのため、通信制高校の出身であることが、将来、大学進学や就職で不利になるのではと不安に思う人もいます。実際のところ、通信制高校の出身であることは不利になるのでしょうか。通信制高校卒業後の進路状況から確認してみましょう。
通信制高校の進路状況
通信制高校の出身は進路にどのような影響があるのか実際のデータを確認してみましょう。
2022年(令和4年)度の学校基本調査によると、2021年(令和3年)度間の通信制高校の卒業生は70,993人で、卒業後の進路は以下のとおりでした。
進路 | 人数 | 比率 |
---|---|---|
大学 | 16,422人 | 23.1% |
専修学校(専門課程) | 16,858人 | 23.7% |
専修学校(一般課程) | 1,246人 | 1.75% |
公共職業能力開発施設等 | 633人 | 0.89% |
就職者等 | 13,870人 | 19.5% |
その他 | 21,964人 | 30.9% |
通信制高校に偏見を持つ人は少なくない
「高校を中退してしまった」「中学で不登校だった」「受験で全日制高校に落ちて、仕方なく」といった理由で通信制高校に進学する人もいます。そのため、通信制高校に対してネガティブなイメージを持つ人は少なくありません。
しかし、通信制高校は単なる通過点でしかありません。社会に出れば、重視されるのは最終学歴です。大学や専門学校に進学すれば、それがあなたの最終学歴となり、どこの高校に通っていたかを問われる機会はほとんどありません。
もし、通信制高校出身者だと知られても、大学や専門学校に進学していれば、コンプレックスをバネにして、頑張ったという証となり、むしろあなたに対する評価は高くなるでしょう。通信制高校に対して世間に偏見があったとしても、高校卒業後の進路次第でいくらでも挽回することができるのです。
通信制と全日制の卒業証書が同じ学校もある
通信制高校の中には、特徴的な名前の学校があります。そのため、履歴書に卒業校を記載すると、通信制高校出身だとわかってしまうケースがあります。世間の偏見を心配して、通信制高校出身だと知られたくないという人は不安に思うかもしれません。しかし、通信制高校の中には、併設の全日制高校と同じ学校名の卒業証書が得られる学校があります。そういった学校であれば、学校名から通信制高校出身だと知られることはありません。
また、通信制の高校卒業資格であっても、全日制高校の卒業資格とまったく違いはありません。全日制と同じように大学や専門学校へ進学できますし、高卒以上が条件の求人に応募することもできます。
よく誤解されるのが高卒認定試験との違いです。高卒認定試験は高校卒業と同等の学力があるということを証明するもので、最終学歴は高校卒業ではなく、中学卒業となります。高校卒業資格を得られる通信制高校とはまったく異なります。
通信制高校に通っていたことをプラスにする
通信制高校に通っていたことをネガティブに捉えてしまうこともありますが、通信制高校に通うことで以下のようなメリットがあります。
- 人間関係の構築
- 専門知識やスキルの習得
- 自己管理ができるようになる
それぞれ解説します。
人間関係の構築
通信制高校には、不登校や高校中退など、さまざまな経験をしている生徒がいるため、人の気持ちを理解してもらいやすい環境にあります。中学ではクラスで孤立していたのに、通信制高校に通うようになってから、友達ができたという人も大勢います。
通信制高校に通って対人関係に自信をつけることができれば、社会に出てからも人間関係をうまく構築できるようになるでしょう。
専門知識やスキルの習得
全日制高校と違い、通信制高校は自由な時間が多いというメリットがあります。その分、専門的な分野の勉強をしたり、スキルの習得のために時間を使ったりすることが可能です。また、学校によっては、ゲーム、アニメ、音楽、ダンスなどのコースがあり、全日制高校では学べないような専門知識や技術を身に付けられます。そのため、あえて自由な時間を確保できる通信制高校を選択している人たちもいるほどです。なかには、通信制高校卒業後、第一線のプロフェッショナルとして活躍し、高い評価を得ている人もいます。
自己管理ができるようになる
通信制高校は単位制を取り入れているため、卒業までに必要な単位の取得を自分のペースで進めていくことができます。しかし、自由な時間もあり、自分のペースで進めていくことができるがゆえに卒業まで3年以上かかってしまう人も少なくありません。3年間で卒業したい場合は、時間をどのように使い、勉強をどのように進めていくのか計画を立てる必要があるため、自然と自己管理ができるようになります。
通信制高校に通う際に気を付けるべきこと
通信制高校は自分のペースで勉強を進められたり、通学する日数を選べたりとメリットが多くありますが、気を付けなくてはいけないことがいくつかあります。
- 自分に合った通信制高校を選ぶ
- 自己管理を徹底する
- わからないところを放っておかない
それぞれ解説します。
自分に合った通信制高校を選ぶ
通信制高校はそれぞれ特徴が異なります。例えば、通学日数を選べる、オンライン学習がある、専門教育を学べる、大学進学のサポートがある、精神的なサポートがあるなど、学校によってさまざまです。自分はどんな環境で勉強をしたいのかをしっかり考え、自分に合った学校を選びましょう。
選び方としては、まず気になる学校の資料をなるべく多く集め、オープンキャンパスや相談会などに行ってみると良いでしょう。相談会などに参加し、疑問に感じていることや不安に思っていることを質問してみるのもおすすめです。
通信制高校の説明会・相談会・オープンキャンパスの注目ポイント
自己管理を徹底する
通信制高校は、自分のペースで勉強を進めていけるメリットがありますが、ペース配分や学習時間の確保をきちんとしておかないと、3年で卒業する予定でもそれ以上にかかってしまう可能性があります。
目指している年数で卒業するには1年でどのくらいの単位を取得するべきか、そのためにはどのような配分で勉強を進めていくのかなど、自己管理を徹底しましょう。
わからないところを放っておかない
自宅学習だとすぐに解決できないところが出てきます。その場合、すぐに先生に質問できる環境にないため、放っておいてしまい、どんどんわからなくなってしまうケースがあります。
自宅学習に対してどのようなサポートがあるのかをあらかじめ調べておき、放っておかずにその都度解決するようにしましょう。
自分の希望する進路を実現できる学校を探そう
通信制高校にはメリットがたくさんあります。自分の希望する進路を実現するにはどのような学校で学ぶのが良いのかをしっかり調べておくのがポイントです。
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